無職の場合の国民健康保険料はいくら?所得が少ないと安くなる?

2022.06.13 更新

無職で所得がない人は国民健康保険料が安くなりますが、世帯主の収入などによっては保険料が安くならないので気をつけましょう。この記事では無職の方の国民健康保険料について説明していきます。
この記事の目次
無職でも国民健康保険料はかかる?

日本ではすべての方が医療保険に加入する決まりになっています。現在無職で収入が0円だとしても加入しなければなりません。
※「自分はニートだから保険に加入しない」は通用しません。


国民健康保険に加入すれば保険料がかかります。現在無職だとしても保険料がかかるので滞納しないように気をつけましょう。
※ただし、親族が社会保険に加入しており、その社会保険の扶養に入った場合には保険料は0円になります。
※ちなみに、国民健康保険には親族を扶養にいれるシステムがありません。くわしくは国民健康保険とは?を参照。


現在無職の方は保険料がいくらになるのかザッと把握しておきましょう。下記で保険料をシミュレーションしています。

この記事の要点

  • 世帯の所得が少なければ2割~7割減額される。

  • 無職・アルバイト・年金収入の場合でシミュレーション。

  • 収入0円でも世帯主等が稼いでいると保険料が減額されない

  • 退職した初年度の保険料は安くないのでお金を準備しておく。

では最初に、無職の場合の保険料について下記で説明していきます。収入がないときの国民健康保険料がどれくらいの金額なのかチェックしておきましょう。


加入者1人の場合の国民健康保険料はいくら?
収入が0円でも国民健康保険料はかかる

たとえば現在無職で収入無し(0円)、東京都世田谷区に住んでいる場合、国民健康保険料は1年間で約55,000円かかります。
※月額平均約4,600円(10回に分けて支払う場合は約5,500円)。
※加入者が40歳~64歳の場合は約72,000円かかります(月額約6,000円)。
※保険料はお住まいの地域によって異なります。


お住まいの市区町村から保険料の納付書が送られてくるので、滞納しないように気をつけましょう。

また、世帯の所得が少ない場合には保険料は最大で約7割減額されます(52,000円が15,600円に減額されます)。
※ただし、世帯主などがお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないので注意しましょう。

保険料が払えない…という方は?


ずっと収入が無いひとは保険料が安くなるとはいえ、それでも何らかの理由で保険料を支払えない方もいると思います。そのような場合、なるべく早めにお住まいの役所で相談しましょう。支払いを待ってもらえる場合があります。

※相談しないで滞納してしまうと督促状や資産が差し押さえられる場合があります。

また、倒産や解雇などでやむをえず失業したひとは保険料の軽減措置が適用されます。
※65歳未満のひとに限ります。
※雇用保険受給資格者証が必要になります。くわしくは下記の記事で説明しています。

やむをえない失業等で保険料を軽減してくれる期間は、離職日の翌日の属する月から翌年度3月末までなのでお早めに申請しましょう。

では次に、減額の条件について下記で説明していきます。世帯の所得が少なければ保険料が減額されます。


世帯の所得が少ない場合は保険料が減額される?

世帯の所得が少ない場合には国民健康保険料が減額されます。つまり、あまりお金を稼いでいなければ保険料が安くなります。
※所得が少なければ申請しなくても減額されるので、市役所などで減額の申請をする必要はありません。


保険料が減額される割合は下記のとおりです。


たとえば国民健康保険の加入者が本人のみであり、本人が世帯主のとき、所得が少なければ保険料(均等割)が最大で7割減額されます(1年間の保険料が52,000円なら15,600円になります)
均等割とは加入者数によって定額でかかる保険料。
※市区町村によっては平等割も減額されます。


「何を言っているのかよくわからない…」という方のために、下記でシミュレーションをしているのでチェックしておきましょう。

保険料(均等割)の減額割合

総所得金額等とは:各種所得の合計
世帯主と被保険者の総所得金額等合計とは:総所得金額等の合計。

注意
退職所得(一括で受けとる場合)、労災保険の給付(休業補償給付など)・失業手当(基本手当)・傷病手当金・児童手当・児童扶養手当・遺族年金・障害年金などは総所得金額等に合計されません。
※参照:厚生労働省国民健康保険の保険料・保険税について
減額されると保険料はいくら安くなる?シミュレーション

