産休とは?出産手当金の手取りはいくら?申請から育休までを解説

2022.09.03 更新
産休が何日休めて、いつから取れるのかザッと把握しておきましょう。この記事では産休についてわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
産休の期間や支給されるお金など解説(この記事の要点)

産休とは産前および産後に仕事を休むことができる制度です。

産休を取るとどれくらいの日数休めるのか、いくらお金が支給されるのか等、独身の方も今のうちに知っておくことをオススメします。

この記事の要点

  • 産休は出産前後に仕事を休める制度。正社員じゃなくても取得できる。

  • 条件を満たせば産休中にお金が支給される。

  • 産休中にもらえるお金は産休前の手取りの約80%。

  • 産休中の社会保険料は免除される場合がある。

  • 産休中は国民年金も免除される。

では最初に、産休は何日休めるのか下記で説明していきます。いつからいつまで産休を取得できるのか独身の方もチェックしておきましょう。


産休ってなに?いつからいつまで取れるの?
産休ってなに?いつからいつまで取れるの?

産休とは産前および産後に仕事を休むことができる制度です。

産前とは出産日の前、産後とは出産日の翌日以降のことをいいます。


産前と産後で42日と56日、合わせて98日間を休むことができます。

ちなみに、産休を取得することは労働基準法で定められているので安心してください。

休むことができる日数
産前休業
出産予定日を含む42日間(6週間)
※双子以上の場合は98日間(14週間)


産後休業
出産日の翌日から56日間(8週間)

※女性労働者は出産の翌日から8週間は就業することができません。ただし、6週間を過ぎたあと、本人が請求し、医師が認めた場合は就業することができます。

※参照:厚生労働省女性労働者の母性健康管理等について労働基準法(産前産後休業、生理休暇等)

産休はパートでも正社員でも関係なく取得できる?

「産休は正社員しか取れないの?」と勘違いしている方もいると思います。

産休は正社員でもパートの方でも関係なく取得することができます。
※女性の労働者が請求したら取得することができます。
※参照:厚生労働省働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について

では次に、産休等の不利益扱いの禁止について下記で説明していきます。安心して産休を取得できる法律があります。

産休を理由に解雇などは禁止されています

産休を安心して取得できるために、下記のように「不利益扱いの禁止」をするように法律で義務付けられています。
※男女雇用機会均等法第9条によって定められています。

妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いは禁止されています

事業主は、従業員が産休を取得したことを理由に、その従業員に対して契約更新を拒否したり、降格や減給をしたり、解雇やその他不利益な取扱いをしてはいけないように義務付けられています。

※参照:厚生労働省妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いpdf

では次に、産休中にもらえるお金について下記で説明していきます。仕事を休んでいる間もお金が支給されます。

産休中にお金がもらえる?

産休中は会社を休むので、その間のお金が心配になる方も多いと思います。

そんな方のためにあるのが出産手当金です。これは「産休で会社を休んでいる間もお金がもらえる」制度です。

ただし、出産手当金は誰でももらえるわけではなく、保険料を支払っている被保険者に支給される制度となっています。
※参照:全国健康保険協会出産で会社を休んだとき

産休中にお金がもらえる?

では次に、出産手当金の計算方法について下記で説明していきます。


出産手当金はいくらもらえるの?計算方法

大まかに説明すると、出産手当金は1日につき( 月給 ÷ 30 )の3分の2の金額が支給されます(くわしい計算式は下記を参照)。

出産手当金は加入している医療保険から支給されます。
健康保険または共済組合

出産手当金をもらう予定の方は下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。

具体的に金額をあてはめて計算しています。

出産手当金の計算方法

※参照:全国健康保険協会出産で会社を休んだとき

出産手当金の計算方法
出産手当金の計算方法

出産手当金は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。
※標準報酬日額 = 支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30

※支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、次の①②の低いほうの金額で計算します。
①支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
②30万円(標準報酬月額の平均額)
※共済組合の場合は「 ÷ 22」になります。

●国民健康保険の場合は市区町村の定めるところによります(基本的には支給されません)。
●国保組合の場合は加入している国保組合にてご確認ください。

出産手当金の支給金額の例

月収が約18万円の場合
支給額は1日あたり約4,000円(月額約12万円)となります。

月収が約20万円の場合
支給額は1日あたり約4,400円(月額約13万円)となります。

月収が約27万円の場合
支給額は1日あたり約6,200円(月額約18万円)となります。

月収が約36万円の場合
支給額は1日あたり約8,000円(月額約24万円)となります。

では次に、出産手当金の手取りをシミュレーションしていきます。具体的に金額をあてはめて下記で計算していきます。


出産手当金の手取りはいくら?

