所得税・住民税関連
更新日:2022年11月16日
ここではひとり親(シングルマザーなど)についての年末調整の書き方を説明していきます。2022年(令和4年)の年末調整について説明しています。
ひとり親(シングルマザーなど)の年末調整の書き方・記入例
この記事の目次


ひとり親(シングルマザーなど)の年末調整の書き方をわかりやすく説明


年末調整は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に記入して提出すれば勤務先が年末調整を行ってくれます。2022年度(令和4年)の申告書は以下のとおりです。


母子家庭などのひとり親の方で記入する項目がよくわからない方は下記でチェックしておきましょう。とくに、ひとり親控除の記入は忘れないように確認しておきましょう。

年末調整の書類の見本
※参照:国税庁給与所得者の扶養控除等の(異動)申告

※給与所得者の扶養控除等(異動)申告書については、今年度用と来年度用の2枚を提出することになります。来年度(2023年)の扶養控除等(異動)申告書についても書き方は一緒です。
来年度(令和5年)の扶養控除等(異動)申告書

どの項目に記入するか確認チェック

上記の申告書を見ながら①~⑤の記入欄をチェックしてみましょう(それぞれの項目の書き方は下記で説明していきます)。

▶かならず記入する項目
❶氏名欄と❹ひとり親の項目
および基礎控除申告書

※❶氏名欄については下記で説明しています。
※❹の欄については下記で説明しています。
※基礎控除申告書は下記で説明しています。



▶必要なひとが記入する項目

  • 16歳以上の子供または親族を扶養しているなら❸の欄
    ※❸の欄については下記で説明しています。

  • 障害をもっている場合は❹の欄
    ※❹の欄については下記で説明しています。

  • 16歳未満の子供がいれば❺の欄
    ※16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項)については下記で説明しています。

  • 生命保険やiDeCoなどの掛金を支払っていれば保険料控除申告書
    ※保険料控除申告書は下記で説明しています。

  • 住宅ローン控除を受ける方は申告書
    ※住宅ローン控除については下記で説明しています。



▶記入しなくていい項目
❷の配偶者の欄
配偶者控除を受けないので記入する必要はありません。

※ほかの記入欄についてくわしく知りたい方は年末調整の書き方見本で解説しているのでチェックしておきましょう。

それでは最初に氏名欄の記入例について下記で説明していきます。全員必ず記入する項目なので忘れないようにチェックしておきましょう。

❶氏名欄の記入例



給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の氏名等の記入のしかたは以下のとおりです。

氏名欄の記入例
記入手順
▶あなたの個人番号:勤め先によって記入しない場合があります。
▶配偶者の有無:配偶者(妻または夫)がいる方は有、配偶者がいない方は無に記入。
▶住所欄にあなたの住所を記入する。
▶世帯主の氏名:世帯主が本人なら自分の氏名、夫または妻ならその方の氏名、親なら親の氏名を記入。
▶あなたとの続柄:世帯主が本人なら本人、世帯主が配偶者なら夫または妻、世帯主が親なら父または母と記入する。

氏名欄の記入はここまでです。では次に、❸控除対象扶養親族の項目について下記で説明していきます。扶養している親族がいる方はチェックしておきましょう。
※記入欄❶~❺については上記の見本を参照。


❸控除対象扶養親族の記入例(16歳以上の親族がいる方のみ)



給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の控除対象扶養親族の記入のしかたは以下のとおりです。

この項目に記入すると扶養控除を申請することができます。
扶養控除とは:養う家族がいると税金が安くなる制度。16歳以上の親族をもつ親は知っておきましょう。扶養控除を利用する方は下記の項目の記入を忘れないようにしましょう。

