▶無職だと国民健康保険料はいくら払う?
去年1年間の収入が0円とすると、国保の保険料は1人あたり約4万~7万円になる。また、世帯の所得が少なければ2割~7割減額される。
※所得なしでも保険料は0円になるわけではありません。くわしくは下記で説明しています。
▶国民健康保険料はどうやって決まる?
去年1年間の所得や加入者数によって保険料が決定される。
無職・アルバイト・年金収入の場合でシミュレーション。
※保険料の計算方法は下記で説明しています。収入がない人の国民健康保険料の計算方法をチェックしておきましょう。
▶無職になっても保険料が安くならない?
条件にあてはまれば、収入なしの場合は保険料が安くなります。ただし、自分が無収入でも世帯主等が稼いでいると保険料が減額されない。
※くわしくは下記で説明しています。自分の収入が少なくて、世帯主が無職の場合(収入が少ない)、保険料が安くなることが多いでしょう。
では最初に、無職でも保険料がかかるのかについて下記で説明していきます。
※無職で収入が0円だからといって保険に加入しないでいるのはルール違反になります。
日本ではすべての方が健康保険などの「医療保険」に加入する決まりになっています。現在無職で収入が0円だとしても加入しなければなりません。
※「自分はニートだから保険に加入しない」や「払わないほうが得」は通用しません。
国民健康保険に加入すれば保険料がかかります。現在無職だとしても保険料がかかるので滞納しないように気をつけましょう。
※ただし、親族が社会保険に加入しており、その社会保険の扶養に入った場合には保険料は0円になります。
※ちなみに、国民健康保険には親族を扶養にいれるシステムがありません。くわしくは国民健康保険とは?を参照。
保険料は世帯の加入者数や去年1年間(1月~12月末まで)の所得によって決まります。
したがって、所得が0円だとしても加入者が1人でもいれば保険料がかかるしくみになっているんです。
※同じ世帯であなたの子供も加入していれば保険料が加算されます。
※現在無職の方は保険料がいくらになるのかザッと把握しておきましょう。下記で保険料をシミュレーションしています。
では次に、収入0円・加入者1人の保険料について下記で説明していきます。収入がないときの国民健康保険料がどれくらいの金額なのかチェックしておきましょう。
現在無職だと国民健康保険料はいくらかかるのか。
たとえば現在無職で収入無し(0円)、東京都世田谷区に住んでいる場合、国民健康保険料は1年間で約60,000円かかります(月額平均約5,000円)。
※加入者が40歳~64歳の場合は約76,000円(ひと月あたり約6,300円)。
※保険料はお住まいの地域によって異なります。
※計算式は下記で説明しているのでチェックしておきましょう。
お住まいの市区町村から保険料の納付書が送られてくるので、滞納しないように気をつけましょう。
また、世帯の所得が少ない場合には保険料は最大で約7割減額されます(55,000円なら16,500円に減額されます)。
※ただし、世帯主などがお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないので注意しましょう。くわしくは下記の項目で説明しています。
ずっと収入が無いひとは保険料が安くなるとはいえ、それでも何らかの理由で保険料を支払えない方もいると思います。そのような場合、なるべく早めにお住まいの役所で相談しましょう。支払いを待ってもらえる場合があります。
※相談しないで滞納してしまうと督促状や資産が差し押さえられる場合があります。
また、倒産や解雇などでやむをえず失業したひとは保険料の軽減措置が適用されます。
※65歳未満のひとに限ります。
※雇用保険受給資格者証が必要になります。くわしくは下記の記事で説明しています。
やむをえない失業等で保険料を軽減してくれる期間は、離職日の翌日の属する月から翌年度3月末までなのでお早めに申請しましょう。
では次に、本人が世帯主で無職の場合に保険料がどれくらいになるのか下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。
無職の場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。
まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。
ここから保険料のシミュレーション
あなたが無職で前年1年間(1月~12月まで)の収入が無し(0円)だとすると、あなたの1年間の所得は0円になります。なので、所得割は0円となります。
したがって、あなたが支払う保険料は均等割だけ※になります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。住んでいる地域によって異なる場合があります。
あなたの1年間の所得は0円なので、減額される条件と照らし合わせると、あなたの国民健康保険料(均等割)は7割減額※されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合
均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、あなたが支払う保険料は、
となります。ただし、あなたが無職だとしても世帯主がお金を稼いでいたり、同じ世帯の加入者が稼いでいる場合は保険料が減額されない場合があります。くわしくはページ下記で説明していきます。
※また、退職して1年目の保険料はそれなりの金額になる場合があるので気になる方はページ下記の内容をチェックしておきましょう。
収入が事業収入だけの場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。
まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。
次に総所得金額等を計算
あなたの所得は「事業所得のみ」なので、総所得金額等は以下のようになります。
次に保険料を計算
あなたの前年1年間の総所得金額等は43万円なので所得割は0円になります。したがって、あなたが支払う保険料は均等割だけになります。
※所得割については(前年の所得金額-43万円)×所得割率なので0円になります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。
また、あなたの1年間の所得の合計は43万円なので減額される条件と照らし合わせると国民健康保険料(均等割)は7割減額※されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合
均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、あなたが1年間に支払う保険料は以下のようになります。
では次に、年金をもらっている場合の保険料について下記で説明していきます。
収入が年金だけの場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。
まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。
次に妻の所得を計算
妻の年金収入は100万円なので妻の所得は0円になります。
夫婦の所得を合計
夫婦の所得がわかったので二人の所得を合計します。
この夫婦の所得の合計は40万円になります。
最後に保険料を計算
夫の所得は40万円なので所得割は0円になります。したがって、夫が支払う保険料は均等割だけになります。
※所得割については(前年の所得金額-43万円)×所得割率なので0円になる。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。
妻の所得は0円なので、妻が支払う保険料は均等割だけ※になります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。住んでいる地域によって異なる場合があります。
この夫婦の1年間の所得の合計は40万円なので減額される条件と照らし合わせると国民健康保険料(均等割)は7割減額※されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合
均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、この夫婦が1年間に支払う保険料は、
となります。
ただし、同じ世帯のほかの親族がお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないことがあるので注意してください。くわしくは下記で説明しています。
こんなページもみられています
60~65才以上の年金受給者の国民健康保険料はいくら?
