▶産休中ってお金がもらえるの?
勤務先の社会保険に加入しているひとは産休中にお金が支給される。産休手当(出産手当金)は1日あたり標準報酬日額×2/3の金額がもらえる。
※くわしくは下記で説明しています。
▶出産手当金の手取りは産休前の何割くらい?
産休中にもらえるお金は産休前の手取りの約8割になる。
※たとえば産休前の給料(月収)が約27万円の場合、出産手当金の支給額は月額約18万円。
※98日間もらうと、約435,000円。
※産休前の給料(月収)が約20万円の場合、出産手当金の支給額は1日あたり約4,400円(月額約13万円)。
※くわしくは下記で説明しています。
※月収ごとの支給額は下記で説明しています。
▶産休中の税金や社会保険料はどうなるの?
産休中の社会保険料は免除される。ちなみに、国民年金および国民健康保険の加入者も免除される。
※くわしくは下記で説明しています。
※国民年金については下記で説明しています。
産休とは産前および産後に仕事を休むことができる制度です。
産前と産後で42日と56日、合わせて98日間を休むことができます。
※産前とは出産日の前、産後とは出産日の翌日以降のことをいいます。
ちなみに、産休を取得することは労働基準法で定められているので安心してください。
※参照:厚生労働省女性労働者の母性健康管理等について労働基準法(産前産後休業、生理休暇等)
「産休は正社員しか取れないの?」と勘違いしている方もいると思います。
産休は正社員でもパートの方でも関係なく取得することができます。
※女性の労働者が請求したら取得することができます。
※出産手当金については勤務先の健康保険に加入して保険料を払っている方が支給対象です。
※参照:厚生労働省働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について
では次に、産休等の不利益扱いの禁止について下記で説明していきます。安心して産休を取得できる法律があります。
産休を安心して取得できるために、下記のように「不利益扱いの禁止」をするように法律で義務付けられています。
※男女雇用機会均等法第9条によって定められています。
事業主は、従業員が産休を取得したことを理由に、その従業員に対して契約更新を拒否したり、降格や減給をしたり、解雇やその他不利益な取扱いをしてはいけないように義務付けられています。
※参照:厚生労働省妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱いpdf
では次に、産休中にもらえるお金について下記で説明していきます。仕事を休んでいる間もお金が支給されます。
産休中は会社を休むので、その間のお金が心配になる方も多いと思います。
そんな方のためにあるのが出産手当金(産休手当)です。これは「産休で会社を休んでいる期間があればお金を支給してくれる」制度です。
ただし、出産手当金は誰でももらえるわけではなく、保険料を支払っている被保険者に支給される制度となっています。
※参照:全国健康保険協会出産で会社を休んだとき
では次に、出産手当金の計算方法について下記で説明していきます。
※出産手当としてもらえるお金は定額ではありません。あなたの給料によって金額が変わります。くわしくは下記で説明していきます。
出産手当金(産休手当)として支給される金額は、大まかに説明すると1日につき( 月給 ÷ 30 )の3分の2となります。
※出産手当金(産休手当)のくわしい計算式は下記で説明しています。
出産手当金は加入している医療保険※から支給されます。
※健康保険または共済組合
出産手当金をもらう予定の方は下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。
※参照:全国健康保険協会出産で会社を休んだとき
出産手当金は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。
※標準報酬日額 = 支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30
産休前の給料が月収約18万円の場合
支給額は1日あたり約4,000円(月額約12万円)となります。
※98日間もらうと、出産手当金の支給額は約390,000円。
産休前の給料が月収約20万円の場合
支給額は1日あたり約4,400円(月額約13万円)となります。
※98日間もらうと、出産手当金の支給額は約435,000円。
産休前の給料が月収約27万円の場合
支給額は1日あたり約6,200円(月額約18万円)となります。
※98日間もらうと、出産手当金の支給額は約610,000円。
産休前の給料が月収約36万円の場合
支給額は1日あたり約8,000円(月額約24万円)となります。
※98日間もらうと、出産手当金の支給額は約784,000円。
産休前の給料が月収約45万円の場合
支給額は1日あたり約9,800円(月額約29万円)となります。
※98日間もらうと、出産手当金の支給額は約958,000円。
産休前の給料が月収約54万円の場合
支給額は1日あたり約11,700円(月額約36万円)となります。
※98日間もらうと、出産手当金の支給額は約1,154,000円。
では次に、出産手当金の手取りがいくらになるかについて下記で説明していきます。金額をあてはめてシミュレーションしています。
出産手当金(産休手当)がいくらもらえるのか手取りをシミュレーションしていきます。
ここでは休業前の月収※を20万円として計算していきます。
※支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額の平均額
※くわしい計算式は上記で説明しています。
