何歳まで親を社会保険の扶養に入れられる?60歳などの条件は?

2023.02.03 更新

自分の両親も社会保険の扶養に入れられます。たとえば定年退職して収入が少なくなった親や年金生活をする親を健康保険の扶養に入れることもできます。この記事では親を社会保険の扶養に入れる条件などについて説明していきます。
この記事の目次
自分の両親も社会保険の扶養に入れられる?

社会保険の扶養といえば、自分の妻や夫・子供を想像するひとが多いと思いますが、自分の母親・父親も社会保険(健康保険など)の扶養対象になります。
厚生年金の扶養は配偶者だけが対象です。

ただし、社会保険の扶養の対象になるにはいくつか条件があります。

条件や介護保険料、何歳まで扶養に入れられるか等について下記で説明していきます。
※息子の扶養に入ったり、離れて暮らす年金暮らしの両親を扶養に入れようと考えている方はチェックしておくことをオススメします。

この記事の要点

年金をもらっていても扶養家族になれますか?
年金をもらっていても扶養になれる。ただし、社会保険の扶養と税法上の扶養で条件が変わるので注意しなければいけない。
※社会保険の扶養は下記で説明しています。
※税法上の扶養は下記で説明しています。


子供の扶養になるには年収いくらまでならOK?
社会保険の扶養については親の年齢が60歳以上なら年収180万円未満が条件。別居している場合は定期的な仕送りが必要になる。
※くわしくは下記で説明しています。


親を扶養できるのは何歳まで?
親が支払う介護保険料については65歳になるまで。社会保険の扶養は75歳まで。75歳になると後期高齢者医療制度に移行する。したがって、親でも社会保険の扶養に入ることはできない。
※介護保険の年齢については下記で説明しています。
※社会保険の年齢については下記で説明しています。

では最初に、扶養に入れる条件について下記で説明していきます。親を自分の扶養に入れようと考えている方はチェックしておきましょう。



親を扶養に入れる条件は?年金収入いくらまで対象?
60歳以上で社会保険の扶養に入るなら年収180万円未満が条件

親を社会保険(健康保険など)の扶養にいれるにはいくつか条件があります。かんたんに説明すると、自分の親が60歳以上なら収入180万円未満までは扶養対象になります。

つまり、親が年金収入を得ている場合、1年間の年金収入が180万円未満までは社会保険の扶養対象になるんです。


ただし、親が60歳未満の場合は、1年間の収入が130万円未満でないと社会保険の対象にならないので気をつけましょう。
※親が50代など。

子供の社会保険の扶養に入ろうと考えている方は下記の条件をチェックしておきましょう。
※ややこしいかもしれませんが、1年間の収入条件など覚えておきましょう。

社会保険の扶養に入る条件

  • 社会保険に加入している人の親族であること

  • アルバイトなどで勤務先の社会保険に加入していないこと
    ※加入する条件については社会保険に加入する条件は?を参照。

  • 被保険者の収入によって生活をしている(生計を維持している)こと
    ※別居の場合は定期的な送金(仕送り)により生活していること。
    ※被保険者の収入でなく、自分の収入で生計を立てている場合は扶養の対象になりません。

  • 収入が同居している扶養者(扶養している方)の収入の半分未満であること
    別居の場合は収入が扶養者からの仕送り額未満であること

  • 1年間の収入が130万円未満であること。
    ※60歳以上または障害厚生年金がもらえる程度の障害をもつ場合は年間収入180万円未満であること。
    ※給与収入には交通費等を含みます。
    1年間の収入とは、過去における収入のことではなく、扶養に入ろうとする時点以降の年間の見込み収入額のことをいいます。たとえば3か月連続で年金収入またはアルバイトなどで15万円以上稼いでいると、年間180万円以上になると見込まれて扶養に入れなくなる場合があります。
    失業手当の受給者は日額3,611円以下(60歳以上の場合は日額4,999円以下)であること。
扶養されている方の収入には「雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金」も含まれます(加入している保険組合によっては労災保険の給付も含まれる場合があります)。くわしくは加入している健康保険・共済組合にてご確認ください。
※参照:日本年金機構従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
社会保険の扶養の判定をわかりやすく説明
社会保険の扶養に親を入れるときの判定フローチャート
社会保険の扶養に親を入れるときの判定フローチャート

