配偶者控除とは?わかりやすく解説。夫婦なら税金が安くなる!

2022.11.25 更新

夫婦なら税金が安くなるメリットを受けられるお得な制度である配偶者控除。所得がいくらまでなら受けられるか等チェックしておきましょう。この記事では配偶者控除についてわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
この記事の要点

  • 合計所得48万円(給料だけなら年収103万円)までが配偶者控除の対象。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 年収103万円を超えても配偶者特別控除の対象になる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 控除を利用すると約5万円~11万円税金が安くなる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 配偶者は年収150万円や201万円といった年収の壁に注意。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 配偶者控除を利用するには申請が必要。
    ※くわしくは下記で説明しています。

では、配偶者控除を利用する条件やいくら安くなるか、計算のやり方など下記で説明していきます。
※配偶者控除は夫婦が得する制度なので、具体的にいくら税金が安くなるか、所得がいくらまでなら控除を受けられるか等をチェックしておきましょう。

配偶者控除とは?妻または夫がいると税金が安くなる?

配偶者控除はいぐうしゃこうじょとは、簡単に説明すると妻または夫がいる方の税金の負担を軽くしてくれる制度です。
※配偶者とは夫から見た妻、妻から見た夫のことをいいます。

配偶者控除はどちらか一方の配偶者が利用することができます。夫婦がお互いに受けられるわけではありません。
※妻の方が収入が多ければ、妻が配偶者控除を利用することになります。

配偶者控除は夫婦なら誰でも受けられる?
控除を受けるには条件があります。かんたんに説明すると、配偶者の所得が多いと配偶者控除を受けることができません。
※夫婦共働きでどちらも何百万円も稼いでいる場合は対象外になります。

控除を受けるための条件は下記の項目で説明しています。パートで少し稼いでいるくらいなら対象になるので安心してください。

では次に、配偶者控除を利用すると税金がいくら安くなるか下記で説明していきます。
※年収別にシミュレーションしているので、控除を受けるとどのくらい得するのかチェックしておきましょう。

配偶者控除でいくら安くなる?
配偶者控除で安くなる金額は約5万円~11万円

配偶者控除を適用するとどれくらい税金が安くなるのか年収別にシミュレーションした結果が以下のとおりです。
※妻の方が収入が多ければ、妻が配偶者控除を利用することになります。

年収にもよりますが、配偶者控除を利用すると税金の負担は年間約5~11万円ほど軽くなる場合が多いでしょう。
※これから初めて控除を受ける会社員などは約5~11万円の税金が安くなります。

税金がいくら戻るのか気になる方は下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。
※住民税は翌年の金額に反映されます(住民税は前年の所得で決定するため)。

配偶者控除でどれくらい安くなる?

年収1,095万円を超えると安くなる効果が弱まる?
収入が給与収入のみで年収1,095万円(合計所得900万円)を超えると、配偶者控除の効果が少し弱くなります。くわしくは下記の控除の金額は?で説明しています。

配偶者控除を利用する方の年収 減額される税金
年収250~400万円のとき 所得税は19,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 所得税は38,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~900万円のとき 所得税は76,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算

※上記は1年間の金額。
※40歳以下夫婦、子供0人、社会保険加入の場合。

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パート主婦は年収いくらがお得なの?103~150万円の年収別まとめ


控除の条件は?103万円までなら受けられる?
配偶者控除の対象は所得48万円(給料だけなら103万円)まで

配偶者控除を利用するためには、配偶者の1年間の合計所得が48万円以下(つまり、収入が給料だけなら年収103万円以下)でなければいけません。

※ただし、下記で説明するように合計所得48万円(給料のみで103万円)を超えたときは配偶者特別控除の対象になります。



「合計所得48万ってなんのこと?」という方のために、下記でわかりやすく説明しているのでチェックしておきましょう。
※「配偶者の合計所得金額がわからない」という方は下記の計算例をチェックしておきましょう。

配偶者控除の条件

  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  • 納税者(控除を受ける人)と生計を一にしていること
  • 配偶者の1年間(1月~12月まで)の合計所得金額48万円以下(収入が給料だけなら年収103万円以下であること
    ※計算例は以下のとおり。

※青色申告者の配偶者で青色事業専従者にあてはまり、給与の支払を受ける方または白色申告者の配偶者で事業専従者にあてはまる方は、配偶者控除の対象にはなりません。
※参照:国税庁配偶者控除

給与収入103万円で合計所得金額が48万円以下になる計算例

たとえば妻の収入が給与収入のみであり、1年間(1月~12月末まで)の給料が103万円だとすると、妻の給与所得は48万円となります。給与所得のほかに所得がないので合計所得金額は48万円となります。したがって、この場合の妻は配偶者控除の対象となります。

