雑所得とは?計算方法などわかりやすく解説。広告収入や年金も?

2021.10.13 更新
フリマやアフィリエイト、広告収入や仮想通貨、ウーバーなどで稼いだ収入等は雑所得に分類され、一定以上稼げば税金がかかります。この記事では雑所得やその計算方法について簡単に説明していきます。
この記事の目次
雑所得とは?サラリーマンや主婦の副業も?

所得は収入の内容(ギャンブルや給料など)によって10種類に分けられており、ほかの9種にあてはまらないものを雑所得といいます。

たとえば主婦やサラリーマンなどが副業をして稼いだ雑多な収入が雑所得に含まれます。
※雑多な収入とは、ブログの広告収入やUberEats、ラクマ・メルカリ等のフリマ、YouTubeやアフィリエイトなど。

また、老後の年金も雑所得に含まれます。最近では仮想通貨(ビットコインなど)による利益が雑所得に分類されました。
※仮想通貨の税金計算についてはこちらを参照。

雑所得について何も知らない方は計算方法などチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 雑所得はほかの所得にあてはまらないような雑多な収入についての所得。

  • 雑所得は給料とは違う。

  • 所得は10種類あり、そのうちのひとつが雑所得。

  • 雑所得だからといって税率が50%かかるわけではない。

  • 給料をもらっているひとは20万円を超えたら確定申告が必要。

では最初に、雑所得と給与所得の違いについて下記で説明していきます。ごちゃごちゃにならないようにチェックしておきましょう。


雑所得は給料とは違う?

上記でも説明したように、雑多な収入(ブログの広告収入やUberEats、ラクマ・メルカリ等のフリマ、YouTubeやアフィリエイト、仮想通貨、老後の年金など)が雑所得に含まれます。


そして給与所得とは、サラリーマンやアルバイトなどが勤務先から支給される給料などについての所得のことをいいます。
※給料(給与収入)から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得になります。


雑所得に給料などの賃金は含まれません。雑所得と給与所得をごちゃごちゃにしないように気をつけましょう。

給与所得と雑所得の違い

では次に、雑所得(ブログ収入やウーバーの収入など)はどうやって計算するのかについて下記で説明していくのでチェックしておきましょう。

雑所得の計算はどうやる?

雑所得は以下のように計算されます。

年金以外の収入にはフリマやアフィリエイト、広告収入や仮想通貨などの雑多な収入があてはまります。

雑所得の計算式

公的年金控除についてはこちらを参照。
※年金収入とは公的年金による収入(国民年金や厚生年金など)のことをいいます。私的年金は含まれません(国民年金基金などは除く)。

(例)雑所得の計算はどうやる?
たとえば仮想通貨による利益が200万円であり、雑所得についての収入がそれ以外に無い場合。

上記の条件のとき、雑所得は

200万円年金以外の収入0円必要経費 = 200万円雑所得
※計算をわかりやすくするため必要経費は0円とします。

となります。

年金収入がある場合は公的年金控除が差し引かれた金額が雑所得に加わります。年金についての雑所得の計算は公的年金控除?で説明しています。

では次に、雑所得を得ている場合の税金をシミュレーションしてみましょう。下記で具体的に金額をあてはめてシミュレーションしていきます。


副業している場合の所得税をシミュレーションしてみよう

給料をもらっているひと(サラリーマンなど)が副業で利益があったとき、税金がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。


この条件で所得税はいくらになる?
たとえば給与収入が400万円、副業で得た利益(仮想通貨)が500万円のとき。


①まず給与所得の計算
まず、給与所得を算出します。

もらった給料給与収入 – 給与所得控除 = 給与所得

なので、給与所得は、

400万円給与収入124万円給与所得控除 = 276万円給与所得
給与所得控除については、こちらを参照。

となります。

②雑所得の計算
次に、雑所得を算出します。ここでは年金収入は無しとしているので、

年金以外の収入 – 必要経費 = 雑所得
※年金収入がある方は年金収入も雑所得となります。

となります。したがって、雑所得は、

500万円仮想通貨で得た利益0円必要経費 = 500万円雑所得
計算をわかりやすくするため必要経費は0円とします。

となります。

③2つの所得を合計
次にここまでの所得を合計します。総所得金額は、

276万円給与所得 + 500万円雑所得 = 776万円総所得金額

雑所得は総合課税のため、他の所得と合算されて総所得金額となります。
総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。

