年金はいくらから税金がかかる?年金150・200・250万円など年収別まとめ

2024.04.18 更新
老後にもらう年金(年金受給額)によって税金がかかるのか・かからないのか、年金の手取りがどのくらいなのか知っておきましょう。この記事では年金受給者の所得税や住民税はいくらになるかについて説明していきます。

この記事のポイント(要点まとめ)


▶年金にも税金がかかるの?
年金収入にも税金がかかるが、年金収入が158万円以下なら所得税は0円。
※65才未満の場合は108万以下。税金がいくら引かれるかについては下記の早見表で説明しています。


▶確定申告をする必要はある?
年金所得者も確定申告が必要なときがある。とくに、年金と給与をもらっている方は注意。
※くわしくは下記で説明しています。


▶年金180万(月額15万)の手取りはいくら?
収入が公的年金等のみであり、支払った社会保険料を0円とした場合、65歳以上なら手取りは約176万円になる。
※くわしくは下記で説明しています。


この記事の目次
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では最初に、老後の年金にいくら税金がかかるのか下記で説明していきます。年収別に手取りもシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。
※もらえる年金額があまり多くない場合は税金がかかりません。

年金収入ごとの税金はいくら?税額シミュレーション

老後にもらえる年金の税金がどれくらいになるか年金受給額ごとにシミュレーションしました。以下に表でまとめています。

もうすぐ年金がもらえる年齢の方はチェックしておきましょう。
※年金の手取り額も下記の早見表にまとめています。これから年金生活をするひとは大まかに把握しておきましょう。

年金収入ごとの税金シミュレーション
※年齢は65歳以上・支払った社会保険料は0円・収入は公的年金等のみとしています。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係

年金収入80万円のとき あなたにかかる税金は
0円です。
所得税0円、住民税が0円。
※手取りは80万円。
年金収入150万円のとき あなたにかかる税金は
0円です。
所得税0円、住民税が0円。
※手取りは150万円。
65才未満だと手取りは約143万
年金収入180万円のとき あなたにかかる税金は
43,000円です。
所得税11,000円、住民税が32,000円。
※手取りは約176万円。
65才未満だと手取りは約170万
年金収入200万円のとき あなたにかかる税金は
73,000円です。
所得税21,000円、住民税が52,000円。
※手取りは約193万円。
65才未満だと手取りは約188万
年金収入220万円のとき あなたにかかる税金は
103,000円です。
所得税31,000円、住民税が72,000円。
※手取りは約210万円。
65才未満だと手取りは約206万
年金収入250万円のとき あなたにかかる税金は
148,000円です。
所得税46,000円、住民税が102,000円。
※手取りは約235万円。
65才未満だと手取りは約232万
年金収入300万円のとき あなたにかかる税金は
223,000円です。
所得税71,000円、住民税が152,000円。
※手取りは約280万円。
65才未満だと手取りは約277万

※金額はおおよそです。
※年齢は65歳以上・支払った社会保険料は0円・収入は公的年金等のみ。
※個人年金にかかる税金などはこちらの記事を参照。
※年金受給者の国民健康保険料こちらの記事を参照。
※税金や手取りの計算は下記のページで行っています。

年金収入が少なければ税金が0円
上記の表を見てわかるように、年金収入がそれほど多くなければ税金はかかりません。
ちなみに、あなたが65歳以上であり、年金収入が158万円以下なら所得税が0円になります。年金収入が155万円以下なら住民税も0円になります。
※住民税についてはお住まいの地域によって152万円以下などの場合があります。

なぜ税金が0円になるのかについては下記で説明しています。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているので気になる方はチェックしておきましょう。

では次に、年金収入にかかる税金の計算過程について下記で説明していきます。年金をもらっていても税金がかからない理由について知っておきましょう。


年金をもらっていても税金がかからないのはなぜ?
公的年金等控除で所得が減るから

老後にもらう年金には税金がかかりますが、1年間(1月~12月まで)の年金額がそれほど多くなければ税金がかかりません。


なぜかというと、公的年金等控除が所得を減らしてくれるからです。


「何を言っているのかわからない…」という方のために、具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。