国民健康保険の加入者が3人のときの保険料がどれくらいになるかシミュレーションしてみます。

【条件】
被保険者数が世帯主の他に2人(合計3人)
・全員の前年所得は0円

※たとえば加入者➊が年金収入100万円、加入者➋が年金収入90万円、加入者➌が収入0円の場合、3人の合計所得は0円になります。
※年金の所得計算については年金についての所得計算を参照。



たとえば上記のように世帯主と加入者の前年所得が全員0円とします。前年所得の合計が「43万円 + a」以下なので、上記の減額割合と照らし合わせると均等割は7割軽減されます(53,000円なら7割減で15,900円)。
※aは(給与所得または公的年金等所得がある人の数 – 1)× 10万円
均等割とは加入者数によって定額でかかる保険料。



保険料の合計はいくらになる?
国保の均等割が1人あたり53,000円なら7割減で15,900円になります。

被保険者数が合計3人なので、年間の保険料は

15,900円1人あたりの均等割 × 3人 = 47,700円年間の合計保険料
※保険料の減額には手続きなどの申請の必要はありません。
※ただし、給料や年金以外に所得がある方などは前年の所得を申告する必要があります(確定申告をしている方は除く)。
※所得が少なく、住民税非課税世帯に該当するような世帯の場合、保険料は上記のように安くなります。

となります。

※保険料が所得割と均等割だけの場合。所得は0円なので所得割も0円となります。

所得割とは1年間の所得によってかかる保険料。
※市区町村によっては平等割が加算されますが、平等割も7割~2割減額されます。

保険料の目安を知りたい方はシミュレーションしてみましょう。
パッと計算!国民健康保険料シミュレーション

では次に、本人が世帯主で無職の場合に保険料がどれくらいになるのか下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。


無職の場合の保険料はいくら?

無職の場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。

まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。

保険料の計算式

所得割:(前年の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数
平等割・資産割についてはこちらを参照。

ここから保険料のシミュレーション
あなたが無職で前年1年間(1月~12月まで)の収入が無し(0円)だとすると、あなたの1年間の所得は0円になります。なので、所得割は0円となります。

したがって、あなたが支払う保険料は均等割だけになります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。住んでいる地域によって異なる場合があります。


あなたの1年間の所得は0円なので、上記の減額割合と照らし合わせると、あなたの国民健康保険料(均等割)は7割減額されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合

均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、あなたが支払う保険料は、

0円所得割 + 15,600円均等割 = 15,600円1年間の保険料
※あなたが世帯主の一人暮らしとした場合。
※保険料の減額には手続きなどの申請の必要はありません。ただし、収入が無いことを証明するためにも確定申告をしておくことをオススメします。

となります。

ただし、無職でも世帯主がお金を稼いでいたり、同じ世帯の加入者が稼いでいる場合は保険料が減額されない場合があります。くわしくはページ下記で説明していきます。
※また、退職して1年目の保険料はそれなりの金額になる場合があるので気になる方はページ下記の内容をチェックしておきましょう。


個人事業主の場合の保険料はどれくらい?

収入が年金だけの場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。

まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。

保険料の計算式

所得割:(前年の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数
平等割・資産割についてはこちらを参照。

ここから保険料のシミュレーション
たとえば個人事業主の事業収入が前年1年間(1月~12月まで)で108万円だとします。
※前年とは、去年1年間(1月~12月まで)のことです。

まず事業所得を計算
あなたの事業収入は108万円なので事業所得は以下のようになります。

108万円事業収入0円経費65万円青色申告特別控除 = 43万円事業所得
※計算をわかりやすくするために経費は0円としています。
青色申告特別控除とは:青色申告をする方が受けられる控除。

次に総所得金額等を計算
あなたの所得は「事業所得のみ」なので、総所得金額等は以下のようになります。

43万円事業所得 = 43万円総所得金額等
事業所得とは:事業収入についての所得。
総所得金額等とは:各種所得の合計のこと。

次に保険料を計算
あなたの前年1年間の総所得金額等は43万円なので所得割は0円になります。したがって、あなたが支払う保険料は均等割だけになります。
所得割については(前年の所得金額-43万円)×所得割率なので0円になります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。


また、あなたの1年間の所得の合計は43万円なので上記の減額割合と照らし合わせると国民健康保険料(均等割)は7割減額されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合

均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、あなたが1年間に支払う保険料は以下のようになります。


0円所得割 + 15,600円均等割 = 15,600円1年間の保険料
※独身ひとり暮らし、あなたが世帯主とした場合。
※本人以外が世帯主であり、世帯主がたくさん稼いでいる場合は対象外になる場合があります。くわしくは下記で説明しています。

こんなページもみられています
個人事業主にかかる税金は?年収いくらまで税金が0円になる?