傷病手当金がいくらもらえるのか手取りをシミュレーションしていきます。

ここでは休業前の月収を20万円として計算していきます。
※支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額の平均額
※くわしい計算式は上記で説明しています。


下記で休業前と休業後の手取りを比較していきます。

産休前の月収が20万円(年収240万円)だったときの手取りシミュレーション

出産手当金は非課税所得のため、税金がかかりません。また、産休中の社会保険料は免除されます。したがって、産休中の手取りは産休前の約80%になります。

産休前(出産手当金をもらう前)
▶月収20万円のとき

  • 所得税:ひと月約3,200円
  • 住民税:ひと月約7,300円
  • 年金保険料:ひと月約18,000円
  • 健康保険料:ひと月約10,000円
  • 雇用保険料:ひと月約600円
  • 手取り:ひと月約160,000円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。



産休後(出産手当金が支給中)
▶月収13.3万円のとき
※1か月間(30日)支給された場合の金額
※上記の13.3万円は産休で休業する前の月収が20万円(標準報酬月額が20万円)だったときの出産手当金の額。
※報酬に含まれるもの(手当など)については標準報酬月額とは?で説明しています。
※総支給額については総支給額とは?で説明しています。

  • 所得税:ひと月0円
  • 住民税:ひと月約7,300円
    ※住民税については翌年に反映されます。
  • 年金保険料:ひと月0円
  • 健康保険料:ひと月0円
  • 雇用保険料:ひと月0円
    ※賃金をもらっていなければ雇用保険料は0円になります。
  • 手取り:ひと月約127,000円

以上のように出産手当金は非課税所得のため、税金がかかりません。また、産休中の社会保険料は免除されます。くわしくは下記で説明していきます。


産休中は税金や社会保険料が0円になる?

産前・産後休業を取得した期間は事業主の申出により、社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が全額免除されます。

したがって、産休中の社会保険料は0円になります。
※被保険者と事業主ともに0円になります。

免除されているあいだも病気やケガなどの治療に健康保険は適用されるので安心してください。
※厚生年金保険について上記の免除期間は保険料を納めた期間として扱われます。
※参照:日本年金機構産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき

出産手当金は税金も0円?配偶者控除の対象になる?


出産手当金は非課税所得のため、支給されるお金が課税されることはありません。
※健康保険法第62条。

つまり、産休中に支給された出産手当金にかかる税金は0円になります。
※住民税については翌年に反映されます。

したがって、共働きで産休や育休を取得した方は配偶者控除の対象になる場合があります。くわしくは下記の記事で説明しています。

産休育休を取ったとき配偶者控除を受けれる?

※社会保険の扶養条件では出産手当金や失業手当等も収入とみなされます。任意継続で退職後にも出産手当金をもらう場合、日額3,612円以上支給されていると社会保険の扶養になれない場合があります。

では次に、出産手当金がいつまでもらえるのかについて下記で説明していきます。ずっともらえるわけではありません。


出産手当金がもらえる期間はいつまで?

出産手当金を受けられる期間は、出産予定日の42日前から、出産日の翌日から56日目までの間です。
※双子以上の場合は98日間

予定日のかなり前から休んだとしても、たくさんお金がもらえるわけではありません。

予定日よりも前後した場合はどうなるの?

産前42日と産後56日の期間が出産手当金の支給期間ですが、出産予定日よりも出産が早まったり遅れたりした場合、出産手当金は以下のように支給されます。


出産が予定日より遅れた場合
出産予定日以前42日から出産日後56日の間となるので、遅れた日数分についても出産手当金が支給されます。

出産が予定日より早かった場合
産前42日と産後56日の両方とも実出産日から数えて出産手当金が支給されます。

※参照:全国健康保険協会出産で会社を休んだとき

休みの日も支給される?
出産手当金は、会社等を休み給与の支払いがなかった期間を対象として支給されます。したがって、もともと会社が休みの日やパート・アルバイトのシフトをもともと入れていない日(公休日)も支給されます。

では次に、産休中にもらえる出産手当金の申請方法などについて下記で説明していきます。産休を取る予定の方はお金が支給されるまでの流れについてチェックしておきましょう。


産休の申請方法は?産休から育休までの手続きのながれ
産休の申請方法は?

