厚生年金とは?わかりやすく解説。加入条件や保険料など

2022.09.19 更新
会社員や長時間働くアルバイトの方などは厚生年金に加入することになります。厚生年金が何をしてくれるのか、国民年金との違い、加入条件や保険料などについて知らない方は把握しておきましょう。この記事では厚生年金について簡単に説明していきます。
この記事の目次
厚生年金ってなに?(この記事の要点)

厚生年金とは、サラリーマンなどの会社員や公務員などが加入する年金保険です。

勤務時間などの条件を満たせばパートやアルバイトの方も厚生年金に加入することになります。知らないうちに加入していてびっくりする人もいると思います。
※加入条件については下記で説明しています。

年金は必ず関わることになるので、老後の年金以外にも何をしてくれるのか等を知っておくことをオススメします。

この記事の要点

  • 厚生年金は会社員や長時間働くアルバイトなどが加入する。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 厚生年金の保険料は給料の多さで決まる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 厚生年金に加入すると各種年金が上乗せされる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 老後の年金は加入期間や給料によって決まる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 年金は老後以外のリスクにも対応してくれる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

では最初に、厚生年金に加入する条件について下記で説明していきます。何も知らないと勝手に加入することになってびっくりすると思うので今のうちにチェックしておきましょう。


厚生年金の加入条件は?
働く時間などによって厚生年金に加入するか決まる

厚生年金は条件にあてはまれば正社員じゃなくても加入することになります(パートやアルバイトの方も加入することになります)。


加入する条件は以下のようになっています。簡単に説明すると、働く時間や日数が多いと厚生年金保険に加入することになります。


加入条件を満たせば学生でも加入することになります。アルバイトをしている学生などはチェックしておきましょう。
※ちなみに、厚生年金に加入する場合、健康保険にも一緒に加入することになります。

加入する条件

次の①と②の両方にあてはまったとき、収入にかかわらず社会保険に加入することになります。
社会保険(厚生年金保険・健康保険)が適用されている職場に限ります。

※参照:日本年金機構適用事業所と被保険者


たとえばどれくらい働くと加入するの?

例:一般社員の労働時間が週40時間で勤務日数が月22日のとき、アルバイトの方は何時間働くと加入する?

上記の条件のとき、あなたがアルバイトで週30時間以上、月16.5日以上働くと社会保険の加入条件を満たします。条件にあてはまれば社会保険に加入し、社会保険の保険料を支払うことになります。
勤務先によっては上記よりも働く時間が短い場合でも加入することがあるので確認しておきましょう。

アルバイトで働く時間が短くても注意?

学生以外のアルバイトの方で働く日数や時間が少なくても厚生年金に加入する場合があります。

「たくさんお金を稼ぎたいけど社会保険には加入したくない」という方は加入条件をチェックしておきましょう。かんたんに説明すると、1週間の労働時間が20時間以上、月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円)※になると社会保険に加入することになります。くわしくは下記の記事で説明しています。

※深夜割増分は含みません。

社会保険の加入条件は?パート主婦やアルバイトも対象になる?

では次に、厚生年金に加入したときのメリットについて下記で説明していきます。


厚生年金に加入すると何がお得?
厚生年金に加入すると年金が増える

厚生年金に加入すれば、老後の年金に「老齢厚生年金」が上乗せされます。つまり、老後の年金が増えることになります。
※上乗せされる金額は加入期間などによって決まります。
※くわしくは下記で説明しています。


また、障害年金遺族年金が支給される際にも、厚生年金が上乗せされます。さらに、条件にあてはまる方には加給年金が加算される場合もあります。
※上乗せされる金額は加入期間などによって決まります。

毎月の保険料は高いですが、それなりのメリットもあることを覚えておきましょう。

では次に、厚生年金の保険料について下記で説明していきます。保険料は安い金額ではないので、それなりに覚悟しておきましょう。


厚生年金の保険料はいくら?
厚生年金の保険料は給料の多さによって決まる

厚生年金の保険料はその方の給料の金額で決まります。

厚生年金の保険料は以下のとおりです。

保険料の計算式
厚生年金の保険料の計算式
厚生年金の保険料の計算式

標準報酬月額とは月給の平均のようなものです。
賞与(ボーナス)については標準賞与額×保険料率(事業主と折半)

※参照:日本年金機構厚生年金保険料の計算方法

年収200万円の保険料の例

たとえば1年間の給与収入が200万円の方の厚生年金保険料は月額約15,500円、年間約19万円となります。
標準報酬月額を17万円、保険料率18.3%として計算。

170,000円標準報酬月額 × 18.3%保険料率 ÷ 2  =  15,555円月額の保険料

15,555円月額の保険料 × 12か月  =  186,660円年間の保険料
※年収200万円なので月収16.6万円とすると、標準報酬月額は17万円となります。
※半額分は事業主が支払うので÷2をして計算しています。
※厚生年金の保険料率は全国18.3%で固定されています。

※保険料はこちらでシミュレーションを行いました。

こんなページもみられています
パート主婦で年収130~205万のとき手取りや税金はいくら?