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得(合計所得金額)
給与所得控除についてはこちらを参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。
※給与所得のほかに雑所得などの所得がある方は、所得を合計した金額が48万円以下であれば配偶者控除の対象となります。所得の計算のやり方がわからない方は同一生計配偶者とはを参照。雑所得がある場合の計算例を説明しています。

ですが、所得48万円(給与収入103万)を超えても控除を利用できる制度があります。それは配偶者特別控除です。
「配偶者特別控除ってなに?」という方のために下記でわかりやすく説明していきます。

配偶者特別控除なら103万円を超えても大丈夫
103万円を超えたら配偶者特別控除の対象になる

給与収入が103万円を少し超えても税金の負担が急に重くならないための制度が「配偶者特別控除」です。

配偶者特別控除は所得133万円以下(給料なら約201万円まで)なら夫の税金を安くしてくれます。


ただし、妻の給料が150万円を超えると税金が安くなる効果がだんだん弱くなっていくのが特徴です。
※妻の給与収入が150万円までは配偶者控除と同じですが、それを超えると安くなる金額が数千円ずつ減っていきます。

配偶者控除との条件の違い、税金が安くなる効果が弱くなる等についてくわしくは下記の記事で説明しています。

では次に、会社員の夫が配偶者控除を利用したときの税金がどれくらいになるかシミュレーションをしていきます。下記で具体的な金額をあてはめて説明していきます。



配偶者控除込みで所得税を計算シミュレーション

給料をもらっている方が配偶者控除を利用したとき、税金がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。


①まず配偶者控除の対象になるかどうか。

まず自分の配偶者が控除の対象になるか確認します。たとえば妻の収入が給与収入のみであり、年間収入が100万円の場合、給与所得は45万円となります。

100万円給与収入55万円給与所得控除  =  45万円給与所得
給与所得控除についてはこちらを参照。

妻の収入は給与収入のみなので、合計所得金額は45万円となります。

1年間の合計所得金額が48万円以下なのでは配偶者控除の対象となります。では次に、夫が配偶者控除を利用した場合の計算をしてみましょう。


ここから夫が配偶者控除を適用したときの計算
②夫の給与所得の計算
たとえば夫の収入が給与収入のみであり、年間収入が320万円のとき、給与所得は、

320万円給与収入104万円給与所得控除  =  216万円給与所得
給与所得については、給与所得とは?を参照。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

③次に課税所得を計算する(配偶者控除込み)
総所得金額は計算できたので(216万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、

216万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。所得控除を126万円(48万円基礎控除 + 40万円社会保険料控除 + 38万円配偶者控除)としたとき、課税所得は、
※配偶者控除の控除額38万円については下記で説明しています。

216万円総所得金額126万円所得控除 = 90万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

④次に所得税を計算
課税所得がわかったので、次に所得税を計算します。所得税は、

90万円課税所得 × 税率 = 所得税
所得税については、所得税とは?を参照。

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

90万円課税所得 × 5% = 45,000円
所得税率については、所得税率とは?を参照。
所得税については、所得税とは?を参照。

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約9万円かかります。

となります。

配偶者控除を適用しないと?
配偶者控除を申請しなければ、そのぶん課税所得が38万円増えるので、

(90万円 + 38万円)課税所得 × 5% = 64,000円

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約13万円かかります。

となり、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。配偶者控除が利用できる場合は忘れずに申請しましょう。

下記で配偶者控除込みの税金などが計算できます

手取りと税金をパッと計算!かんたんシミュレーション

では次に、配偶者控除の控除額について下記で説明していきます。多くの方は控除額38万円になります。


控除の金額は?
合計所得1,000万円から配偶者控除の対象外

下記表のとおり、配偶者控除の控除額は38万円です。
※控除額38万円で税金が38万円安くなるわけではありません。所得から38万円が控除されて所得金額が38万円減るので、かけられる税金も減るというしくみです。


ただし、収入の多いサラリーマンなどは控除額が減るので税金が安くなる効果も減ってしまいます。

合計所得金額が900万円(つまり、給与収入なら1,095万円)を超えると控除額が減っていくのがポイントです。
※控除額が減れば税金が安くなる効果も減ることになります。

控除額の一覧:1,000万円を超える高所得者は受けられない?

※参照:国税庁配偶者控除

配偶者控除の控除額
配偶者控除の控除額

合計所得1,000万円を超える人は配偶者控除の対象外?
配偶者控除を利用すると税金が安くなりますが、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が1,000万円を超えるひとは配偶者控除を利用することができなくなります。
※合計所得金額1,000万円とは、給与収入のみで1,195万円であり、高収入のサラリーマンなどは配偶者控除を利用することができないことを覚えておきましょう。

