加給年金とは?老後の年金が増える?わかりやすく説明

2021.12.07 更新

老後の年金はある条件を満たすともらえる金額が増えます。この記事では加給年金とは何かについて説明していきます。
この記事の目次
加給年金ってなに?家族がいると年金が増える?

加給年金とは、厚生年金に加入していた人に家族がいる場合に支給される年金です。

加給年金は老後にもらえる年金に上乗せされて支給されることになります。

ただし、加給年金には条件や注意点があるので、加給年金をもらうつもりの方はチェックしておくことをオススメします。

この記事の要点

  • 子供や配偶者の年収が一定以下などの条件がある。

  • 配偶者が働いていても条件を満たしていれば加給年金は支給される。

  • 上乗せされる年金は一人当たり約22.5万円。

  • 加給年金をもらうには手続きが必要。

  • 加給年金が支給停止されるときも手続きが必要。

では最初に、加給年金がもらえる条件について下記で説明していきます。これから65歳になる方で子供や配偶者がいる場合はチェックしておきましょう。


加給年金がもらえる条件は?

簡単に説明すると、加給年金は配偶者が65歳未満または子供が18未満の場合に支給されます。くわしい条件は以下のとおりです。

以下の条件をすべて満たすと加給年金が支給されます。

加給年金がもらえそうな人はチェックしておきましょう。

加給年金がもらえる条件

  • 厚生年金に加入していた期間が20年以上ある
    ※または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15~19年

  • あなたが65歳の時点で、生計を維持している配偶者または子供がいる
    ※配偶者は65歳未満であること
    ※子は18歳になった年度の3月31日を経過していないこと(20歳未満で障害等級1級または2級の状態にあること)

  • 配偶者または子供の年収が850万円未満(所得655万5千円未満)である

※参照:日本年金機構HP加給年金額と振替加算

では次に、配偶者が働いていても加給年金は支給されるのか下記で説明していきます。配偶者が現役で働いている方はチェックしておきましょう。

配偶者が働いていても大丈夫?

共働きをしており、配偶者(たとえば妻)が働いてお金を稼いでいても上記の条件を満たしていれば加給年金は支給されます。
※配偶者(たとえば妻)の年収が850万円未満(所得655万5千円未満)なら働いてお金を稼いでいても加給年金の対象となります。

ただし、ページ下記で説明するように配偶者が年金を受け取っている場合は加給年金が支給停止される場合があるので注意しましょう。

65歳以上になっても働く方は注意?

65歳以上になっても勤務先から給料をもらう方は老後の年金が減額される場合があります(これを在職老齢年金といいます)。

65歳以降もたくさん給料をもらうことによって老後の年金が全額支給停止される場合には加給年金も一緒に停止するので注意しましょう。

では次に、加給年金として支給される金額がどれくらいなのか下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしています。

もらえる金額はどれくらい?

加給年金として支給される年金は以下のとおりです。

家族をもつサラリーマンの方はどれくらいの金額になるかチェックしておきましょう。

加給年金として支給される金額

※さらに、生年月日に応じて配偶者の加給年金に33,200円~165,800円が特別加算されます。ちなみに、昭和18年4月2日以後生まれの場合には165,800円が加給年金に上乗せされます。

配偶者、子供1人の場合は?
たとえば65歳未満の配偶者と18歳未満の子が1人いる場合、あなたに支給される加給年金額は合計約60万円となります。この金額が毎年もらう年金に上乗せされることになります。
※あなたが厚生年金に加入していた期間が20年未満だと支給されません。

計算過程
配偶者の加給年金:224,700円 + 特別加算165,800円
子どもの加給年金:224,700円
合計の加給年金:615,200円

配偶者、子供2人の場合は?
たとえば65歳未満の配偶者と18歳未満の子が2人いる場合、あなたに支給される加給年金額は合計約84万円となります。この金額が毎年もらう年金に上乗せされることになります。
※あなたが厚生年金に加入していた期間が20年未満だと支給されません。

計算過程
配偶者の加給年金:224,700円 + 特別加算165,800円
子どもの加給年金:224,700円 × 2
合計の加給年金:839,900円

では次に、加給年金をもらうための手続きについて下記で説明していきます。何もしなくても支給されるわけではないのでチェックしておきましょう。

加給年金をもらうには手続きが必要?

