年金をもらいながら働いて給料も貰っている人は確定申告は必要?

2022.04.15 更新
「65歳以上で年金をもらえる歳になってからも働いていたい」という人は年金をもらっている場合の確定申告について知っておくと役に立つと思います。この記事では働きながら老後の年金をもらっている年金受給者の確定申告について説明していきます。
この記事の目次
年金をもらいながら働くひとは確定申告するの?

収入が年金のみ、または給料のみである場合、源泉徴収年末調整によって税金を納めることになるので確定申告の必要はありません。

しかし、年金をもらいながら会社員やアルバイトなどのように給料ももらっている人は確定申告が必要になる場合があります。

アルバイトやパートなどで働きながら年金をもらっている年金受給者の方は確定申告が必要になる場合をチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 給与所得が20万円を超えたら確定申告が必要。

  • 年金が110万円以下なら給料をもらっていても確定申告は必要ない。
    ※65歳未満の場合は60万円以下

  • 給与所得が20万円以下なら確定申告はしなくていい。

  • 確定申告は2月16日~3月15日までに行う。

  • 給料ももらうと年金が減ってしまう場合がある。

では最初に、確定申告が必要になるときについて下記で説明していきます。年金受給者で会社員やパートなどをしている方はチェックしておきましょう。


確定申告が必要な場合は?
年金をもらっており、給与所得が20万円を超えるときは確定申告が必要

老後の年金をもらいながら働いて給料をもらっている場合、年金以外の所得が1年間(1月~12月まで)で20万円を超えるときに確定申告が必要になります。
※会社などからもらった給料は「給与所得」なので、年金以外の所得にあてはまります。
※参照:国税庁確定申告が必要な方



以下に計算例とともに確定申告が必要になるケースについてわかりやすく説明します。
※年金とパート収入がある方などはチェックしておきましょう。

確定申告が必要になるケースは年金以外の所得が20万円を超えるとき?

たとえばあなたが65歳以上で年金をもらっており、さらに、アルバイトなどをしている場合。

勤務先から支払われる1年間(1月~12月まで)の給与収入が90万円のとき、年金以外の所得は、

90万円給与収入55万円給与所得控除 = 35万円給与所得(年金以外の所得)
給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

となります。

給料と年金の両方をもらっており、さらに年金以外の所得が20万円を超えているので、上記の場合は確定申告が必要になります。ですが、年金収入が1年間(1月~12月まで)で110万円以下なら確定申告をする必要はありません。理由は以下のとおりです。

年金と給料をもらっていても、年金収入が110万円以下なら確定申告は必要ありません

たとえばあなたが65歳以上で年金をもらっており、さらに、勤務先から給料も受けとっている場合。


あなたの年金収入が1年間(1月~12月まで)で110万円以下なら年金についての所得は0円になります。

65歳未満の場合は年金収入60万円以下なら所得が0円になる。

110万円年金収入110万円公的年金控除 = 0円年金の所得(雑所得)
公的年金控除については公的年金控除とは?を参照。
※あなたが65歳未満の場合、公的年金控除は60万円になるので注意。

この場合、あなたの所得は勤務先からもらっている「給与所得のみ」となるので、あなたが支払う税金は「勤務先から支払われる給料(給与所得)についての税金のみ」となります。


したがって、給料についての税金は、勤務先で行う源泉徴収年末調整によって納めることになるので確定申告の必要はありません。

65歳未満の場合は年金収入60万円以下なら所得が0円になるので確定申告の必要はありません。年金収入が60万円を超えており、給与所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。

