国民健康保険とは?保険料や減免などわかりやすく解説

2022.05.24 更新
「親から保険証を渡されたけど、国民健康保険ってなに?」という方もいると思います。この記事では国民健康保険について、保険料や加入条件など説明していきます。
この記事の目次

国民健康保険ってなに?(この記事の要点)

国民健康保険とは、公的保険(医療保険)のうちのひとつです。自営業の方などが加入することになります。
※フリーランス・スポーツ選手・アーティスト・タレント・無業者・個人事業主など。
※公的保険は、加入している人の保険料や国等の負担金を財源に運営されています。

医療保険があるおかげで歯医者や病院などでの診療を安く受けることができます。

国民健康保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか、加入条件や保険料などについてチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 国民健康保険はスポーツ選手・アーティスト・無業者・個人事業主などが加入する医療保険。

  • 保険料は所得200万円で年間約21万円。

  • 1年間の所得が少なければ保険料が減額される。

  • 親族を扶養に入れるシステムがない。

では最初に、国民健康保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか見ていきましょう。保険料を毎月支払っているのですから保険の内容をちゃんと知っておくことをオススメします。


国民健康保険がどんなことをしてくれるのか知っておこう

病院代が安くなるだけじゃない

医療保険(国民健康保険)はケガや病気の治療費を安くしてくれたりさまざまな給付をしてくれます。


また、4種類の医療保険(健康保険や共済組合など)の給付の内容はほとんど変わらないので安心してください。
※つまり、国民健康保険でも健保でも共済組合でもほとんど同じということ。加入している保険組合によっては付加給付がある場合があります。
※4種類の医療保険については下記で説明しています。



病院代を安くしてくれる以外にも、医療保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか大まかに知っておきましょう。
※医療保険があるおかげで安い値段でだれでも良質な医療を受けられる仕組みになっているんです。

病院代を安くしてくれる以外にどんなことをしてくれるの?

医療保険は病院代を安くしてくれる以外にも下記のようなことをしてくれます。


病気やケガの治療費を安くしてくれる
ケガや病気の治療は3割負担!…を参照。



赤ちゃんを産むための費用を負担してくれる
これついては赤ちゃんができる前に知っておくことは?出産っていくらかかる?を参照。



100万円などの高額な治療費を負担してくれる
これについては医療費が高額になっても大丈夫を参照。
など。
くわしくは以下の表を参照。

くわしい給付の内容
※参照:厚生労働省我が国の医療保険について

以上のように、国民健康保険は病院代を安くしてくれるほかにも、出産の費用約40万円を支給してくれたり、高額な治療費の負担をしてくれるなどの対応をしてくれます。
※国民健康保険には会社を休んだときの給付はありません。
※国民健康保険などの「医療保険」には必ず関わることになるので、保険の内容を大まかにでも知っておきましょう。


では次に、国民健康保険の加入条件について下記で説明していきます。自分が加入している保険の加入条件についてチェックしておきましょう。


加入条件は?医療保険は大きく分けると4種類

すべての人はどれかの医療保険に加入する

医療保険は大きく分けると4種類あり、国民はどれかに加入することになっています。
※大人も子供も関係なく、すべてのひとはかならず以下の医療保険のどれかに加入することになります。


ちなみに、ここで説明する医療保険とは「公的保険のうちのひとつです。つまり、国民健康保険も公的保険のなかのひとつです。
※公的保険は、加入している人の保険料や国等の負担金を財源に運営されています。そのほかの公的保険については社会保険とは?を参照。


以下のとおり、会社員等・公務員またはその家族・75歳以上に当てはまらなければ国民健康保険に加入することになっています。
※国民健康保険の運営は市区町村が行っています。申請などの手続きはお住まいの市区町村で行います。


加入したくないからといって保険料を支払わないでいると延滞金などのデメリットがあるので気をつけましょう。
※デメリットについては退職して国民健康保険に未加入だとどうなる?を参照。

医療保険はこのように分けられています


健康保険
会社員や長時間働くアルバイトまたはその家族などが加入する
※厚生労働大臣の認可を得て運営している健康保険組合も含みます。

共済組合
公務員またはその家族などが加入する

後期高齢者医療制度
75歳以上の方が加入する

国民健康保険
フリーランス・スポーツ選手・アーティスト・タレント・無業者・個人事業主など上記3つ以外の方が加入する
※※都道府県知事の認可を得て運営している国民健康保険組合も含みます。

では、国民健康保険の加入手続きについて説明していきます。未加入のままでいるとデメリットがあるので気をつけましょう。


国民健康保険に加入するための手続きは?

お住まいの地域で加入手続きをしましょう

国民健康保険はお住まいの市区町村が運営しています。


会社を退職したひとなど、これから国保に加入する方はお住まいの地域の役所で申請の手続きを行いましょう。


手続きを忘れて未加入のままにしているとデメリットがあるので、退職したひとなどは早めに手続きをするようにしましょう。

くわしい手続きは?社会保険から国保に?
国保に加入するときに必要なものなどくわしい手続きについては国民健康保険に加入する手続きは?で説明しています。社会保険(健康保険)から国保に変更する場合など説明しています。


未加入のままにしておくとどうなる?

会社を退職して社会保険から切り替えるのを忘れたままにしておくと、いろいろなリスク(病院代が安くならない、過去の分まで保険料が請求される、延滞金が加算されるなど)に見舞われることになります。くわしくは退職して国民健康保険に未加入だとどうなる?で説明しています。

では次に、保険料がどれくらいになるか下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。

保険料はいくら?シミュレーション

国民健康保険の保険料は以下のようになっています。

「所得割」「均等割」「平等割」「資産割」の合計で1年間の保険料が決定されます。

1年間の国民健康保険料はどうやって決まるのか、計算方法をザッと把握しておきましょう。

保険料の計算式
国民健康保険の保険料計算式
国民健康保険の保険料計算式


所得割:(年間の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数
平等割:定額
資産割:固定資産税×資産割率

所得割・均等割などについてはこちらを参照。

例)年間の所得200万円の場合の保険料は?


