所得税・住民税関連
更新日:2022年9月24日
この記事では共働きをしている配偶者が産休育休で休んだときの収入と年末調整での配偶者控除の申請のやり方について説明していきます。
産休育休を取ったとき配偶者控除を受けれる?年末調整の書き方
この記事の目次


なぜ共働きで産休育休を取ったとき、配偶者特別控除を利用できるようになるの?



夫婦共働きであり、2人とも勤務先の社会保険に加入して働いている会社員などの場合、配偶者(特別)控除を利用できない場合がほとんどです。
※配偶者の合計所得が133万円を超えると控除の対象外になるため。

しかし、配偶者(たとえば妻)が産休・育休で賃金をしばらくもらっていない場合、配偶者控除の対象になります。

※産休・育休で支給される手当や給付金は非課税所得であり、収入(合計所得)に含まれないので控除の対象になる場合があります。
健康保険法第62条。
雇用保険法第12条。
※参照:国税庁所得税法


したがって、共働きで産休育休を取った場合は配偶者控除の申請をして税金を安くしてもらいましょう。
※配偶者控除で約5万円~11万円税金が安くなります。くわしくは配偶者控除を参照。

ただし、育休をとっても配偶者控除を受けられない場合もあります。くわしくは下記で説明していきます。


配偶者控除を利用できない場合もある



産休育休を取ったとしても配偶者控除を利用できない場合もあります。

配偶者(特別)控除を利用するには、下記のように所得があまり多くないことが条件です。

では、配偶者控除が受けられる場合と受けられない場合についてシミュレーションして説明していきます。

【所得の条件】
配偶者控除
合計所得48万円(給料のみで年収103万円)以下が対象。



配偶者特別控除
合計所得133万円(給料のみで年収約204万円)以下が対象。

※参照:国税庁配偶者控除


配偶者特別控除を受けられない場合

たとえば月収40万円の妻が8月1日から産休育休を取った場合。

この場合、妻の賃金は1月~8月まで支給されているので、1年間(1月~12月まで)の給与収入は320万円になります。したがって、給与所得は以下のようになります。
※給料が月末締め、翌月支払いの場合で8ヵ月分の賃金額。

320万円給与収入104万円給与所得控除 = 216万円給与所得(合計所得金額)
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。
※給与所得はこちらのシミュレーションで計算できます。

この場合、あなたの妻の1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が133万円を超えているので、配偶者特別控除対象外になります。したがって、夫は控除を受けることができません。

配偶者特別控除を受けられる場合

たとえば月収30万円の妻が5月1日から産休育休を取った場合。

この場合、妻の賃金は1月~5月まで支給されているので、1年間(1月~12月まで)の給与収入は150万円になります。したがって、給与所得は以下のようになります。
※給料が月末締め、翌月支払いの場合で5ヵ月分の賃金額。

150万円給与収入55万円給与所得控除 = 95万円給与所得(合計所得金額)
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。
※給与所得はこちらのシミュレーションで計算できます。

この場合、あなたの妻の1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が133万円以下なので、配偶者特別控除対象になります。したがって、夫は控除を受けることができます。

では次に、年末調整で配偶者控除を申請する場合について説明していきます。書き方をわかりやすく説明しています。

年末調整での配偶者控除の申請方法(書き方を説明)



では、年末調整で配偶者(特別)控除の申請するために、申告書に記入していきましょう。
※申告書は年末調整の時期に勤務先から配布されます。

夫と妻にわけて配偶者控除の書き方を説明していきます。
※2022年度(令和4年)の記入例は以下に示したとおりです。

夫または妻の申告書の書き方
配偶者控除を申請して税金を安くしたい場合、以下の申告書の欄(青枠の欄)に記入しましょう。
※給与所得者の基礎控除申告書
※給与所得者の配偶者控除等申告書


