年末調整とは?わかりやすく解説。確定申告との違いは?

2023.05.03 更新

大人でもよくわかっていない「年末調整」。毎年1年に1回しか関わることがないのでなかなか覚えられないのも仕方ありません。この記事では年末調整とは何か、対象者、年末調整をしないとどうなるのか等についてわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
この記事のポイント(要点まとめ)


なんで年末調整でお金が戻ってくるの?
源泉徴収された税金(給料などから勝手に引かれる所得税)が多過ぎたため。逆に少なかったときには年末調整で税金が徴収される。
※くわしくは下記で説明しています。


年末調整はいつからいつまでの収入が対象?
今年1月~12月に支払われた給与等についての税金を精算するのが年末調整。
※くわしくは下記で説明しています。


年末調整ってみんなやるの?
退職していない人は年末調整の対象。
※くわしくは下記で説明しています。


年末調整で戻ってくる税金はいつの給与に反映されるの?
年末調整で戻ってくる税金(または徴収される税金)は12月または翌年1月の給料が支払われるときに反映されます。
※くわしくは下記で説明しています。


年末調整をするにはどうすればいいの?
勤務先から配布される「年末調整の書類」を提出すればOK。書類は10月~11月頃に渡されることが多い。
※くわしくは下記で説明しています。


年末調整をしないとどうなるの?
年末調整をしていないひとは税金を支払い過ぎの状態になってしまう場合がある。税金が足りない場合、罰則が与えられる場合がある。
※くわしくは下記で説明しています。


確定申告と年末調整の違いはなに?
簡単に説明すると、確定申告は自分で精算する手続き。年末調整は会社にやってもらうための手続き。
※くわしくは下記で説明しています。


年末調整とは?何のためにするの?
年末調整の概要

年末調整とは、1年間(1月~12月まで)に支払われる給料などについての税金額(所得税)の過不足を調整してくれる制度です。

あなたが支払った税金が多すぎたり少なかったりしたときに、給料等の支払者(会社など)が正確な金額になるように精算してくれます。
※なぜ年末調整が必要になるのかチェックしておきましょう。
※学生向けに説明した年末調整についてはこちらのページを参照。

STEP①会社員やアルバイトの方は給料から税金が引かれる

会社員やアルバイトなどの方は給料をもらうときに、あらかじめ税金(所得税)が徴収されます。給料から差し引かれる税金(所得税)はおおざっぱな金額になります。
※これを源泉徴収といいます。
あなたが1年間(1月~12月まで)にどれだけ稼ぐか正確にはわからないため、国税庁の源泉徴収税額表を参考にしておおざっぱな目安の税金額(所得税)が引かれることになります。
※出典:国税庁源泉徴収税額表


STEP②年末調整をすると払い過ぎた税金が返ってくる

勤務先は従業員から税金を「おおざっぱ」に引いていましたが、年末最後の給料をわたすときに1年間の正確な税金(所得税)を計算して、余計に引いていた税金を返してくれることになっています(これを年末調整といいます)。
※税金額が少ない場合には追加で徴収することになります。


年末調整の対象者は?

年末調整の対象となる人は以下のとおりです。

かんたんに説明すると、退職してないひとは年末調整の対象になります。
※パートやアルバイトなどの方も勤務先をやめなければ年末調整の対象になります。

ただし、以下で説明するように退職したひとでも年末調整の対象になる場合があります。退職予定の方はチェックしておきましょう。

年末調整の対象者

  • 1年を通じて勤務している人(つまり退職していないひと)
  • 中途で就職し、年末まで勤務している人

※出典:国税庁年末調整の対象となる人

こんなときは年末調整の対象にならない
下記のような場合には年末調整の対象から外れます。

※ただし、下記のような場合には年の中途でも年末調整の対象となります。

  • 海外支店等に転勤したことにより非居住者となった人
  • 死亡によって退職した人
  • 著しい心身の障害のために退職した人(退職後に再就職をして給与等の支払が見込まれる人は除く。)
  • 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
  • いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)

※出典:国税庁年末調整の対象となる人


年収103万以下でも年末調整したほうがいい?
給料が少なくても年末調整はしたほうがいい

アルバイトをしている学生は「年末調整ってなに?全然わからない」という方がほとんどだと思います。

給料がおこづかい程度の金額なら税金もかからないし、「年末調整なんてしなくても関係ない!」と考えている方もいると思います。
※給与収入のみで年収103万円以下なら所得税が0円になります。
住民税については年収100万円(市区町村によっては98万円や93万円の場合があります)から課税されます(未成年の場合は約204万円まで0円)。



ですが、毎月の給料がそれほど多くなくても所得税が引かれてしまうことがあります。この場合、年末調整をしないと給料から税金が引かれたままになってしまいます。

給料が少なくても税金が引かれるの?

年収103万円以下のアルバイトだとしても、源泉徴収によって給料から税金が引かれている場合があります。

この場合、年末調整または確定申告をしなければ税金が返ってきません。したがって、年収103万円以下だとしても年末調整をすることをオススメします。

※なぜおこづかい程度の給料でも税金が引かれるのかについては下記の記事で説明しています。

アルバイト先の給料少ないのに税金が引かれている?なんで?


