基本手当(失業手当)とは?支給額はいくら?求職中にお金がもらえる?

2021.10.05 更新
「会社が倒産してしまった…仕事をさがさないと…」失業はだれもが抱えるリスクです。そんなリスクに対応してくれるものが雇用保険の「基本手当(失業手当)」です。この記事では基本手当についてわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
基本手当(失業手当)とは?

仕事を急に失い、給料がもらえなくて生活に困る方もいると思います。そんな方を援助する制度が「基本手当(失業手当)」です。

簡単に説明すると、基本手当とは次の仕事が見つかるまで(失業してから1年間まで)お金を給付してくれる制度です。

基本手当をもらうための条件や支払われる金額はどのくらいなのかチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 基本手当(失業手当)をもらうにはハローワークで求職の申込みが必要。

  • 求職の実績が認められないと基本手当(失業手当)は支給されない。

  • もらえる金額は1日あたり約5,000~8,000円。

  • もらえる期間は自己都合か会社都合によって変わる。最長360日。

  • 申請してから約1か月後にもらえる(給付制限が無い場合)。

では最初に、基本手当(失業手当)はどれくらいの金額なのかについて下記で説明していきます。退職する予定の方はチェックしておきましょう。


もらえる金額は?

基本手当(失業手当)として支給される1日当たりの金額は賃金日額の50~80%となっています。
賃金日額 = 仕事を失う前の6ヶ月間の賃金 ÷ 180

以下に月収別のシミュレーションをしているので、退職予定の方はもらえる金額をチェックしておきましょう。

基本手当(失業手当)の支給額

基本手当の金額は月収別に以下のようになっています。
※月収については離職以前の月収となります。
 

月収が20万円のとき 支給額は1日あたり約4900円となります。
※月額約14万円(28日分)

60~64歳は1日あたり約4700円
※月額約13万円(28日分)
月収が25万円のとき 支給額は1日あたり約5500円となります。
※月額約15万円(28日分)

60~64歳は1日あたり約4800円
※月額約13万円(28日分)
月収が30万円のとき 支給額は1日あたり約6000円となります。
※月額約17万円(28日分)

60~64歳は1日あたり約4900円
※月額約14万円(28日分)
月収が40万円のとき 支給額は1日あたり約6700円となります。
※月額約19万円(28日分)

60~64歳は1日あたり約6000円
※月額約17万円(28日分)
月収が50万円のとき 支給額は1日あたり6760円(29歳以下の上限額)
※月額約19万円(28日分)

支給額は1日あたり7510円(44歳以下の上限額)
※月額約21万円(28日分)

支給額は1日あたり8265円(59歳以下の上限額)
※月額約23万円(28日分)

支給額は1日あたり7096円(60~64歳の上限額)
※月額約20万円(28日分)

基本手当の支給額については、基本手当日額ページ参照

では次に、基本手当(失業手当)を受けるための条件について下記で説明していきます。

基本手当(失業手当)を受けるための条件は?

失業中に基本手当を受けるには、次の条件のいずれにもあてはまる必要があります。

何もしないでもらえるわけではないので気をつけましょう。基本手当をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。

基本手当をもらう条件

  • ハローワークにて求職の申込みを行い、就職しようとする意思があるにもかかわらず失業の状態にあること。
    ※求職活動を定期的にハローワークに報告する必要があります。
  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
雇用保険被保険者であった期間のうち、賃金支払基礎日数が11日以上ある月のこと。
※特定受給資格者または特定理由離職者については、離職の日以前1年間に被保険者期間が6か月以上であれば基本手当の支給を受けることができます。
※雇用保険の被保険者とは一般被保険者(65歳未満)と高年齢被保険者(65歳以上)のことをいいます。
基本手当をもらうには手続きが必要?

基本手当(失業手当)の支給を受けるには上記の要件のほかにも手続きが必要です。支給されるまでのながれについては下記で説明しています。

では次に、基本手当(失業手当)を受けるために必要なものについて下記で説明していきます。持ち物を準備してハローワークで手続きをしましょう。


受給手続きに必要なものは?

基本手当を受給するための手続きに必要なものは以下のとおりです。

以下のものを持参してハローワークにて手続きを行いましょう。

必要なもの

  • 離職票
    ※複数枚の離職票をお持ちの方は全て提出。離職票は勤務していた事業所から交付されます。
  • 個人番号確認書類
    ※マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票の写しのうち、いずれか1つ
  • 身元(実在)確認書類
    ※運転免許証、マイナンバーカード、写真付の身分証明書や資格証明書などのうち、いずれか1つ。
    ※上記の書類がない場合は、保険証、住民票の写し、児童扶養手当証書などのうち異なるものを2種類を用意する。コピー不可。
  • 印鑑
    ※認印可、スタンプ印不可
  • 写真2枚
    ※正面上半身の最近の写真。タテ3.0cm×ヨコ2.5cm
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
    ※一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可。

では次に、基本手当(失業手当)が支給されるまでの流れについて下記で説明していきます。失業手当をもらう前に支給までの流れをザッと知っておくことをオススメします。

基本手当(失業手当)が支給されるまでのながれは?