では次に、確定申告をしなくていい場合について下記で説明していきます。年金と給料を両方もらっている方はチェックしておきましょう。


確定申告をしなくていい場合は?
給与所得が20万円以下なら確定申告をしなくてもいい

年金と給料を両方もらっている場合、年金以外の所得が1年間(1月~12月まで)で20万円以下のときには確定申告をする必要はありません。


たとえば年金を受給しながらパートで稼いだ収入が75万円以下(給与所得20万円以下)なら確定申告をしなくても問題ありません。
※収入が年金と給料のみの場合。
※ただし65歳以上で給与所得があり、年金収入が110万円を超えている場合は住民税の申告が必要になるときがあります(※65歳未満なら年金収入が60万円を超えている場合)。
※1年間の給与収入が55万円以下(つまり給与所得0円以下)なら住民税の申告は必要ありません。
※年金収入が110万円以下(65歳未満なら60万円以下)なら上記で説明したように年末調整等を行えば申告をする必要はありません。
※確定申告をする場合は住民税の申告は必要ありません(住民税の申告よりもネットで簡単に作成できる確定申告がおすすめです)。



以下に計算例とともに確定申告をしなくていいケースについてわかりやすく説明します。

確定申告をしなくていいケースは年金以外の所得が20万円以下のとき?

たとえばあなたが年金をもらっており、さらに、1年間(1月~12月まで)に勤務先から支払われる給与収入が75万円のとき、年金以外の所得は、

75万円給与収入55万円給与所得控除 = 20万円給与所得(年金以外の所得)
給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

となります。

上記の場合、年金以外の所得が20万円以下なので、給料と年金を両方もらっていたとしても確定申告をする必要はありません。つまり、1年間(1月~12月まで)の給料が75万円以下なら確定申告はしなくても問題ありません。

ただし、給与所得のほかにも所得がある場合、年金以外の所得を合計した金額が20万円を超えると確定申告が必要になるので気をつけましょう。

※出典:国税庁確定申告が必要な方

では次に、年金をもらっている場合の確定申告のやりかたについて説明していきます。今はネットで申告書を作成できるので、源泉徴収票があればかんたんに確定申告をすることできるので安心してください。


年金をもらいながら働くひとの確定申告はどうやるの?

上記で説明したように、もしもあなたが65歳以上で1年間に110万円を超える年金をもらっており、さらにアルバイトやパートなどで1年間の収入が75万円を超える場合には確定申告をする必要があります。
※65歳未満の場合は年金収入60万円を超える場合。


今はネットで確定申告書をかんたんに作れるので、手順にしたがって申告書を作成してみましょう。
※作成した申告書はあなたの住所のある管轄の税務署に郵送することになります。


年金と給料を両方もらっている場合の確定申告は以下のページで説明しています。

年金と給与収入がある場合の確定申告のやり方
確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日までに申告をしましょう。
※遅れても申告はできますが税金が加算される場合があります。

確定申告のながれ
STEP➊源泉徴収票など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払う)

※余分に税金を支払っている場合は税金が返ってきます。

もしも確定申告をするのが不安な場合は、ためしにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
※作成した申告書を税務署に郵送しなければ問題ないので、上記のページを参考に申告書をためしに作成してみましょう。


働きながら年金をもらっている場合、年末調整はするの?

働きながら年金を受給している場合、基本的には確定申告をする必要があります。
上記で説明したように、年金以外の所得が20万円以下なら確定申告をしなくてもいい決まりになっています。


したがって、勤務先で年末調整をしたとしても、確定申告をすることになります。


つまり、確定申告をするなら年末調整をしてもしなくても問題ありません。勤務先から年末調整をするように言われたら年末調整の書類を提出しましょう。


ただし、年金以外の所得が20万円以下であり、確定申告をしない場合は年末調整を必ずしましょう。勤務先から年末調整の書類を渡されたら提出を忘れないようにしてください。


働きながら年金をもらうと税金はどうなる?

会社員やアルバイトなどとして働きながら年金をもらえば税金はそのぶん増えます。


ただし、給料と年金をもらっていても、合計所得がそれほど多くなければ税金は0円になります。


「合計所得ってなに?」という方のために、年金と給料の合計所得金額を下記でシミュレーションしているので、よくわからない方はチェックしておきましょう。
※年金を受給しながらパート収入などがある方は、税金がかからない金額を覚えておきましょう。

いくらまでなら税金が0円?

