所得税・住民税関連
更新日:2021年9月25日
ここでは2021年(令和3年)の年末調整の書類(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書)の書き方について説明しています。
2021年分 年末調整の書き方見本。記入例とともに説明

年末調整の書き方見本の目次


年末調整の書き方をわかりやすく説明
年末調整は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に記入して提出すれば勤務先が年末調整を行ってくれます。2021年度(令和3年)の申告書は以下のとおりです。


勤務先から年末調整の書類をもらったら必要な項目に氏名等を記入して提出しましょう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の見本
※参照:国税庁給与所得者の扶養控除等の(異動)申告

※給与所得者の扶養控除等(異動)申告書については、今年度用と来年度用の2枚を提出することになります。来年度の扶養控除等(異動)申告書についても書き方は一緒です。
来年度(令和4年)の扶養控除等(異動)申告書
この記事の要点まとめ(記入する項目をチェック)
  • 氏名欄は全員必ず記入する。

  • 源泉控除対象配偶者の項目は配偶者がいなければ空欄でOK。

  • 扶養親族の項目は養っている親族(16歳以上の子供など)がいなければ空欄でOK。

  • 障害者、ひとり親などの項目は自分が該当しなければ空欄でOK。

  • 基礎控除申告書は全員必ず提出する。高校生のアルバイトだとしても記入して提出する。

それでは最初に、氏名欄の記入例について下記で説明していきます。全員必ず記入する項目なので忘れないようにチェックしておきましょう。手順を見ながら記入すればそれほど難しくありません。

氏名欄の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の氏名等の記入のしかたは以下のとおりです。

各種控除の対象にならない方は氏名欄の記入だけになります(ほかの項目は空欄のまま提出することになります)。
※たとえば以下のような方は氏名欄の記入だけになります。
・1年間の収入が103万円以下の学生アルバイト
・独身で扶養している親族がおらず、控除を何も受けない方
など。
※基礎控除申告書については必ず提出することになるので忘れないようにしましょう。ページ下記で説明しています。

氏名欄の記入例
記入手順
▶あなたの個人番号:勤め先によって記入しない場合があります。
▶配偶者の有無:配偶者(妻または夫)がいる方は有、配偶者がいない方は無に記入。
▶住所欄にあなたの住所を記入する。
▶世帯主の氏名:世帯主が本人なら自分の氏名、夫または妻ならその方の氏名、親なら親の氏名を記入。
▶あなたとの続柄:世帯主が本人なら本人、世帯主が夫または妻なら配偶者、世帯主が親なら父または母と記入する。

氏名欄の記入はここまでです。では次に、源泉控除対象配偶者の項目について下記で説明していきます。配偶者がいる方はしっかりチェックしておきましょう。


源泉控除対象配偶者の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の源泉控除対象配偶者の記入のしかたは以下のとおりです。

源泉控除対象配偶者および同一生計配偶者については、こちらを参照。
源泉控除対象配偶者の記入例
記入手順1:条件にあてはまるか確認する

▶以下の条件1~4をすべて満たしている場合、配偶者の名前を記入する(いなければ空欄でOK)。

  1. 年末調整を提出する本人の1年間の所得が900万円以下
    ※1年間の所得900万円以下とは、給与収入なら1,095万円以下のこと。
    ※給与所得についてはこちらで計算できます。
  2. 本人と生計を一にしている配偶者の1年間の所得が95万円以下
    ※1年間の所得95万円以下とは、給与収入なら150万円以下のこと。
    ※給与所得についてはこちらで計算できます。
  3. 配偶者青色事業専従者として給与の支払いを受けていない
  4. 配偶者が白色事業専従者ではない


記入手順2:上記の条件1~4を満たしている場合は下記を参考に記入していく


▶氏名欄に配偶者の名前を記入する。
▶個人番号は勤務先によって記入しなくてよい場合があります。
▶所得がある場合は「所得の見積額」の項目に金額を記入する(給与所得についてはこちらで計算できます)。
※配偶者が給料をもらっている場合は、1年間の給与収入から給与所得を計算して、給与所得の金額を記入してください。
※12月までの給料等の正確な金額がわからなければ1年間の見込み額でOK。
※産休や育休の給付金は非課税所得なので給与収入に含まれません。