では次に、配偶者控除の申請方法について下記で説明していきます。年末調整または確定申告によって申請することになります。


配偶者控除の申請のやり方は?年末調整等
配偶者控除の申請方法

配偶者控除を受けると、税金が安くなるメリットを受けられます。夫婦にとってお得な制度なので必ず受けましょう。
※どれくらい安くなるかは上記で説明しています。


ただし、配偶者控除を受けるには年末調整で控除の申請をしなければなりません(年末調整を行う方に限ります)。
確定申告で申請する場合は下記で説明しています。


以下のページで年末調整の書き方と配偶者控除の申請方法を説明しています。利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整で配偶者控除の申請をする場合
配偶者控除の申請については、配偶者控除の申請(年末調整の記入例)を参照。
※今年に産休育休をとっている場合はこちらを参照。共働きでも配偶者控除が受けられる場合があります。

年末調整の書き方については年末調整の書き方見本・記入例を参照。

源泉控除対象配偶者については源泉控除対象配偶者とはを参照。

では次に、確定申告で申請する場合について下記で説明していきます。




確定申告で配偶者控除を申請する場合は?


確定申告で申請するときは申告書作成の際に「配偶者控除の項目」に記入すれば申請することができます。確定申告のやりかたは以下のページで説明しています。

今はネットでかんたんに確定申告書を作成することができます。作成した申告書を税務署に郵送すると申告完了となります。

※下記は確定申告で申請する場合の入力ページです。

下記の記事で会社員やアルバイトなどのパターン別に確定申告のやり方を載せています。

ネットで確定申告書を作成!確定申告のやり方

では次に、配偶者の年収の壁について下記で説明していきます。配偶者のパート収入などによって税金が安くなる金額が変わります。


配偶者の年収103万~201万の壁を把握しておこう

配偶者の1年間の収入によって税金が安くなる効果が変わってきます。

かんたんに説明すると、配偶者の合計所得が95万円(給料のみなら150万円)以下なら通常通り税金が安くなります。
※以下の表に「配偶者の年収の壁(ボーダーライン)」をまとめています。

配偶者の年収の壁まとめ

パート主婦の年収の壁
パート主婦の年収の壁

※上記は収入が給与収入だけの場合です。
上記の表の解説

たとえばパートをしている主婦が1年間に稼いだ金額が103万円を超えても、150万円以下なら夫の税金は通常どおり安くなります。しかし、それを超えて稼いでしまうと夫の税金が安くなる効果が徐々に無くなっていきます。そして、給与収入のみで年収が約201万円を超えると控除の対象外となります。
※年収103万円を超えたら配偶者特別控除に切り替わります。くわしくは下記の記事で説明しています。

配偶者特別控除とは?150万円までは変わらない?


控除対象配偶者とは?

控除対象配偶者とは、下記の条件1~5にすべてあてはまる配偶者のことをいいます。

たとえば夫が合計所得1,000万円以下であり、妻の合計所得が48万円以下なら、妻は「控除対象配偶者」となります。

控除対象配偶者の条件1~5
※参照:国税庁配偶者控除

  1. 民法の規定による配偶者であること
    ※内縁関係の人は該当しません。

  2. 納税者(配偶者控除を受ける方)の合計所得金額が1,000万円以下

  3. 納税者と生計を一にしており合計所得が48万円以下の配偶者であること。
    ※1年間の合計所得48万円以下とは、給与収入のみなら103万円以下のこと。
    ※給与所得についてはこちらで計算できます。
  4. 青色事業専従者として給与の支払いを受けていない
  5. 白色事業専従者ではない

※くわしくは控除対象配偶者とは?を参照。
※同一生計配偶者については同一生計配偶者とは?を参照。
※源泉控除対象配偶者については源泉控除対象配偶者とは?を参照。

自分が控除対象配偶者なのか、同一生計配偶者なのか気になる方は、上記の記事をチェックしておきましょう。


ここまでのまとめ

ここまで説明したように、配偶者控除は夫または妻の税金を安くしてくれる制度です。

1年間の合計所得が48万円以下(給料のみなら103万円以下)が対象になります。
※合計所得が133万円以下(給料のみで年収約201万円以下)なら配偶者特別控除の対象になります。

以下はここまでのまとめです。配偶者がいる方はチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ

配偶者控除は誰でも利用できる?
合計所得48万円(給料だけなら年収103万円)までは配偶者控除が適用される
※くわしくは上記で説明しています。


年収103万を超えてるけど大丈夫?
年収103万円を超えても配偶者特別控除の対象になる
※くわしくは上記で説明しています。


夫の税金はどれくらい安くなるの?
控除を利用すると約5万円~11万円税金が安くなる
※くわしくは上記で説明しています。


103万を超えると夫の税金は安くならないの?
配偶者の給与収入が150万円以下なら税金が安くなる効果が弱くならない
※くわしくは上記で説明しています。

以上が配偶者控除のまとめです。パート主婦などで年収103万円を超えたとしても配偶者特別控除の対象になることをしっかり覚えておきましょう。

また、配偶者のパート収入が150万円を超えてしまうと、税金が安くなる効果が徐々に弱まっていくことに注意してください。くわしくは配偶者特別控除ページで説明しています。