所得税は?
総所得金額(年金の所得と給与所得の合計)が48万円以下なら所得税は0円になります。
基礎控除が48万円のため、所得が48万円以下なら所得税が0円になる。くわしくは下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。



住民税は?
合計所得金額(年金の所得と給与所得の合計)が45万円以下なら住民税は0円になります。
※市区町村によっては42万円や38万円の場合があります。
※住民税が0円になる範囲についてくわしくは住民税が0円?を参照。


年金と給料の2つの収入があるときのシミュレーション

例えば65歳以上であなたのアルバイト収入が1年間(1月~12月まで)で80万円、年金収入が1年間で130万円のとき。

アルバイト収入が1年間で80万円なので、あなたの給与所得は25万円となります。

80万円給与収入55万円給与所得控除 = 25万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。

つづいて、年金収入が1年間で130万円なので、年金についての所得は20万円となります。

130万円年金収入110万円公的年金控除 = 20万円年金の所得
公的年金控除については公的年金控除とは?を参照。
※あなたが65歳未満の場合、公的年金控除は60万円になるので注意。

それぞれの所得を合計すると、あなたの合計所得金額は45万円となります。

25万円給与所得 + 20万円年金の所得 = 45万円合計所得金額
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。

合計所得金額がわかったので、所得税を計算します。所得控除を基礎控除48万円のみとすると、所得税は以下のようになります。

(45万円合計所得48万円基礎控除) × 税率 = 0円所得税
※基礎控除については基礎控除とは?を参照。

以上のように、基礎控除48万円があるため、合計所得が48万円以下なら所得税はかかりません。

ちなみに、住民税は合計所得が45万円以下だと0円になります。

※お住まいの地域によっては42万円などの場合があります。くわしい条件については住民税が0円?を参照。

下記で手取りや年金にかかる税金が計算できます。

年金の税金計算シミュレーション

では次に、給料をもらいながら年金を受け取ると年金が減額される場合について下記で説明していきます。稼いだ金額によっては年金が減額される場合があるので注意しましょう。


給料をもらいながら年金も受けとる場合は支給額が減る?

働きながら年金を受給するのは違反ではありません。

年金がもらえる年齢になってからも会社員などとして会社で働きながら厚生年金保険に加入してもOKです。

ただし、稼いだ金額などによっては老後にもらえる厚生年金が「一部停止または全額支給停止」になるときがあります。


これを在職老齢年金といいます。いくらまでなら減額されないのか簡単に説明すると、65歳以上で「賃金と支給される厚生年金の月額の合計」が47万円を超えなければ年金が減ることはありません。

年金をもらいながら働くと年金が減る?

在職老齢年金とは?給料をもらいながらだと年金が減る?

在職老齢年金は「老後も現役並みにお金を稼ぐひとは年金の支給を一定程度我慢してもらう制度」です。上記でくわしく説明しているので、60歳以降も会社員として働く方やパート収入がある方などはチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、年金をもらいながら給料をもらっている方は確定申告が必要になる場合があります。

ですが、1年間に稼いだ金額がそれほど多くなければ確定申告はしなくてもいい決まりになっていることを覚えておきましょう。

以下はここまでのまとめです。

ここまでのまとめ

  • 年金以外の所得が1年間に20万円を超える場合は確定申告が必要
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 年金と給料をもらっていても、年金収入が110万円以下(65才未満は60万円以下)なら確定申告はしなくてもいい
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 年金以外の所得が1年間に20万円以下なら確定申告をしなくてもいい
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 確定申告をする場合は源泉徴収票を用意して、翌年の2月16日~3月15日までに行う
    ※くわしくは上記で説明しています。

年金と給料の両方をもらっている方は上記で説明した「確定申告が必要になるケース」についてしっかり覚えておきましょう。