配偶者控除とは?わかりやすく解説。夫婦なら税金が安くなる!申請のやり方は?

2021.07.17 更新
働いてお金を稼げば納めなければならない税金。そんな税金の負担を軽くしてくれる配偶者控除って知っていますか?この記事では配偶者控除について簡単に紹介していきます。
この記事の目次
配偶者控除とは?妻または夫がいると税金が安くなる?

配偶者控除はいぐうしゃこうじょとは、妻または夫がいる方の税金の負担を軽くしてくれる制度です。

配偶者とは夫から見た妻、妻から見た夫のことをいいます。

配偶者控除はどちらか一方の配偶者が利用することができます。両方がお互いに利用することはできません。

この記事の要点

  • 合計所得48万円(給料だけなら年収103万円)までが配偶者控除の対象

  • 年収103万円を超えても配偶者特別控除の対象になる

  • 控除を利用すると約5万円~11万円税金が安くなる
配偶者控除でいくら安くなる?

年収にもよりますが、配偶者控除を利用すると税金の負担は約5~11万円ほど軽くなる場合が多いでしょう。

以下に年収別の例を示します。妻または夫がいる方はチェックしておきましょう。


配偶者控除でどれくらい安くなる?
たとえば、40歳以下夫婦子無し社会保険加入の方が配偶者控除を利用したとき。
 

配偶者控除を利用する方の年収 減額される税金
年収250~400万円のとき 所得税は19,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 所得税は38,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~900万円のとき 所得税は76,000円安くなります。
住民税は33,000円(固定)安くなります。

※所得税と住民税はこちらで計算

配偶者の収入が103万円を超えても大丈夫?控除の条件

配偶者控除を利用するためには、配偶者の1年間(1月~12月まで)の合計所得が48万円以下(つまり、給料なら年収103万円以下)でないといけません。

条件は以下のとおりです。

配偶者控除の条件

  • 民法の規定による配偶者であること
  • 納税者(控除を受ける人)と生計を一にしていること
  • 1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が48万円(つまり、給料なら年収103万円)以下であること

※青色申告者の配偶者で青色事業専従者にあてはまり、給与の支払を受ける方または白色申告者の配偶者で事業専従者にあてはまる方は、控除対象配偶者には該当しません。

ですが、年収103万円を超えても控除を利用できる制度があります。それは配偶者特別控除です。


「合計所得48万ってどういうこと?配偶者特別控除ってなに?」という方のために以下でわかりやすく説明していきます。

合計所得金額が48万円以下になる計算例
たとえば妻の収入が給与収入のみであり、1年間の収入が103万円だとすると、妻の給与所得は48万円となります。給与所得のほかに所得がないので合計所得金額は48万円となります。したがって、この場合の妻は配偶者控除の対象となります。

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得(合計所得金額)
給与所得控除についてはこちらを参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。
配偶者特別控除なら103万円を超えても大丈夫

給与収入が103万円を少し超えても税金の負担が急に重くならないための制度が「配偶者特別控除」です。配偶者特別控除は所得133万円以下(給料なら約201万円まで)なら夫の税金を安くしてくれます。

ただし、妻の給料が150万円を超えると、税金が安くなる効果がだんだん弱くなっていくのが特徴です。くわしくは以下のページで説明しています。

配偶者の年収の壁まとめ

たとえばパートをしている主婦が1年間に稼いだ金額が103万円を超えても、150万円以内なら夫の税金は通常どおり安くなります。しかし、それを超えて稼いでしまうと夫の税金が安くなる効果が徐々に無くなっていきます。

配偶者控除を利用しようとしている家庭は以下のパート主婦の年収の壁をチェックしておきましょう。

こんなページもみられています

配偶者特別控除とは?150万円までは変わらない?

控除の金額は?