となります。

④課税所得を算出
総所得金額がわかったので(776万円)、次に課税所得を算出します。

総所得金額 – 所得控除 = 課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。

なので、所得控除を110万円とすると、

776万円総所得金額110万円所得控除 = 666万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。

となります。

⑤所得税を算出
課税所得がわかったので、次に所得税を計算します。所得税は

666万円課税所得 × 税率 = 所得税
所得税については、所得税とは?を参照。

となります。課税所得695万円以下は税率が20%(控除額427,500円)なので、所得税は、

666万円 × 20% – 427,500円 = 904,500円所得税
※控除額427,500円は所得税率にともなって引かれる金額です。
※所得税率については所得税の税率を参照。

となります。

⑥住民税を算出
さらに、ここに住民税が加算されます。住民税は、

課税所得 × 10%住民税率 + 均等割 = 約66万円住民税
住民税については、住民税とは?を参照。

となります。
※厳密には住民税は前年の所得について計算されるので、その年に得た所得については翌年の住民税に反映されます。
※また、住民税では所得控除額が少なくなるため課税所得金額が若干変わります。


⑦最後に税金を合計
所得税と住民税がわかったので、税金を合計すると以下のようになります。

904,500円所得税 + 約66万円住民税 = 約156万円税金

したがって、1年間の給料が400万円のサラリーマンが副業で500万円稼いだときにかかる税金は約156万円となります。

では次に、雑所得があるとき確定申告が必要になるのかについて下記で説明していきます。ウーバーイーツやYouTubeなどで稼いでいる方はチェックしておきましょう。


雑所得の確定申告は?必要ある?

雑所得がある方は基本的に確定申告をして所得の申告をすることになります。

また、サラリーマンやアルバイトのように給料をもらっているひとの場合、雑所得が1年間(1月~12月まで)で20万円を超えるひとは確定申告を行う必要があります。
※給料のほかに副業などで雑所得が1年間で20万円を超える方(雑所得以外の所得が無い場合)。給料のほかの所得が1年間で合計20万円以下ならば確定申告を行う必要はありません。


つまり、副業による利益が1年間(1月~12月まで)で20万円を超えたら確定申告が必要になります。


ほかにも以下のような場合にあてはまる人は確定申告が必要になります。

雑所得がある方で確定申告が必要になる人は?


個人事業主 個人事業主の方は基本的に確定申告が必要になります。
個人事業主は青色申告または白色申告をすることになります。
サラリーマンやアルバイト 給料のほかに副業などで雑所得を得ており、雑所得が1年間で20万円を超える方
確定申告については確定申告とは?を参照。
副業の税金ついては副業はいくらから税金がかかる?いくらまで0円?を参照。
収入が雑所得だけの方 1年間の収入が48万円を超えたとき確定申告が必要になります。
以下のページもみられています
YouTubeの収益はいくらから税金かかる?
ビットコインなどの税金はいくらからかかる?
年金をもらっている方 年金以外の所得金額(給与所得、年金以外の雑所得など)の合計が1年間(1月~12月まで)で20万円を超える場合
※くわしくは公的年金控除とは?年金にも税金がかかる?を参照。

など。くわしい確定申告についてはこちらを参照。
※参照:国税庁の確定申告が必要な方


確定申告のやりかた
今はネットでかんたんに確定申告書が作成できます。確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日までに申告をしましょう。
※遅れても申告はできますが延滞金が発生する場合があります。

確定申告のながれ
STEP➊身分証明書など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払う)

では次に、雑所得の税率について下記で説明していきます。「雑所得だから税率が50%かかる」と勘違いしている人はチェックしておきましょう。

雑所得の税率は50%じゃない?

