給与所得控除とは?わかりやすく解説。給与所得や計算方法まで

2021.10.13 更新

サラリーマンやアルバイトなどの税金の負担を軽くしてくれる給与所得控除ですが、「なにそれ?よくわかんない…」という方もいると思います。この記事では給与所得控除の計算の仕方について給与所得を計算していきながら説明していきます。
この記事の目次
給与所得と給与所得控除について知っておこう

サラリーマンやアルバイトなどがもらう給料は給与収入といいます。そしてこの給与収入をもとに給与所得を計算することになります。

サラリーマンやアルバイトなどの方は給与収入と給与所得の違い、そして給与所得控除について知っておくことをオススメします。

また、年収別に給与所得がどれくらいになるかシミュレーションしているので気になる方はチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 給料から給与所得控除を引いた金額が給与所得。

  • 給与所得控除のおかげで税金が安くなる。

  • 年収500万円なら給与所得は356万円。

  • 給与所得控除と所得控除は意味が異なるので注意。

では最初に、給与所得とはなにかについて下記で説明していきます。サラリーマンやアルバイトなどの方がもらう給料から給与所得を計算することになります。


まず給与所得とは?サラリーマンやアルバイトの所得

雇われている方が会社などからもらう給料(ボーナス等含む)を給与収入といいます。
※給与収入とは賃金以外の手当なども含んだ1年間(1月~12月まで)の総支給額のことであり、ボーナスなども含まれます。

そして、この給与収入をもとに下記の計算式で給与所得を計算することになります。
所得の種類:所得は10種類に分けられています。

給与所得の計算は以下のように行います。サラリーマンやアルバイトなどの方は給与所得の計算のやりかたを覚えておきましょう。

給与所得の計算式

こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。
※給与収入とは、賃金以外の手当なども含んだ総支給額のこと。


たとえば1年間(1月~12月まで)にもらった給料が100万円のとき給与所得は、

100万円給与収入55万円給与所得控除 = 45万円給与所得
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。
給与所得控除は給料の額によって変わります(以下で説明)

となります。
2021年の年末調整の書き方はこちら。

このように、1年間(1月~12月まで)にもらった給料から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得になります。

給与所得控除は「所得を減らして税金を安くしてくれる」制度です。くわしくは下記で説明しているので見ていきましょう。

給与所得控除とは?税金を安くしてくれる?

給与所得控除きゅうよしょとくこうじょとは給料をもらっている人の税金の負担を軽くしてくれるものです。
※所得控除については所得控除とは?を参照。


税金は所得が多ければ多いほど高くなり、所得が少なければ安くなります。給与所得控除は給料をもらっているひとの所得を減らしてくれるので税金が安くなるという仕組みです。
※収入ぜんぶに税金がかけられたら負担が重くなってしまいます。それだと経費がないサラリーマンやアルバイトなどは不利になってしまいます。そのために給与所得控除があります。


給与所得控除は以下の表を見てわかるように1年間(1月~12月まで)の給料の金額によって変わります。

給与所得控除の計算表(2021年)

※2020年1月から給与所得控除が一律10万円引き下げられました。

計算例)収入100万円のときの給与所得は?
たとえば1年間(1月~12月まで)の給与収入が100万円のとき、上記の表と照らし合わせると給与所得控除額は55万円となります。したがって、給与所得は、

100万円給与収入55万円給与所得控除 = 45万円給与所得
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

となります。

控除がなければ給与収入100万円がすべて給与所得になってしまいますが、給与所得控除のおかげで所得が減額されています(45万円)。所得が減ったことで所得税も減ることになります。

計算例)収入200万円のときの給与所得は?
たとえば1年間(1月~12月まで)の給与収入が200万円のとき、上記の表と照らし合わせると給与所得控除額は、

200万円給与収入 × 30% + 8万円 = 68万円給与所得控除

となります。したがって、給与所得は、

200万円給与収入68万円給与所得控除 = 132万円給与所得
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

となります。

控除がなければ給与収入200万円がすべて給与所得になってしまいますが、給与所得控除のおかげで所得が減額されています(132万円)。所得が減ったことで所得税も減ることになります。

では次に、具体的に金額をあてはめて給料をもらっているひとの税金をシミュレーションしてみましょう。下記で説明しているのでサラリーマンなどはチェックしておきましょう。


給料をもらっているひとの所得税をシミュレーションしてみよう(給料が400万円だったら?)

