障害年金とは?老後の年金だけじゃない?わかりやすく説明

2024.05.20 更新
年金といえば老後にもらう年金が有名ですが、そのほかにも障害を負ったときにもらえる「障害年金」があります。「年金は歳をとったときだけ」と思っている方はここで学んでいきましょう。この記事では障害年金について簡単に説明していきます。
この記事の目次
障害年金とは?老後にもらうお金のほかにもあるの?

障害年金とは、病気やケガなどで障害を負ったときにもらえる年金です。

障害を負うことは誰もがかかえるリスクです。年金は老後以外にも障害のリスクにも対応してくれているんです。
※リスクに見舞われた方に年金が給付されます。
※障害年金をもらうには条件があります(ページ下記で説明しています)。



以下のとおり、障害年金には大まかに3つあります。
※ひとつは年金ではなく”一時金”です。

➊障害基礎年金とは
国民年金に加入している方で、障害等級1級または2級の障害にあてはまる方は、障害のある状態のあいだ障害基礎年金が給付されます。
➋障害厚生年金とは
厚生年金に加入している方で、障害等級1級または2級の障害にあてはまる方は、障害のある状態のあいだ障害基礎年金に加えて障害厚生年金が給付されます(障害等級3級にあてはまる方は障害厚生年金のみ)。
➌障害手当金とは
厚生年金に加入している方で、障害等級3級よりも軽い障害にあてはまる方は、一時金として障害手当金が給付されます。
※年金ではなく”一時金”なので年金のように毎年給付されるわけではありません。

では次に、障害年金のもらえる要件について下記で説明していきます。障害年金をもらう予定の方はチェックしておきましょう。


障害年金のもらえる要件

障害年金は、受給要件にあてはまったときに給付されます。障害年金の受給要件は以下のようになっています。

❶障害基礎年金、❷障害厚生年金、❸障害手当金についてそれぞれ説明しています。
●初診日
障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。
●障害認定日
初診日から1年6ヵ月経過したとき、または1年6ヶ月以内にその病気やケガが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。

①障害基礎年金の受給要件

  • 国民年金に加入している間に初診日があること※1
    ※1 20歳前や60歳以上65歳未満(年金に加入していない期間)で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含む(老齢基礎年金を繰上げ受給している方は除く)。
  • 障害認定日または20歳に達したときにおいて、障害等級表に定める1級または2級の状態にあること※2
    ※2 障害認定日以降に障害の状態が重くなり、65歳になるまでに障害等級1級または2級にあてはまるときは障害基礎年金が受給可能。
  • 下記の保険料納付要件を満たすこと(20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要)

※参照:日本年金機構障害基礎年金の受給要件

②障害厚生年金の受給要件

  • 厚生年金に加入している間に初診日があること
  • 障害認定日において、障害等級表に定める1級、2級または3級の状態にあること※
    ※ 障害認定日以降に障害の状態が重くなり、65歳になるまでに障害等級1級、2級または3級にあてはまるときは障害厚生年金が受給可能。
  • 下記の保険料納付要件を満たすこと

※参照:日本年金機構障害厚生年金の受給要件

③障害手当金の受給要件

  • 厚生年金に加入している間に初診日があること(国民年金、厚生年金または共済年金を受給している方を除きます。)
  • 次の条件1~3すべてを満たすこと
    1 初診日から5年以内に治っていること(症状が固定)
    2 治った日に障害厚生年金を受けるよりも軽い障害の状態であること
    3 障害等級表に定める障害の状態であること
  • 下記の保険料納付要件を満たすこと

※参照:日本年金機構年金の給付に関するもの 障害年金ガイド

保険料納付要件
次の1.もしくは2.のいずれかを満たすこと

  1. 初診日がある月の2ヶ月前までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  2. 初診日において65歳未満であり、初診日の前日において、初診日がある2ヶ月前までの直近1年間に保険料の未納がないこと(初診日は令和8年4月1日前にあること)


働いていると障害年金はもらえない?

働いていると障害年金がもらえなくなるわけではありません。

障害年金は、現在の障害の状態によって支給される年金です。

つまり、障害をもつ人が働いてお金を稼いだとしても、障害年金の支給が止められるわけではありません。

障害年金が止められる場合は?

働くことで障害の状態が改善し、障害等級に該当しなくなったと認められる場合には障害年金の支給が止まる場合もあります。


大事なポイントは、「障害年金を受給する要件にあてはまっているのか」です。元気に働いていたとしても、障害の状態が変わらないのであれば障害年金は受給できます。

勤務先が障害を考慮した労働環境を整えている場合には、現在問題なく働けていたとしても「今の労働環境が無くなれば働くことが難しい」こともあります。

したがって、働いていたとしても、障害年金を受給する要件にあてはまっていると診断されるなら、障害年金の支給が止まることはありません。

では次に、障害年金はどれくらいの金額になるか下記で説明していきます。いくらもらえるかザッと把握しておきましょう。


障害年金はいくらもらえるの?

