事業所得とは?わかりやすく説明。計算方法や副業でのメリットなど

2022.04.19 更新
事業を営む方が関わる事業所得。事業収入と事業所得の違いがわからない…という方は計算式をチェックしておきましょう。また、事業所得には節税を受けられるメリットがあります。この記事では事業所得がどんな所得なのかについて簡単に説明していきます。
この記事の目次
事業所得とは?計算方法は?

事業所得とは、かんたんに説明すると「事業によって稼いだ収入から経費を差し引いた金額」のことをいいます。くわしくは下記の計算式のとおりです。


会社員やアルバイトなどは関わることが少なく、おもに個人事業主などにかかわる所得です。

雑所得給与所得」と事業所得は種類が違うので、ごちゃごちゃにしないように気をつけましょう。
※事業所得と給与所得の両方がある方は下記もチェックしておきましょう。
自営業をしながらアルバイトを掛け持ちすると税金とかどうなる?

事業所得の計算方法

事業所得の計算式
事業所得の計算式

たとえば事業による収入(事業収入)が400万円(経費100万円)のとき、事業所得は以下のとおりです。

400万円事業による収入100万円経費 =  300万円事業所得
所得については所得ってなに?を参照。

事業による収入とは?
事業による収入(事業収入)とは、農業・漁業、小売業・サービス業、その他の事業などの事業から得た収入のこと。
※事業とは:その仕事を繰り返し行い、継続しており、独立して行っていることをいいます。
※不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は不動産所得・山林所得になります。


経費とは?
経費とは、収入を得るために必要な「売上原価、従業員への賃金、事務所の家賃、減価償却費など」の費用のこと。つまり、事業をするために使ったお金のこと。

では次に、青色申告特別控除による節税のメリットについて下記で説明していきます。
※節税のメリットを受けたい方は下記で説明している「事業所得と青色申告特別控除の関係」についてチェックしておきましょう。


青色申告特別控除を利用したときの事業所得は?
事業所得は節税のメリットを受けられる

事業所得のメリットの1つとして、青色申告控除を受けることによって税金や保険料が安くなることが挙げられます。
※確定申告において、青色申告を選択すれば青色申告特別控除を受けることができます。
※青色申告は事業所得または不動産所得・山林所得のいずれかを得ている方が受けられます(事前申請が必要)。



事業所得は(事業による収入 – 経費)と計算されますが、青色申告特別控除を利用した場合は以下の計算のように事業所得に反映されます。


以下のとおり、青色申告特別控除込みの金額が事業所得となります。

事業所得の計算(青色申告特別控除適用)

400万円事業による収入100万円経費65万円青色申告特別控除 = 235万円事業所得
青色申告については青色申告とはを参照。
※2020年度から青色申告控除の内容が変わりました。紙での提出は控除額が55万円になります。


以上のように、青色申告特別控除を利用することで所得が減るので、税金や保険料が安くなります。節税のメリットを受けたい方は覚えておきましょう。


ちなみに、合計所得金額などを計算する場合は、「青色申告特別控除」適用後の金額を合計して計算することになります。
住民税の減額や国民健康保険や国民年金の減額免除を受ける場合、減額・免除対象となる所得の計算に青色申告特別控除は反映されます。


では次に、事業所得で受けられるメリットについて下記で説明していきます。事業所得はいろいろなメリットを受けることができます。


事業所得で受けられるメリットは?副業の場合も?
事業所得は節税のメリットがいろいろ

事業所得は様々なメリットを受けることができます。

代表的なものは「青色申告特別控除」です。さらに、親族へ給料を支払っている場合はそれも経費にすることができます。


また、サラリーマンなどの給与所得者が副業によって収入を得ており、その副業による収入を事業所得として申告した場合でもこれらのメリットを受けることができます。
※ただし、サラリーマンなどの副業は雑所得として税務署に判断される場合が多いため、確定申告を行っても修正を求められることがあります。その収入が事業によるものなら個人事業主になる手続きを踏んでから申告しましょう。
※事業とは:その仕事を繰り返し行い、継続しており、独立して行っていることをいいます。


事業所得で受けられるメリット

青色申告特別控除が受けられる
事業所得は確定申告の際に青色申告を選択することができます。青色申告によって所得を申告すれば青色申告特別控除として65万円の控除を受けることができます。

