高額療養費制度をわかりやすく説明。医療費100万が約9万になる?

2024.03.25 更新

「大きなケガや病気を治すのに医療費が100万円もかかったが、こんな金額支払えない…」皆さんにもそんなことがいつか起こるかもしれません。でも安心してください。高額な医療費の負担を軽くしてくれる制度を国はちゃんとつくってくれています。この記事では高額療養費制度についてわかりやすく説明していきます。

この記事の目次

高額療養費制度こうがくりょうようひせいどとは?

高額療養費制度とは、「支払う医療費が高額になったとしても支払う金額に上限をつくってくれる制度」です。重い病気を患ったときなどに味方になってくれる制度です。

あなた自身やあなたの家族に何が起こるかわかりません。万が一のときのためにこの制度を知っておきましょう。
※高額療養費制度を利用するときは自分の住所の市区町村に申請をする必要があります。

高額療養費制度はこんな制度です
たとえば1か月の医療費が100万円になってしまった場合、健康保険などで3割負担(30万円)になるとはいえ高額な支払いになってしまいます。

しかし、この制度を利用すれば支払う金額に上限が設定されるため、高額な支払いをせずにすみます。
※歯列矯正やホワイトニングなどの歯科の自費診療、入院時の食費や個室等の差額ベッド代などの保険適用外となる料金は全額自己負担となるので注意してください。
高額療養費の計算式

※参照:厚生労働省高額療養費制度を利用される皆さまへ

※現役並み所得者や低所得者などの区分については所得区分を参照。
※多数回該当とは:同一世帯で1年間(診療月を含めた直近12か月)に3回以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目からは自己負担限度額の引き下げが適用される。

1か月の医療費が100万円かかった場合は?

70歳未満で年収約370~770万円の方
病気の治療で一か月の医療費が100万円かかる場合。患者自身が実際に支払う金額は1ヶ月あたりの自己負担限度額87,430円となります。

80,100円 + (1,000,000円1か月の医療費-267,000円) × 1% = 87,430円自己負担限度額
※計算式は上記の表を参照。
※上記の条件の場合、70歳以上も同様です。


70歳未満で年収約370未満の方

病気の治療で一か月の医療費が100万円かかる場合。患者自身が実際に支払う金額は1ヶ月あたりの自己負担限度額57,600円となります。
※計算式は上記の表を参照。
住民税非課税の方を除く。
※上記の条件の場合、70歳以上も同様です。


70歳以上で所得0円などの低所得者の方

病気の治療で一か月の医療費が100万円かかる場合。患者自身が実際に支払う金額は1ヶ月あたりの自己負担限度額15,000円となります。
※計算式は上記の表を参照。
申請方法は?

病院窓口で医療費を支払ったあと、高額療養費の申請をおこなってください。自分が加入している保険組合に申請しましょう。

申請後、限度額を超えたぶんが払い戻しされます。ただし、払い戻されるまで3か月程度かかるため、下記のように事前申請するのがおすすめです。

事前に申請することもできます。事前に申請すると「限度額適用認定証」を交付されます。病院窓口で支払いをするときに限度額適用認定証を提出すれば、あなたが窓口で支払う料金は「自己負担限度額ぶん」で済むことになります。
※参照:厚生労働省高額療養費制度を利用される皆さまへ


申請方法をさらにくわしく
限度額適用認定証をもらうには、たとえば国民健康保険ならお住まいの市区町村で申請することになります(市区町村HPから申請書を印刷して郵送するのも可能)。
健康保険なら保険証に記載されている保険組合HPから申請書を印刷できます(記入後に郵送すればOK)。
※申請書には自分の氏名等を記入します。難しい内容はありません。
※70~74歳で区分が「現役並み所得者(年収1160万以上)」および「一般所得者」の場合 → 「高齢受給者証」を提示することにより、窓口での支払いが上表の自己負担限度額までとなるため、限度額適用認定証は必要ありません(75歳以上の場合は申請書の提出が必要です(初めての1回のみ。2回目以降は申請不要))。


マイナンバーカードを保険証と紐づけしている場合、書類を提出して申請しなくても、マイナンバーカードを病院窓口で提示すれば自動的に高額療養費を受けることができます(マイナ受付に対応している医療機関のみ)。
※いちいち申請しなくていいので便利です。なので、こっちの方法を主流にすることをオススメします。

この制度があるということを知っておけば、重い病気にかかってもお金に関しては必要以上に不安にならずに済むと思います。

自分が高額療養費を利用するときになった場合に、自己負担限度額がどれくらいになるかシミュレーションしておくことをオススメします。