児童手当とは?所得制限限度額とは?わかりやすく説明

2024.02.18 更新
子供がいる家庭は児童手当がもらえます。この記事では子どもがいる家庭にお金を支給してくれる「児童手当」、そして所得制限と所得上限の限度額の違いについて簡単に説明していきます。

この記事のポイント(要点まとめ)


▶児童手当はいくらもらえるの?
児童手当として支給される金額は15,000円。3歳以上は10,000円。ただし、所得が多い家庭は5,000円になってしまう。
※2024年に高校生まで拡充される予定。さらに、所得制限もなくなる予定。くわしくは下記を参照。


▶児童手当が減るのはなんで?
所得制限に引っかかると、児童手当は5,000円に減額されてしまう。さらに所得上限限度額を超えると児童手当は支給されなくなる。
※2024年に所得制限は撤廃される予定。
※所得制限は下記で説明しています。

※所得上限限度額は下記で説明しています。


この記事の目次


児童手当として支給される金額は?
児童手当は15,000円

児童手当とは、生活の安定と子どもの成長のためにお金を支給してくれる制度です。

児童手当は0歳から中学3年生までの子どもがいる家庭に支給されます。
※18歳まで拡大される予定です(2024年中)。

3歳未満は一人につき、月額15,000円が支給されます。

そのほかの年齢の子どもについては以下のような金額になっています。
※支給を受けるには市区町村への申請が必要です。申請をしなければ支給されません。

児童手当の支給額

※児童手当は非課税所得です。児童手当に税金がかけられることはありません。

児童手当の金額
児童手当の金額

※児童手当を受け取る方の所得が所得制限限度額以上の場合、支給額は子ども1人につき月額5,000円となります。
※第3子以降とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降のこと。
※児童手当の所得制限限度額については下記でシミュレーションして説明していきます。

※参照:こども家庭庁児童手当Q&A

児童手当はこう変わる
児童手当の金額
児童手当の金額


児童手当が高校生にも支給されるようになり、所得制限が撤廃される予定です(2024年の後半頃)。また、第3子以降は3万円に増額します。

※児童手当の対象となる子供の数を人数としてカウント。つまり、3人子供がいても一番上の子が19歳なら、3人目の子供は3万円の対象になりません。

では次に、児童手当の所得制限とはいくらなのかについて下記で説明していきます。

所得制限限度額とは?限度額をシミュレーション
所得が多い家庭は児童手当が5,000円

児童手当の支給をうける方の所得が下記の「所得制限限度額」以上の場合、児童手当が1人あたり月額5,000円となります。
※所得制限は撤廃される予定です(2024年度中)。注目しておきましょう。

ちなみに、児童手当の所得制限限度額の対象は「受給者の所得のみ」となります。
※世帯全員の所得の合計ではありません。共働きの場合でも、2人の所得を合計するわけではありません。

受給者は、児童の父母等のうち所得の高い方となります。

収入がいくらだと所得制限限度額にあてはまる?
児童手当の所得制限
児童手当の所得制限

※参照:こども家庭庁児童手当Q&A

年収が400万円のとき所得制限は?
年収400万の会社員は所得制限に引っかかるか

ここからシミュレーション
たとえば児童手当の支給を受ける方が会社員であり、収入が給与収入のみである場合。
会社員の年収が400万円とすると、給与所得は276万円となります。ほかに収入がないので、会社員の所得は276万円となります。上記の表と照らし合わせてみると、所得制限には引っかかりません。

※給与所得は給与所得シミュレーションで計算できます。
※給与所得のほかに雑所得などがある場合は合計しましょう。所得の合計のやり方については合計所得金額とは?を参照。
※児童手当における所得を算定するにあたって、給与所得または雑所得から10万円が控除され、さらに社会保険料控除として所得から8万円控除されるので、会社員で年収400万円の場合の所得は276万円 – 18万円 = 258万円となります。また、iDeCoの掛け金がある場合や寡婦控除や障害者控除を受けている場合はさらに所得から控除されます。くわしくはお住まいの地域HPでご確認ください。


年収が900万円のとき所得制限は?
年収900万の会社員は所得制限に引っかかるか

ここからシミュレーション
会社員の年収が900万円とすると、給与所得は705万円となります。ほかに収入がないので、会社員の所得は705万円となります。
※給与所得は給与所得シミュレーションで計算できます。
※給与所得のほかに雑所得などがある場合は合計しましょう。所得の合計のやり方については合計所得金額とは?を参照。


子供が1人、妻が1人とすると、扶養親族等が2人なので、上記の表と照らし合わせると所得制限限度額は698万円となります。
※妻または夫が同一生計配偶者である場合、扶養親族等の人数に含まれます。

会社員の所得は705万円なので所得制限限度額を超えてしまいます。つまり、会社員に支給される児童手当は月額5,000円となります。

※児童手当における所得を算定するにあたって、給与所得または雑所得から10万円が控除され、さらに社会保険料控除として所得から8万円控除されるので、会社員で年収900万円の場合の所得は705万円 – 18万円 = 687万円となります。この場合、所得制限限度額を超えないため、児童手当は減額されません。また、iDeCoの掛け金がある場合や寡婦控除や障害者控除を受けている場合はさらに所得から控除されます。くわしくはお住まいの地域HPでご確認ください。


児童手当が支給されなくなる?所得上限限度額とは?