たとえば、1年間(1月~12月まで)の所得が200万円で東京都世田谷区に住んでいる場合、1年間の保険料は約21万円となります。

※所得割率9.44%、均等割額55,300円、加入者数1人、20~39歳、平等割と資産割は0円として計算。


計算過程
保険料は所得割と均等割の合計となります(平等割と資産割は0円とします)。まず所得割を計算します。年間の所得を200万円、所得割率を9.44%とすると所得割は、

(200万円所得 – 43万円) × 9.44%所得割率 = 148,207円所得割
※43万円は所得割を計算する上で所得から必ず差し引かれる金額。
所得については、所得とは?を参照。

となります。次に均等割を計算します。加入者数は世帯で一人なので均等割は、

55,300円均等割額 × 1人加入者数 = 55,300円均等割

となります。次に所得割と均等割を合計して保険料を計算します。保険料は

148,207円所得割 + 55,300円均等割 = 203,507円1年間の保険料
※本来、100円未満は切り捨てられます。

となります。
※国民健康保険料のシミュレーションはこちらで行えます。
所得割や均等割などの金額はお住まいの地域によって変わります。くわしくはお住まいの地域のホームページを参照。

※労災保険の給付(休業補償給付など)・失業手当(基本手当)・出産手当金・傷病手当金・児童手当・児童扶養手当・遺族年金・障害年金などは非課税所得なので所得割の所得に合計されません。

では次に、国民健康保険の扶養について下記で説明していきます。国保には社会保険のような扶養のシステムがありません。

国保には扶養のシステムがない?

大人も子供も保険料がかかる

国民健康保険は健康保険のような扶養のシステムがなく、保険に加入していれば子供だとしても保険料がかかります。


国民健康保険は加入者ごとに保険料がかかるので、お金を稼いでいない子供でも国保に加入すれば保険料が加算されるシステムになっています。


ただし、お金を稼いでいない加入者についての保険料は均等割のみになります。均等割は市区町村によって異なりますが、1人あたり約4万円~6万円の場合が多いです。
※つまり、子供が3人いれば保険料が約12万円~18万円加算されることになります。ただし、保険料が上限額を超えることはありません。くわしくは国民健康保険料シミュレーションで計算できます。
※2022年4月から未就学児の均等割が5割軽減されます。くわしくはこちらのお知らせを参照。



「子供だから国保の保険料は0円でしょ?」と勘違いしないように気をつけましょう。

ただし、世帯の所得が少なければ保険料が最大7割減額される場合があります。くわしくは下記で説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。


所得が少ないと保険料が減額される?

保険料が最大7割安くなる

1年間の所得が少ない世帯は保険料(均等割)が減額されます。前年1月~12月末までの所得に応じて7割~2割減額されます。
※平等割もある地域の場合は平等割も安くなります。

申請をする必要はありません。減額の対象になっている場合は何もしなくても保険料が減額されるので安心してください。


たとえば無職の1人暮らしで今年1月~12月末までの収入が0円の場合、翌年の年間保険料は7割減額されて約16,000円になります。
※40歳未満、独身、世田谷区在住として計算。


ただし、同じ世帯の加入者や世帯主がお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないので注意してください。

保険料の減額例
前年の所得に応じて7割~2割減額されると、1年間の保険料(均等割)が48,000円なら14,400円~38,400円になるということです。
ちなみに、保険料はお住まいの市区町村によって異なることを覚えておきましょう。

※減額についてくわしくは国保の保険料の減額条件を参照。

ここまでのまとめ|国保と社保(健康保険)の違いは?

保険料や扶養のシステムが異なる

国民健康保険と社保(健康保険)がわたしたちにしてくれることに大きな違いはありません。


どの保険に加入していても、受けられる給付に大きな違いはないので安心してください。
※出産費用がもらえる・病院代が安くなるなど。


しかし、保険料や加入条件などは国民健康保険と健康保険(社会保険)で違いがいくつかあります。それぞれの違いについて以下の表にまとめました。

国保と社保(健康保険)はどう違う?

国民健康保険 健康保険
加入条件は? ほかの医療保険の加入条件に該当しない方はすべて国民健康保険に加入。

※アーティスト・フリーランス・スポーツ選手・タレント・無業者・個人事業主など

会社に雇われている方で定められた時間以上の勤務をする方は加入。
くわしい加入条件についてはこちらを参照。

退職後も2年間まで任意継続できる。
扶養は? 国保には扶養というシステムはない。

世帯の加入者数などで保険料が決まる。

年収が130万円未満かつ健康保険に加入していない親族は扶養として加入できる。

扶養の方は保険料はかからない。

保険料は? 所得や世帯の加入者数などで保険料が増減する。支払いは家庭の世帯主に請求される。 年収によって保険料が増減する。

健康保険の扶養に入っている家族などは保険料はかからない。くわしくは健康保険とは?を参照。

どこから配布される? お住まいの市区町村 協会けんぽまたは勤務先の保険組合

扶養のシステムや保険料の計算方法が異なるので、国民健康保険に加入する方はしっかり覚えておきましょう。

国民健康保険に加入したくないからといって保険料を支払わないでいると延滞金などのデメリットがあるので気をつけましょう。