加給年金の支給を受けるには手続きが必要です。加給年金の届出書に必要な書類を添付することになります。

必要書類を用意したら最寄りの年金事務所または年金相談センターに提出または郵送しましょう。

加給年金をもらうために提出する書類

    【届出書】

  • 加給年金額加算開始事由該当届
    ※届出書はこちらの日本年金機構のページからダウンロードもできます。記載例も掲載されています。


  • 【届出書に添付する書類(コピー不可)】

  • 加給年金を受ける人の戸籍抄本または戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 加給年金額の対象者(配偶者や子)の所得証明書、非課税証明書のうち、いずれかひとつ
加給年金の届出書はこんな用紙

※届出書はこちらの日本年金機構のページからダウンロードもできます。記載例も掲載されています。

加給年金の注意点

以下のいずれかに当てはまる場合、加給年金が支給停止されるので注意しましょう。

加給年金が支給停止になる場合
1. 年金の繰り下げ受給をすると加給年金が受け取れなくなります。
たとえば65歳から給付が開始される年金を70歳に繰り下げすると、もらえる年金は増えることになりますが、65歳から給付されるはずだった加給年金は繰下げ期間中に支給されなくなります。ちなみに、加給年金については繰下げしても年金額は増額しないので注意しましょう。
2. 配偶者が老齢厚生年金※1をもらっている場合、配偶者の加給年金が支給停止します。
たとえば、昭和36年4月1日(女性の場合は昭和41年4月1日)以前に生まれた方が65歳になる前に特別支給の老齢厚生年金を受けとった場合。
※1 被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の場合に限ります。
3. 配偶者が退職共済年金※2をもらっている場合、配偶者の加給年金が支給停止します。
※2 組合員期間20年以上
4. 配偶者が障害年金をもらっている場合、配偶者の加給年金が支給停止します。

※参照:日本年金機構HP老齢厚生年金の繰下げ受給
※参照:日本年金機構HP加給年金額と振替加算

支給停止したときは手続きが必要

配偶者が年金を受け取るようになったとき(上記の注意点2または3または4)、加給年金は支給停止されます。

その際、支給停止するための手続きが必要になります。

たとえば、配偶者が老齢厚生年金をもらうようになったとき、加給年金が支給停止されるので届出の提出が必要になります。

支給停止手続きの方法
最寄りの年金事務所または年金相談センターに「老齢・障害給付 加給年金額支給停止事由該当届」を提出
※参照:日本年金機構HP老齢厚生年金を受けている方の配偶者が公的年金等を受けることになったとき
※届出書はこちらからダウンロードもできます。記載例も掲載されています。

支給停止の手続きをしないと加給年金を必要以上に受け取ることになり、そのぶんの金額をあとから返金することになるので気をつけましょう。

支給停止の条件に該当したときは、手続きを忘れないように早めに届出を提出しましょう。

振替加算が支給される場合もある?

加給年金をもらっている人は配偶者が65歳になると加給年金は支給停止されます。

その際、65歳になった配偶者に支給される年金には一定の金額が加算される場合があります。これを振替加算といいます。

たいして多い金額ではありませんが、気になる方は振替加算をチェックしておきましょう。

以上のように、一定の条件を満たせばもらえる年金が増額します。ただし、加給年金をもらうには手続きが必要なことを覚えておきましょう。

さらに老後にもらえる年金を増やしたい場合には私的年金を利用しましょう。

私的年金とは、代表的なものだとiDeCo(イデコ)や国民年金基金があります。ほかにも企業年金や民間の個人年金などもあります。年金を増やしたい方はこれらの私的年金への加入を検討してみましょう。