年金をもらいつつ会社で働きながら厚生年金保険に加入している場合、老後にもらえる厚生年金が減るときがあります。
これを在職老齢年金といいます。つまり、給料をもらっている人以外は関係ありません。
※在職老齢年金は、給料と老後にもらう年金の合計額によって年金の支給を一定程度我慢してもらう制度です。
※参照:日本年金機構在職中の年金(在職老齢年金制度)
年金が減ってしまう条件についてくわしくは下記で説明しているので見ていきましょう。
どんなときに年金が減るの?
老後の年金をもらいながら勤務先の厚生年金にも加入している場合、年金が減額される場合がある。
※これを在職老齢年金といいます。
全部の年金が減ってしまうの?
在職老齢年金で減額される年金は老齢厚生年金のみ。
※国民年金(老齢基礎年金)については全額支給されます。
どれくらい働く年金が減るの?
簡単に説明すると、月給と年金※の合計額が48万円を超えると減額される。
※年金は老齢厚生年金のこと。
※2023年4月より、47万から48万円に変更されました。
※くわしくは下記で説明しています。
老後の厚生年金を受けとっており、さらに会社で働いて厚生年金の被保険者となっている場合、年金が減額(または全額停止)されることになります。
ただし、稼いだ金額(賃金)がそれほど多くなければ年金は減額されません。
※給料と老後にもらう年金の合計額によって年金の支給を一定程度我慢してもらう制度を「在職老齢年金」といいます。
かんたんに説明すると、「賃金の月額 + 支給される厚生年金の月額※」が48万円を上回ると老後の年金が減額されます(支給が一部停止される)。
※くわしくは下記のシミュレーションで説明していきます。
※厳密には「基本月額と総報酬月額相当額」の合計額。
※老後にもらえる国民年金(老齢基礎年金)については減額されません。
したがって、上記の合計額が48万円以下なら老後の年金は減りません。老後にもらう年金を減らされたくない人は合計額が48万円を超えないようにしましょう。
※2023年4月から48万円に変更されました。
※参照:日本年金機構在職中の年金
では次に、具体的に金額をあてはめてどれくらい年金が減額されるかシミュレーションしていきます。
では、具体的に年金がいくら減額されるかシミュレーションしてみましょう。
60歳以上の会社員として計算していきます。あなたが60歳以上であり、老後の厚生年金をもらっている場合はチェックしておきましょう。
※2023年4月より、47万から48万円に変更されました。
▶基本月額とは?
1年間の老齢厚生年金 ÷ 12
※加給年金は除く。
▶総報酬月額相当額とは?
標準報酬月額 +(直近1年間のボーナスの合計 ÷ 12)
※標準報酬月額とは、報酬(給料など)の月額を区切りのよい幅で分けた金額のこと。たとえば毎月の月収が40.4万円なら標準報酬月額は41万円になります。
※参照:日本年金機構在職中の年金
【条件】
あなたが60歳以上で年収360万円(月収30万円)、直近1年間にボーナス無し、基本月額が15万円の場合。
※基本月額 = 1年間の老齢厚生年金 ÷ 12
【ここからシミュレーション】
上記の条件の場合、標準報酬月額は30万円になります。したがって、基本月額と総報酬月額相当額の合計は45万円になります。この場合上記のフローチャートと照らし合わせると、あなたの老後の年金は減額されません。
※総報酬月額相当額 = 標準報酬月額 +(直近1年間のボーナスの合計 ÷ 12)
【条件】
あなたが60歳以上で年収420万円(月収35万円)、直近1年間にボーナス無し、基本月額が15万円の場合。
※基本月額 = 1年間の老齢厚生年金 ÷ 12
【ここからシミュレーション】
上記の条件の場合、標準報酬月額は34万円になります。したがって、基本月額と総報酬月額相当額の合計は49万円になります。この場合、あなたの老後の年金は減額(一部支給停止)されます。
※総報酬月額相当額 = 標準報酬月額 +(直近1年間のボーナスの合計 ÷ 12)
上記の年金の減額式にあてはめて計算すると減額される年金は以下のようになります。
したがって、あなたの老齢厚生年金の月額は15万円から5,000円を差し引いた14.5万円になります。
在職老齢年金は、老齢厚生年金と給料等の額に応じて、減額または停止される制度です。
したがって、あなた本人が何かしらの手続きをする必要はありません。
もし、給料等が上がって、年金が減額される場合は日本年金機構からお知らせがきます。
※勝手に減額されますが、何のお知らせも無く減額されるわけではないので安心してください。
では次に、在職老齢年金の注意点について下記で説明していきます。年金が支給停止されたくない方はチェックしておきましょう。
在職老齢年金についての注意点は以下のとおりです。
会社員やアルバイトとして働きながら年金も受け取るつもりの方はチェックしておきましょう
以上のように、会社員やアルバイトとして働きながら年金も受け取る場合には、年金が減額されるケースがあるので覚えておきましょう。
ですが、60歳を超えてもガンガン稼いでおり、現役世代の会社員と同等もしくはそれ以上に稼げる力があるなら、年金が減額することなんて気にしないで働くことをオススメします。
高齢になっても働いてたくさん稼ぐライフスタイルはなかなか貴重なので、年金なんて気にせずにガンガン働いてください。