下記で休業前と休業後の手取りを比較していきます。
出産手当金は非課税所得のため、税金がかかりません。また、産休中の社会保険料は免除されます。したがって、産休中の手取りは産休前の約80%になります。
産休前(出産手当金をもらう前)
▶月収20万円のとき
産休後(出産手当金を受給した場合)
▶月収13.3万円のとき
※1か月間(30日)支給された場合の金額
※上記の13.3万円とは、産休で休業する前の月収が20万円(標準報酬月額が20万円)だったときの出産手当金の額。
※報酬に含まれるもの(手当など)については標準報酬月額とは?で説明しています。
※総支給額については総支給額とは?で説明しています。
※くわしい計算式や月収ごとの手当金は上記で説明しています。
児童手当についてはこちら↓
児童手当とは?所得制限限度額とは?わかりやすく説明
以上のように出産手当金は非課税所得のため、税金がかかりません。また、産休中の社会保険料は免除されます。くわしくは下記で説明していきます。
産前・産後休業を取得した期間は事業主の申出により、社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が全額免除されます。
※国民年金および国民健康保険に加入している方も下記のとおり免除されます。
したがって、産休中の社会保険料は0円になります。
※被保険者と事業主ともに0円になります。
免除されているあいだも病気やケガなどの治療に健康保険は適用されるので安心してください。
※厚生年金保険について上記の免除期間は保険料を納めた期間として扱われます。
※参照:日本年金機構産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき
出産手当金は非課税所得のため、支給されるお金が課税されることはありません。
※健康保険法第62条。
つまり、産休中に支給された出産手当金にかかる税金は0円になります。
※手当金を年収に含めて税金等の計算をしないように注意しましょう。
※住民税については翌年に反映されます。
また、共働きで産休や育休を取得した方は配偶者控除の対象になる場合があります。くわしくは下記の記事で説明しています。
※社会保険の扶養条件では出産手当金や失業手当等も収入とみなされます。任意継続で退職後にも出産手当金をもらう場合、日額3,612円以上支給されていると社会保険の扶養(健康保険の扶養)になれない場合があります。
では次に、出産手当金がもらえる日数について下記で説明していきます。産休を取るつもりの方はチェックしておきましょう。
出産手当金を受けられる期間は、出産予定日の42日前※から、出産日の翌日から56日目までの間です。
※双子以上の場合は98日間
予定日のかなり前から休んだとしても、たくさんお金がもらえるわけではありません。
産前42日と産後56日の期間が出産手当金の支給期間ですが、出産予定日よりも出産が早まったり遅れたりした場合、出産手当金は以下のように支給されます。
出産が予定日より遅れた場合
出産予定日以前42日から出産日後56日の間となるので、遅れた日数分についても出産手当金が支給されます。
出産が予定日より早かった場合
産前42日と産後56日の両方とも実出産日から数えて出産手当金が支給されます。
※参照:全国健康保険協会出産で会社を休んだとき
では次に、産休の申請方法について下記で説明していきます。育休の申請についても説明しています。
産休を取得するつもりの方は、出産手当金の申請方法についてもザッと把握しておきましょう。
勤務先(事業主)に伝えて申請書を記入することになります。基本的には勤務先が申請をすることになります。
下記で出産手当金が支給されるまでの流れについてわかりやすく説明しています。
また、育休を取得後の流れについても説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。
1.産休を取得するつもりだと伝える
従業員が産休を取得するつもりであることを勤務先に伝えます。
※勤務先から産休申請書をもらった場合は、期間などを記入して提出しましょう。
ここから育休の申請手続き
ここからは育休を取得して給付金を支給されるまでのながれをザッと説明していきます。
くわしく知りたい方は育児休業給付金とは?で説明しているのでチェックしておきましょう。
以上が産休から育休までのながれです。育休についてくわしく知りたい方は育児休業給付金とは?で説明しているのでチェックしておきましょう。
国民年金に加入している人(国民年金の第1号被保険者)は、出産前後の年金の支払いが免除されます。
※国民健康保険も免除されます(2024年1月から開始しました)。くわしくは下記で説明しています。
赤ちゃんが生まれる予定の方はチェックしておくことをオススメします。
国民年金保険料が免除される期間
出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料が免除されます。
※多胎妊娠の場合は6か月間。
※出産とは、妊娠85日(4か月)以上の出産をいいます(死産、流産、早産された方を含む)。
届出先
免除を受けたい方はお住まいの市区町村役所に届出を提出してください。
※出産予定日の6か月前から届出可能です。なお、出産後も届出が可能です。
※上記の免除期間は保険料を納めた期間として扱われます。
※参照:日本年金機構国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
産休は正社員でなくても取得できることを覚えておきましょう。女性だけでなく男性も産休と育休について知っておくことをオススメします。育休については下記の記事で説明しています。