年金・保険関連
更新日:2024年2月1日


高額介護サービス費とは
介護サービスの利用料は費用の1割~3割ですが、それでも月額利用料が高額になるときがあります。

高額介護サービス費とは、介護サービスの利用料が以下の表に示す負担限度額を超えたとき、超えた金額が介護保険から支給される制度です。

個人あるいは世帯の所得に応じて、1ヶ月に支払う介護サービス費用の限度額が決められています。

世帯の収入によって上限が変わる?

公的年金等の収入には非課税年金(障害年金・遺族年金など)は含みません。
※その他の合計所得金額は、公的年金等の収入以外の合計所得金額。
※参照:厚生労働省サービスにかかる利用料



夫婦二人暮らしで本人の年金収入が80万円超えだと上限はいくら?
たとえば65歳以上の夫婦2人暮らしの世帯で本人の公的年金等の収入が80万円超えとしたとき、介護サービスの利用料の上限は月額24,600円になります。月額24,600円を超えたぶんについては高額介護サービス費として介護保険からキャッシュバックされます。



高齢の親と同世帯であり、世帯に住民税が課税されている方がいる場合
たとえば65歳以上の親と一緒に住んでおり、あなたがサラリーマン(年収770万円未満)とした場合、介護サービスの利用料の上限は月額44,000円になります。月額44,000円を超えたぶんについては高額介護サービス費として介護保険からキャッシュバックされます。

では次に、介護サービスの利用料の上限をシミュレーションして下記で説明していきます。


介護サービスの利用料の上限シミュレーション
介護サービスの利用料の上限がどんな場合に適用されるのかシミュレーションをしてみましょう。

たくさん介護サービスを利用する予定の方は、世帯収入や介護度によって利用料の上限がどう変わるのかチェックしておきましょう。

例①介護サービスが1割負担の方の場合

たとえば夫婦2人暮らしでどちらも要介護度3、高額介護サービス費の上限が24,600円である世帯が介護サービスを利用した場合でシミュレーションしてみましょう。
※要介護度3の支給限度額は約270,000円です。
要介護度とは介護される方の状態を示すもので、その程度によって分けられています。要介護度の目安については要介護度のめやすを参照。



シミュレーション①
夫婦ともに介護サービスを利用し、1ヶ月の利用料が1割負担で各20,000円だとします。この場合は1ヶ月の利用料は合わせて40,000円ですが、高額介護サービス費によって1か月の上限が24,600円となっているため、差額の15,400円についてはキャッシュバックされます。

例②介護サービスが2割負担の方の場合

たとえば夫婦2人暮らしでどちらも要介護度3、高額介護サービス費の上限が44,400円である世帯が介護サービスを利用した場合でシミュレーションしてみましょう。
※要介護度3の支給限度額は約270,000円です。
要介護度とは介護される方の状態を示すもので、その程度によって分けられています。要介護度の目安については要介護度のめやすを参照。



シミュレーション②
夫婦ともに介護サービスを利用し、1ヶ月の利用料が2割負担で各40,000円だとします。この場合は1ヶ月の利用料は合わせて80,000円ですが、高額介護サービス費によって1か月の上限が44,400円となっているため、差額の35,600円についてはキャッシュバックされます。

では次に、支給限度額を超えた場合について下記で説明していきます。ずっと安いわけではありません。


支給限度額を超えたぶんは高額介護サービス費の適用外?
「介護サービスの利用料には上限があるし、料金を気にせずたくさん利用しちゃおう。」と考えている方は注意してください。

高額介護サービス費は支給限度額を超えたぶんについては対象外となり、全額自己負担となります。

介護サービスを1割~3割負担で利用できる金額には限度があり、これを超えた利用料については全額自己負担となります。

全額自己負担となった金額については高額介護サービス費の対象外になってしまうのです。
※支給限度額の範囲内なら1割~3割負担で介護サービスを利用できる。これについては介護サービスの利用料を参照。

以上のように、高額介護サービス費があるからといってたくさん介護サービスを利用したらとんでもない金額が全額自己負担になってしまうかもしれません。しっかり限度額のことを考えて介護サービスを利用しましょう。

また、別世帯の親と同居して扶養する予定の方は注意しなければいけないポイントがあります。

親が介護と無縁なくらい元気なら問題ありませんが、介護サービスを利用するくらいの状態の場合は同居して扶養するとデメリットが大きくなってしまう可能性があります。親を扶養しようと考えている方はチェックしておきましょう。