課税所得とは?わかりやすく解説。計算方法など

2021.06.01 更新
課税所得とは税金を計算するときに関わってくるもので、この金額をもとに毎年の所得税などが計算されるのですが、「なにそれ?よくわかんない…」という方もいると思います。この記事では課税所得の計算の仕方について所得税の計算をしながらわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
課税所得ってなに?

課税所得とは簡単に説明すると税金がかけられる所得のことです。
※課税とは「税金がかけられる」という意味。
※所得については所得とは?を参照。

もう少しくわしく説明するために所得税の計算式を以下に示します。

課税所得とは?
 

所得とは:収入から経費を引いたもの。
総所得金額とは:各所得の合計(山林所得・退職所得を除く)。
所得控除とは?:税の負担を軽くするもの。



上記を見てわかるように【総所得金額-所得控除】を課税所得といいます。

税金は所得全部にかけられるのではなく、「所得から所得控除を差し引いた金額」にかけられる仕組みになっています。この「所得から所得控除を差し引いた金額」を課税所得といいます。

【例】課税所得の計算はどうやる?給料をもらっているひとの課税所得

たとえば、勤務先の給料(給与収入)が1年間で200万円でそれ以外に収入がない場合。


①まず給与所得を計算
上記の条件のとき、給与所得は、

200万円給与収入68万円給与所得控除 = 132万円給与所得
給与所得や給与所得控除については給与所得控除とはを参照。

となります。

給与所得のほかに所得がないので、132万円が総所得金額となります。


②次に課税所得を計算
所得控除が77万円とすると、課税所得は

132万円総所得金額77万円所得控除 = 55万円課税所得
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除とは?:税の負担を軽くするもの。

となります。そして、課税所得に税率をかけることで所得税が計算されます。

ここでは収入が「給料のみ」の場合で課税所得を計算していますが、下記で他の所得があるときの課税所得をシミュレーションしているので気になる方はチェックしておきましょう。

所得と課税所得の違いは?何が違うの?

所得と課税所得の違いがよくわからないという方もいると思います。

簡単に説明すると、所得は収入から経費をひいた金額のことをいいます。課税所得は所得から所得控除をひいた金額のことをいいます。

➊収入から「所得」を計算 → ➋所得から「課税所得」を計算 という順序になります。

所得と課税所得のちがい

●所得とは収入から経費をひいた金額

300万円収入90万円経費  =  210万円所得

所得については、所得ってなに?を参照。
●課税所得とは所得から所得控除をひいた金額

210万円総所得金額110万円所得控除  =  100万円課税所得

総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除については、所得控除とは?を参照。

非課税所得とは?

非課税所得とは税金がかけられない所得のことをいいます。最初に説明したとおり、課税所得は税金がかけられる所得なのでその逆ということになります。

たとえば、年金や児童手当、労災などによってもらえるお金は非課税所得なので所得として合計されません。以下に示すお金は税金がかけられません。

税金がかけられない所得の例

年金など
遺族年金:一家の主が亡くなったときに支給される年金
障害年金:障害を負ったときに支給される年金
※老後にもらう年金には税金がかけられます。
など。
医療保険や手当など
出産手当金:出産のために会社を休んだ時にもらえるお金
出産育児一時金:子供が生まれた時にもらえるお金
傷病手当金:会社を休んだ時にもらえるお金
児童手当:子どもがいる家庭に支給されるお金
児童扶養手当:ひとり親の家庭に支給されるお金
など。
労災や雇用保険など
労災保険の給付(休業補償給付など):仕事が原因でケガをしたときにもらえるお金
失業手当(基本手当):失業して再就職するまでもらえるお金
育児休業給付金:育休中にもらえるお金
など。
いろいろなパターンで課税所得を計算

上記でも説明しているように、課税所得は「総所得金額 – 所得控除」に計算できます。


所得が1つでも複数ある場合でも計算のやり方は一緒です。


以下に➊個人事業主の場合、➋雑所得がある場合、➌本業以外に副業をしている場合の課税所得をシミュレーションしています。

①個人事業主の場合の課税所得
たとえば、あなたが個人事業主であり、事業による収入が1年間(1月~12月まで)に200万円あった場合。


①まず事業所得を計算
上記の条件のとき、事業所得は、

200万円事業収入10万円経費65万円控除 = 125万円事業所得
※控除は青色申告特別控除の65万円です。
※事業所得については事業所得とは?を参照。
※計算をわかりやすくするため経費を10万円としています

