雑所得とは?計算方法などわかりやすく解説。年金や広告収入も?

2023.01.30 更新

仮想通貨や老後の年金などの収入は雑所得に分類され、一定以上稼げば税金がかかります。この記事では雑所得やその計算方法について簡単に説明していきます。
この記事の目次
この記事の要点(ポイント)


雑所得があっても税金がかからないときは?
雑所得があっても合計所得が45万以下なら税金は0円になる(市区町村によっては42万などの場合があります)。
※くわしくは下記で説明しています。


副業で雑所得があると税金は増える?
会社員やアルバイトをしている方で給与のほかに雑所得がある場合、税金が上乗せされる。
※くわしい計算方法は下記で説明しています。
※上乗せされる税金については下記で説明しています。



雑所得とは?会社員や主婦の副業も?給料とは違う?
雑所得と給与所得の違い

所得は収入の内容(ギャンブルや給料など)によって10種類に分けられており、ほかの9種にあてはまらないものを雑所得といいます。
※参照:国税庁雑所得


たとえば主婦やサラリーマンなどが副業をして稼いだ収入は雑所得に含まれます。
※副業収入から必要経費を引いた金額が雑所得になります。

どんな内容の収入が雑所得にあてはまる?

ほかの9種類の所得に分類されないものが雑所得にあてはまります。それらの収入から必要経費を引いた金額が雑所得になります。
※ほかの9種類の所得については所得の種類を参照。

雑所得には以下のようなものがあてはまります。

  • 老後にもらう年金
    ※公的年金控除が適用されない私的年金は「年金以外の収入」になります。
  • 仮想通貨の利益
  • 副業として稼いだ収入
    ※副業収入には以下のようなものがあてはまります。
    UberEats(ウーバーイーツ)
    YouTubeの広告収入
    アフィリエイトやブログの広告収入(アドセンスなど)
    イラスト、ハンドメイド、DIY作品を売ったときの収入など。

※ただし、上記が事業として認められる場合は事業所得になります。
※雑所得の計算方法は下記で説明していきます。

給与所得と雑所得を一緒にしないように

雑所得に給料などの賃金は含まれません。雑所得と給与所得をごちゃごちゃにしないように気をつけましょう。給与所得とは、会社員やアルバイトなどが勤務先から支給される「給料やボーナスなど」についての所得のことをいいます。
※給料(給与収入)から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得になります。

こんなページもみられています
副業すると税金はいくら増える?年収別シミュレーション

では次に、雑所得はどうやって計算するのかについて下記で説明していくのでチェックしておきましょう。


雑所得の計算はどうやる?

あなたに年金収入が無い場合、年金以外の収入から経費を引いた金額が雑所得になります。
年金収入がある場合は、年金収入から公的年金等控除を差し引いた金額が雑所得に加わります。

下記の計算式の「年金以外の収入」には、会社員やパート・アルバイトをする方の副業収入などがあてはまります。

雑所得の計算式

雑所得の計算式
雑所得の計算式

※年金以外の収入については上記で説明しています。
※公的年金等控除についてはこちらを参照。
※年金収入とは公的年金等による収入(国民年金や厚生年金など)のことをいいます。
※厳密には下記の(1)~(3)の合計額が雑所得になります。
(1)公的年金等-公的年金等控除、(2)業務に係るもの-必要経費、(3)1,2以外の金額-必要経費
※業務に係るものとは、副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なもの。

※参照:国税庁雑所得

必要経費とは?
必要経費とは、収入を得るために必要な費用のこと。つまり、雑所得を稼ぐために使ったお金のことです。たとえば、ウーバーイーツで稼ぐために配達用のバッグを購入したとき、バッグの費用は経費になります。
※雑所得で生じた損失は他の所得の金額と損益通算はできません。

(例)雑所得の計算はどうやる?
たとえば仮想通貨による利益が200万円であり、雑所得についての収入(雑収入)がそれ以外に無い場合。

上記の条件のとき、雑所得は

200万円年金以外の収入0円必要経費 = 200万円雑所得
※計算をわかりやすくするため必要経費は0円とします。

となります。
※税金の計算方法は下記で説明しています。

年金収入がある場合は、年金収入から公的年金等控除を差し引いた金額が雑所得に加わります。年金についての雑所得の計算は公的年金等控除とは?で説明しています。

では次に、雑所得に税金がかかるのか下記で説明していきます。雑所得があっても税金がかからないときがあります。


雑所得があっても少なければ税金が0円?
合計所得が45万円以下なら所得税も住民税も0円

雑多な収入(雑所得)があれば税金がかかります。雑所得だからといって税金がかからないわけではありません。

ただし、下記のように所得が少なければ税金は0円になります。

所得が少なければ税金は0円?