控除対象扶養親族の記入例
▶あなたが16歳以上の親族を扶養していなければこの項目は空欄でOK。
※この項目は扶養控除を申請するひとが記入することになります。
記入手順1:氏名等を記入する
▶あなたが16歳以上の親族を扶養していなければこの項目は空欄でOK。
▶16歳以上の親族を扶養している場合はその親族の氏名を記入する。記入すると扶養控除を申請することができます。
▶個人番号は勤務先によって記入しなくてよい場合があります。
扶養している親族が19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族にチェックをつける。
※扶養している親族が70歳以上の場合は同居老親等にチェックをつける。
※扶養している親族が70歳以上で同居老親等以外の場合はその他にチェックをつける。

▶扶養している親族がアルバイトなどをしており所得がある場合は所得見積額の項目に金額を記入する。
※1年間の給与収入から給与所得を計算して、給与所得の金額を記入してください。
※アルバイトなどの給与所得についてはこちらで計算できます。
※正確な金額がわからなければ1年間の見込み額でOK。

▶扶養している親族が非居住者の場合は該当箇所に〇をつける。
▶非居住者である場合は生計を一にする事実の箇所に送金額等を記入する。
※非居住者とは国内に住所をもっておらず、1年以上国内に住んでいない方をいいます。


扶養親族の収入が給与収入のみである場合、収入100万円なら所得は45万円になります。収入が55万円以下なら所得は0円になります。
※給与所得については給与所得とは?を参照。
※給与所得の金額についてはこちらで計算できます。
※扶養控除については扶養控除とは?養う家族がいると税金が安くなる?を参照。アルバイトをする子供がいる親は知っておきましょう。
記入手順2:住所を記入する

▶扶養親族の住所をそれぞれ記入する。
▶異動月日及び事由には就職・離婚・死亡など扶養控除の適用に変更があった場合などにその事由と日付を記入する。基本的には空欄でよい。

※扶養控除については扶養控除とは?養う家族がいると税金が安くなる?を参照。アルバイトをする子供がいる親は知っておきましょう。

控除対象扶養親族欄の記入はここまでです。では次に、❹障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の項目について下記で説明していきます。自分がどれかに該当する場合は記入を忘れないようにしましょう。
※記入欄❶~❺については上記の見本を参照。


❹障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の記入例
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の記入のしかたは以下のとおりです。

障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生の項目
記入手順:自分が該当するか確認する

▶自分が該当しなければ空欄でOKです。自分がひとり親・勤労学生にあてはまる場合、自分または親族が障害者にあてはまる場合は項目に記入すると控除を受けることが出来ます。
くわしい記入手順は以下のリンク先で説明しています。

では次に、❺住民税に関する事項の項目について下記で説明していきます。16歳未満の親族を扶養している方はチェックしておきましょう。
※記入欄❶~❺については上記の見本を参照。

❺住民税に関する事項(16歳未満の扶養親族)の記入例



給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の住民税に関する事項の記入のしかたは以下のとおりです。

住民税に関する事項の記入例


記入手順:16歳未満の扶養親族がいれば下記を参考に記入していく
▶16歳未満の扶養親族を記入する。いなければ空欄でよい。
▶個人番号は勤務先によって記入しなくてよい場合があります。
▶16歳未満の扶養親族の住所を記入する。
▶国内に住所をもっていない場合は国外扶養親族に〇をつける。
▶所得がある場合は見積額に金額を記入する(給与所得についてはこちらで計算できます)。
▶異動月日及び事由は基本的には空欄でよい。子供が生まれた場合などに「〇月〇日出生」などと記入する。
扶養親族とは、生計を一にしており、年間の所得が48万円以下の方をいいます。

では次に、必ず提出する基礎控除申告書の記入例について下記で説明していきます。


基礎控除申告書の記入例


給与所得者の基礎控除申告書の2022年度(令和4年)の記入例は以下に示したとおりです。

記入のやり方についても以下で説明しているのでチェックしておきましょう。
※申告書は年末調整の時期に勤務先から配布されます。
※年末調整の書き方については2022年末調整の書き方を参照。