障害の状態(1級~3級)により、以下に示した金額が年金として給付されます。

障害年金を受け取る方はどれくらいの金額がもらえるのかチェックしておきましょう。
※障害年金には時効があり、受給できるようになってから5年以内に申請をしないと受け取れなくなってしまうので注意してください。

障害基礎年金と障害厚生年金の違い
病気やケガで障害を負ったとき、すべての方が加入する国民年金からは「障害基礎年金」がもらえます。さらに会社員(サラリーマンなど)は厚生年金から「障害厚生年金」がもらえます。

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国民年金と厚生年金の違いってなに?

障害年金のもらえる金額は以下のとおり

※2024年度の金額
※参照:日本年金機構障害基礎年金の年金額
※参照:日本年金機構障害厚生年金の年金額

たとえばどれくらいもらえるの?
パターン①
※たとえば勤務年数20年の会社員(平均月収30万円、配偶者有り、子が2人)が1級障害を負った場合、障害年金は約238万円となります。



パターン②
※たとえば勤務年数20年の会社員(平均月収30万円、配偶者有り、子が1人)が1級障害を負った場合、障害年金は約214万円となります。



パターン③
※たとえば勤務年数10年の会社員(平均月収40万円、配偶者有り、子が0人)が1級障害を負った場合、障害年金は約214万円となります。

※障害等級については障害等級表を参照。
報酬比例の計算について、厚生年金の加入期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなされます。
※平成15年4月以降に厚生年金に加入したとして計算しています。
※配偶者が老齢厚生年金、退職共済年金(加入期間20年以上または中高齢の特例に該当する場合に限る)、または障害年金を受け取る間は、配偶者の加給年金額は支給停止されます。

※参照:日本年金機構障害基礎年金の年金額
※参照:日本年金機構障害厚生年金の年金額


障害年金をもらうと国民年金が免除される?

障害等級が1級または2級であるひとは、申請すれば国民年金の保険料が免除されます(法定免除)。

ただし、免除をすれば老齢基礎年金(老後にもらう国民年金)が減ります。
※法定免除した期間についての老齢基礎年金の額は、平成21年4月以降の期間は1ヶ月を2分の1にして計算されます。
※参照:日本年金機構国民年金保険料の法定免除制度

免除されたぶんはあとから支払う「追納」ができる

免除を受けた期間については10年以内であれば保険料をさかのぼって納める「追納」ができます。将来受け取る年金額を減らしたくない人は経済的に余裕が出来てから追納をしましょう。
※たとえば2019年4月ぶんは2029年4月末まで。
※10年を過ぎたぶんは支払うことが出来ません。この場合、上記で説明するように老後の年金が減ってしまいます。

では次に、障害年金は収入に入るのか、税金はかかるのか下記で説明していきます。
※収入に含まれる場合と含まれない場合があります。社会保険の扶養に入るつもりの方は下記をチェックしておきましょう。

障害年金は収入に含まれる?税金はかかる?

障害年金は非課税所得なので収入に含まれません(遺族年金も同じ)。

したがって、障害年金として受け取った金額には所得税や住民税はかからないので安心してください。
※出典:国税庁所得税法

また、障害年金を受け取っているからといって国民健康保険料などの社会保険料が増えることもありません。

ただし、障害年金をもらっている方が親族の扶養に入る場合は下記のポイントに注意しましょう。
※収入の算定に含まれる場合があります。

税法上の扶養については障害年金は含まれない?
収入に含まれない

障害年金は非課税所得になります。したがって、障害年金をもらっていても、その金額は扶養親族の条件である「合計所得48万円以下」の算定には含みません。
したがって、障害年金以外の合計所得が48万円以下なら扶養親族の対象になります。

※扶養親族の条件については扶養親族とは?を参照。

社会保険の扶養については障害年金も含まれる?
収入に含まれる

社会保険の扶養については扶養親族の条件と異なります。社会保険の扶養条件である「収入130万円未満(60歳以上は180万円未満)」の算定には、障害年金として受け取った金額も含みます。

したがって、これらの年金をもらっており、1年間の収入合計が130万円(60歳以上は180万円)以上になる見込みならば、社会保険の扶養の対象から外れます。

※社会保険の扶養条件については社会保険の扶養とは?を参照。