▶所得税の場合
雑所得を含む合計所得が1年間で48万円以下なら所得税は0円になります。
※基礎控除で課税所得が0円になるため。くわしくは下記の記事を参照。
なぜ所得が48万円以下だと所得税は0円になる?



▶住民税の場合
雑所得を含む合計所得が1年間で45万円以下なら住民税は0円になります。
※住んでいる地域によっては住民税が42万円または38万円以下でもかかる場合があります。くわしくは下記の記事を参照。
住民税がかからない?住民税が0円になるとき

雑所得にかかる税金や手取りはどれくらい?

1年間の雑所得がたくさんある場合、年収ごとに税金や手取りがどれくらいになるかザッと把握しておくことをおすすめします。たくさん稼いだときに、まとまったお金を準備しておかないと税金や保険料が支払えなくなるので注意しましょう。
ちなみに、雑所得が100万円のときの手取りは約65万円です。

※雑所得200万のとき税金が約17.6万、手取り約142万。
※雑所得300万のとき税金が約31.6万、手取り約220万。
※雑所得400万のとき税金が約50万、手取り約291万。

くわしくは下記の記事を参照。
雑所得10~1,000万円で税金はいくら?【収入別シミュレーション】

では次に、副業をしている場合の税金をシミュレーションしてみましょう。雑所得は他の所得と合算して計算することになります。


副業している場合の雑所得と所得税をシミュレーション

会社員(サラリーマンなど)が副業で利益があったとき、税金がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。


この条件で所得税はいくらになる?
たとえば給与収入が400万円、副業で得た利益(仮想通貨)が500万円のとき。
※雑所得を含めた税金シミュレーションはこちらの記事で行えます。


①まず給与所得の計算
まず、給与所得を算出します。

もらった給料給与収入 – 給与所得控除 = 給与所得

なので、給与所得は、

400万円給与収入124万円給与所得控除 = 276万円給与所得
給与所得控除については、こちらを参照。

となります。

②雑所得の計算
次に、雑所得を算出します。ここでは年金収入は無しとしているので、

年金以外の収入 – 必要経費 = 雑所得
※年金収入がある方は年金収入も雑所得となります。

となります。したがって、雑所得は、

500万円仮想通貨で得た利益0円必要経費 = 500万円雑所得
計算をわかりやすくするため必要経費は0円とします。

となります。

③2つの所得を合計
次にここまでの所得を合計します。総所得金額は、

276万円給与所得 + 500万円雑所得 = 776万円総所得金額

雑所得は総合課税のため、他の所得と合算されて総所得金額となります。
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。

となります。

④課税所得を算出
総所得金額がわかったので(776万円)、次に課税所得を算出します。

総所得金額 – 所得控除 = 課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。

なので、所得控除を106万円とすると、

776万円総所得金額106万円所得控除 = 670万円課税所得
※上記は大まかな金額です。
※所得控除については所得控除とは?を参照。

となります。

⑤所得税を算出
課税所得がわかったので、次に所得税を計算します。所得税は

670万円課税所得 × 税率 = 所得税
所得税については、所得税とは?を参照。

となります。課税所得695万円以下は税率が20%(控除額427,500円)なので、所得税は、

670万円 × 20% – 427,500円 = 912,500円所得税
※控除額427,500円は所得税率にともなって引かれる金額です。
※所得税率については所得税の税率を参照。