基本手当(失業手当)の支給を受けるまでのながれは以下のようになっています。

かんたんに説明すると、求職の申込みをして失業の認定を受けると基本手当(失業手当)が支給されます。

基本手当(失業手当)の支給を受けるには求職の実績が必要になるので注意しましょう。

基本手当を支給されるまでのながれ



①ハローワークで申込み
退職後、離職票など必要書類を用意してハローワークで求職の申込みと受給資格決定の手続きを行います。
※必要書類については上記で説明しています。


②受給資格決定
受給資格が決定したら、7日間の待期後、指定された日に開催される受給者説明会に参加する。


③受給者初回説明会
受給者説明会が終わると、1回目の失業認定日が伝えられます。
※説明会の終了後に雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が渡されるので無くさないようにしましょう。雇用保険受給資格者証はやむをえない理由で退職した方が保険料の減額を申請するために必要になります。


④初回の失業認定
1回目の失業の認定が行われます。失業認定が行われると基本手当(失業手当)が振り込まれます。
自己都合で退職した方は1回目の失業認定を受けたあと給付制限期間(2か月間)があるのですぐには失業手当は支給されません。制限期間が終わった後(2か月後)に2回目の失業認定を受け、そのあと最初の失業手当が振り込まれます。


⑤失業手当が支給される
失業認定後、約1週間後に1か月分の基本手当(失業手当)が振り込まれます。そして4週間後に2回目の失業認定が行われます。


⑥2回目の失業認定を受ける
2回目の失業の認定が行われます。失業認定が行われると2回目の基本手当(失業手当)が振り込まれます。
※2回目の失業手当が支給されるには、2回目の失業認定日までに最低2回の求職活動実績を作る必要があります。


⑦失業手当が支給される
失業認定後、約1週間後に1か月分の基本手当(失業手当)が振り込まれます。そして4週間後に3回目以降の失業認定が行われます。
※次回の失業手当が支給されるには、次回の失業認定日までに最低2回の求職活動実績を作る必要があります。


⑧以降、繰り返し
再就職または支給期間が終了するまで失業認定と失業手当の支給が繰り返されることになります。
※早く再就職が決まり、失業手当の支給残日数が1/3以上残っている方は再就職手当が支給されます。

では次に、失業の認定を受けるための実績について下記で説明していきます。求職活動は何でもいいわけではありません。


失業認定を受けるための求職活動の実績とは?

基本手当(失業手当)を受けるには求職活動の実績をつくる必要があります。
※失業認定日までに求職活動の実績をつくると失業の認定が行われ、基本手当(失業手当)が支給されます。

求職活動の実績になるもの、または実績にならないものがあるので注意しましょう。求職活動の実績として認められるのは以下のような活動です。

求職活動の実績になるものは?

  • ハローワークで職業相談、求職申込
  • ハローワークが実施する職業紹介等を受ける
  • 求人への応募(応募書類の送付、面接)
  • 許可・届出のある民間事業者等が実施する職業相談やセミナーなどを受ける
  • 再就職のための資格試験の受験



実績として認められないものは?

  • ハローワークやインターネット等での求人情報の閲覧
  • 就職支援サービス等への単なる登録
  • 知人に仕事紹介を依頼しただけ
  • 求人の問い合わせをしただけ
もらえる期間は?(所定給付日数)

基本手当(失業手当)がもらえる期間は年齢や雇用保険に入っていた期間・仕事を失った理由などによって決定されます。

期間は最短90日、最長360日です。以下の表は基本手当がもらえる期間をまとめたものです。
※受給期間は失業してから1年間までです。受給するつもりの方は早めに手続きしましょう。
※病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により30日以上求職活動ができなくなった場合は、その日数分だけ受給期間を延長することができます(最長で3年間延長可能)


倒産や解雇などで仕事を失った場合は基本手当がもらえる日数が多く、自己都合で退職した場合は基本手当がもらえる日数(所定給付日数)が少ないのが特徴です。

基本手当がもらえる日数表

自己都合の時は最大でも150日
たとえば倒産などの会社都合ではなく、自分の都合で退職した場合にはもらえる期間は上記③の表を見てわかるように最大でも150日となっています。

勤続年数が1年以上5年未満の会社を自己都合で退職したとき、基本手当(失業手当)がもらえる日数は90日になります。

※会社都合等については自己都合退職と会社都合退職の違いはなに?を参照。

では次に、基本手当(失業手当)がもらえるまでの制限(待期と給付制限)について下記で説明していきます。場合によっては失業手当がもらえるまで数か月かかります。

すぐにもらえるわけではない?受給資格(待期と給付制限)とは?

基本手当の受給資格を得てから最初の7日間は、基本手当は支給されません(これを「待期」といいます)。「待期」が終わってから基本手当の支給が始まります。

ただし、「自分の責任による解雇」や「理由もなく退職した」などの場合は給付制限が発生します。給付制限の期間中は基本手当が支給されないので注意しましょう。

給付制限については以下のとおり

▶自己の責任による解雇(重責解雇)
 待機期間満了後から3ヶ月の給付制限


▶正当な理由がなく、自己の理由によって退職
 待機期間満了後から3ヶ月の給付制限
 ※5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となります。


▶正当な理由もなく、ハローワークの紹介する職業に就くことまたは公共職業訓練を受けることを断ったとき
 断った日から1ヶ月間の給付制限

基本手当(失業手当)はいつからもらえる?

