介護休業中もお金がもらえる?手取りはいくら?申請方法は?

2022.05.08 更新
家族の介護をするために仕事をやすむ「介護休業」。みなさんは介護で休んでいるあいだもお金がもらえるのを知っていますか?この記事では介護休業給付について説明していきます。
この記事の目次
介護休業給付金ってなに?休んでいるあいだもお金がもらえる?

介護休業中にもらえるお金を介護休業給付金といいます。これは雇用保険に入っている方が介護休業を取得したときにもらえるものです。

したがって、会社などの雇用主に雇われている方が介護休業をしたときにもらえる給付金となっています。

親族の介護をする予定の会社員などの方はチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 要介護状態にある対象家族を介護していることが条件。

  • ひと月当たりの支給額はおおよそ月給 × 67%の金額。

  • もらえる金額の上限は約33万円。

  • もらえる期間は最長3か月間。

  • 賃金を受ける場合は減額・停止される場合がある。

では最初に、介護休業でもらえるお金の対象者について下記で説明していきます。親が高齢である会社員の方は必ずチェックしておきましょう。


介護休業給付金をもらう条件は?

以下の要件にすべてあてはまる方が介護休業給付金の支給対象者となります。

介護休業給付金を請求しようとしている方はチェックしておきましょう。

ちなみに、介護休業給付金は雇用保険から支給されるので、雇用保険に加入している方がもらえる給付金となっています。

支給条件

  • 要介護状態にある対象家族を介護するための休業であること※1
  • 被保険者がその期間の初日及び末日とする日を明らかにして事業主に申し出を行い、これによって被保険者が実際に取得した休業であること。
  • 介護休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数(賃金や報酬の支払い対象となっている日数のこと)※2が11日以上ある月が通算して12カ月以上あること
※1 要介護状態とは負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態
※2 原則、日給者は各月の出勤日数、月給者は各月の暦日数
※参照:厚生労働省Q&A~介護休業給付~
介護休業を理由に解雇などは禁止されています

介護休業を安心して取得できるために、従業員が介護休業をしたことを理由に、その従業員に対して「不利益扱いの禁止」をするように法律で義務付けられています。

たとえば契約更新を拒否したり、降格や減給をしたり、解雇やその他不利益な取扱いをしてはいけないように義務付けられています。

※育児・介護休業法第10条によって定められています。

※参照:厚生労働省育児・介護休業法のあらまし
※参照:厚生労働省介護休業とは

では次に、介護休業給付金が支給される期間について下記で説明していきます。ずっともらえるわけではないので気をつけましょう。


もらえる期間は?

介護休業給付金がもらえるのは最長3ヶ月間です。
※支給対象となる同じ家族について通算93日を限度として3回まで分割して取得可能。

介護をしているあいだずっともらえるわけでは無いので注意しましょう。

申請方法は?支給までの流れ

介護休業給付金は申請しなければ支給されません。

申請は基本的に事業主が行います。申請書をハローワークに提出することで従業員に給付金が支給されます。

従業員は、事業主から渡された申請書に記入して、必要書類を添付して提出しましょう。

下記は給付金が支給されるまでのながれです。申請方法も一緒に説明しているのでチェックしておきましょう。

申請方法は?支給までの流れ

1.介護休業の取得
従業員が介護休業を取得します(その際に「介護休業申出書」を提出します)。
※勤務先に言って書類をもらい記入しましょう。無ければテンプレートをダウンロードしましょう。

※参照:ハローワーク雇用継続給付

2.介護休業の取扱いが通知される
事業主が「介護休業取扱通知書」を作成・記入して、介護休業を取得する従業員にを提出します。
※無ければテンプレートをダウンロードしましょう。

ここから給付金の申請手続き

3.介護休業給付金の申請をする
事業主がハローワークに申請して以下の書類を受け取ります。

ハローワークから受け取る書類
▶介護休業給付金支給申請書
▶雇用保険被保険者証休業開始時賃金月額証明書

※どちらもハローワークからもらうことになります。
4.従業員が申請書に記入
3.で事業主がハローワークから受け取った「介護休業給付金支給申請書」を従業員に渡して記入してもらいましょう。
給付金を申請する従業員は、申請書とともに下記の書類を添付して事業主に提出しましょう。


添付書類

  • 従業員が記入した介護休業申出書
  • 介護対象家族の方の氏名、被保険者本人との続柄などが確認できる書類(住民票記載事項証明書等)
  • 介護休業の開始日・終了日、休業日数の実績が確認できる書類(出勤簿・タイムカード等)
  • 介護休業期間中に介護休業期間を対象として支払われた賃金が確認できる書類(賃金台帳等)

※参照:ハローワーク雇用継続給付

5.申請書を提出後、お金が振り込まれる
従業員から4.の申請書を受け取り、3.で受け取った「雇用保険被保険者証休業開始時賃金月額証明書」と一緒に事業主がハローワークに提出します。提出期限は介護休業終了日の翌日から2か月後の属する月の末日までなので気をつけましょう。

これで介護休業給付金の申請は完了です。支給決定後、約1週間で従業員の口座にお金が振り込まれます。

では次に、介護休業給付金のもらえる金額はいくらかについて下記で説明していきます。給付金がどれくらいもらえるのかチェックしておきましょう。


もらえる金額はいくら?