となります。

⑥住民税を算出
さらに、ここに住民税が加算されます。住民税は、

課税所得 × 10%住民税率 + 均等割 = 約67万円住民税
住民税については、住民税とは?を参照。

となります。
※厳密には住民税は前年の所得について計算されるので、その年に得た所得については翌年の住民税に反映されます。
※また、住民税では所得控除額が少なくなるため課税所得金額が若干変わります。


⑦最後に税金を合計
所得税と住民税がわかったので、税金を合計すると以下のようになります。

912,500円所得税 + 約67万円住民税 = 約158万円税金
※上記は大まかな金額です。
※雑所得を含めた税金シミュレーションはこちらの記事で行えます。

したがって、1年間の給料が400万円のサラリーマンが副業で500万円稼いだときにかかる税金は約158万円となります。

副業で収入があれば税金が上乗せされる

以上のように、副業で雑所得があれば税金が上乗せされます。YouTubeやウーバーイーツなどで50万円や100万円を稼いでいる場合でも税金が上乗せされます。
※ちなみに、副業で雑所得が20万以上あるときは税金が約3万~6万円くらい上乗せされることが多いです。


税金がいくら上乗せされるのかくわしくは下記の記事で説明しているので、気になる方はチェックしておきましょう。
※勤務先の社会保険料については給料の多さで決定するため、保険料が増額することはないので安心してください。

副業すると税金はいくら増える?年収別シミュレーション

雑所得の税率は50%じゃない?
雑所得が数百万円くらいなら税率はそこまで高くならない

「雑所得だから税率が50%」になるわけではありません。


たとえばビットコインなどの仮想通貨で稼いだ金額(雑所得)が少なければ税率は5%になるし、5,000万円のような大金を稼げば最高税率45%になります。
※雑所得のほかに所得がなければ「雑所得 – 所得控除」に税率をかけることで所得税が計算されます。「雑所得 – 所得控除」の多さによって税率が5%~45%になります。
※くわしくは所得税率とは?を参照。


下記の表に雑所得ごとの税率をまとめました。見てわかるように、数百万円くらいなら税率はそれほど高くありません。

雑所得の税率

たとえば収入がビットコインだけの場合、雑所得ごとの所得税率(5%~45%)は以下のようになります。
※わかりやすいように、経費は0円としています。
※仮想通貨の収入 – 経費 = 雑所得。


雑所得がたくさんある人は以下の税率表をチェックしておきましょう。

※所得が雑所得だけの場合。

雑所得 所得税の税率 あなたにかかる所得税
200万円 5% 約5.6万円
300万円 10% 約10.4万円
500万円 20% 約34万円
900万円 23% 109万円
1,100万円 33% 約160万円
2,000万円 40% 約460万円
4,200万円 45% 約1,360万円

※所得が雑所得だけの場合。
※雑所得の税率のシミュレーションはこちらのツールで行いました。雑所得だけなので青色申告特別控除は適用していません。

注意ポイント
所得税の税率は「所得から所得控除を引いた金額」にかけられます。所得全額に税率がかけられるわけではありません。
たとえば、会社員で副業をしている人なら「給与所得 + 雑所得 – 所得控除」の金額に税率がかけられます。
※雑所得のほかに所得がなければ「雑所得 – 所得控除」に税率をかけることで所得税が計算されます。「雑所得 – 所得控除」の多さによって税率が5%~45%になります。
住民税については税率は10%で固定です。

また、所得税率ごとに設定されている控除額が差し引かれます。したがって、利益のすべてに税率がかけられるわけではないので所得税は上記表のような金額になります。
※くわしくは所得税率とは?を参照。

では次に、雑所得と扶養および確定申告について下記で説明していきます。雑所得がたくさんあれば扶養から外れます。


雑所得でも扶養から外れることはある?