最初の基本手当(失業手当)は、受給手続きをした日から約1か月後に指定した口座に振り込まれます。具体的には失業の認定日の約7日後に指定した口座に振り込みされます。

※認定日とは、基本手当の受給手続きをした日から4週間後にハローワークにて失業していることの認定を行う日のことです(その後4週間ごとに失業の認定が行われます)。

ただし、給付制限を受けている場合には給付制限期間が経過した後の認定日から支給となります。

最初の基本手当が支給されたあとは4週間ごとに失業認定が行われ、失業が認められれば1か月分の基本手当が支給されることになります。
※早く再就職が決まり、失業手当の支給残日数が1/3以上残っている方は再就職手当が支給されます。

申請してすぐにお金がもらえるわけではないので基本手当をもらうつもりの方は支給日を覚えておきましょう。


派遣をやめたときは自己都合?

派遣社員の方が退職するときに気になるのが「自己都合」か「会社都合」です。「離職の理由は自己都合になるのかどうか」は基本手当を受給する上で大事なポイントです。


離職の理由については自己都合になる場合が多いですが、仕事を紹介されないまま契約を切られた場合は会社都合になります。


ちなみに、自己都合か会社都合かの判定は「本人の主張だけ」または「事業主の主張だけ」で決定されません。
※離職票や離職理由を確認できる資料からハローワークが判定を行います。


自己都合と会社都合については下記のページで説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。

自己都合と会社都合どっちになる?
派遣社員の方が離職した場合は以下のように会社都合か自己都合に分けられます。

会社都合になるとき
契約期間が満了する前に次の仕事を紹介されないまま契約期間が満了して離職した場合は「会社都合」になります。

自己都合になるとき
契約期間が満了する前に次の仕事を紹介されながら、その仕事を拒否した場合は「自己都合」になります。
失業中もアルバイトをしていいの?

「失業中にアルバイトをしても基本手当は受給できるのか」は基本手当を受給する上で大事なポイントです。


簡単に説明すると、基本手当をもらいながらアルバイトをしても問題ありませんが、一定時間以上勤務すると基本手当が受給できなくなったりします。

ただし、注意しなければならないことが以下のようにいくつかあります。

働く条件によっては基本手当の支給がストップしてしまう場合もあるのでチェックしておきましょう。

アルバイトをする上で注意すること

  • 待期期間は収入があってはいけない
    ※基本手当の受給資格を得てから最初の7日間(待期期間)は失業状態でなければいけません。したがって、アルバイトなどで収入があると待期期間が延長してしまいます。
  • 週20時間以上アルバイトをすると基本手当は受給できなくなる
    ※週20時間以上勤務すると雇用保険の加入条件を満たします。この場合「就職」と見なされるため、基本手当が受給できなくなります。
  • アルバイトなどで収入があると基本手当が減額されたり、先送りされたりする。
    ※1日4時間未満の労働をすると「減額」、4時間以上の労働で「先送り(減額はされない)」になります。
給付制限中のアルバイト
自己都合で退職したときには3ヶ月の給付制限が発生します。給付制限中はアルバイトをしても問題はありませんが、上記の注意点でも記述したように週20時間以上勤務すると雇用保険の加入条件を満たすため「就職」とみなされ、基本手当が受給できなくなります。
※アルバイトをしていた証明をハローワークから求められた場合には勤務先に「勤務時間などの証明書」を請求して提出してください。
受給中のアルバイト
基本手当をもらっている間もアルバイトをしてもかまいません。ただし、アルバイトなどで収入があると基本手当が減額されたり、先送りされたりします。
※ただし、「アルバイトをしている」という申告をしないと不正受給とみなされ、罰則が与えられます。

勤務時間が1日4時間未満のとき
勤務時間が1日4時間未満のとき、収入額によって基本手当が減額または支給されない場合があります。

勤務時間が1日4時間以上のとき
勤務時間が1日4時間以上のとき、基本手当は減額されませんが、1日分の基本手当の支給が先送りになります。したがって、働いた日数のぶんだけ基本手当の支給が先送りになります。
※基本手当の受給期間は離職した日から1年なので、先送りによって1年を超えてしまったぶんは支給されません。
やむをえない理由で退職したひとは保険料が安くなる?

倒産や解雇などの会社都合等でやむをえず退職したひとは保険料が減額されます。
※65歳未満のひとに限ります。

雇用保険受給資格者証をハローワークで発行してもらい、お住まいの市区町村役所で申請をすることになります。

雇用保険受給資格者証はハローワークに離職票を提出し、求職の申し込みをしたのち(約1週間後)に開催される雇用保険受給者初回説明会で配布されます。

減額してくれる期間は離職日の翌日の属する月から、翌年度3月末までなのでお早めに申請しましょう。