ひと月当たりの支給額はおおよそ月給 × 67%です。

くわしい計算式は以下のとおりです。

ちなみに、給付金には上限があるので、たくさん給料をもらっていたとしても給付金は上限額までしか支給されません。
※介護休業給付金の上限額は月332,253円です。

支給額の計算式

※休業開始時賃金日額とは:休業開始前6ヶ月間の賃金を180で割った金額
※参照:厚生労働省雇用継続給付について介護休業給付についてのリーフレット

どれくらいの金額がもらえる?支給額の例

休業前の月収が約15万円の場合は? 支給額は月額約10万円となります。
休業前の月収が約20万円の場合は? 支給額は月額約13万円となります。
休業前の月収が約30万円の場合は? 支給額は月額約20万円となります。

介護休業給付金の上限額はいくら?
介護休業給付金の上限額は月332,253円です。

では次に、介護休業給付金の手取りはいくらになるか下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。

介護休業給付金を受けると手取りはいくら?休業前後でシミュレーション

上記でも説明したように、介護休業給付金は月収の約67%の金額になります。

ただし、下記のシミュレーションを見てわかるように、介護休業給付金には税金がかかりません。

手取りがいくらになるか下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。

手取りはどれくらい?介護休業給付金をシミュレーション

休業前(介護休業給付金をもらう前)
▶月収25万円のとき

  • 所得税:ひと月約4,600円
  • 住民税:ひと月約10,000円
  • 年金保険料:ひと月約24,000円
  • 健康保険料:ひと月約13,000円
  • 雇用保険料:ひと月約900円
  • 手取り:ひと月約200,000円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。



休業中(介護休業給付金を支給中)
▶月収16.8万円のとき
※上記の16.8万円は、介護休業する前の月収が25万円だったときの介護休業給付金の額(1か月間30日支給された場合の金額)。

  • 所得税:ひと月0円
  • 住民税:ひと月約10,000円
    ※住民税については翌年に反映されます。
  • 年金保険料:ひと月約24,000円
  • 健康保険料:ひと月約13,000円
  • 雇用保険料:ひと月0円
    ※賃金をもらっていなければ雇用保険料は0円になります。
  • 手取り:ひと月約121,000円

では次に、介護休業中の税金が0円になることについて下記で説明していきます。

介護休業給付金は税金がかからない(0円)?

介護休業給付金は非課税所得のため、課税されることはありません。したがって、介護休業給付金にかかる税金は0円になります。

また、非課税所得のため、年末調整や確定申告のときに、介護休業給付金を収入に含める必要はありません。
※介護休業給付金を年収に含めないように注意しましょう。

社会保険料はかかる?

社会保険料については休業中も従業員・事業主ともに支払うことになります。休業中の従業員は介護休業給付金から支払うことになります。

では次に、介護休業給付金の注意点について下記で説明していきます。給付金をもらいながら賃金を受ける方は気をつけましょう。


注意点:介護休業中にお金を稼ぐと減額される?

介護給付金の注意点は以下のとおりです。

給付金を受け取る方はチェックしておきましょう。

かんたんに説明すると、給付金を受けているあいだも働いて賃金を受けている場合、賃金の多さによって給付金が減額・停止されるということです。

注意点
※参照:厚生労働省雇用継続給付について
※参照:厚生労働省Q&A~介護休業給付~

  • 休業開始時賃金日額×支給日数には上限があります。
  • 就業している日数が支給単位期間(1か月ごとの期間)ごとに10日以下であることが必要です。
    ※就業している日数が10日以下でなければ、その支給単位期間については支給対象となりません。
  • 介護休業終了日が含まれる支給単位期間は就業している日数が10日以下であるとともに、休業日が1日以上あることが必要です。
    ※就業している日数には、在職中の職場以外で就業した分も含まれます。
  • 支給単位期間中に賃金が支払われた場合、介護休業給付金の支給額は以下の表1のようになります。なお、賃金月額の80%以上の賃金が支払われる場合は、給付金は支給されません(表1)。
  • 支給単位期間とは:介護休業を開始した日から数えた1ヶ月ごとの期間

介護休業中に働いて受け取った賃金が、休業前の賃金月額の13%以下なら給付金は減額されません。介護休業中も働くひとは注意しましょう。