▶配偶者の住所を記入する。
▶異動月日及び事由は基本的には空欄でよい。配偶者が就職などで控除対象外になったときに「〇月〇日就職のため」などと記入する。
▶非居住者である場合は非居住者である親族に〇をつける。
※非居住者とは国内に住所をもっておらず、1年以上国内に住んでいない方をいいます。
▶配偶者控除を申請する方は配偶者控除等申告書の書き方で手順を説明しているので申告書に記入しましょう。
配偶者控除とは:夫または妻の税金が安くなる制度です。配偶者がいる方は知っておきましょう。

源泉控除対象配偶者欄の記入はここまでです。では次に、控除対象扶養親族の項目について下記で説明していきます。扶養している親族がいる方はチェックしておきましょう。

扶養親族の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の控除対象扶養親族の記入のしかたは以下のとおりです。

この項目に記入すると扶養控除を申請することができます。
扶養控除とは:養う家族がいると税金が安くなる制度。16歳以上の親族をもつ親は知っておきましょう。扶養控除を利用する方は下記の項目の記入を忘れないようにしましょう。

控除対象扶養親族の記入例
▶あなたが16歳以上の親族を扶養していなければこの項目は空欄でOK。
※この項目は扶養控除を申請するひとが記入することになります。1人の親族にたいして複数人が申請することはできません。たとえば、夫婦が共に1人の子供にたいして扶養控除を申請することはできません。
記入手順1:氏名等を記入する
▶あなたが16歳以上の親族を扶養していなければこの項目は空欄でOK。
▶16歳以上の親族を扶養している場合はその親族の氏名を記入する。記入すると扶養控除を申請することができます。
※1人の親族にたいして複数人が申請することはできません。たとえば、夫婦が共に1人の子供にたいして扶養控除を申請することはできません。
▶個人番号は勤務先によって記入しなくてよい場合があります。
扶養している親族が19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族にチェックをつける。
※扶養している親族が70歳以上の場合は同居老親等にチェックをつける。
※扶養している親族が70歳以上で同居老親等以外の場合はその他にチェックをつける。

▶扶養している親族がアルバイトなどをしており所得がある場合は所得見積額の項目に金額を記入する。
※1年間の給与収入から給与所得を計算して、給与所得の金額を記入してください。
※アルバイトなどの給与所得についてはこちらで計算できます。
※正確な金額がわからなければ1年間の見込み額でOK。

▶扶養している親族が非居住者の場合は該当箇所に〇をつける。
▶非居住者である場合は生計を一にする事実の箇所に送金額等を記入する。
※非居住者とは国内に住所をもっておらず、1年以上国内に住んでいない方をいいます。


扶養親族の収入が給与収入のみである場合、収入100万円なら所得は45万円になります。収入が55万円以下なら所得は0円になります。
※給与所得については給与所得とは?を参照。
※給与所得の金額についてはこちらで計算できます。
※扶養控除については扶養控除とは?養う家族がいると税金が安くなる?を参照。アルバイトをする子供がいる親は知っておきましょう。
記入手順2:住所を記入する

▶扶養親族の住所をそれぞれ記入する。
▶異動月日及び事由には就職・離婚・死亡など扶養控除の適用に変更があった場合などにその事由と日付を記入する。基本的には空欄でよい。

※扶養控除については扶養控除とは?養う家族がいると税金が安くなる?を参照。アルバイトをする子供がいる親は知っておきましょう。

控除対象扶養親族欄の記入はここまでです。では次に、障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の項目について下記で説明していきます。自分がどれかに該当する場合は記入を忘れないようにしましょう。