たとえば年金収入が110万円だったら?
65歳以上で1年間(1月~12月まで)の年金収入が110万円のとき、年金についての所得(雑所得)は、

110万円年金収入110万円公的年金等控除 = 0円雑所得
65歳未満の方については公的年金等控除は60万円になります。くわしくはこちらを参照。
※公的年金等についての所得は年金所得シミュレーションで計算できます。

となります。

控除がなければ年金収入110万円がすべて雑所得になってしまいますが、公的年金等控除のおかげで雑所得が減額されています(0円になっている)。

したがって、所得が0円なので税金も0円になります。
※たとえば年金が1年間で100万なら税金は0円です。税金額は上記の早見表で説明しています。

では、税金がかかるのは年金収入いくらからなのか説明していきます。
年金収入158万だと所得税0円?

まず年金についての所得を計算
65歳以上で1年間(1月~12月まで)の年金収入が158万円のとき、年金についての所得(雑所得)は、

158万円年金収入110万円公的年金等控除 = 48万円雑所得
※ここで説明する「年金」とは公的年金等のこと。
公的年金等とは国民年金や厚生年金などのこと。
※控除については公的年金等控除とは?を参照。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係
65才未満の場合は108万だと雑所得が48万円になります。

となります。

雑所得のほかに収入がないとすると、あなたの総所得金額は48万円となります。

※公的年金のほかにアルバイトや副業などをして所得がある場合は、それも合計した金額が総所得金額になります。くわしくは公的年金以外の所得を参照。

次に所得税を計算
総所得金額がわかったので所得税を計算します。所得税の計算式は以下のようになります。

(48万円総所得金額 – 所得控除) × 税率 = 所得税
所得控除とは:税金の負担を軽くしてくれるもの。

ここで、所得控除が48万円とすると、所得税は以下のようになります。

(48万円総所得金額48万円所得控除) × 5% = 0円所得税
※税率については所得税率ってなに?を参照。
※所得税については所得税とは?を参照。
※ここでは所得控除についてはすべてのひとに適用される基礎控除48万円のみとしています。

以上のように、年金収入が1年間に158万円以下までなら所得税は0円になります。
※65才未満の場合は108万以下なら所得税が0円になります。

住民税はいくらまで0円?
65歳以上で収入が年金のみの場合、1年間の年金収入が155万円までは住民税も0円になります。
※市区町村によっては152万円や148万円の場合があります。
※住民税が0円(非課税)になる場合については住民税がかからないときを参照。
※公的年金等控除や年金にかかる税金のくわしい計算方法は公的年金等控除とは?を参照。

※配偶者を扶養する場合は211万まで住民税が0円になります↓
夫婦だと年金211万まで住民税が0円になる?共働きだと?


こんなページも見られています
老後の年金から引かれるものってなに?

確定申告をする必要はある?給料ももらっている方は注意?

年金をもらっている方は年金が支給されると同時に源泉徴収されるため、基本的には確定申告をする必要がありません。


ただし、1年間(1月~12月まで)の年金収入が400万円を超えるときには確定申告をする必要があります。


また、年金をもらいながらアルバイトなどで給料をもらっている場合にも確定申告が必要になるときがあります。

確定申告が必要な場合は?

  • 1年間(1月~12月まで)の公的年金等の収入が400万円を超える方
  • 公的年金以外の所得が1年間(1月~12月まで)で20万円を超える方
    ※たとえば、老齢年金をもらいながらアルバイトの給与所得があったり、副業で雑所得がある、個人年金があるなど。

※出典:国税庁高齢者と税
※確定申告については確定申告とは?を参照。

以上のように、年金をもらっている方でも確定申告が必要になるときがあります。くわしくは下記の記事で説明しています。年金をもらいながら給料をもらっている方は注意しましょう。