雇用保険とは、失業者の支援などのためにお金を支給してくれる保険です。会社員やアルバイトなど「会社などに雇われている方」が加入することになります。
しかし、条件を満たさなければ雇用保険に加入することはできません。
雇用保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか、また、保険料や加入条件などについて知っておくことをオススメします。
では最初に、雇用保険の加入条件について下記で説明していきます。会社員やアルバイトをする方は関わることが多いのでチェックしておきましょう。
雇用保険は会社員(サラリーマンなど)だけのものではありません。
パート主婦やアルバイトの方も条件にすべてあてはまれば雇用保険に加入することになります。
加入条件は以下のとおりです。条件を満たした方は雇用保険の一般被保険者になります。
※65歳以上の場合は高年齢被保険者になります。
アルバイトなどをしようとしている方はチェックしておきましょう。
※65歳以降に新たに雇用される人も雇用保険の対象となります。
※雇用保険法第6条にあてはまる方(昼間学生など)は適用除外となり、雇用保険には加入できません。
※参照:厚生労働省Q&A~事業主の皆様へ~
など
※所定労働時間とは:会社が就業規則などにより定めた労働時間のこと。
※参照:厚生労働省Q&A~事業主の皆様へ~
では次に、雇用保険に加入するメリットについて下記で説明していきます。雇用保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのかチェックしておきましょう。
雇用保険に加入するメリットは「雇用保険の給付」が受けられることです。
雇用保険の代表的な給付のひとつに基本手当(失業手当)というものがあります。
※いわゆる「失業保険」といわれているものです。
基本手当とは、仕事を失ったときに次の仕事が見つかるまで(1年間まで)お金を支給してくれる給付です。
※くわしくは基本手当とは?仕事(派遣等)をやめたら失業保険はいくら?を参照。
さらに、下記で説明するように失業者のほかにも育児をする人などにお金を支給してくれたりします。
育児で仕事を休んだときは?
育児で仕事を休んだときにお金がもらえる。支給額はおおよそ月給×67%となります。
※くわしくは育児休業給付金とは?申請や手取りなど説明を参照。を参照。
介護で仕事を休んだときは?
介護で仕事を休んだときにお金がもらえる。支給額はおおよそ月給×67%となります。
※くわしくは介護で仕事を休んだときにお金がもらえる?期間は?を参照。
雇用保険は失業者だけのための保険ではありません。失業者以外の方にもメリットがあります。
ほかにもいろいろな給付がありますが、「基本手当・育児休業給付金・介護休業給付金」だけでも知っておきましょう。
そのほか雇用保険の給付の種類については雇用保険の失業給付等一覧 を参照。
では次に、雇用保険に加入しないとどうなるのかについて下記で説明していきます。働く時間が週に20時間未満の方はチェックしておきましょう。
雇用保険に加入するには、上記で説明した「加入条件」を満たす見込みがなければ加入できません。
したがって、働く時間が週に20時間未満のアルバイトやパート主婦などの方は加入できません。
ですが、雇用保険に加入していないからといって特に問題はありません。
雇用保険に加入していなければ失業手当(基本手当)や育児休業給付金を受けることができませんが、短時間勤務の方にとっては給付を受けられなくてもそれほど影響は無いでしょう。
また、雇用保険に加入していなければ毎月保険料を支払うこともないので、短時間勤務の方は雇用保険に加入できなくても気にする必要はないでしょう。
では次に、雇用保険に加入してすぐにやめた場合について下記で説明していきます。
加入条件を満たす見込みがある人が、数日で退職してしまった場合、事業主は雇用保険の加入手続きと喪失手続きを同時に行うことになります。
事業主にとっては手続きが面倒ですが、雇用保険の加入と喪失の手続きを行いましょう。
就職等をしてすぐにやめてしまった人は雇用保険に加入してすぐに脱退することになります。
自分の都合で1年未満でやめた場合、失業保険(基本手当)はもらえないことを覚えておきましょう。