障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の記入のしかたは以下のとおりです。

障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の項目
記入手順:自分が該当するか確認する

▶自分が該当しなければ空欄でOKです。自分が寡婦・ひとり親・勤労学生にあてはまる場合、自分または親族が障害者にあてはまる場合は項目に記入すると控除を受けることが出来ます。くわしい記入手順は以下のリンク先で説明しています。

では次に、他の所得者が控除を受ける扶養親族等の項目をみていきましょう。

他の所得者が控除を受ける扶養親族等の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の他の所得者が控除を受ける扶養親族等の記入のしかたは以下のとおりです。

他の所得者が控除を受ける扶養親族等の記入例


記入手順:空欄でも構わない
▶共働きなどであなたの配偶者もたくさん所得がある場合に、配偶者が子供を扶養親族とするときに氏名等を記入することになりますが、空欄でも源泉徴収税額に影響はないので空欄でもOKです。
※記入しなかったとしても税金が多く徴収されるなどの影響はないということ。

他の所得者が控除を受ける扶養親族等欄の記入はここまでです。では次に、住民税に関する事項の項目について下記で説明していきます。16歳未満の親族を扶養している方はチェックしておきましょう。

住民税に関する事項の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の住民税に関する事項の記入のしかたは以下のとおりです。

住民税に関する事項の記入例


記入手順:16歳未満の扶養親族がいれば下記を参考に記入していく
▶16歳未満の扶養親族を記入する。いなければ空欄でよい。
※1人の扶養親族にたいして複数人が申請することは出来ません。たとえば、夫婦ともに1人の子供を扶養親族として申告することは出来ません。
※参照:国税庁2以上の所得者がいる場合の扶養親族等の所属

▶個人番号は勤務先によって記入しなくてよい場合があります。
▶16歳未満の扶養親族の住所を記入する。
▶国内に住所をもっていない場合は国外扶養親族に〇をつける。
▶所得がある場合は見積額に金額を記入する(給与所得についてはこちらで計算できます)。
▶異動月日及び事由は基本的には空欄でよい。子供が生まれた場合などに「〇月〇日出生」などと記入する。
扶養親族とは、生計を一にしており、年間の所得が48万円以下の方をいいます。

住民税に関する事項欄の記入はここまでです。次に、受けられる控除について下記で確認していきましょう。申請できる控除を忘れないようにチェックしておきましょう。

税金が安くなる控除を受ける場合は?(配偶者控除や扶養控除など障害者控除や寡婦控除など)
上記でも説明しましたが、税金が安くなる控除(配偶者控除など)を受けたい場合は申告書の該当欄に記入する必要があります。

家族を養っているサラリーマンなどはチェックしておきましょう。

下記の控除を受ける方はチェック
  • 扶養控除:16歳以上の親族(子など)がいると安くなる
    扶養控除の申請については扶養控除の書き方を参照。

  • 配偶者控除:妻または夫がいると安くなる
    配偶者控除の申請については配偶者控除等申告書の書き方を参照。

  • 障害者控除:本人または親族が障害をもっていると安くなる
    障害者控除の申請については障害者控除の書き方を参照。

  • 寡婦控除:離婚などをした妻は税金が安くなる
    寡婦控除の申請については寡婦控除の書き方を参照。

  • ひとり親控除:ひとり親は税金が安くなる
    ひとり親控除の申請についてはひとり親控除の書き方を参照。

  • 勤労学生控除:勤労学生は税金が安くなる
    勤労学生控除の申請については勤労学生控除の書き方を参照。

では次に、他に提出する書類について下記で説明していきます。給与所得者の基礎控除申告書についてはかならず提出することになるので忘れないようにしましょう。

また、上記の控除以外にも「保険料控除」や「住宅ローン控除」を申請する方はこのページの下記項目をチェックしておきましょう。
※生命保険料、地震保険料、iDeCoなどを支払っている方は税金が安くなります。

ほかにも提出する書類がある?
上記の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のほかにも「保険料控除申告書」など提出する書類がいくつかあります。