では、会社から給料をもらっている方の税金がどのように計算されるかシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。


この条件のとき所得税はいくらになる?
たとえば会社に勤務している方で1年間の収入が400万円で給与収入だけの場合、所得税はいくらになるか。


①まずは給与所得を計算
上記の条件のとき、給与所得は、

400万円給与収入124万円給与所得控除 = 276万円給与所得

となります。

給与所得のほかに所得がないので、276万円が総所得金額となります。

②次に所得税を計算
総所得金額がわかったので所得税を計算します。所得税は、

276万円総所得金額所得控除しょとくこうじょ )× 税率 = 所得税
総所得金額とは:各種所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除とは:税金の負担を軽くしてくれる制度。

となります。所得控除しょとくこうじょを106万円、税率を5%とすると、所得税は、

276万円総所得金額106万円所得控除 )× 5% = 85,000円
所得税率については所得税率って?を参照。
所得控除については所得控除とは?を参照。

となります。
※住民税については住民税とは?を参照。

以下のページで税金や保険料がいくらになるかシミュレーションすることができます。

では次に、給与所得控除と所得控除の違いについて下記で説明していきます。それぞれ意味が異なるのでごちゃごちゃにならないように気をつけましょう。

給与所得控除と所得控除の違いってなに?

給与所得控除と似たような名前の制度で「所得控除」というものがあります。

どちらも税金の負担を軽くしてくれるものなんですが、それぞれ少し違いがあります。以下に計算式を示して説明します。
控除の意味については控除とは?を参照。

給与所得控除とは
給与所得控除は「給与所得」を計算するときにつかうもの。

所得控除とは
所得控除は「課税所得」を計算するときにつかうもの。

所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得とは?を参照。
総所得金額とは各種所得の合計のこと。

上記のように、給与所得控除と所得控除は名前が似ていますがそれぞれ別のものなので、ごちゃごちゃにならないように気をつけましょう。

まとめ(収入別に給与所得をシミュレーション)

上記で説明したように、1年間(1月~12月まで)にもらった給料によって給与所得控除が増減し、給与所得が決定します。

以下にもらった給料別に給与所得をシミュレーションしてまとめました。

給料ごとの給与所得シミュレーション

こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。
給与所得控除は給料の額によって変わります。

もらった給料
(給与収入)
給与所得控除 給与所得
55万円 55万円 0円
55万円 – 55万円 = 0円
100万円 55万円 45万円
100万円 – 55万円 = 45万円
103万円 55万円 48万円
103万円 – 55万円 = 48万円
110万円 55万円 55万円
110万円 – 55万円 = 55万円
130万円 55万円 75万円
130万円 – 55万円 = 75万円
150万円 55万円 95万円
150万円 – 55万円 = 95万円
200万円 68万円 132万円
200万円 – 68万円 = 132万円
250万円 83万円 167万円
250万円 – 83万円 = 167万円
300万円 98万円 202万円
300万円 – 98万円 = 202万円
350万円 113万円 237万円
350万円 – 113万円 = 237万円
400万円 124万円 276万円
400万円 – 124万円 = 276万円
500万円 144万円 356万円
500万円 – 144万円 = 356万円

こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。
2021年の年末調整の書き方はこちら。

ここまで説明したように、1年間の給与収入(もらった給料)から給与所得控除を差し引いた金額が給与所得になります。

経費がないサラリーマンやアルバイトなどは不利になってしまうので給与所得控除が経費のかわりになっているんです。