扶養控除とは?わかりやすく解説。養う家族がいれば税金が安くなる?申請は?

2021.04.10 更新
お金を稼げば納めなければならない税金。そんな税金の負担を軽くしてくれる扶養控除って知ってますか?この記事では扶養控除とは何かや申告方法について説明していきます。
この記事の目次

扶養控除とは?どんな制度?

扶養控除ふようこうじょとは、簡単に説明するとやしなう家族がいれば税金の負担を軽くするという制度です。


たとえば、会社員の夫に子供がいれば扶養控除を利用することで税金が安くなります。


ただし、扶養控除を利用するにはいくつか条件があります。

扶養控除の条件は?扶養親族とは?

扶養控除は扶養親族のうち年齢が16歳以上の方がいる場合に適用できます。


扶養親族とは、扶養されている親族のことです。たとえば親が子供を養っている場合、親にとっての扶養親族は「子供」になります。
※子供が親を養っている場合、扶養親族は「親」になります。


以下の要件にすべて当てはまる方を扶養親族といいます。

扶養親族って?扶養控除の条件は?

扶養親族の要件

  • 配偶者以外の親族であること
    配偶者とは:妻から見た夫、夫から見た妻のこと。
  • 納税者(控除を受ける人)と生計を一にしていること
  • 1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が48万円以下であること
    合計所得金額48万円については以下で説明。

 
扶養控除が適用される扶養親族

  • 16歳以上であること
合計所得金額48万円とは?給料が103万円を超えてしまうと?


例えば、あなたの子供(高校生)の収入がアルバイトの給与収入のみで1年間(1月~12月まで)に103万円のとき、給与所得は48万円となります。それ以外に所得がないので合計所得金額は48万円となります。この場合、あなたの子供は扶養控除の対象になります。

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得(合計所得金額)
給与所得控除については給与所得とはを参照。

したがって、アルバイトの収入が1年間(1月~12月まで)で103万円を超えてしまうと合計所得金額が48万円を超えてしまうので、扶養控除の対象から外れてしまいます。

以上の条件を見てわかるように、16歳以上の扶養親族がいない方は扶養控除を利用することはできません。

したがって、扶養親族がいても年齢が16歳未満である場合には扶養控除が利用できないので注意してください。


扶養控除を利用するといくら安くなる?

年収にもよりますが、扶養控除を利用すると税金は約5~17万円ほど安くなる場合が多いでしょう。


以下に年齢ごとにシミュレーションしているのでどれくらい安くなるのかチェックしてみてください。

16歳以上の扶養親族のときは?

たとえば、40歳以下・社会保険加入・16歳以上の扶養親族1人という条件の方が扶養控除を利用したとき。
 

扶養控除を利用するひとの年収 減額される税金
年収250~400万円のとき 所得税は19,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 所得税は38,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~900万円のとき 所得税は76,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算

※扶養控除の対象となる家族1人あたり

 

19歳以上22歳以下の扶養親族のときは?

たとえば、40歳以下・社会保険加入・19歳以上22歳以下の扶養親族1人という条件の方が扶養控除を利用したとき。
 

扶養控除を利用するひとの年収 減額される税金
年収250~430万円のとき 所得税は31,500円安くなります。
住民税は45,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収540~640万円のとき 所得税は63,000円安くなります。
住民税は45,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収740~940万円のとき 所得税は126,000円安くなります。
住民税は45,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算

※扶養控除の対象となる家族1人あたり

親を扶養に入れる場合は?
親を扶養に入れる場合は年齢が70歳未満・70歳以上で控除される金額が変わります。くわしく知りたい方は以下のページで説明しているのでチェックしてみてください。

年末調整での扶養控除の申請は?

サラリーマンなどが扶養控除を適用するには年末調整で申請をしなければなりません。

以下のページで年末調整の書き方と申請方法を説明しています。扶養控除を利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整で扶養控除の申請をする方はこちら

扶養控除の申請方法については、扶養控除の申請(年末調整の記入例)を参照。
年末調整の書き方については、年末調整の書き方見本・記入例を参照。
扶養控除込みで所得税をシミュレーションしてみよう

給料をもらっている人(サラリーマンなど)が扶養控除を利用したとき、税金がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。


①まず扶養控除の対象になるかどうか。
たとえば、高校生の子供の収入が給与収入(アルバイト)のみであり、1年間の収入が100万円のとき、給与所得は45万円となります。

100万円給与収入55万円給与所得控除  =  45万円給与所得
給与所得控除については、こちらを参照。

子供の収入は給与収入のみなので、合計所得金額は45万円となります。したがって、子供は扶養控除の対象となります。


ここから夫が扶養控除を適用したときの計算
②まずは夫の給与所得の計算

たとえば夫の収入が給与収入のみであり、年間収入が350万円のとき、給与所得は、

350万円給与収入113万円給与所得控除  =  237万円給与所得
給与所得については、給与所得とは?を参照。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

③次に課税所得を計算する(扶養控除込み)
総所得金額は計算できたので(237万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、

237万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。所得控除を127万円(38万円扶養控除 + 48万円基礎控除 + 41万円社会保険料控除)としたとき、課税所得は、

237万円総所得金額127万円所得控除 = 110万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得を参照。

となります。

④所得税の計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は

110万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

110万円課税所得 × 5% = 55,000円所得税
所得税率については、所得税率とは?を参照。
所得税の計算については、こちらを参照。

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約11万円かかります。

となります。

もし扶養控除を利用しなければ税金はどうなる?
扶養控除38万円を利用しない場合、そのぶん課税所得が増えるので、

(110万円 + 38万円)課税所得 × 5% = 74,000円所得税

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約15万円かかります。

となり、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。なので、扶養控除が利用できるなら年末調整または確定申告で申請しましょう。
 

2人以上いればさらに税金は安くなる
扶養控除の対象となる家族が二人なら(38万円 × 2)の76万円が扶養控除額となり、さらに税金の負担は軽くなります。

くわしい内容は以下のページで説明しています。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、扶養控除は16歳以上の親族を養っている場合に税金が安くなる制度です。

ただし、扶養親族が16歳未満であったり、1年間の収入が103万円を超えてしまうと扶養控除を利用できなくなってしまうので注意しましょう。

ここまでのまとめ

  • 扶養控除は利用するには16歳以上の親族でなければいけない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 扶養親族の合計所得が1年間で48万円を超えてしまうと扶養親族から外れてしまう
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 扶養控除で約5万円~17万円税金が安くなる
    ※くわしくは上記で説明しています。

扶養控除を利用している方または扶養親族の方は上記のまとめを覚えておきましょう。また、未成年の方で税金について気になる方は以下のページをチェックしておきましょう。