年収500万円の保険料の例

たとえば1年間の給与収入が500万円の方の厚生年金保険料は月額約38,000円、年間約45万円となります。
標準報酬月額を41万円、保険料率18.3%として計算。

410,000円標準報酬月額 × 18.3%保険料率 ÷ 2  =  37,515円月額の保険料

37,515円月額の保険料 × 12か月  =  450,180円年間の保険料
※年収500万円なので月収約42万円とすると、標準報酬月額は41万円となります。
※半額分は事業主が支払うので÷2をして計算しています。
※厚生年金の保険料率は全国18.3%で固定されています。

※保険料はこちらでシミュレーションを行いました。

厚生年金の保険料には上限がある?
上記のように、給料が多ければ多いほど保険料は高くなります。ただし、厚生年金の保険料の上限は1年間で約71万円であり、際限なく高くなるわけではないので安心してください(ボーナスについての保険料は別途加算)。

では次に、国民年金と厚生年金について下記で説明していきます。国民年金と厚生年金の違いについて何も知らない方はチェックしておきましょう。


年金は国民年金と厚生年金の2つでできている?
国民年金か厚生年金に加入する

年金制度は、国民年金厚生年金の2つの年金で構成されています。

※国民年金と厚生年金は「公的年金」とよばれています。
※iDeCoや民間が運営している年金は「私的年金」といいます。


会社員や長時間働くアルバイトなどは厚生年金に加入することになります。未成年の学生だとしても、加入条件を満たせば厚生年金に加入することになります。
※加入条件については下記で説明しています。

自分がどちらに加入することになるかチェックしておきましょう。

国民年金と厚生年金の2つの年金
厚生年金はサラリーマンなどが加入
国民年金には20歳から59歳のすべてのひとが加入することになります。厚生年金にはサラリーマンや長時間働くアルバイトの方などが加入することになります。また、上記の図をみてわかるように厚生年金には国民年金も含まれています。
厚生年金との違いについては国民年金と厚生年金の違いってなに?を参照。

では次に、保険料の負担割合について下記で説明していきます。厚生年金の保険料は自分ひとりで全額負担しているわけではありません。


保険料の半分は会社が払ってくれる

厚生年金保険料には国民年金のぶんも含まれています。したがって、厚生年金と別で国民年金の保険料を支払う必要はありません。
※つまり、厚生年金に加入しているひとは「国民年金と厚生年金の2つ」に加入していることになります。


さらに、厚生年金保険料の半分は会社が払ってくれるので個人は半分の保険料で済んでいるんです。
※ちなみに、厚生年金保険料は毎月給料から天引きされ、会社が保険料を支払ってくれます。

扶養に入っている方の保険料は0円(無料)?

1年間の収入が130万円未満の配偶者(たとえば妻)は、夫が加入している厚生年金の扶養に入ることができます。

この場合、妻は国民年金の保険料が0円になります。
※保険料が0円になっても国民年金には加入していることになっているので安心してください。

夫の扶養に入ろうとしている方やパートで働きすぎて扶養から外れるか心配な方は下記の記事をチェックしておきましょう。

厚生年金の扶養に入ると配偶者は保険料0円?

では次に、老後にもらえる年金額について下記で説明していきます。厚生年金に加入している期間があれば年金が上乗せされます。


老後にもらえる年金の金額は?

老後にもらえる厚生年金の金額は「厚生年金への加入期間」や「給料の金額」などで決まります。
※老齢厚生年金といいます。

サラリーマンなどの方は老後にもらえる年金額をザッと把握しておくといいかもしれません。

おおよその年金額を以下の表に示します。下記の金額が国民年金(老齢基礎年金)に上乗せされます。

老後にもらえる厚生年金の早見表

上記の表から、厚生年金への加入期間が20年で、20年間の給料の平均が30万だったときは1年間に41万円となります(老後にもらえる厚生年金の金額)。ここに老齢基礎年金の年金額(満額)を加えると、合計で1年間に約120万円もらえることになります(老後にもらえる国民年金と厚生年金の合計金額)。
※おおよその金額です。ボーナスや加給年金などは考慮していません。
※計算方法については老後の年金はどうやって計算する?を参照。
※老後の年金の大まかな上限は年間約360万円です。くわしくはたくさん給料を稼げば年金が増える?上限がある?を参照。

では最後に、年金がわたしたちにしてくれることについて下記で説明していきます。年金が何をしてくれるのかザッと把握しておきましょう。


ここまでのまとめ(年金は何をしてくれる?)

ここまで説明したように、厚生年金は会社員やアルバイトなどのように会社に雇用されている方が加入する年金保険です。

年金保険の役割は「老後にお金くれる」だけではありません。

年金は3つのリスク(老後のリスク・病気や障害のリスク・死亡のリスク)に対応してくれます。

年金は何をしてくれる?

年金は歳をとったとき、事故等で障害が残ったとき、亡くなったときに給付されます。年金は私たちにとって保険の役割をしてくれていることをしっかり覚えておきましょう。
※くわしくは年金制度ってなに?で説明しています。

年金は3つのリスクに対応
年金は3つのリスクに対応

老齢年金については老齢年金とは?ページを参照。
障害年金については障害年金とは?ページを参照。
遺族年金については遺族年金とは?ページを参照。

年金は3つのリスクに対応
老後の生活や障害・死亡は誰もが抱えるリスクです。日本の年金保険はこれらの3つのリスクに対応してくれるものです。
※また、年金はそのときの時代の価値に合った金額が給付されます。貯蓄しているだけでは目減りしてしまうかもしれないリスクにも対応しています。

年金は老後にお金を支給してくれるだけの保険ではなく、障害のリスクや死亡のリスクにも対応していることをしっかり覚えておきましょう。

毎月高い保険料を支払うことになるので、自分が加入している年金がわたしたちにどんなことをしてくれるのか知っておくことをオススメします。