別居している親や子供などを扶養するには仕送りが必要?

2022.08.31 更新

別居している親や子供を扶養する場合、仕送りが必要になります。仕送りはいくら必要なのか、手渡しはダメなのか。この記事では別居している親や子供などを扶養する場合について説明していきます。
この記事の目次
別居している親族を扶養する際の仕送りについて

別居している親族でも扶養することができます。親族を扶養すれば税金が安くなったり、親族の保険料が0円になったりメリットがあります。

ただし、扶養するには仕送りが必要になります。

加入している保険組合によっては仕送り金額のルールがあったりするので、別居している子供や両親を扶養するつもりの方はチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 税法上の扶養と社会保険の扶養で分けて説明。

  • 別居している親族を扶養するには仕送りが必要。
    ※税法上の扶養は下記で説明しています。
    ※社会保険の扶養は下記で説明しています。

  • 社会保険の扶養に入れる場合、仕送り金額にルールがある場合がある。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 扶養されるひとに収入がある場合、その金額が一定以上だと扶養から外れる。
    ※税法上の扶養は下記で説明しています。
    ※社会保険の扶養は下記で説明しています。

  • 社会保険の扶養から外れるときは届出を提出する。
    ※くわしくは下記で説明しています。

では最初に、税法上の扶養について下記で見ていきましょう。扶養されるひとの所得が多いと扶養の対象から外れます。


税法上の扶養(扶養控除など)に入れる場合は?
税法上の扶養(扶養控除など)に入れる場合は?

別居している親族(子供など)を扶養すると、税金が安くなる制度(扶養控除)が利用できます。
扶養控除とは:16歳以上の親族を扶養すると税金が安くなる制度。


ただし、扶養控除を利用する場合、生計を一にすること(仕送り等)が必要になります。


たとえば1人暮らしをしている子供に生活費などを送金しているなら、生計を一にしていると認められ、扶養控除を利用することができます。
※別居している場合、生計を一にしている(仕送り等をしている)ことを証明する書類の提出は必要ありませんが、仕送り等の事実を確認されることもあるので、預金通帳など準備しておくことをオススメします。
※参照:国税庁扶養控除生計を一にするの意義


配偶者と別居している場合は?

別居している配偶者でも上記と同様です。単身赴任などをしていても、配偶者と生計を一にしていれば「配偶者控除」を利用することができます。
配偶者控除とは:妻または夫を扶養していると税金が安くなる制度。

収入がたくさんあると扶養の対象から外れる?

別居している親族がアルバイトなどをして収入がたくさんある場合、扶養の対象から外れてしまいます。
※扶養の対象になるには1年間の合計所得金額が少ないことが条件です。
※生活費や教育費としての仕送り金額は合計所得金額に含めません。
※出典:国税庁扶養控除生計を一にするの意義
※出典:国税庁贈与税がかからない場合


たとえば、別居している子供がアルバイトをしており、1年間(1月~12月まで)の収入が103万円(つまり、合計所得金額が48万円)を超えてしまうと扶養親族の対象から外れてしまいます。そうなれば扶養控除が利用できなくなるので注意しましょう。

※くわしい条件は下記の記事で説明しています。
※親族(子供や両親)の場合:扶養親族とは?
※妻または夫の場合:配偶者控除とは?

控除を利用すれば約5万円~十数万円税金が安くなるので、別居している場合でもこれらの控除を利用することをオススメします。

では次に、別居している親族を社会保険の扶養に入れる場合について下記で説明していきます。


社会保険(健康保険など)の扶養に入れる場合は?
社会保険(健康保険など)の扶養に入れる場合は?

別居している親族(子供など)を社会保険(健康保険など)の扶養に入れることは可能です。

ただし、別居している親族を扶養にいれる場合は仕送り等が必要になります。
社会保険の扶養の条件に「仕送りが必要」とされているため。

扶養の申請の際に、仕送り金額等を記入して届出を提出することになるので、別居している親族を扶養するつもりの方は仕送りを忘れないようにしましょう。

仕送りしていない場合は?