では次に、雇用保険の種類について下記で説明していきます。雇用保険は4種類に分類されるので気になる方はチェックしておきましょう。
雇用保険に加入している人(被保険者)は以下のように分けられます。
アルバイトやパート、フリーター、会社員など、雇用保険に加入しているひとの多くは「一般被保険者」に該当すると思います。
① 一般被保険者 |
②③④以外の方があてはまります。 |
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② 高年齢被保険者 |
65歳以上の一般被保険者があてはまります。 |
③ 短期雇用特例被保険者 |
季節的または短期的に雇用される方があてはまります。 ※同一事業所に連続して1年未満の期間で雇用され、極めて短期間で入離職を繰り返し、その都度、特例一時金を受給していると認められる方については、原則として一般被保険者として取扱うこととなります。 ※参照:厚生労働省Q&A~事業主の皆様へ~ ※参照:厚生労働省雇用保険制度 |
④ 日雇労働被保険者 |
日雇いまたは30日以内の期間を定めて雇用されており、日雇労働で生計を立てている方があてはまります。 |
雇用保険に加入すると会社側が手続きをして雇用保険証(雇用保険被保険者証)が発行されます。そして、基本的には会社に保管※されていることが多いです。
※失業したときや転職などの際に必要になるため保管されています。基本的には会社をやめるときに保険証を渡されることになります。
自分が雇用保険に加入しているか確認したい場合は勤務先またはハローワークに聞いてみましょう。
転職する際に雇用保険証を提出することになるので、退職して保険証を渡されたらなくさないようにしましょう。
※なくしたらハローワークで再発行することができます。
複数の勤務先でそれぞれ雇用保険の加入条件を満たしている場合には、主に賃金をもらっている会社でのみ加入することになります。
※ただし令和4年1月から、複数の勤務先で働く65歳以上の方が、そのうち2つの勤務先の合計勤務時間が20時間以上になる場合、特例で雇用保険に加入することができます。くわしくはこちらのお知らせで説明しています。
複数の勤務先で雇用保険に加入することは出来ないので注意しましょう(ダブルワークなどで2つ以上の職場で働いていても、雇用保険に加入できるのは主な職場だけです)。
また、ダブルワークをしている場合は基本的に確定申告が必要になります。
ですが、年末調整をしていない側の給料が20万円以下なら確定申告をしなくてもいい決まりになっています。
※くわしくは下記の記事で説明しています。
では次に、雇用保険の保険料について下記で説明していきます。保険料は給料によって金額が変わります。
雇用保険に加入すれば保険料を支払うことになりますが、保険料はそれほど高くありません。
雇用保険の保険料は以下のようになっています。
保険料率は以下のとおりです。
雇用保険料は労働者と事業主で負担します。労働者側のほうが負担割合は低くなっています。
となります。
※雇用保険制度では「失業の予防・雇用機会の増大・労働者の能力の開発等」を図るため、雇用安定事業および能力開発事業の二事業も行なっています(二事業に関する保険料は全額事業主が負担)。
※労働者を1人でも雇用していれば労働保険(労災保険と雇用保険を合わせた総称)の適用事業となり、会社などの事業主は保険料を納付しなければなりません(農林水産の一部の事業は除く)。
以上のように、雇用保険の保険料は料率がそこまで高くないので、それほど高額な保険料を支払うことはありません。年収が1,000万円でも1年間の保険料は3~4万円となります。
こんなページもみられています
パート主婦は年収いくらがお得なの?103~150万円
ここまで説明したように、雇用保険はアルバイトやサラリーマンのように「会社などに雇用されている方」が加入する保険です。
ただし、雇用保険に加入するには条件があります。
短時間勤務のアルバイトやパート主婦などの方は加入できないことを覚えておきましょう。
以上のように、雇用保険はサラリーマンだけでなくアルバイトやパートをしている方も関わることになるので雇われて働く方はしっかり覚えておきましょう。