配偶者控除の金額は以下のようになっています。

合計所得金額が900万円(つまり、給与収入なら1,095万円)を超えると控除額が減っていくのがポイントです。
※控除額が減れば税金が安くなる効果も減ることになります。

控除の金額

では、上記の控除金額38万円を適用したときの所得税をシミュレーションしていきましょう。

下記でサラリーマンの夫が配偶者控除を利用したときのシミュレーションをしていきます。

配偶者控除込みで所得税をシミュレーションしてみよう

給料をもらっている方が配偶者控除を利用したとき、税金がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。


①まず配偶者控除の対象になるかどうか。

まず自分の配偶者が控除の対象になるか確認します。たとえば、妻の収入が給与収入のみであり、年間収入が100万円の場合、給与所得は45万円となります。

100万円給与収入55万円給与所得控除  =  45万円給与所得
給与所得控除についてはこちらを参照。

妻の収入は給与収入のみなので、合計所得金額は45万円となります。

1年間の合計所得金額が48万円以下なのでは配偶者控除の対象となります。では次に、夫が配偶者控除を利用した場合の計算をしてみましょう。


ここから夫が配偶者控除を適用したときの計算
②夫の給与所得の計算
たとえば夫の収入が給与収入のみであり、年間収入が320万円のとき、給与所得は、

320万円給与収入104万円給与所得控除  =  216万円給与所得
給与所得については、給与所得とは?を参照。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

③次に課税所得を計算する(配偶者控除込み)
総所得金額は計算できたので(216万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、

216万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。所得控除を126万円(48万円基礎控除 + 40万円社会保険料控除 + 38万円配偶者控除)としたとき、課税所得は、

216万円総所得金額126万円所得控除 = 90万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

④次に所得税を計算
課税所得がわかったので、次に所得税を計算します。所得税は、

90万円課税所得 × 税率 = 所得税
所得税については、所得税とは?を参照。

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

90万円課税所得 × 5% = 45,000円
所得税率については、所得税率とは?を参照。
所得税については、所得税とは?を参照。

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約9万円かかります。

となります。

配偶者控除を適用しないと?
配偶者控除を申請しなければ、そのぶん課税所得が38万円増えるので、

(90万円 + 38万円)課税所得 × 5% = 64,000円

ちなみに上記の条件のとき、住民税は約13万円かかります。

となり、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。配偶者控除が利用できる場合は忘れずに申請しましょう。


年末調整での配偶者控除の申請のやり方は?

配偶者控除を利用するためには年末調整にて控除の申請をしなければなりません(年末調整を行う方に限ります)。

以下のページで年末調整の書き方と配偶者控除の申請方法を説明しています。利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整で配偶者控除の申請をする場合
配偶者控除の申請については、配偶者控除の申請(年末調整の記入例)を参照。

年末調整の書き方については年末調整の書き方見本・記入例を参照。

源泉控除対象配偶者などについては源泉控除対象配偶者および同一生計配偶者を参照。
確定申告の場合は?

確定申告で申請するときは申告書作成の際に「配偶者控除の項目」に記入すれば申請することができます。確定申告のやりかたは以下のページで説明しています。

今はネットでかんたんに確定申告書を作成することができます。作成した申告書を税務署に郵送すると申告完了となります。

まとめ

ここまで説明したように、配偶者控除は夫または妻の税金を安くしてくれる制度です。

1年間の所得が48万円以下(給料のみなら103万円以下)が対象ですが、所得が133万円以下(給料だけなら年収約201万円)なら配偶者特別控除の対象になるので税金が安くなります。

以下はここまでのまとめです。配偶者がいる方はチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ

  • 配偶者控除は妻または夫がいる方の税金を安くしてくれる

  • 合計所得48万円(給料だけなら年収103万円)までは配偶者控除が適用される
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 年収103万円を超えても配偶者特別控除の対象になる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 控除を利用すると約5万円~11万円税金が安くなる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 配偶者の給与収入が150万円以下なら税金が安くなる効果が弱くならない
    ※くわしくは上記で説明しています。

以上が配偶者控除のまとめです。パート主婦などで年収103万円を超えたとしても配偶者特別控除の対象になることをしっかり覚えておきましょう。

また、配偶者のパート収入が150万円を超えてしまうと、税金が安くなる効果が徐々に弱まっていくことに注意してください。くわしくは上記の配偶者特別控除のページで説明しています。