産休を取得するつもりの方は、出産手当金の申請方法についてもザッと把握しておきましょう。

勤務先(事業主)に伝えて申請書を記入することになります。基本的には勤務先が申請をすることになります。

下記で出産手当金が支給されるまでの流れについてわかりやすく説明しています。

また、育休を取得後の流れについても説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。

出産手当金の支給、育休までの流れ

1.産休を取得するつもりだと伝える
従業員が産休を取得するつもりであることを勤務先に伝えます。
※勤務先から産休申請書をもらった場合は、期間などを記入して提出しましょう。

2.社会保険料の免除手続きをする
産休中は、従業員と事業主両方の社会保険料が免除されます。
事業主が「産前産後休業取得者申出書」を日本年金機構へ提出することになります。

※申請するための用紙は下記のページからダウンロードできます。
※参照:日本年金機構産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき
3.出産手当金の申請書を従業員に渡す
事業主が、産休を取得する従業員に「出産手当金支給申請書」を渡します。
※申請書は加入している保険組合からダウンロードなどして手に入れましょう。
※全国健康保険協会の場合は下記のページからダウンロードできます。
※参照:協会けんぽ健康保険出産手当金支給申請書
4.申請書に医師等からの証明をもらう
産休を取得する従業員は「出産手当金支給申請書」に医師または助産師に記入してもらう証明欄があるので、記入してもらう。
※医師または助産師に記入してもらうのに費用がかかる場合があります。
5.出産手当金の申請書を提出する
従業員から渡された「出産手当金支給申請書」を事業主が加入している保険組合に提出してください。
6.出産手当金が支給される
出産手当金は約2か月後に指定の口座に振り込まれます。

ここから育休の申請手続き
ここからは育休を取得して給付金を支給されるまでのながれをザッと説明していきます。
くわしく知りたい方は育児休業給付金とは?で説明しているのでチェックしておきましょう。

7.育休の取得
従業員が育休を取得します。
8.育児休業の取扱いが通知される
事業主が「育児休業取扱通知書」を作成・記入して、育休を取得する従業員にを提出します。
9.社会保険料の免除をしてもらう
育児休業中は従業員と事業主両方の社会保険料が免除されます。
事業主が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出することになります。
10.育児休業給付金の申請をする
事業主がハローワークに申請します。
11.従業員が申請書に記入
事業主が「育児休業給付金支給申請書」を従業員に渡して記入してもらう。
12.申請書を提出後、お金が振り込まれる
事業主がハローワークに申請書を提出します。受理後に給付金が支給されます。
13.2ヶ月ごとに申請する
2ヶ月ごとに事業主が申請書を提出して給付金支給の申請をします。育児休業が終わるまで申請を2ヶ月ごとに繰り返し行います。
育休についてくわしくは下記の記事をチェック

育休中にお金がいくらもらえる?育児休業給付金とは?

以上が産休から育休までのながれです。育休についてくわしく知りたい方は育児休業給付金とは?で説明しているのでチェックしておきましょう。

国民年金に加入している方も?

国民年金に加入している人(国民年金の第1号被保険者)は、出産前後の国民年金保険料が免除されます。

赤ちゃんが生まれる予定の方はチェックしておくことをオススメします。

国民年金保険料が免除される期間
出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料が免除されます。
※多胎妊娠の場合は6か月間。
※出産とは、妊娠85日(4か月)以上の出産をいいます(死産、流産、早産された方を含む)。



届出先
免除を受けたい方はお住まいの市区町村役所に届出を提出してください。
※出産予定日の6か月前から届出可能です。なお、出産後も届出が可能です。

※上記の免除期間は保険料を納めた期間として扱われます。
※参照:日本年金機構国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
まとめ(育休は男性も取れるのを知っておこう)

生まれてすぐの赤ちゃんのお世話は大変です。家族で協力して育児をすることをオススメします。

生まれて間もない子の育児のためなら仕事を休業することができます。また、育休は女性だけでなく男性も取れることを知っておきましょう。

育休はどれくらいの期間もらえるのか・休んでいる間もお金がもらえるのか等、くわしくは下記のページで説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。
※育休については育休とは?期間はいつまで?で説明しています。

ここまでのまとめ

  • 産休として休める日数は合計98日間。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 産休中にもらえるお金はだいたい収入の2/3。月収27万円の方なら1日あたり約6,000円。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 産休中の手取りは産休前の約80%になる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 産休中は税金や社会保険料が免除される。免除されている間も医療給付は同じように受けられる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

産休は正社員でなくても取得できることを覚えておきましょう。女性だけでなく男性も産休と育休について知っておくことをオススメします。育休については下記の記事で説明しています。