社会保険の扶養に入ると親族の保険料が0円になる?

2021.10.08 更新
「社会保険の扶養に入ると支払う保険料が0円になるって聞いたけど、、、」何を言っているのか意味がわからない方もいると思います。この記事では社会保険の扶養に入る条件などについて説明していきます。
この記事の目次
社会保険の扶養ってなに?そもそも社会保険とは?

社会保険とは、サラリーマンやアルバイトなどの会社に雇われている方が加入する健康保険厚生年金保険のことをいいます。
※ここで説明する社会保険は国民すべてが関わる広い意味での社会保険とは異なります。


労働時間などの条件を満たせばパートやアルバイトでも加入することになります。
※加入条件については社会保険に加入する条件は?を参照。

また、親族を社会保険の扶養に入れることもできます。扶養に入った親族は保険料が0円になるなどのメリットが受けられるのが特徴です。

自分の家族を扶養に入れようと考えている方は条件や対象になる親族などしっかりチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 社会保険は自分が加入するだけでなく、親族を扶養に入れることもできる。

  • 社会保険の扶養に入ると親族が支払う保険料が0円になる。

  • 社会保険の扶養になれる親族は決まっている。

  • 配偶者の場合は年金保険料も0円になる。

  • 扶養に入るには収入などの条件がある。

では最初に、社会保険の扶養に入ったときの保険料について下記で説明していきます。社会保険の扶養に入ろうと考えている方などはしっかりチェックしておきましょう。


社会保険の扶養に入ると保険料が0円になる?

社会保険に加入している人が親族におり、その親族の社会保険の扶養に入ると「扶養に入ったひと」が支払う保険料は0円になります。


たとえば親が加入している社会保険に扶養として息子が入ると、息子が支払う保険料は0円になるということです。
※保険料が0円になっても保険証等が配布されるので安心してください。


ちなみに社会保険の扶養に入れば被保険者と同じ医療給付を受けることができます(病院代が3割負担になるなど)。

扶養に入ったひとが親族(子供など)の場合

扶養に入った親族が支払う健康保険料は0円になります。ただし、扶養を外れれば自分で保険料を支払うことになります。
※20歳以上なら国民年金の保険料は支払う必要があります。
※健康保険については健康保険とは?を参照。

扶養に入ったひとが配偶者(妻など)の場合

扶養に入った配偶者が支払う健康保険料および国民年金保険料は0円になります。ただし、扶養を外れれば自分で保険料を支払うことになります。
※健康保険については健康保険とは?を参照。
※国民年金については国民年金とは?を参照。

では次に、社会保険の扶養になることができる親族について下記で説明していきます。親族でも範囲が決まっているのでしっかりチェックしておきましょう。

親族の誰が扶養対象になる?

社会保険の扶養の対象になる親族は以下のとおりです。

注意するポイントは「同一世帯にいなければいけない場合もある」ことです。3親等までの親族は扶養の対象になりますが、同一世帯にいることが条件の親族もいることを覚えておきましょう。

親族の誰が扶養対象?
本人の家族は対象になる
以下に示す被保険者(本人)の親族は社会保険の扶養対象になります。
※たとえばサラリーマンの夫が社会保険に加入しており、その夫の「妻」や「子供」「父母」などは扶養の対象になります。

  • 配偶者
  • 子供
  • 兄弟姉妹
  • 父母
  • 祖父母
  • 曽祖父母

3親等の親族までは扶養の対象になる?
上記の親族以外にも3親等までの親族は扶養の対象になります。しかし、上記以外の親族を扶養する場合は同一世帯にいなければいけないので注意しましょう。たとえば、配偶者の父母兄弟姉妹、被保険者(本人)の子供の配偶者なども扶養にいれることができますが、同一世帯にいる必要があります。

では次に、社会保険の扶養に入るための条件について下記で説明していきます。条件を満たさないと扶養に入れないのでチェックしておきましょう。


社会保険の扶養に入る条件は?130万円?

社会保険の扶養に入るための条件は以下のとおりです。

条件を簡単に説明すると、1年間の収入が130万円未満なら社会保険の扶養に入れるということです。

扶養に入ろうとしている人または扶養から外れるか不安な人はチェックしておきましょう。

社会保険の扶養に入る条件

  • 社会保険に加入している人の親族であること

  • アルバイトなどで勤務先の社会保険に加入していないこと
    ※加入する条件については社会保険に加入する条件は?を参照。

  • 1年間の収入が130万円未満であること(つまり、給与収入なら月収108,333円以下であること)。
    60歳以上または障害厚生年金がもらえる程度の障害をもつ場合は年間収入180万円未満
    ※給与収入には交通費等を含みます。
    ※1年間の収入とは、過去における収入のことではなく、扶養に入ろうとする時点以降の年間の見込み収入額のことをいいます。
    失業手当の受給者は日額3,611円以下(60歳以上の場合は日額4,999円以下)であること。

