親を扶養に入れる?扶養控除は自分の子供だけじゃない?

2020.03.26 更新
子供のほかに自分の親にも扶養控除を適用させられることをご存知でしょうか。この記事では扶養控除を親に適用させる場合について説明していきます。
この記事の目次
扶養控除ふようこうじょは自分の親にも適用できる?

扶養控除とは、養う家族がいれば税金の負担を軽くするという制度です。したがって、子供だけじゃなく自分の両親も扶養控除の対象となります。ただし、扶養控除を利用するにはいくつか条件があります。

扶養控除の条件は?扶養親族とは?

扶養控除は扶養親族(養う家族)のうち年齢が16歳以上の方がいる場合に適用されます。

扶養親族とは「扶養されている親族」のことで、以下の要件にすべて当てはまる方をいいます。

扶養親族って?扶養控除の条件は?

扶養親族の要件

  • 配偶者以外の親族であること
    配偶者とは:妻から見た夫、夫から見た妻のこと。
  • 納税者(控除を受ける人)と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が38万円以下であること
    合計所得金額38万円については以下で説明。

 
扶養控除が適用される扶養親族

  • 16歳以上であること
合計所得金額38万円とは?

例えば、あなたの親の収入が年金収入のみで年間158万円のとき、あなたの親の所得は38万円となります。それ以外に所得がないので合計所得金額は38万円となります。この場合、あなたの親は扶養控除の対象になります。

158万円年金収入120万円公的年金控除 = 38万円雑所得(合計所得金額)

合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。
公的年金控除については公的年金控除とはを参照。

親に扶養控除を適用するといくら安くなる?

年収にもよりますが、扶養控除を利用するとあなたの税金の負担は約5~11万円ほど軽くなる場合が多いでしょう。

また、大事なポイントは親の年齢が70歳未満か70歳以上で控除額が変わることです。税金が安くなる金額どれくらい変わるかチェックしておきましょう。
※区分や控除額などくわしい扶養控除についてはこちらを参照。

親が70歳未満のときは?
たとえば、40歳以下・社会保険加入のサラリーマンが自分の親ひとりに対して扶養控除を利用したとき。
 

年収250~400万円のとき 所得税は19,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 所得税は38,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~900万円のとき 所得税は76,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算


親が70歳以上のときは?
たとえば、40歳以下・社会保険加入のサラリーマンが自分の親ひとりに対して扶養控除を利用したとき。
※70歳以上の扶養親族は老人扶養親族にあてはまります。
 

年収250~430万円のとき 所得税は29,000円安くなります。
※親が別居している場合は24,000円。

住民税は45,000円(固定)安くなります。

※親が別居している場合は38,000円。
年収540~640万円のとき 所得税は58,000円安くなります。
※親が別居している場合は48,000円。

住民税は45,000円(固定)安くなります。

※親が別居している場合は38,000円。
年収740~940万円のとき 所得税は116,000円安くなります。
※親が別居している場合は96,000円。

住民税は45,000円(固定)安くなります。

※親が別居している場合は38,000円。

※所得税と住民税はこちらで計算

扶養控除込みで所得税をシミュレーションしてみよう

給料をもらっている人(サラリーマンなど)が扶養控除を利用したとき、税金がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。


①まず扶養控除の対象になるかどうか。
たとえば、あなたの親(70歳未満)の収入が年金収入のみであり、1年間の収入が150万円のとき、年金についての所得は30万円となります。

150万円年金収入120万円公的年金控除  =  30万円年金についての所得
公的年金控除や年金についての所得については、年金にも税金がかかる?を参照。

あなたの親の収入は年金収入のみなので、合計所得金額は30万円となります。したがって、あなたの親は扶養控除の対象となります。


ここからあなたが扶養控除を適用したときの計算
②まずはあなたの給与所得の計算

たとえばあなたの収入が給与収入のみであり、年間収入が350万円のとき、給与所得は、

350万円給与収入123万円給与所得控除  =  227万円給与所得
給与所得については、給与所得とは?を参照。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

③次に課税所得を計算する(扶養控除込み)
総所得金額は計算できたので(227万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、

227万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。所得控除を117万円(38万円扶養控除 + 38万円基礎控除 + 41万円社会保険料控除)としたとき、課税所得は、

227万円総所得金額117万円所得控除 = 110万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得を参照。

となります。

④所得税の計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は

110万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

110万円課税所得 × 5% = 55,000円所得税
所得税率については、所得税率とは?を参照。
所得税の計算については、こちらを参照。

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約11万円かかります。

となります。

もし扶養控除を利用しなければ?
扶養控除38万円を利用しない場合、そのぶん課税所得が増えるので、

(110万円 + 38万円)課税所得 × 5% = 74,000円所得税

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約15万円かかります。

となり、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。
 

2人以上いればさらに税金は安くなる
扶養控除の対象となる家族が二人なら(38万円 × 2)の76万円が扶養控除額となり、さらに税金の負担は軽くなります。

くわしい内容は以下のページで説明しています。

年末調整での扶養控除の申請は?

扶養控除を適用するには年末調整で申請をしなければなりません。

以下のページで年末調整の書き方と申請方法を説明しています。扶養控除を利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整で扶養控除の申請をする方はこちら

扶養控除の申請方法については、扶養控除の申請(年末調整の記入例)を参照。
年末調整の書き方については、年末調整の書き方見本・記入例を参照。
確定申告での扶養控除の申請は?

確定申告をする方で扶養控除を利用できるときは申請をしましょう。パターン別に確定申告のやり方などを以下のページにまとめています。

今回のコラムはここまでです。親に扶養控除を適用させた場合についてわかっていただけましたか?

