厚生年金とは?わかりやすく解説。保険料・加入条件や支給額など

2021.10.10 更新
年金制度には国民年金と厚生年金の2つの年金があるのですが、「どんな違いがあるの?」という疑問を持つ方が結構います。この記事では厚生年金について簡単に説明していきます。
この記事の目次
厚生年金ってなに?勝手に加入してるんだけど…

厚生年金とは、サラリーマンなどの会社員や公務員などが加入する年金保険です。

勤務時間などの条件を満たせばアルバイトも厚生年金に加入することになります。知らないうちに加入していてびっくりする人もいると思います。
※条件については下記で説明しています。

年金制度は以下の図のように、国民年金厚生年金という2つの年金で構成されています。
※国民年金と厚生年金は「公的年金」とよばれています。
※iDeCoや民間が運営している年金は「私的年金」といいます。


国民年金と厚生年金の2つの年金
厚生年金はサラリーマンなどが加入
国民年金には20歳から59歳のすべてのひとが加入することになります。厚生年金にはサラリーマンや長時間働くアルバイトの方などが加入することになります。また、上記の図をみてわかるように、厚生年金には国民年金も含まれています。
厚生年金との違いについては国民年金と厚生年金の違いってなに?を参照。

では次に、年金がわたしたちにどんなことをしてくれるのか下記で説明していきます。わたしたちは必ず年金に関わることになるので年金が何をしてくれるのか知っておくことをオススメします。

年金は何をしてくれるの?老後のほかにも?

年金は老後にもらえるものだけじゃありません。


事故等で障害が残ったときや亡くなったときにも年金が支給されるんです。つまり、年金は現役世代の保険の役割を担っているということです。
保険とは「保険料をはらっておき、万が一何かがあったときにお金などを支給してもらう」ものです。保険は「➊リスクにそなえて国民があらかじめお金(保険料)を出し合う。」→「➋リスクに見舞われたひとに必要なお金やサービスが保険から支給される。」という仕組みです。


年金は老後にお金を支給してくれるだけの保険ではなく、老後のリスク・障害のリスク・死亡のリスクに対応していることをしっかり覚えておきましょう。

年金は老後だけじゃなく3つのリスクに対応している

老齢年金については老齢年金とは?ページを参照。
障害年金については障害年金とは?ページを参照。
遺族年金については遺族年金とは?ページを参照。



3つのリスクに対応
老後の生活や障害・死亡は誰もが抱えるリスクです。日本の年金保険はこれらの3つのリスクに対応してくれるものです。

年金制度は歳をとったとき、事故等で障害が残ったとき、亡くなったときの生活を国民みんなで支えようという考えのもと作られた制度なんです(公的年金制度といいます)。
※くわしい年金については年金制度とは?を参照。

では次に、厚生年金に加入する条件について下記で説明していきます。何も知らないと勝手に加入することになってびっくりすると思うので今のうちにチェックしておきましょう。


加入条件は?

厚生年金は条件にあてはまれば正社員じゃなくても加入することになります(パートやアルバイトも加入することになります)。


加入する条件は以下のようになっています。簡単に説明すると、働く時間や日数が多いと厚生年金保険に加入することになります。


アルバイトをしている学生などはチェックしておきましょう。
※ちなみに、厚生年金に加入する場合、健康保険にも一緒に加入することになります。

加入する条件

次の①と②の両方にあてはまったとき、収入にかかわらず社会保険に加入することになります。
社会保険(厚生年金保険・健康保険)が適用されている職場に限ります。

たとえばどれくらい働くと加入するの?

例:一般社員の労働時間が週40時間で勤務日数が月22日のとき、アルバイトの方は何時間働くと加入する?

上記の条件のとき、あなたがアルバイトで週30時間以上、月16.5日以上働くと社会保険の加入条件を満たします。条件にあてはまれば社会保険に加入し、社会保険の保険料を支払うことになります。
勤務先によっては上記よりも働く時間が短い場合でも加入することがあるので確認しておきましょう。


アルバイトで働く時間が短くても注意?

学生以外のアルバイトの方で働く日数や時間が少なくても厚生年金に加入する場合があります。

「たくさんお金を稼ぎたいけど社会保険には加入したくない」という方は加入条件をチェックしておきましょう。かんたんに説明すると、月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円)※になると社会保険に加入することになります。くわしくは以下のページで説明しています。
※深夜割増分は含みません。

厚生年金に加入すれば保険料を支払うことになります。保険料は安い金額ではないのでそれなりに覚悟しておきましょう。

くわしい計算式は以下で説明しているのでチェックしておきましょう。

厚生年金の保険料はいくら?