  • 被保険者の収入によって生活をしている(生計を維持している)こと
    ※別居の場合は定期的な送金により生活していること。
    ※被保険者の収入でなく、自分の収入で生計を立てている場合は扶養の対象になりません。

  • 収入が同居している扶養者(扶養している方)の収入の半分未満であること
    別居の場合は収入が扶養者からの仕送り額未満であること

※被扶養者(扶養されている方)の収入には「雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金」も含まれます。
※くわしくは加入している健康保険・共済組合にてご確認ください。

では次に、扶養に入ったときと扶養に入らなかったときの保険料について下記で説明していきます。金額をあてはめて比較シミュレーションしているので気になる方はチェックしておきましょう。


保険料をシミュレーション(扶養ではない時と比較)

社会保険の扶養になった場合とそうでない場合で保険料がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。

以下で学生の場合とパート主婦の場合で1年間の保険料を比較してみました。

社会保険の扶養に入ろうとしている方はチェックしておきましょう。

学生の場合は?(社会保険の扶養に入った場合)

学生アルバイトの収入が1年間で129万円の場合、1年間の税金、保険料、手取りは以下のようになります。扶養に入っているので健康保険料が0円になります。

シミュレーション結果

  • 所得税:13,000円
  • 住民税:16,000円
    ※未成年の場合は0円。
  • 健康保険料:0円
  • 年金保険料:199,320円
    ※未成年の場合は0円。
    ※学生の場合、年金の支払いを猶予することができます。
  • 雇用保険料:0円
    ※学生の場合は0円。
  • 手取り:1,071,680円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。
学生の場合は?(社会保険の扶養に入っていない場合)

社会保険の扶養に入っていない学生アルバイトの収入が1年間で129万円の場合、1年間の税金、保険料、手取りは以下のようになります。扶養に入っていないので国民健康保険料を支払うことになります。
※勤務先の社会保険に加入した場合は社会保険料を支払うことになります。

シミュレーション結果

  • 所得税:0円
  • 住民税:7,900円
    ※未成年の場合は0円。
  • 国民健康保険料:81,574円
    ※世田谷区、加入者1人として計算。
  • 年金保険料:199,320円
    ※未成年の場合は0円。
    ※学生の場合、年金の支払いを猶予することができます。
  • 雇用保険料:0円
    ※学生の場合は0円。
  • 手取り:1,001,206円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。


パート主婦の場合は?(社会保険の扶養に入った場合)

パート主婦の収入が1年間で129万円の場合、1年間の税金、保険料、手取りは以下のようになります。扶養に入っているので健康保険料と国民年金保険料が0円になります。

シミュレーション結果

  • 所得税:12,800円
  • 住民税:35,600円
  • 健康保険料:0円
  • 年金保険料:0円
  • 雇用保険料:3,870円
    ※学生の場合は0円。
  • 手取り:1,237,730円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。
パート主婦の場合は?(社会保険の扶養に入っていない場合)

社会保険の扶養に入っていないパート主婦の収入が1年間で129万円の場合、1年間の税金、保険料、手取りは以下のようになります。扶養に入っていないので国民健康保険料と国民年金を支払うことになります。
※勤務先の社会保険に加入した場合は社会保険料を支払うことになります。

シミュレーション結果

  • 所得税:0円
  • 住民税:7,500円
  • 国民健康保険料:81,574円
    ※世田谷区、加入者1人として計算。
  • 年金保険料:199,320円
  • 雇用保険料:3,870円
  • 手取り:997,736円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。
扶養に入るための手続きは?

社会保険の扶養に入る場合は被保険者(社会保険に加入している方)が勤務先に届け出る必要があります。
※勤務先に伝えれば事業主が「被扶養者(異動)届」を提出することになっています。

まとめ(税金の扶養との違いは?)

ここまで説明したように、社会保険の扶養に入ると自分が支払う保険料が0円になるメリットが受けられます。

ただし、社会保険の扶養に入るには収入が一定以下などの条件があることを忘れないようにしましょう。

税金の扶養との違いは?
社会保険の扶養のほかにも税金を安くしてくれる扶養があります。それは「扶養控除」という制度です。

かんたんに説明すると、16歳以上の親族を扶養している方は税金が約5万円~17万円安くなります。
※あなたの年収を250万円~900万円とした場合。

ただし、扶養親族の対象になるには親族の1年間の合計所得金額が48万円以下(つまり、給与収入なら103万円)である必要があります。

以上のように、扶養にも違いがあるのでごちゃごちゃにならないように違いを把握しておくことをオススメします。とくに、パートをしている方やアルバイトをしている学生などは「社会保険の扶養」と「税金を安くしてくれる扶養」について知っておきましょう。

学校では滅多に教えてくれない内容なので早めに知っておくといいかもしれません。