配偶者控除を受ける側(たとえば夫)の書き方
1年間(1月~12月まで)の賃金等が多い側が配偶者控除を受けてください。
配偶者控除を受ける方は下記の青枠欄(左右2つとも)に記入していきましょう。



配偶者控除を受けない側(たとえば妻)の書き方
1年間(1月~12月まで)の賃金等が少ない側は、下記の左側の青枠欄(基礎控除申告書)だけ記入していきましょう。
※配偶者控除は夫婦のどちらか一方しか適用されません。したがって、配偶者控除を受けない側は基礎控除申告書だけ記入すればOKです。

記入のやり方Part1
上記の左側の青枠欄(基礎控除申告書)の記入について説明していきます。
※基礎控除申告書は夫婦ともに記入してください。
手順①収入金額欄に「本人の1年間の年収(給料およびボーナス等の総支給額)」を記入する。その次に、所得金額欄に給与所得を記入する。
※12月までの給料等の正確な金額がわからなければ1年間の見込み額でOK。
※給与所得についてはこちらで計算できます。
※産休や育休の給付金は非課税所得なので給与収入に含まれません。

手順②給料以外の収入があれば記入する。
給与所得以外の所得とは、たとえば副業(ブログやウーバー、YouTubeの広告収入など)で手に入れた雑所得など。ただし、副業が禁止されている会社に勤めている場合、この項目に記入して副業をしていることがバレてしまうと契約違反で注意されてしまう可能性があります(会社によっては解雇されてしまう場合も)。したがって、副業でたくさんお金を稼いでいる方はこの項目は空欄にして自分で確定申告することをおすすめします。確定申告をする際は副業がバレないように手続きをすることをオススメします。

手順合計所得金額の見積額を記入する。
手順④合計所得金額の見積額に該当する判定結果にチェック
手順⑤区分Ⅰに手順④の判定結果のA,B,Cを記入する
1,000万円超えの場合は配偶者控除等は適用外となるので区分Ⅰは空欄。
手順⑥手順④の判定結果に沿って48万円、32万円、16万円のいずれかを記入する
給与所得については、給与所得とは?を参照。
記入のやり方Part2
上記の右側の青枠欄(配偶者控除等申告書)の記入について説明していきます。
配偶者控除等を受ける側が記入してください。
手順配偶者の氏名、個人番号、生年月日等を記入する。
※個人番号は勤務先によって記入しなくてよい場合があります。
※控除対象の配偶者が海外にいる場合は非居住者に〇をつける。
※非居住者に〇をつけた場合は生計を一にする事実に送金額を記入する。
※非居住者とは国内に住所をもっておらず、1年以上国内に住んでいない方をいいます。

記入のやり方Part3
手順⑧配偶者の1年間の給料(総支給額)を記入し、所得金額欄に給与所得を記入する。
※12月までの給料等の正確な金額がわからなければ1年間の見込み額でOK。
※給与所得についてはこちらで計算できます。
※産休や育休の給付金は非課税所得なので給与収入に含まれません。

手順⑨給料以外の収入があれば記入する。
※たとえば雑所得があったり、配偶者が老後の年金を受けている場合など。
※年金についての所得はこちらで計算できます。

手順合計所得金額の見積額を記入する。
手順⑪合計所得金額の見積額に該当する判定結果にチェック
手順⑫区分Ⅱに判定結果を記入する

※配偶者控除については配偶者控除とは?夫婦なら税金が安くなる!を参照。
※配偶者特別控除については配偶者特別控除とは?を参照。

記入のやり方Part4
手順⓭区分ⅠがA、区分Ⅱが③なので、対象となる控除は配偶者特別控除の380,000円となる
手順⓮配偶者特別控除の欄に控除額を記入する。
※区分Ⅱが①か②なら配偶者控除の欄に控除額を記入する。

※配偶者特別控除については配偶者特別控除とは?を参照。

配偶者控除等の申告書への記入はここまでです。そのほか年末調整の書き方については下記の記事を参照。