となります。

事業所得のほかに所得がないので、125万円が総所得金額となります。


②次に課税所得を計算
所得控除が85万円とすると、課税所得は

125万円総所得金額85万円所得控除 = 40万円課税所得
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除とは?:税の負担を軽くするもの。

となります。そして、課税所得に税率をかけることで所得税が計算されます。

②雑所得がある場合の課税所得
たとえば、あなたにフリマや仮想通貨などで稼いだ雑多な収入があり、その収入が1年間(1月~12月まで)に100万円あった場合。


①まず雑所得を計算
上記の条件のとき、雑所得は、

100万円雑多な収入10万円経費 = 90万円雑所得
※雑所得については雑所得とは?を参照。
※計算をわかりやすくするため経費を10万円としています

となります。

雑所得のほかに所得がないので、90万円が総所得金額となります。


②次に課税所得を計算
所得控除が48万円とすると、課税所得は

90万円総所得金額48万円所得控除 = 42万円課税所得
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除とは?:税の負担を軽くするもの。

となります。そして、課税所得に税率をかけることで所得税が計算されます。

③本業以外に副業をしている場合の課税所得
たとえば、あなたはサラリーマンであり、1年間(1月~12月まで)の給料が300万円、さらに副業としてフリマや仮想通貨などで稼いだ雑多な収入が100万円あった場合。


①まず給与所得を計算
上記の条件のとき、給与所得は、

300万円給与収入98万円給与所得控除 = 202万円給与所得
※給与所得や給与所得控除については給与所得控除とはを参照。

となります。

②次に雑所得を計算
本業以外にも副業として雑多な収入が100万円あるので、雑所得は、

100万円雑多な収入10万円経費 = 90万円雑所得
※雑所得については雑所得とは?を参照。
※計算をわかりやすくするため経費を10万円としています

となります。

③次に総所得金額を計算
給与所得と雑所得が計算できたので、総所得金額は、

202万円給与所得 + 90万円雑所得 = 292万円総所得金額
総所得金額とは:各所得の合計のこと(一部所得を除く)。

となります。

④次に課税所得を計算
所得控除が92万円とすると、課税所得は

292万円総所得金額92万円所得控除 = 200万円課税所得
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除とは?:税の負担を軽くするもの。

となります。そして、課税所得に税率をかけることで所得税が計算されます。

給料をもらっている人の課税所得を計算して所得税をシミュレーションしてみよう

会社から給料をもらっている方(サラリーマンなど)の税金がどのように計算されるかシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。


この条件で所得税はいくらになる?
たとえば、給与収入が300万円でそれ以外に収入がない場合、所得税はいくらになるでしょうか。


①まず給与所得を計算
上記の条件のとき、給与所得は、

300万円給与収入98万円給与所得控除 = 202万円給与所得
給与所得や給与所得控除については給与所得控除とはを参照。

となります。

給与所得のほかに所得がないので、202万円が総所得金額となります。


②次に課税所得を計算
総所得金額がわかったので、次に課税所得を算出します。課税所得は、

202万円総所得金額所得控除しょとくこうじょ = 課税所得
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。

となります。所得控除を93万円とすると、課税所得は、

202万円総所得金額93万円所得控除 = 109万円課税所得
所得控除とは?:税の負担を軽くするもの。

となります。

③次に所得税を計算
所得税をもとめる式は、

109万円課税所得 × 税率 = 所得税
所得税については所得税とは?を参照。

となります。課税所得が195万円以下のときは税率が5%なので、所得税は、

109万円課税所得 × 5% = 54,500円所得税
所得税率については所得税率とは?を参照。

※ちなみに上記の条件のとき住民税は約12万円かかります。

となります。

所得税以外も気になる方は以下のページで計算してみましょう。

サラリーマンなどで1年間の所得が「給与所得だけ」なら課税所得を計算するのはかんたんですが、副業などをしている場合は少し複雑になります。

なので、1年間に自分が稼いだ所得を把握しておきましょう。課税所得が計算できればあとは税率をかけて税金を計算するだけです。