社会保険の扶養と税金を安くしてくれる扶養は意味が違う?

2022.05.09 更新
税法上の扶養と社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養の違いがよくわからない人は多いと思います。この記事では税金に関しての扶養と社会保険の扶養の違いについて説明していきます。
この記事の目次
社会保険の扶養と税法上の扶養の違いは?

社会保険の扶養と税法上の扶養(税金を安くしてくれる扶養)の違いがよくわからず、頭がごちゃごちゃになっている人もいると思います。
※そもそも扶養の意味がわからないという方もいると思います。


子供がいる親やアルバイトをする学生などはチェックしておくことをオススメします。


ややこしいだけで内容は難しくないので安心してください。

この記事の要点

  • 親族の税金を安くしてくれる扶養は「合計所得48万円(給料だけなら103万円)」がキーワード。
  • あなたの合計所得が1年間で48万円を超えると扶養親族の対象から外れる。
  • あなたが扶養親族の対象から外れると、あなたを扶養していた親族などは扶養控除を利用できなくなり、税金の負担が増える。


  • 妻または夫の税金を安くしてくれる扶養は「合計所得133万円(給料だけなら約201万円)」がキーワード。


  • 社会保険の扶養は「年収130万円」がキーワード。
  • 年収130万円以上になると社会保険の扶養の対象から外れる。
  • 社会保険の扶養から外れたら、自分で保険料を支払うことになる。

では最初に、税金を安くしてくれる扶養について下記で説明していきます。親などに扶養されている方はしっかりチェックしておきましょう。


税金を安くしてくれる扶養とは?

税金を安くしてくれる扶養とは扶養控除という制度のことです。

扶養控除とはかんたんに説明すると「16歳以上の親族を扶養していると税金が安くなる」制度です。
※たとえば高校生の子供を扶養している親はこの制度を利用すると税金が安くなります。16歳以上の親族なら自分の親なども対象になります。


ただし、扶養控除の対象になるには条件があり、合計所得が1年間で48万円以下(給料だけなら103万円以下)である必要があります。
※くわしい条件については扶養控除とは?を参照。

合計所得48万円がどういう意味なのかわからない方のために以下で説明していきます。

合計所得48万円とは?収入がアルバイトだけなら103万円まで?

たとえばあなたの子供の収入がアルバイトの給与収入のみであり、1年間(1月~12月まで)の収入が103万円のとき、給与所得は48万円となります。

それ以外に所得がないとすると、合計所得金額は48万円となります。

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得(合計所得金額)
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。

この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が48万円以下なのであなたの子供は扶養の対象になります。

つまり、収入がアルバイトの給料のみなら103万円まで扶養の対象になれるということです。

扶養から外れると親の税金はどれくらい高くなる?

たとえばあなたの子供の1年間(1月~12月まで)の合計所得が48万円(給料のみなら103万円)を超えると、あなたの子供は扶養から外れてしまうのであなたは扶養控除を利用できなくなります。
※1年間の収入が103万円を超えると扶養親族じゃなくなるため。

扶養控除とは「養う親族がいると税金が安くなる」という制度であり、今までこの制度を利用していたひとが利用できなくなることによって税金の負担が約5~17万円増えてしまいます。
※あなたの年収が250万円~900万円とした場合。

したがって、アルバイトをしている子供などが家族にいる場合は「1年間の収入を調整したほうがいい」ということを教えてあげることをオススメします。

※親族に扶養されていない場合は関係ありません。

※くわしくはフリーターや学生が扶養から外れるといくらかかる?を参照。

配偶者(夫または妻)の場合は?税金を安くしてくれる扶養について

配偶者(夫または妻)の場合の税金を安くしてくれる扶養とは配偶者控除という制度のことです。
※配偶者には、上記で説明した扶養控除はありません。

配偶者控除は、1年間の合計所得が133万円以下(給料のみで約201万円以下)が対象となります。
※合計所得が48万円を超える対象者は配偶者特別控除になります。

ただし、配偶者の合計所得が95万円を超えると、税金が安くなる効果が徐々に弱くなるのが特徴です。

たとえば妻がパートでたくさん稼いでいる場合、夫の税金は約0.1万円~11万円増えることになります。
※夫の年収を250万円~900万円とした場合。

くわしくは下記の記事で説明しています。

では次に、社会保険の扶養について下記で説明していきます。年収130万円がキーワードになります。税金を安くしてくれる扶養との違いについてしっかりチェックしておきましょう。