別居している親族を扶養に入れる際には、仕送りの事実や証明が必要になります。
※加入している保険組合によっては、扶養対象が学生なら省略できる場合もあります。

したがって、仕送りしていない場合は社会保険の扶養の条件を満たさないため、扶養の対象になりません。

※扶養するための届出や現状の再確認のための調査書を提出する際に金額を記入したり、仕送り額が確認できる書類を添付が必要になります。
※現況の再確認の際、協会けんぽの場合は「被扶養者現況申立書」を添付して提出することになります。
※参照:全国健康保険協会被扶養者資格の再確認について

では次に、仕送り金額がいくら以上必要なのかについて下記で説明していきます。仕送り金額にはルールがあります。


仕送り金額にはルールがある?金額指定がある場合も?
仕送り金額はいくら以上必要?

別居している親族を社会保険の扶養にいれる条件に「仕送りが必要」とありますが、仕送り金額にも決まりがあります。


仕送りのルールは「被扶養者(扶養されるひと)の収入が被保険者(扶養するひと)からの仕送り額未満であること」です。
※参照:協会けんぽ被扶養者とは?
※参照:日本年金機構従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き


収入が仕送り額を上回るとダメ?

▶パターン①

たとえば仕送り額が年間72万円(ひと月当たり6万円)の場合、別居している子供の収入は1年間で72万円(月収6万円)未満でなければいけません。たとえば子供のアルバイト収入が72万円を超えてしまうと扶養の対象から外れてしまいます。


▶パターン②

たとえば仕送り額が年間60万円(ひと月当たり5万円)の場合、別居している子供の収入は1年間で60万円(月収5万円)未満でなければいけません。たとえば子供のアルバイト収入が60万円を超えてしまうと扶養の対象から外れてしまいます。
仕送りに金額指定がある場合もある?

加入している保険組合によっては、仕送り金額に指定がある場合があります。たとえば、「ひと月当たり最低5万円以上の仕送りが必要」などの条件がある場合があります。

条件を満たしていてもダメなときがある?

仕送り金額等の条件を満たしていても、様々な状況を審査した結果、社会保険の扶養に入れない場合もあります。
たとえば被扶養者(扶養されるひと)の貯蓄や資産、直近数年間の収入などの家庭状況を含めて考え、経済的に自立していると判断される場合には扶養に入れない場合があります。

※原則、被保険者に生計を維持されていなければ扶養の対象にはなりません。

では次に、仕送りが定期的じゃないとダメなのかについて下記で説明していきます。仕送りを毎月していない方は注意しましょう。


仕送りは毎月じゃないとダメ?
仕送りは毎月じゃないとダメ?

仕送りは半年にまとめて渡したり、年数回に分けたり、家庭によって方法が異なると思います。

しかし、加入している保険組合によっては定期的(ひと月ごと)に仕送りをしないといけない場合があります。

毎月の仕送りを忘れてしまうと、扶養の対象から外されてしまう場合があるので注意しましょう。
※加入している保険組合を確認しましょう。

仕送りが手渡しの場合は?

別居している親族を扶養に入れる際には、仕送りの事実や証明が必要になります。したがって、多くの保険組合では「手渡し」だと、社会保険の扶養に入れない場合があります。
※仕送りをしている証明ができないため、基本的には仕送りは「送金」でなければいけません。

ただし、保険組合によっては手渡しだとしても預金通帳等と照らし合わせて、仕送りの事実を証明できれば(手渡しの仕送りで生計を維持していることが合理的に認められる場合は)社会保険の扶養として認められる場合があります。

では次に、仕送りをもらっているひとに収入があってもいいのかについて下記で説明していきます。アルバイト等をして稼いでいる場合は注意しましょう。


仕送りを受け取っている側にアルバイトや年金などの収入があってもいい?
仕送りを受け取っている側にアルバイトや年金などの収入があってもいい?

別居している親族がアルバイトや年金などの収入があっても、社会保険の扶養に入ることは出来ます。

ただし、その収入が1年間で130万円以上であったり、仕送り額よりも多かったりする場合には扶養に入れません。
※60歳以上の場合は180万円以上。
※仕送り額の条件については上記で説明しています。
※そのほか条件については社会保険の扶養とは?を参照。


したがって、アルバイト等で収入がたくさんあるひとは社会保険の扶養に入れないので、扶養に入ろうと考えている方は注意しましょう。

アルバイトや年金のほかにも収入に含まれる?