「雑所得だから税率は50%」になるわけではありません。

上記で説明したように、雑所得の計算方法は以下のようになります。

①雑所得の計算

フリマや広告収入など雑多な収入 - 必要経費 = 雑所得
※ほかに収入がない場合。

この雑所得をもとに所得税を計算します(下記の計算式)。

②所得税の計算

(雑所得 - 所得控除)× 税率 = 所得税
※ほかに収入がない場合。
※所得税については所得税とは?で説明しています。

雑所得のほかに所得は無いので「雑所得 – 所得控除」に税率をかけることで所得税が計算されます。


そして「雑所得 – 所得控除」の多さによって税率が5%~45%になります。


したがって、フリマや広告収入・ビットコインなどの仮想通貨などで稼いだ金額(雑所得)が少なければ税率は5%になるし、5,000万円のような大金を稼げば最高税率45%になります。

利益別の税率

収入がフリマや広告収入・ビットコインなどの仮想通貨などの雑所得だけの場合、利益ごとの所得税の税率(5%~45%)をシミュレーションしました。

雑所得がたくさんある人は以下の税率表をチェックしておきましょう。


雑所得 所得税の税率 あなたにかかる所得税
200万円 5% 5.6万円
300万円 10% 10.4万円
500万円 20% 34万円
900万円 23% 109万円
1,100万円 33% 160万円
2,000万円 40% 460万円
4,200万円 45% 1,360万円

※税率のシミュレーションはこちらのページで行いました。
【注意ポイント】
上記でも説明したとおり、所得税の税率は「所得から所得控除を引いた金額」にかけられます。また、税率ごとに控除される金額も増えます。したがって、利益のすべてに税率がかけられるわけではないので所得税は上記表のような金額になります。
※くわしくは所得税率とは?を参照。

10種類の所得(雑所得はどれ?)

所得は以下のように10種類に分けられています。雑所得は9種類の所得のどれにもあてはまらない所得です。

雑所得がほかの所得とどう違うか知りたい方はチェックしておきましょう。

収入によって10種類に分けられている所得

所得の種類 内容
利子所得 国債、預貯金などの利子所得
配当所得 株式、出資の配当などの所得
不動産所得 土地、建物などの不動産を貸している場合の所得
事業所得 商工業、農業など事業をしている場合の所得
給与所得 給料、賃金、賞与などの所得
退職所得 退職手当、一時恩給などの所得
山林所得 山林の立木などを売った場合の所得
譲渡所得 土地、建物、絵画、ゴルフ会員権などを売った場合の所得
一時所得 クイズの賞金、競馬の払戻金、生命保険契約の一時金などの一時的な所得
雑所得 年金、恩給などの上記所得に当てはまらない所得
アフィリエイトなどの広告収入は事業所得?
アフィリエイトやユーチューブなどの広告収入は雑所得に分類されますが、その収入が副業ではなく事業による収入ならばアフィリエイトなどの収入でも事業所得として申告することが出来ます。

事業所得なら青色申告控除が利用できるので、雑所得と比べて税金の負担を軽くすることが出来ます。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、ブログやYouTubeの広告収入・フリマや仮想通貨などの雑多な収入が雑所得に含まれます。

雑所得があれば基本的に確定申告が必要になりますが、サラリーマンやアルバイトなどは上記で説明しているように20万円を超えない場合は確定申告が不要であることを覚えておきましょう。

以下はここまでのまとめです。

雑所得のまとめ

  • 広告収入やビットコインの利益などの雑多な収入が雑所得に分類される。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 給料と雑所得は違う。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 雑多な収入から経費を差し引いた金額が雑所得になる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 年金については年金収入から公的年金控除を差し引いた金額が雑所得になる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 雑所得だからといって税率が50%になるわけではない。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 雑所得がある場合は基本的に確定申告をしなくてはいけないが、サラリーマンやアルバイトなどは雑所得が20万円以下なら確定申告をしなくてもいい。
    ※くわしくは上記で説明しています。

以上のように、フリマや仮想通貨など雑多な収入は雑所得になるので他の所得と一緒くたにしないように気をつけましょう。

また、本業とはべつに副業として雑所得がある方は確定申告が必要になるかどうかしっかり把握しておきましょう。