では次に、年金をもらっている場合の保険料について下記で説明していきます。

年金収入だけの場合の保険料はどれくらい?

収入が年金だけの場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。

まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。

保険料の計算式

所得割:(前年の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数
平等割・資産割についてはこちらを参照。

ここから保険料のシミュレーション
たとえば65歳以上の夫婦で暮らしており、夫の年金収入が1年間(1月~12月まで)で150万円、妻の年金収入が100万円だとします。

まず夫の所得を計算
夫の年金収入は150万円なので夫の所得は40万円になります。

150万円年金収入110万円公的年金控除 = 40万円雑所得
※年金は雑所得になります。
※公的年金控除については公的年金控除とは?を参照。

次に妻の所得を計算
妻の年金収入は100万円なので妻の所得は0円になります。

100万円年金収入110万円公的年金控除 = 0円雑所得
※年金は雑所得になります。
※公的年金控除については公的年金控除とは?を参照。

夫婦の所得を合計
夫婦の所得がわかったので二人の所得を合計します。

この夫婦の所得の合計は40万円になります。

40万円夫の所得 + 0円妻の所得 = 40万円所得の合計

最後に保険料を計算
夫の所得は40万円なので所得割は0円になります。したがって、夫が支払う保険料は均等割だけになります。
※所得割については(前年の所得金額-43万円)×所得割率なので0円になる。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。


妻の所得は0円なので、妻が支払う保険料は均等割だけになります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。住んでいる地域によって異なる場合があります。

この夫婦の1年間の所得の合計は40万円なので上記の減額割合と照らし合わせると国民健康保険料(均等割)は7割減額されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合

均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、この夫婦が1年間に支払う保険料は、

0円所得割 + 15,600円均等割 × 2人 = 31,200円1年間の保険料
※65歳以上の夫婦二人暮らしとした場合。
※厳密には65歳以上の公的年金所得については、その所得から15万円を控除した金額が判定対象となります。したがって、夫の所得は40万円から15万円を引いた金額(25万円)として判定されます。

となります。

ただし、同じ世帯のほかの親族がお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないことがあるので注意してください。くわしくは下記で説明しています。

では次に、アルバイトをしている場合の保険料について下記で説明していきます。

アルバイトの場合の保険料はいくら?

収入がアルバイトの給料だけの場合の保険料をシミュレーションしてみましょう。

まず、国民健康保険料は以下のように計算されます。

保険料の計算式

所得割:(前年の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数
平等割・資産割についてはこちらを参照。

ここから保険料のシミュレーション
たとえばあなたのアルバイト収入が1年間(1月~12月まで)で98万円だとします。

まず給与所得を計算
あなたの収入は98万円なので給与所得は43万円になります。

98万円給与収入55万円給与所得控除 = 43万円給与所得(総所得金額)
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。

あなたの所得は給与所得のみなので、総所得金額等は43万円となります。

次に保険料を計算
あなたの1年間の所得は43万円なので所得割は0円になります。したがって、あなたが支払う保険料は均等割だけになります。
※所得割については(前年の所得金額-43万円)×所得割率なので0円になります。
※東京都23区の場合、平等割・資産割は0円。


また、あなたの1年間の所得の合計は43万円なので上記の減額割合と照らし合わせると国民健康保険料(均等割)は7割減額されます。
※世帯の所得の合計が「43万円 + a」以下の場合

均等割を52,000円とすると7割減額で15,600円になるので、あなたが1年間に支払う保険料は、

0円所得割 + 15,600円均等割 = 15,600円1年間の保険料
※独身ひとり暮らしとした場合。

となります。

ただし、あなたが実家暮らしであり、ほかの親族がお金をたくさん稼いでいる場合は保険料が減額されないことがあるので注意してください。くわしくはページ下記で説明しています。