被扶養者(扶養されるひと)の収入には以下のようなものが含まれます。

など。
※加入している保険組合によって異なるので、しっかり確認しておきましょう。
※そのほか条件については社会保険の扶養とは?を参照。

子供が奨学金を受け取っている場合は?

子供が奨学金を受け取っている場合、加入している保険組合によっては少しややこしくなります。

保険組合によっては、奨学金が収入に入る場合があるため、奨学金をたくさんもらっていると社会保険の扶養から外れることがあるので注意しましょう。

※くわしくは下記の記事で説明しています。
奨学金は収入に入る?入らない?親の扶養から外れるときについて

では次に、扶養を外される場合について下記で説明していきます。別居している親族の扶養が外れてしまうケースを把握しておきましょう。

別居していて扶養を外される場合とは?
別居していて扶養を外される場合とは?

社会保険の扶養を外されるときは以下のようなときです。
※条件を満たしていないことが判明したタイミングなどで扶養から外れることのお知らせが届きます。


扶養から外れるときは加入している保険組合の「届出」を提出して、扶養から外す手続きをしなければいけません。
※届出書は加入している保険組合に請求またはダウンロードして手に入れることが出来ます。


扶養の条件を満たしていないのに、届出を提出せずそのままにしている場合、下記で説明するようにその期間の医療費などを返還しなければいけなくなります。

いつから扶養を外れる?

以下のどれかにあてはまるひとは、社会保険の扶養の条件を満たしていないので扶養から外れることになります。

こんなときは扶養から外れます

  • 勤務先の社会保険に加入したとき
  • 75歳になって後期高齢者医療制度に加入したとき
  • 年間収入が130万円以上になる見込みがあるとき
    ※給与収入なら月収108,333円を超えるとき。
    ※60歳以上の場合は年間180万円以上になる見込みがあるとき
  • 仕送りしていないとき
    ※保険組合によっては毎月仕送りをしていないことが判明したときに扶養から外れる場合があります。
  • 被扶養者(扶養されるひと)の収入が仕送り額を超えたとき

など。
※加入している保険組合によっては他にも条件がある場合があります。

※社会保険の扶養の条件については社会保険の扶養とは?を参照。

扶養の条件から外れているのに手続きをしていなかった場合は?

社会保険の扶養を外れていることがわかったときは、扶養を外れる届出を提出しなければいけません。
※届出書は保険組合に請求するまたはダウンロードして手に入れることが出来ます。

しかし、扶養から外れることに気づかなくてそのままにしている方も多くいると思います。社会保険の扶養から外れていることがあとになって発覚した場合、その事実が発生した日までさかのぼって、その期間の医療費(保険を使って診療したときのお金など)を返還することになります。

また、配偶者(夫または妻)の場合、社会保険の扶養から外れている期間の国民年金の保険料が未納になってしまいます。2年以上未納のままにしておくと、あとから保険料を納めることが出来なくなってしまうので注意しましょう。

※年金を未納にしておくとデメリットがあります。

※参照:日本年金機構第3号被保険者(専業主婦・主夫)からの手続きが遅れた方へ

では最後に、ここまでのまとめについて下記で説明していきます。別居している親族を扶養するつもりの方はザッと把握しておきましょう。


ここまでのまとめ

ここまで説明したように、別居している親族を扶養に入れることは可能です。

しかし、仕送りが必要になることを覚えておきましょう。

とくに社会保険の扶養については、加入している保険組合によって「仕送り金額のルール」があったりするので注意しましょう。

ここまでのまとめ

  • 税法上の扶養に入れる場合は、生計を一にしていることが条件。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 別居している親族を社会保険の扶養に入れる場合は、仕送りが必要。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 仕送りが手渡しだと社会保険の扶養が認められない場合がある。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 扶養されるひとの収入が仕送りよりも上回ると、社会保険の扶養の対象から外れてしまう。また、仕送り金額にはルールがある場合がある。
    ※くわしくは上記で説明しています。

別居している親族を扶養に入れる場合は、加入している保険組合の条件をしっかり確認することをオススメします。