年金をもらいながら働いて給料も貰っている人は確定申告は必要?
収入がアルバイトの給料だけの場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。
まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。
あなたの所得は給与所得のみなので、総所得金額等は43万円となります。
次に保険料を計算
あなたの1年間の所得は43万円なので所得割は0円になります。したがって、あなたが支払う保険料は均等割だけになります。
※所得割については(前年の所得金額-43万円)×所得割率なので0円になります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。
また、あなたの1年間の所得の合計は43万円なので減額される条件と照らし合わせると国民健康保険料(均等割)は7割減額※されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合
均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、あなたが1年間に支払う保険料は以下のようになります。
ただし、あなたが実家暮らしであり、ほかの親族がお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないことがあるので注意してください。くわしくはページ下記で説明しています。
世帯の所得※があんまり多くない場合には国民健康保険料が安くなります。
※世帯主と被保険者の総所得金額等合計。
たとえば国民健康保険の加入者が本人のみであり、本人が世帯主のとき、所得が少なければ保険料(均等割)が最大で7割減額されます(1年間の保険料が52,000円なら15,600円になります)。
※均等割とは加入者数によって定額でかかる保険料。
※市区町村によっては平等割も減額されます。
「何を言っているのかよくわからない…」という方のために、下記でシミュレーションをしているのでチェックしておきましょう。
※保険料が減額される割合は下記表のとおりです。
※所得が少なければ申請しなくても減額されるので、市役所などで減額の申請をする必要はありません。
※被保険者とは国保の加入者のこと。
※2023年度から減額条件が変わりました。2023年6月以降から始まる今年度の保険料支払いから実施されます。
総所得金額等とは:各種所得の合計
世帯主と被保険者の総所得金額等合計とは:総所得金額等の合計。
※退職所得(一括で受けとる場合)、労災保険の給付(休業補償給付など)・失業手当(基本手当)・傷病手当金・児童手当・児童扶養手当・遺族年金・障害年金などは総所得金額等に合計されません。
※参照:厚生労働省国民健康保険の保険料・保険税について
となります。以上のように、世帯主や加入者の所得が少ないと保険料が安くなります。
※保険料が所得割と均等割だけの場合。所得は0円なので所得割も0円となります。
※所得割とは1年間の所得によってかかる保険料。
※市区町村によっては平等割が加算されますが、平等割も7割~2割減額されます。
保険料の目安を知りたい方は下記でシミュレーションしてみましょう。
上記の項目で説明したように、世帯主および加入者の合計所得が少ないときに保険料が減額されます。
したがって、あなた本人が無職で収入0円でも本人以外の加入者が稼いでいたり、世帯主(または加入者)が稼いでいる場合には保険料が減額されないので注意しましょう。
※世帯主以外の親族が国保に加入していなければ、その親族がサラリーマンなどとして稼いでいても国保の保険料には影響しないので安心してください。
以下に本人が無職で収入が0円だとしても、世帯主に所得がある場合の保険料について説明していきます。
※本人が低所得者だからといって必ず安くなるわけではありません。
では次に、退職してからの保険料について下記で説明していきます。退職直後は収入がなくても保険料がそれなりの金額になるので覚悟しておきましょう。
国民健康保険料は前年1月~12月の所得をもとに今年度の保険料(今年4月~翌年3月まで)が計算されます。
したがって、今年3月末で会社を退職して4月から無職で収入が無かったとしても今年度4月~翌年3月までの保険料は減額されません。
※安くなるのは無職になって2年目の保険料からです。
なので、退職して初年度の保険料はそれなりの金額になるので注意しましょう。ある程度お金を準備しておくことをオススメします。
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社会保険と国民健康保険どっちが安い?年収別に比較
以上のように退職して収入が0円だとしても最初の年の保険料はそれなりの金額になるので覚悟しておきましょう。退職して1年目、翌年、翌々年の保険料がいくらになるかについては下記の記事でシミュレーションしています。気になる方は↓をクリック。
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▶保険料は安くなったりするの?
世帯の所得が少なければ保険料は最大7割減額される
※くわしくは上記で説明しています。
▶自分は無職だけど、親が稼いでいる場合はどうなる?
保険料は世帯収入(所得)で決まるので、本人の収入が0円でも世帯主または被保険者の誰かがお金をたくさん稼いでいると保険料は減額されない
※くわしくは上記で説明しています。