※2020年度から青色申告控除の内容が変わりました。紙での提出は控除額が55万円になります。
親族への給料を経費にできる
通常、親族への給与を経費にすることはできませんが、個人事業主の仕事を手伝っている専従者(親族)への給与については経費にすることができます。
たとえば事業で赤字が出たら?
事業所得はほかの所得と違い、赤字が出た場合にほかの所得(たとえば給与所得など)から損失を控除することができます(損益通算)。
多額の赤字が出たら?
事業所得で青色申告を行っている場合、多額の赤字が出た際に所得から損失額を3年間繰り越して控除することができます。
30万円未満のものを減価償却せずに経費にできる
冷蔵庫やデスクなど、事業のために購入した資産で10万円を超えるものは一括で経費とすることができません(減価償却)。しかし事業所得で青色申告を行っている場合、30万円未満の物なら一括で経費にすることができます(上限は合計300万円、150万円から固定資産税が課税される)。

では次に、雑所得や給与所得との違いについて下記で説明していきます。事業所得とごちゃごちゃにしないように気をつけましょう。


雑所得や給与所得との違いは?

事業所得は「雑所得」や「給与所得」と同じではありません。

それぞれ収入の性質によって違いがあります。たとえば、勤務先から毎月もらう給料は「給与所得」に分類されます。

事業所得との違いをしっかり覚えておきましょう。
※事業所得と給与所得の両方がある方は下記もチェックしておきましょう。
自営業をしながらアルバイトを掛け持ちすると税金とかどうなる?


事業所得とそれぞれの違い

※給与所得については給与所得控除とは?を参照。
※雑所得については雑所得とは?を参照。

では次に、具体的に金額をあてはめて事業所得の税金がどのように計算されるか説明していきます。青色申告特別控除を適用した場合でシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。


事業所得から税金を計算してみよう

事業所得から税金を計算してみましょう。

計算の仕方がわからないひとはここでチェックしておきましょう。


事業所得の税金シミュレーション

①まず事業所得を計算
たとえば1年間(1月~12月まで)の事業収入が300万円(経費50万円)のとき、事業所得は、

300万円事業による収入50万円経費 = 250万円事業所得
※計算をわかりやすくするために経費は50万円としています。

となります。さらに、青色申告特別控除を適用したとすると事業所得は、

250万円事業所得65万円青色申告特別控除 = 185万円事業所得
青色申告特別控除については青色申告特別控除とは?を参照。

となります。事業所得以外に所得がないので、185万円が総所得金額となります。

②つぎに課税所得を計算
総所得金額がわかったので課税所得をもとめます。所得控除を87万円とすると、課税所得は

185万円総所得金額87万円所得控除 = 98万円課税所得
所得控除については所得控除とは?を参照。

③所得税を計算
課税所得が98万円なので税率は5%になります。したがって所得税は、

98万円課税所得 × 5%税率 = 49,000円所得税
税率については所得税率ってなに?を参照。
所得税については所得税とは?を参照。

となります。
※ちなみに、上記の場合住民税は約11万円かかります。
※個人事業主の手取りなどを知りたい方は個人事業主の税金と手取りは?年収別400~800万円を参照。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、事業所得とは「事業によって稼いだ収入から経費を差し引いた金額」のことをいいます。

また、事業所得は雑所得などと違ってさまざまなメリットを受けることができます(青色申告特別控除や経費など)。


今はまだ副業で雑所得として申告しているが、これから本業にして事業所得として申告しようと思っている方は個人事業主になる手続きをしましょう。


ただし、個人事業主になると確定申告が少しややこしくなります。なので、個人事業主の方はマネーフォワードやfreee、弥生などのようなクラウドサービスを利用することをおすすめします。

まとめ

  • 事業所得とは、事業によって得た収入についての所得のこと。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 「事業」とは、その仕事を繰り返し行い、継続しており、独立して行っていることをいい、それにあてはまっていなければ事業所得として認められない。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 副業などの収入を事業所得として申請すると、節税のメリットが受けられる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 事業所得として申請するには個人事業主になる手続きをするのが一般的。会社員の副業は雑所得として判断されることが多い。