親を扶養に入れる?扶養控除は自分の子供だけじゃない?

子供のほかに自分の親にも扶養控除を適用させられることをご存知でしょうか。この記事では扶養控除を親に適用させる場合について説明していきます。
この記事の目次
扶養控除ふようこうじょは自分の親にも適用できる?

扶養控除とは、養う家族がいれば税金の負担を軽くするという制度です。したがって、子供だけじゃなく自分の両親も扶養控除の対象となります。ただし、扶養控除を利用するにはいくつか条件があります。

扶養控除の条件は?扶養親族とは?

扶養控除は扶養親族(養う家族)のうち年齢が16歳以上の方がいる場合に適用されます。

扶養親族とは「扶養されている親族」のことで、以下の要件にすべて当てはまる方をいいます。

扶養親族って?扶養控除の条件は?

扶養親族の要件

  • 配偶者以外の親族であること
    配偶者とは:妻から見た夫、夫から見た妻のこと。
  • 納税者(控除を受ける人)と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が38万円以下であること
    合計所得金額38万円については以下で説明。

 
扶養控除が適用される扶養親族

  • 16歳以上であること
合計所得金額38万円とは?

例えば、あなたの親の収入が年金収入のみで年間158万円のとき、あなたの親の所得は38万円となります。それ以外に所得がないので合計所得金額は38万円となります。この場合、あなたの親は扶養控除の対象になります。

158万円年金収入120万円公的年金控除 = 38万円雑所得(合計所得金額)

合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。
公的年金控除については公的年金控除とはを参照。

親に扶養控除を適用するといくら安くなる?

年収にもよりますが、扶養控除を利用するとあなたの税金の負担は約5~11万円ほど軽くなる場合が多いでしょう。

また、大事なポイントは親の年齢が70歳未満か70歳以上で控除額が変わることです。税金が安くなる金額どれくらい変わるかチェックしておきましょう。
※区分や控除額などくわしい扶養控除についてはこちらを参照。

親が70歳未満のときは?
たとえば、40歳以下・社会保険加入のサラリーマンが自分の親ひとりに対して扶養控除を利用したとき。
 

年収250~400万円のとき 所得税は19,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 所得税は38,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~900万円のとき 所得税は76,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算


親が70歳以上のときは?
たとえば、40歳以下・社会保険加入のサラリーマンが自分の親ひとりに対して扶養控除を利用したとき。
※70歳以上の扶養親族は老人扶養親族にあてはまります。
 

年収250~430万円のとき 所得税は29,000円安くなります。
※親が別居している場合は24,000円。

住民税は45,000円(固定)安くなります。

※親が別居している場合は38,000円。
年収540~640万円のとき 所得税は58,000円安くなります。
※親が別居している場合は48,000円。

住民税は45,000円(固定)安くなります。

※親が別居している場合は38,000円。
年収740~940万円のとき 所得税は116,000円安くなります。
※親が別居している場合は96,000円。

住民税は45,000円(固定)安くなります。

※親が別居している場合は38,000円。

※所得税と住民税はこちらで計算

扶養控除込みで所得税をシミュレーションしてみよう

給料をもらっている人(サラリーマンなど)が扶養控除を利用したとき、税金がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。


①まず扶養控除の対象になるかどうか。
たとえば、あなたの親(70歳未満)の収入が年金収入のみであり、1年間の収入が150万円のとき、年金についての所得は30万円となります。

150万円年金収入120万円公的年金控除  =  30万円年金についての所得
公的年金控除や年金についての所得については、年金にも税金がかかる?を参照。

あなたの親の収入は年金収入のみなので、合計所得金額は30万円となります。したがって、あなたの親は扶養控除の対象となります。


ここからあなたが扶養控除を適用したときの計算
②まずはあなたの給与所得の計算

たとえばあなたの収入が給与収入のみであり、年間収入が350万円のとき、給与所得は、

350万円給与収入123万円給与所得控除  =  227万円給与所得
給与所得については、給与所得とは?を参照。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

③次に課税所得を計算する(扶養控除込み)
総所得金額は計算できたので(227万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、

227万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。所得控除を117万円(38万円扶養控除 + 38万円基礎控除 + 41万円社会保険料控除)としたとき、課税所得は、

227万円総所得金額117万円所得控除 = 110万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得を参照。

となります。

④所得税の計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は

110万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

110万円課税所得 × 5% = 55,000円所得税
所得税率については、所得税率とは?を参照。
所得税の計算については、こちらを参照。

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約11万円かかります。

となります。

もし扶養控除を利用しなければ?
扶養控除38万円を利用しない場合、そのぶん課税所得が増えるので、

(110万円 + 38万円)課税所得 × 5% = 74,000円所得税

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約15万円かかります。

となり、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。
 

2人以上いればさらに税金は安くなる
扶養控除の対象となる家族が二人なら(38万円 × 2)の76万円が扶養控除額となり、さらに税金の負担は軽くなります。

くわしい内容は以下のページで説明しています。

年末調整での扶養控除の申請は?

扶養控除を適用するには年末調整で申請をしなければなりません。

以下のページで年末調整の書き方と申請方法を説明しています。扶養控除を利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整で扶養控除の申請をする方はこちら

扶養控除の申請方法については、扶養控除の申請(年末調整の記入例)を参照。
年末調整の書き方については、年末調整の書き方見本・記入例を参照。
確定申告での扶養控除の申請は?

確定申告をする方で扶養控除を利用できるときは申請をしましょう。パターン別に確定申告のやり方などを以下のページにまとめています。

今回のコラムはここまでです。親に扶養控除を適用させた場合についてわかっていただけましたか?