厚生年金の保険料はその方の給料の金額で決まります。

厚生年金の保険料は以下のとおりです。

保険料の計算式

標準報酬月額とは月給の平均のようなものです。
※給与(ボーナス等)については、標準賞与額×保険料率(事業主と折半)

年収300万円の保険料の例

たとえば1年間の給与収入が300万円の方の厚生年金保険料は月額約24,000円、年間約29万円となります。
標準報酬月額を26万円、保険料率18.3%として計算。

260,000円標準報酬月額 × 18.3%保険料率 ÷ 2  =  23,790円月額の保険料

23,790円月額の保険料 × 12か月  =  285,480円年間の保険料
※年収300万円なので月収25万円とすると、標準報酬月額は26万円となります。
※半額分は事業主が支払うので÷2をして計算しています。
※厚生年金の保険料率は全国18.3%で固定されています。


年収500万円の保険料の例

たとえば1年間の給与収入が500万円の方の厚生年金保険料は月額約38,000円、年間約45万円となります。
標準報酬月額を41万円、保険料率18.3%として計算。

410,000円標準報酬月額 × 18.3%保険料率 ÷ 2  =  37,515円月額の保険料

37,515円月額の保険料 × 12か月  =  450,180円年間の保険料
※年収500万円なので月収約42万円とすると、標準報酬月額は41万円となります。
※半額分は事業主が支払うので÷2をして計算しています。
※厚生年金の保険料率は全国18.3%で固定されています。

以上のように、給料が多ければ多いほど保険料は高くなります。ただし、厚生年金の保険料の上限は1年間で約71万円であり、際限なく高くなるわけではないので安心してください(ボーナスについての保険料は別途加算)。
※保険料はこちらでシミュレーションを行いました。

では次に、保険料の負担割合について下記で説明していきます。厚生年金の保険料は全額負担しているわけではありません。


保険料の半分は会社が払ってくれる

厚生年金保険料には国民年金のぶんも含まれています。したがって、厚生年金と別で国民年金の保険料を支払う必要はありません。
※つまり、厚生年金に加入しているひとは「国民年金と厚生年金の2つ」に加入していることになります。

さらに、厚生年金保険料の半分は会社が払ってくれるので個人は半分の保険料で済んでいるんです。
※ちなみに、厚生年金保険料は毎月給料から天引きされ、会社が保険料を支払ってくれます。

扶養に入っている方の保険料は0円(無料)?

1年間の収入が130万円未満の配偶者(たとえば妻)は、夫が加入している厚生年金の扶養に入ることができます。

この場合、妻は国民年金の保険料が0円になります。くわしくは以下のページで説明しています。
※保険料が0円になっても国民年金には加入していることになっているので安心してください。

夫の扶養に入ろうとしている方やパートで働きすぎて扶養から外れるか心配な方は以下のページをチェックしておきましょう。

老後にもらえる年金の金額は?

老後にもらえる厚生年金(老齢厚生年金といいます)の金額は厚生年金への加入期間やその方の給料の金額などで決まります。

おおよその年金額を以下の表に示します。この金額が国民年金(老齢基礎年金)に上乗せされます。

老後にもらえる厚生年金の早見表

以下の表から、厚生年金への加入期間が20年で、20年間の給料の平均が30万だったときは1年間に42万円となります(老後にもらえる厚生年金の金額)。ここに老齢基礎年金の年金額(満額)を加えると、合計で1年間に120万円もらえることになります(老後にもらえる国民年金と厚生年金の合計金額)。
※ボーナスなどは考慮していません。おおよその金額です。
加給年金が支給される方はさらに金額が上乗せされます。
※くわしい老齢年金については老齢年金とは?を参照。
※くわしい計算方法については老後の年金はどうやって計算する?を参照。

では次に、老後にもらえる年金の上限について下記で説明していきます。老後の年金は際限なくもらえるわけではありません。


老後にもらえる年金には上限がある?

厚生年金に加入していれば、支払った保険料や加入期間によって老後にもらえる年金は増えます。

したがって、たくさん給料をもらっていればそれだけたくさん保険料を支払うことになるので老後の年金は増えていくことになりますが、毎月支払う保険料には上限があります。

なので、毎月多くのお金を稼いだとしても老後の年金が際限なく増えるわけではありません。つまり、老後の年金には大まかに上限があるということです。
※ここでは公的年金のみについて説明しています(iDeCoや企業年金などの私的年金については除外)。
※大まかな上限は年間約360万円ほどになります。


くわしくは下記の記事でシミュレーションして説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。

まとめ

ここまで説明したように、厚生年金はサラリーマンやアルバイトなどのように会社に雇用されている方が加入する年金保険です。

勤務時間などの条件を満たせばアルバイトの方も加入できることを覚えておきましょう。

厚生年金まとめ

  • 厚生年金はサラリーマンやアルバイト、公務員などのように雇用されている方が加入する年金
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 年金は3つのリスク(老後のリスク・障害のリスク・死亡のリスク)に対応している
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 保険料の半分は会社が支払ってくれる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 厚生年金の保険料は給料の多さによって決まる
    ※くわしくは上記で説明しています。

大事な知識として厚生年金も国民年金と同じように3つのリスク(老後のリスク・病気や障害のリスク・死亡のリスク)に対応してくれる保険であることをしっかり覚えておきましょう。

また、厚生年金と国見年金の違いなどについて知りたい方は下記リンク先ページをチェックしてみてください。

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