医療保険とは病気やケガをしたときにかかる医療費を安くしてくれたり、お金を支給してくれたりするものです。
ここで説明する健康保険などの「医療保険」は、保険料や税金等をもとに運営されている公的保険(社会保険)のうちのひとつです。
※この記事では公的医療保険について解説しています。
※そのほかの公的保険については→社会保険とは?
※自分で契約して加入する民間の保険については社会保険と民間保険の違いを参照。
医療保険があるおかげで安い料金でだれでも良質な医療を受けられる仕組みになっています。
※医療費の1割~3割の料金で医療を受けられます。
保険とは「保険料をはらっておき、万が一何かがあったときにお金などを支給してもらう」ものです。
保険のしくみ
➊リスクにそなえて国民があらかじめお金(保険料)を出し合う。
➋リスクに見舞われたひとに必要なお金やサービスが保険から支給される。
では次に、4つの医療保険について下記で説明していきます。すべてのひとは必ずどれかに加入することになります。
日本に住んでいる人は医療保険※に加入しなければいけません。赤ちゃんだとしても医療保険に加入することになります。
※生活保護を受けている方は医療扶助。
日本では
※参照:厚生労働省我が国の医療保険について
※ここで説明する医療保険は「公的保険(社会保険)」のうちのひとつです。
そして、医療保険は大まかに4種類に分けられています(健康保険や共済組合など)。自分がどの医療保険に加入しているのか、持っている保険証をみて確認しておきましょう。
※2024年12月2日以降は保険証の発行は無くなります(マイナンバーカードが保険証の役割を担います)。
❶ 健康保険 |
サラリーマンや長時間働くアルバイトの方などが加入する ※健康保険組合も含みます。 ※家族を扶養する場合、被扶養者とすることもできる。 |
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❷ 共済組合 |
公務員が加入する ※家族を扶養する場合、被扶養者とすることもできる。 |
❸ 後期高齢者医療制度 |
75歳以上の方が加入する。 |
❹ 国民健康保険 |
フリーランス・スポーツ選手・アーティスト・タレント・無業者・個人事業主など上記3つ以外の方が加入する。 ※国民健康保険組合も含みます。 |
医療保険は大きく分けると4種類あり、国民はどれかに加入することになっています。子供も大人も関係なく、すべての方が加入することになっています。
※生活保護を受けている方は除きます。
※日本ではすべての方を医療保険に加入させる制度があり、これを
※2024年12月2日以降は保険証の発行は無くなります(マイナンバーカードが保険証の役割を担います)。
ちなみに、医療保険は「加入したくないから加入しない!」は通用しません。必ず上記の4種類のどれかに加入することになります。
※加入したくないからといって保険料を支払わないでいると延滞金などのデメリットがあるので気をつけましょう。
では次に、わたしたちが加入している医療保険がどんなことをしてくれるのかについて下記で説明していきます。万が一のときのために知っておきましょう。
医療保険とは病気やケガをしたときなどに支払う病院代の負担などをしてくれるものです。
日本では医療保険があるおかげで、安い値段でだれでも良質な医療をいつでも受けられる仕組みになっています。これは4種類どの医療保険も同じです。
※つまり、健康保険でも共済組合でも国民健康保険でも後期高齢者医療制度でも同じということです。
※保険組合によっては独自に受けられる給付などもあります。
※会社を休んだ時にもらえるお金(傷病手当金)と産休したときにもらえるお金(出産手当金)については国民健康保険と後期高齢者医療制度は対象外です。
そのほかにも医療保険は以下のようにさまざまな給付をしてくれるのですが、どの医療保険も給付の内容はほとんど変わりません。
※医療保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか、今のうちにザッと把握しておきましょう。
病気やケガで会社を休んだときにお金をくれる
これについては傷病手当金とは?を参照。
※国民健康保険と後期高齢者医療制度は対象外。
赤ちゃんを産むための費用(約50万円)を負担してくれる
これついては赤ちゃんができる前に知っておくことは?出産っていくらかかる?を参照。
100万円などの高額な治療費を負担してくれる
これについては医療費が高額になっても大丈夫を参照。
など。くわしくはこちらの表を参照。
では次に、医療保険の保険料はどれくらいかについて下記で説明していきます。計算方法がそれぞれ違うので注意しましょう。
保険料は加入している医療保険の種類によって計算方法が変わります。
共通していることは稼ぐ金額によって保険料が増減するということです。
したがって、お金をたくさん稼いでいる人は保険料が高くなります。逆にあまりお金を稼いでいないひとは保険料が安くなります。
健康保険の保険料は?
月収の多さ(標準報酬月額)で保険料が決まります。扶養として加入している親族は無料です。
たとえば40歳未満、年収300万円のサラリーマンの場合、1年間の保険料は約15万円になります。
※くわしい計算式は健康保険とは?を参照。
国民健康保険の保険料は?
1年間の収入や加入者数・世帯・固定資産税で決まります。
たとえば40歳未満、3人家族、1年間の所得300万円(つまり、給与収入で年収430万)の場合、1年間の保険料は約49万円になります。
※くわしい計算式は国民健康保険とは?を参照。
※国民健康保険組合の場合は、加入している保険組合のルールによって保険料が変わります(定額の場合もあれば、所得が増えれば保険料も増額することもあります)。
共済組合の保険料は?
月収の多さ(標準報酬月額)で保険料が決まります。扶養として加入している親族は無料です。
たとえば40歳未満、年収500万円の公務員の場合、1年間の保険料は約22万円になります。
※組合によって保険料は多少異なります。
※くわしい計算式は共済組合とは?を参照。
後期高齢者医療制度の保険料は?
加入者数や1年間の収入で決まります。
※くわしい計算式は後期高齢者医療制度とは?を参照。
では次に、生命保険やガン保険について説明していきます。加入しようと考えている人はチェックしておきましょう。
※ガン保険などの民間保険はかならず加入しないといけないわけではありません。くわしくは下記で説明していきます。
国が運営する「公的医療保険」だけでなく、民間企業が運営している保険(たとえば生命保険やガン保険など)にも加入することが出来ます。
※保険については保険ってなに?を参照。
ですが、上記で説明したとおり、国の医療保険だけでも様々な給付をしてくれています(病院代が安くなる・病気などで会社を休んだときにはお金がもらえるなど)。
それを理解したうえで「それでも国の保険だけじゃ不安!ほかにもガンに対する保険もほしい!」と思う方は民間企業のガン保険や生命保険に加入しましょう。
ガン保険や生命保険などの民間保険に加入する際は「自分に必要な保険内容であるか、保険料は高すぎないか」等のことに気をつけましょう。
「大人だから保険に加入しとく」みたいな意味不明な理由で無駄な保険料を支払わないように注意しましょう。ガン保険などの民間保険は必ず加入しなければいけないものではありません。
社会保険と民間保険の違いをわかっておこう!
ここまで説明したように、医療保険とは病気やケガをしたときにかかる医療費を安くしてくれたりする公的保険(社会保険)のうちのひとつです。
がん保険などの民間保険の前に、まずは上記で説明した「公的な医療保険」がどんなことをしてくれるのかザッと把握しておくことをおすすめします。
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