とくに親と別居しており、仕送りで親が生活している場合は上記の条件をチェックしておきましょう。
※定期的な送金(仕送り)が必要になる等を覚えておきましょう。仕送りの金額にルールがあったりするので、別居している親を扶養するつもりの方は下記の記事もチェックしておきましょう。
別居している親や子供などを扶養するには仕送りが必要?



親が支払う介護保険料はどうなる?
扶養に入れば介護保険料も0円になる

親が支払う介護保険料については健康保険側が負担してくれるため、社会保険の扶養に入れば0円になります。

したがって、親が子供の社会保険の扶養に入れば、親の介護保険料が0円になるメリットを受けられます。
※たとえば実家暮らしの社会人の子供がおり、その扶養に両親が入れば、親の健康保険料と介護保険料が0円になります。

ただし、親が65歳未満までの間です。社会保険の扶養に入っていても65歳を超えると介護保険料は親自身で支払わなければなりません。
※親が支払う健康保険料については社会保険の扶養に入っていれば0円のままです。


また、あなたが40歳未満で介護保険に加入していない場合でも、あなたが支払う社会保険料に介護保険料が上乗せされることはありません。

注意ポイント:介護保険料が上乗せされる?
加入している保険組合によっては、あなたが40歳未満でも社会保険料に親の介護保険料が上乗せされる場合があります。
※40歳~64歳の親を扶養している場合(特定被保険者制度)。
親を扶養に入れようと考えている方は自分が加入している保険組合についてしっかり調べておきましょう。

※参照:日本年金機構

65歳以上の介護保険料についてはこちら
65歳以上の介護保険料はどれくらい?世帯の収入によって変わる?

では次に、親が何歳になるまで社会保険の扶養に入れられるのか下記で説明していきます。社会保険の扶養は年齢制限があるのでチェックしておきましょう。



親が何歳になるまで扶養に入れられる?

社会保険の扶養対象になるための条件に年齢はありませんが、親が75歳になると強制的に後期高齢者医療制度に加入することになります。


したがって、75歳になると社会保険(健康保険)の扶養から外れて親自身で後期高齢者医療制度の保険料を支払うことになります。
※つまり、社会保険の扶養でいられるのは75歳まで。
後期高齢者医療制度とは、健康保険などと同じ医療保険のひとつ。75歳になると加入することになります。



ただし、親の収入がそれほど多くなければ後期高齢者医療制度の保険料は高額にはならないので安心してください。
※ちなみに、親の年金収入が230万円のときの保険料は1年間で約11万円になります。
※お住まいの地域によって保険料は異なります。

後期高齢者医療制度とは?保険料などわかりやすく解説


75歳をむかえた方の保険料については上記の記事でシミュレーションして説明しています。

片方の親だけ社会保険の扶養に入れるのはダメ?
父親または母親だけ社会保険の扶養に入れることができない場合がある

加入している保険組合によっては、社会保険(健康保険)の扶養に父親だけまたは母親だけを入れることができない場合があります。
※両親のどちらも亡くなっていない場合。

たとえば父親の年収が200万円、母親が100万円の場合、母親だけ加入条件を満たしていても、母親を社会保険の扶養に入れられない場合があります。
※保険組合によっては、親を扶養する場合は「両親ともに社会保険の扶養に入らないといけない」等のルールがあります。


ほかにも、退職後の収入が0円の父親を扶養に入れようとしても、母親の貯蓄等で父親の生計を維持している場合、父親だけを社会保険の扶養に入れることができない場合があります。
※保険組合によっては、上記のように両親の生活実態を勘案される場合があります。

以上のように、加入している保険組合によっては片方の親だけを社会保険の扶養にいれることができない場合があるので気をつけましょう。
※自分が加入している保険組合でご確認することをオススメします。


手続きは必要?提出する書類は?