申告書の書き方などは以下の項目「❶」「❷」「❸」で説明しているので該当する方は記入を忘れずにしましょう。
❶給与所得者の保険料控除申告書は提出する必要ある?
社会保険料や地震保険料、iDeCoなどを支払っている方は給与所得者の保険料控除申告書も提出する必要があります。

※厚生年金などの毎月の給料などから差し引かれている社会保険料は申告しなくてOKです。



アルバイトやパートの方も国民年金保険料などを自分で支払っている場合は社会保険料控除の欄に金額を記入して提出しましょう。


それぞれ記入手順は以下のページで説明しているので必要な方はチェックしておきましょう。

給与所得者の保険料控除申告書の記入手順


保険料控除申告書の書き方

この申告書で「生命保険料控除」、「社会保険料控除」、「地震保険料控除」、「小規模企業共済等掛金控除」を申請することができます。社会保険料や地震保険料、iDeCoなどを支払っている方はチェックしておきましょう。
保険料控除申告書の申請については保険料控除申告書の書き方・見本記入例を参照。

❷給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書は提出する必要ある?
給与所得者の基礎控除申告書についてはかならず記入する必要があります。高校生のアルバイトだとしても記入して提出しましょう。

ほかの2つの控除(配偶者控除や所得金額調整控除)を受ける方は該当する欄への記入も忘れないようにしましょう。

給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書の記入例
▶以下の書類が給与所得者の基礎控除申告書についての記入例です。そのほかについては以下のページで説明しているのでチェックしておきましょう。


各種申告書の記入手順・書き方

給与所得者の基礎控除申告書についてはかならず記入する必要があります。アルバイトやパートの方も忘れないようにチェックしておきましょう。


▶全員が必ず記入する項目
(基礎控除申告書)
サラリーマンだけでなく、高校生のアルバイトだとしても基礎控除申告書は記入しましょう。記入する項目はむずかしい内容ではありません。年収を記入して、それにともなう基礎控除の金額を決定するだけです。
基礎控除申告書については基礎控除申告書の書き方の見本を参照。



▶下記は該当する方が記入する項目
配偶者控除等申告書については配偶者控除等申告書の書き方の見本を参照。
所得金額調整控除申告書については所得金額調整控除申告書の書き方を参照。

❸住宅ローン控除を受ける方は?
サラリーマンなどの給与所得者が住宅ローン控除を受けて減税してもらうには年末調整のときに住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)申告書を提出しなければいけません。

住宅ローン控除申告書の記入例については年末調整で住宅ローン控除の申告書の書き方・記入例で説明しています。
ここまでのまとめ
年末調整とは、1年間(1月~12月まで)の税金額が多すぎたり少なかったりしたときに給料等の支払者(会社など)が過不足を調整してくれる制度です。

年末調整の書類を提出すれば、12月最後の給料を支払うタイミングで勤務先の会社が年末調整をしてくれるようになっています。

ここまで説明した項目で、自分が該当する箇所があれば記入して年末調整の書類を提出しましょう。

年末調整の書類まとめ
  • とくに控除を受けない方は氏名欄の記入だけでいい。
    ※氏名欄については上記で説明しています。

  • 基礎控除申告書は全員必ず提出する。高校生のアルバイトだとしても記入して提出する。
    ※基礎控除申告書については上記で説明しています。

  • 保険料控除申告書はiDeCoや生命保険などに加入している方が提出する。
    ※保険料控除については上記で説明しています。

  • 年収850万円を超える方は所得金額調整控除の項目を記入する。
    ※所得金額調整控除については上記で説明しています。

もし、年末調整の書類提出を忘れてしまったりして年末調整を受けられなかった場合、確定申告をすれば税金を精算することができます。

今はネットで確定申告書がかんたんに作成できるので、年末調整をしていない方は確定申告をしてみましょう。サラリーマンやアルバイトの方は勤務先から配布される「源泉徴収票」をみながら申告書を作成することになります。

※サラリーマンについてはサラリーマンの確定申告のやりかたを参照。