高所得者の方は児童手当が支給されなくなります。

所得が上限限度額を超えた方については児童手当の特例給付(1人あたり月額5,000円支給)が支給されなくなります。
※2022年6月分(10月支給分)から児童手当に所得上限限度額がつくられました。

限度額は下記表のとおりです。
※所得が上限限度額を下回って、ふたたび児童手当の支給対象となった方は改めて申請手続きが必要となります。

収入がいくらだと所得上限限度額にあてはまる?

※参照:こども家庭庁児童手当制度のご案内

児童手当の所得上限
児童手当の所得上限
年収が1,000万円のとき所得上限は?
年収1,000万の会社員は所得上限に引っかかるか

ここからシミュレーション
たとえば児童手当の支給を受ける方が会社員であり、収入が給与収入のみである場合。
会社員の年収が1,000万円とすると、給与所得は805万円となります。
※給与所得は給与所得シミュレーションで計算できます。
※給与所得のほかに雑所得などがある場合は合計しましょう。所得の合計のやり方については合計所得金額とは?を参照。


子供が1人、妻が1人とすると、扶養親族等が2人なので、上記の表と照らし合わせると所得上限限度額は934万円となります。会社員の所得は805万円なので、所得上限には引っかかりません。

※妻または夫が同一生計配偶者である場合、扶養親族等の人数に含まれます。
※児童手当における所得を算定するにあたって、給与所得または雑所得から10万円が控除され、さらに社会保険料控除として所得から8万円控除されるので、会社員で年収1,000万円の場合の所得は805万円 – 18万円 = 787万円となります。また、iDeCoの掛け金がある場合や寡婦控除や障害者控除を受けている場合はさらに所得から控除されます。くわしくはお住まいの地域HPでご確認ください。


年収が1,200万円のとき所得上限は?
年収1,200万の会社員は所得上限に引っかかるか

ここからシミュレーション
会社員の年収が1,200万円とすると、給与所得は1,005万円となります。ほかに収入がないので、会社員の所得は1,005万円となります。
※給与所得は給与所得シミュレーションで計算できます。
※給与所得のほかに雑所得などがある場合は合計しましょう。所得の合計のやり方については合計所得金額とは?を参照。


子供が1人、妻が1人とすると、扶養親族等が2人なので、上記の表と照らし合わせると所得上限限度額は934万円となります。
※妻または夫が同一生計配偶者である場合、扶養親族等の人数に含まれます。

会社員の所得は1,005万円なので所得上限限度額を超えてしまいます。つまり、児童手当は支給されません。

※児童手当における所得を算定するにあたって、給与所得または雑所得から10万円が控除され、さらに社会保険料控除として所得から8万円控除されるので、会社員で年収1,200万円の場合の所得は1,005万円 – 18万円 = 987万円となります。また、iDeCoの掛け金がある場合や寡婦控除や障害者控除を受けている場合はさらに所得から控除されます。くわしくはお住まいの地域HPでご確認ください。


支給条件は?

原則として、こどもが日本国内に住んでいる場合に支給されます。
※支給を受けるには市区町村への申請が必要です。申請をしなければ支給されません。


こどもが留学のために海外に住んでいる場合、以下の条件すべてにあてはまらなければ支給されません。

こどもが留学のために海外に住んでいる場合の条件
  1. 日本国内に住所を有しなくなった前日までに日本国内に継続して3年を超えて住所を有していたこと。
  2. 教育を受けることを目的として海外に居住し、父母(未成年後見人がいる場合はその未成年後見人)と同居していないこと
  3. 日本国内に住所を有しなくなった日から3年以内であること。
その他、短期間留学していて日本に帰国し、再び3年以内に留学する場合などは、上記1.の条件を満たしていなくても、手当を受け取れる場合があります。
※参照:こども家庭庁児童手当Q&A
ひとり親の家庭はさらにお金が支給される?
ひとり親なら児童扶養手当も支給される

子供がいる家庭には児童手当が支給されますが、ひとり親の場合にはさらに児童扶養手当としてお金が支給されます。


もらえる金額は所得に応じて決定されます。くわしくは下記の記事で説明しているのでチェックしておきましょう。

以上のように、中学3年生までの子供がいる方は児童手当がもらえます。ただし、児童手当の支給を受けるには申請が必要なので忘れないようにしましょう。


現在独身の方も児童手当がどんな制度なのか今のうちに覚えておきましょう。育児をする前に知っておけば、不安な気持ちも少しやわらぐと思います。