※基礎控除については基礎控除とは?を参照。

給与所得者の基礎控除申告書の記入例
▶以下の書類が給与所得者の基礎控除申告書の記入例です。年末調整の時期に勤務先から配布されます。
記入のやり方
手順①収入金額欄に「本人の1年間の年収(給料およびボーナス等の総支給額)」を記入する。その次に、所得金額欄に給与所得を記入する。※給与所得についてはこちらで計算できます。
※1月~12月末までの給料等の正確な金額がわからなければ1年間の見込み額でOK(200万などのように大まかな金額を記入すれば大丈夫です)。
※産休や育休の給付金は非課税所得なので給与収入に含まれません。

手順②給料以外の収入があれば記入する。
給与所得以外の所得とは、たとえば副業(ブログやウーバー、YouTubeの広告収入など)で手に入れた雑所得など。ただし、副業が禁止されている会社に勤めている場合、この項目に記入して副業をしていることがバレてしまうと契約違反で注意されてしまう可能性があります(会社によっては解雇されてしまう場合も)。したがって、副業でたくさんお金を稼いでいる方はこの項目は空欄にして自分で確定申告することをおすすめします。確定申告をする際は副業がバレないように手続きをすることをオススメします。

手順合計所得金額の見積額を記入する。
手順④合計所得金額の見積額に該当する判定結果にチェック
※2,500万円を超える場合はチェック不要。
手順配偶者がいる場合には区分Ⅰに手順④の判定結果のA,B,Cを記入する
手順⑥手順④の判定結果に沿って48万円、32万円、16万円のいずれかを記入する

では次に、保険料控除申告書について下記で説明していきます。
※生命保険料やiDeCoの掛金を支払っている場合は記入しましょう。

保険料控除申告書は必要なら記入する



社会保険料や地震保険料、iDeCoなどを支払っている方は給与所得者の保険料控除申告書も提出する必要があります。

※厚生年金などの毎月の給料などから差し引かれている社会保険料は申告しなくてOKです。



アルバイトやパートの方も国民年金保険料などを自分で支払っている場合は社会保険料控除の欄に金額を記入して提出しましょう。


それぞれ記入手順は以下のページで説明しているので必要な方はチェックしておきましょう。

給与所得者の保険料控除申告書の記入手順


保険料控除申告書の書き方

この申告書で「生命保険料控除」、「社会保険料控除」、「地震保険料控除」、「小規模企業共済等掛金控除」を申請することができます。社会保険料や地震保険料、iDeCoなどを支払っている方はチェックしておきましょう。
保険料控除申告書の申請については保険料控除申告書の書き方・見本記入例を参照。

住宅ローン控除を受ける方は?
サラリーマンなどの給与所得者が住宅ローン控除を受けて減税してもらうには年末調整のときに住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)申告書を提出しなければいけません。

住宅ローン控除申告書の記入例については年末調整で住宅ローン控除の申告書の書き方・記入例で説明しています。
ここまでのまとめ
年末調整とは、1年間(1月~12月まで)の税金額が多すぎたり少なかったりしたときに給料等の支払者(会社など)が過不足を調整してくれる制度です。

正しく記入できているか不安な方は下記をチェックしておきましょう。

どの項目に記入するか確認チェック

▶かならず記入する項目
❶氏名欄と❹ひとり親の項目
および基礎控除申告書

※❶氏名欄については上記で説明しています。
※❹の欄については上記で説明しています。
※基礎控除申告書は上記で説明しています。



▶必要なひとが記入する項目

  • 16歳以上の子供または親族を扶養しているなら❸の欄
    ※❸の欄については上記で説明しています。

  • 障害をもっている場合は❹の欄
    ※❹の欄については上記で説明しています。

  • 16歳未満の子供がいれば❺の欄
    ※16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項)については上記で説明しています。

  • 生命保険やiDeCoなどの掛金を支払っていれば保険料控除申告書
    ※保険料控除申告書は上記で説明しています。

  • 住宅ローン控除を受ける方は申告書
    ※住宅ローン控除については上記で説明しています。



▶記入しなくていい項目
❷の配偶者の欄
配偶者控除を受けないので記入する必要はありません。

ほかの記入欄についてくわしく知りたい方は年末調整の書き方見本で解説しているのでチェックしておきましょう。