社会保険の扶養とは?【年収130万円の壁】

社会保険の扶養とは、社会保険に加入している人が親族を扶養にいれると「親族の保険料が0円になる」制度です。


たとえば、勤務先の社会保険に加入しているサラリーマンが子供を扶養にいれると、子供が支払う保険料は0円になるメリットを受けることができます。
※扶養に入った親族は保険料が0円になりますが、病院代が3割負担になるなどの医療給付は同じように受けることができます。


たとえば、勤務先の社会保険に加入しているサラリーマンが妻を扶養にいれると、妻が支払う保険料(健康保険と国民年金)は0円になるメリットを受けることができます。


ただし、社会保険の扶養に入るには「年収130万円未満」などの条件にあてはまらなければいけません。
※扶養に入るつもりの親族の方は下記の条件をチェックしておきましょう。

社会保険に加入した場合に支払う保険料は?

1年間の収入が106万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は合計約15万円になります。
※保険料は1年間の金額です。
※保険料の計算はこちらのシミュレーションで行いました。



1年間の収入が115万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は合計約17万円になります。
※保険料の計算はこちらのシミュレーションで行いました。



1年間の収入が130万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は合計約19万円になります。
※保険料の計算はこちらのシミュレーションで行いました。



社会保険に加入する条件を満たしたときも扶養から外れる?
収入が130万円未満だとしても社会保険に加入する条件を満たしたときには勤務先の社会保険に加入することになります。社会保険に加入すれば、自分で保険料を支払うことになるので覚悟しておきましょう。

税金がかかる年収については?

扶養のほかにも、所得税や住民税がかかる年収についても知っておくことをオススメします。


かんたんに説明すると、所得が48万円を超えると所得税がかかります。また、所得が45万円を超えると住民税がかかります。
※アルバイトの収入だけなら103万円以下まで所得税が0円。
※アルバイトの収入だけなら100万円以下まで住民税が0円。市区町村によっては97万円や93万円の場合もあります。


つまり、お金をあまり稼いでいなければ税金はかかりません。


これからアルバイトやパートを始めるつもりの方はザッと内容を理解しておきましょう。それほど難しい内容ではないので安心してください。

くわしくは下記の記事で説明しています。
税金がかかるのは年収いくらから?所得税と住民税について

ここまでのまとめ

まとめると「税金を安くしてくれる扶養」については、あなたが扶養から外れるとあなたを扶養している親族の税金に影響があります。

そして「社会保険の扶養」については、あなたが扶養から外れると自分で社会保険料を支払うことになるのであなた自身に影響があります。

アルバイトをしている未成年や学生の方はとくに関係してくるので覚えておくと役に立つと思います。

ここまでのまとめ

  • 合計所得48万円(給料のみなら103万円)を超えて扶養控除の対象から外れてしまうと、あなたを扶養している親族(たとえば親など)の税金が上がってしまう
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 配偶者の場合は、上記の扶養控除は関係なく、配偶者控除の対象になる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • あなたの年収が130万円以上になると社会保険の扶養から外れてしまうので、あなた自身で保険に加入して保険料を支払うことになる
    ※くわしくは上記で説明しています。

大人でも何が何だか分からなくて困っている方も多いですが、ごちゃごちゃにしないように覚えておきましょう。

また、扶養なんて気にしないでお金を稼ぎたい!という方もいると思います。扶養を外れてお金を稼ぎたい方は下記の記事をチェックしておきましょう。フリーターの年収を例にシミュレーションして説明しています。