自分が無収入でも世帯主または自分以外の加入者が稼いでいる場合は保険料は減額されない?
世帯主などが稼いでいれば、本人の所得が少なくても保険料は安くならない

上記で説明したように、世帯主および加入者の合計所得が少ないときに保険料が減額されます。


したがって、無職で収入が0円でも自分以外の加入者が稼いでいたり、世帯主(または加入者)が稼いでいる場合には保険料が減額されないので注意しましょう。
※世帯主以外の親族が国保に加入していなければ、その親族がサラリーマンなどとして稼いでいても国保の保険料には影響しないので安心してください。


以下に本人が無職で収入が0円だとしても、世帯主に所得がある場合の保険料について説明していきます。

保険料が減額されないケース
たとえば世帯主の給与収入が300万円(給与所得202万円)、国保に加入している人の所得合計が0円の場合。

上記の場合、世帯主と国保加入者の合計所得は202万円になります。したがって、国保加入者の収入が0円だとしても保険料減額の対象から外れてしまいます
上記のようにあなたが無職で所得が0円だとしても、世帯主(親など)に所得がある場合には減額割合が変わってしまう場合があります。

世帯の所得の計算の仕方がわからない場合は下記の記事で説明しているのでチェックしておきましょう。

では次に、退職してからの保険料について下記で説明していきます。退職直後は収入がなくても保険料がそれなりの金額になるので覚悟しておきましょう。


退職してすぐの保険料は無職でも減額されない?
退職して1年目の国民健康保険料は安くない

国民健康保険料は前年1月~12月の所得をもとに今年度の保険料(今年4月~翌年3月まで)が計算されます。


したがって、今年3月末で会社を退職して4月から無職で収入が無かったとしても今年度4月~翌年3月までの保険料は減額されません
※安くなるのは無職になって2年目の保険料からです。


なので、退職して初年度の保険料はそれなりの金額になるので注意しましょう。ある程度お金を準備しておくことをオススメします。

退職した初年度の保険料はどれくらい?
今年3月31日に退職した場合、国保の加入資格は4月1日からとなるので、保険料は今年4月~翌年3月までの12カ月分となります。

たとえば前年1月~12月までの給与収入が300万円だったとすると、今年4月~翌年3月までの国民健康保険料は約20万円となります。今年4月から加入したとすると、保険料は次のようになります。

20万円1年間の保険料 ÷ 12 × 12カ月分 = 約20万円4月から翌年3月までの保険料
※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。
※国民健康保険料のシミュレーションはこちらで行えます。保険料率はお住まいの地域によって異なります。

以上のように退職して収入が0円だとしても最初の年の保険料はそれなりの金額になるので覚悟しておきましょう。退職して1年目、翌年、翌々年の保険料がいくらになるかについては下記の記事でシミュレーションしています。気になる方はチェックしておきましょう。

まとめ

ここまで説明したように、無職だとしても国民健康保険に加入しなければならないので、収入が0円だとしても保険料がかかることを忘れてはいけません。

また、世帯の所得が少なければ保険料は減額されますが、自分が無職だとしても世帯主がお金をたくさん稼いでいれば減額されないことも覚えておきましょう。
※さらに現在収入が0円でも、去年1月~12月にお金をたくさん稼いでいた方は保険料がそれなりの金額になることも覚えておきましょう。

以下はここまでの説明のまとめです。

無職の場合の保険料まとめ

  • 世帯の所得が少なければ保険料は最大7割減額される
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 東京23区で無職でひとり暮らしの場合は保険料は1年間で約16,000円。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 65歳以上の二人暮らしの場合は保険料は1年間で約31,000円。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 保険料は前年所得で決定するため、退職して最初の年は無職でも保険料が安くならない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 保険料は世帯収入(所得)で決まるので、本人の収入が0円でも世帯主または被保険者の誰かがお金をたくさん稼いでいると保険料は減額されない
    ※くわしくは上記で説明しています。

以上のように、無職で収入が0円だとしても保険料がかかります。市区町村から保険料の納付書が送られてくるので、滞納しないように気をつけましょう。