親や配偶者などに扶養されている場合、雑所得がたくさんあれば扶養の対象から外れてしまいます。

たとえば親に扶養されている方は、雑所得が48万円を超えると扶養親族の対象から外れます。そうなれば親の税金が約5万円~17万円上がってしまいます。

また、さらに収入が130万円以上になれば社会保険の扶養からも外れる場合があります。


くわしくは下記の記事で説明しているので、専業主婦の方や親に扶養されている方はチェックしておきましょう。

では次に、雑所得があるとき確定申告が必要になるのかについて下記で説明していきます。


雑所得の確定申告は?必要ある?
雑所得があれば確定申告が基本的には必要

雑所得があるひとは基本的に確定申告をして所得の申告をすることになります。

また、会社員やアルバイトのように給料をもらっているひとの場合、雑所得が1年間(1月~12月まで)で20万円を超えるなら確定申告を行う必要があります。
※給与所得以外の所得(雑所得など)が1年間で20万円を超える方。
※参照:国税庁確定申告が必要な方


ほかにも以下のような場合にあてはまる人は確定申告が必要になります。

雑所得がある方で確定申告が必要になる人は?


個人事業主 個人事業主の方は基本的に確定申告が必要になります。
個人事業主は青色申告または白色申告をすることになります。
会社員やアルバイト 給料のほかに副業などで雑所得を得ており、雑所得が1年間で20万円を超える方
確定申告については確定申告とは?を参照。
副業の税金ついては副業はいくらから税金がかかる?いくらまで0円?を参照。
収入が雑所得だけのひと 1年間の雑所得が48万円を超えたとき確定申告が必要になります。
以下のページもみられています
YouTubeの収益はいくらから税金かかる?
ビットコインなどの税金はいくらからかかる?
年金をもらっているひと 年金以外の所得金額(給与所得、年金以外の雑所得など)の合計が1年間(1月~12月まで)で20万円を超える場合
※くわしくは公的年金等控除とは?年金にも税金がかかる?を参照。

など。くわしい確定申告についてはこちらを参照。
※参照:国税庁確定申告が必要な方

くわしいやり方や手順は下記の記事で説明しています。
雑所得があるひとの確定申告のやりかた

注意ポイント
副業をしている方は、副業による利益が1年間(1月~12月まで)で20万円以下なら確定申告を行う必要はありません。
※ただし、雑所得が20万円以下でも確定申告をしない場合は住民税の申告が必要になります。


10種類の所得(雑所得はどれ?)
雑所得は、ほかの所得にあてはまらない所得

所得は以下のように10種類に分けられています。雑所得は9種類の所得のどれにもあてはまらない所得です。

雑所得がほかの所得とどう違うか知りたい方はチェックしておきましょう。

たとえば会社員やパート主婦の方などが副業をして稼いだ「雑多な収入」が雑所得に含まれます。

収入によって10種類に分けられている所得

所得の種類 内容
利子所得 国債、預貯金などの利子所得
配当所得 株式、出資の配当などの所得
不動産所得 土地、建物などの不動産を貸している場合の所得
事業所得 商工業、農業など事業をしている場合の所得
給与所得 給料、賃金、賞与などの所得
退職所得 退職手当、一時恩給などの所得
山林所得 山林の立木などを売った場合の所得
譲渡所得 土地、建物、絵画、ゴルフ会員権などを売った場合の所得
一時所得 クイズの賞金、競馬の払戻金、生命保険契約の一時金などの一時的な所得
雑所得 上記9つの所得に当てはまらない所得
※老後の年金や仮想通貨などの収入は雑所得に分類されます。
※雑収入から必要経費を引いた金額が雑所得になります。くわしくは上記の計算式を参照。
事業として活動していれば事業所得になる?

副業としてアフィリエイトやYouTube、ウーバーイーツなどで稼いでいる場合、その収入は雑所得に分類されますが、その収入が副業ではなく事業による収入ならばアフィリエイトなどの収入でも事業所得として申告することが出来ます。
※事業所得なら青色申告控除が利用できるので、雑所得と比べて税金の負担が軽くなるメリットを受けることが出来ます。
※ただし、サラリーマンなどの副業は雑所得として税務署に判断される場合が多いため、確定申告をしても修正を求められることがあります。事業については下記の記事で説明しています。

事業所得とは?計算方法や副業でのメリットなど
YouTube等の広告収入による税金はいくら?雑所得と事業所得の比較

以上、会社員やアルバイトなどの方で副業をしている方は雑所得の計算方法を把握しておきましょう。副業で稼いだウーバーイーツや仮想通貨などの収入は雑所得になるので他の所得と一緒くたにしないように気をつけましょう。