親族を社会保険の扶養に入れるときは、勤務先(事業主)に伝えて手続きをしてもらう必要があります。

その際に収入証明などを提出する必要があるので、下記の書類を用意しておきましょう。
※手続き後に親のぶんの保険証が配布されます。

社会保険の扶養に入るとき必要な書類

1.続柄確認のための書類(コピー不可)
被扶養者の戸籍謄(抄)本など
※被保険者との続柄が確認できるもの。くわしくは加入している保険組合のHPをご確認ください。



2.収入要件確認のための書類
▶年金受給中の場合は「年金額の改定通知書などの写し」
▶そのほかの収入がある、または収入がない場合は「課税(非課税)証明書」
▶退職したことにより収入要件を満たす場合は「退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し」
▶自営(農業等含む)による収入、不動産収入等がある場合「直近の確定申告書の写し」
▶障害年金や失業給付等の非課税所得がある場合は「受取金額のわかる通知書等のコピー」



【必要な場合】仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類
▶振込の場合「預金通帳等の写し」
▶送金の場合「現金書留の控え(写し)」

では次に、親を扶養したときに税金が安くなる扶養控除について下記で説明していきます。扶養控除にも条件があります。


親を扶養に入れると税金が安くなる?

扶養といえば社会保険のほかにも「扶養控除」があります。
※扶養控除とは「税法上の扶養」のことで、社会保険の扶養とは異なります。
※参照:国税庁扶養控除


扶養控除とは、16歳以上の扶養親族がいる場合に税金が安くなる特典を受けられる制度です。
※したがって、年金生活をする母親や60歳で定年退職して収入が少なくなった親を扶養に入れることもできます。


自分の両親が扶養親族の対象であり、節税しようと考えている方は知っておきましょう。

くわしくは下記の記事で説明しています。親を扶養に入れる条件などチェックしておきましょう。

安くなる金額はどれくらい?親の年齢などによっても変わる?

親を扶養すると年間約5万円~16万円税金が安くなります。
高齢の親を扶養に入れる場合、税金が安くなる金額が年齢によって変わります。また、同居しているかどうかでも変わるので気になる方は下記の記事をチェックしておきましょう。

親を扶養に入れるといくら節税できる?扶養控除で税金が安くなる?


ここまでのまとめ(扶養に入れるデメリットは?)

ここまで説明したように、自分の配偶者や子供のほかにも親を社会保険の扶養にすることができます。

ただし、自分の親を社会保険の扶養に入れる場合、1年間の収入が180万円未満である等の条件があることを覚えておきましょう。
※親がパートなどで働いており、お金を稼いでいる場合は1年間の収入に気をつけましょう。

ただし、親がたくさんお金を稼いでいるなら扶養は関係ありません。元気に働いてもらいガンガンお金を稼いでもらいましょう。

ここまでのまとめ

年金収入があっても社会保険の扶養に入れる?
社会保険の扶養の対象になるには1年間の収入が130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)である必要がある
※くわしくは上記で説明しています。


親の介護保険料はどうなるの?
親が65歳未満なら介護保険料も支払わなくてよくなる場合がある
※くわしくは上記で説明しています。


親が65歳以上の場合は介護保険料を支払うの?
親が65歳以上なら社会保険の扶養に入っても介護保険料は支払わなければならない
※くわしくは上記で説明しています。


社会保険の扶養は何歳まで?
親が75歳になると強制的に社会保険の扶養から外れてしまう
※くわしくは上記で説明しています。

扶養に入れるデメリットは?

親を扶養するときはデメリットがあることも知っておきましょう。
親が介護に無縁なら問題はありませんが、介護サービスのお世話になっている場合は親を扶養すると、介護サービスの利用料などが値上がりする場合があります。
頻繁に介護サービスを利用している方は料金の値上がりに気をつけなければいけません。気になる方は下記の記事をチェックしておきましょう。

親を扶養に入れるとデメリットがある?介護費用が?税金は安くなるけど…