年末調整はいつやるの?
12月にやる

年末調整が行われる時期は年末12月、その年の最後の給与が支払われる月です。

年末調整によって税金が還付(または足りなければ徴収)されます。年末調整で精算された税金は12月もしくは翌年1月の給与に反映されます。
※12月もしくは翌年1月に税金が戻ってくる、または追加で納税することになります。

会社によって年末調整の書類の提出期限が決められている場合があるので、早めに提出しましょう。
※年末調整関係書類を税務署等へ提出する期限は翌年1月31日なので、それまでに支払者(会社など)は年末調整を終わらせなければなりません。


年末調整をするには?書類を提出しないとダメ?
期限内に年末調整の書類を提出する

従業員が年末調整を受けるには給与所得者の扶養控除等申告書を提出しなければなりません。
※正社員でもパート・アルバイトの方でも同じように申告書を提出することになります。


したがって、期限までに年末調整の書類を提出しないと、年末調整をやってくれないので気をつけましょう。
※年末調整が行われる時期は上記で説明しています。


「給与所得者の扶養控除等申告書」が年末までに勤務先から配布されるので、氏名等を記入したら提出しましょう。
※10月~11月頃に配布されます。

年末調整の書き方は?

勤務先に提出する年末調整の書類(給与所得者の扶養控除等申告書)を初めて見るひとにとっては何が書いてあるかよくわからないと思います。

年末調整の書き方や手順については下記の記事でわかりやすく説明しているので、「難しくて書き方が全然わからない…」という方は参考にしてみてください。

ちなみに、学生のアルバイトや独身の会社員などは、記入する項目がそれほど多くないので安心してください。勤務先から年末調整の書類を渡されたら上記の記事を参考にしてなるべく早めに(会社で決められた期限までに)提出しましょう。


確定申告と年末調整の違いはなに?
年末調整は会社がやる、確定申告は自分でやる

かんたんに説明すると、確定申告は「納税する税金額を自分で精算する手続き」のこと。


年末調整は「納税する税金額を支払者(会社など)に精算してもらう手続き」のことです。


それぞれの違いをかんたんに下記にまとめました。

それぞれどんな違いがある?

年末調整 確定申告
会社に税金の精算をしてもらう。 自分で税金の精算をする。
12月最後の給料が支払われるときに会社がやってくれる。 翌年の2月16日~3月15日までの間に確定申告書を税務署に提出する。
精算してくれるのは今年(1月~12月まで)の税金についてだけ。 過去の税金についても精算できる。
医療費控除や雑損控除などは申請できない。 年末調整で申請できないことも確定申告ならできる。

※確定申告については確定申告とは?で説明しています。


年末調整をやってくれないときは?
年末調整をしなくても確定申告をすれば精算できる

会社などの源泉徴収義務者は、従業員に対して年末調整をしなければいけません。

しかし、いろいろな理由で年末調整をやってくれないような職場に勤めている方もいると思います。

そんなときは確定申告をすれば問題ありません。確定申告で税金の精算ができるので安心してください。
※確定申告をすれば罰金などのペナルティを与えられることはありません。

1月以降に勤務先から源泉徴収票が配布されるので、源泉徴収票が用意できたら確定申告をしましょう。
※ネットで作成できるのでサッと申告を終わらせましょう。

退職して年末調整をしてもらっていないひとは?

年の中途で退職した人は年末調整の対象外になってしまいます。したがって、年末調整をしてもらう前に退職した場合は「税金を納め過ぎている」状態になってしまいます。
※場合によっては納めた税金が足りないときもあります。

なので、支払い過ぎた税金を返してもらいたい場合は確定申告をすることになります。
※年内に再就職する場合は再就職先で年末調整をしてもらいましょう。

また、退職したら社会保険から国民健康保険や国民年金に移行する手続きもしないといけないので注意しましょう。

年末調整を2カ所でやってもらった場合はどうなる?

ダブルワークなどをしているひとは、2つの勤務先で年末調整をしてしまうと正しい税金額が計算されない場合があります。

そのため、ダブルワークをしているひとは確定申告をして税金を納めることになります。

ただし、稼いでいる金額によっては確定申告をしなくてもいい場合があります。くわしくは以下のページで説明しているのでダブルワークをしている方はチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ(年末調整をしないとどうなる?)
年末調整をしないと税金を精算できない

年末調整をやらないとどうなるかというと、税金を支払い過ぎている状態または支払う税金が足りていない状態になってしまいます。

あとから年末調整をしてほしいとお願いしても、提出期限を過ぎてしまうと受け付けてもらえません。
※「年末調整の書類を渡されたけど、何もわからなくて提出していない」という方もいると思います。

なので、年末調整をしていない方は確定申告をして税金の精算をしましょう。
※支払い過ぎた税金がある場合、確定申告をすれば税金が戻ってきます。

年末調整をしてないひとはチェック

年末調整の書類を提出していない方は確定申告をしなければ税金を精算できません。今はネットで簡単に確定申告書が作成できるので、年末調整をしていないアルバイトの方や会社員はサッと確定申告をして税金の精算しましょう。
くわしくは下記の記事で説明しているので該当する方はチェックしておきましょう。

年末調整の書き方は下記の記事で説明しています。記入の仕方がわからない方は参考にしてみてください。
年末調整の書き方見本。記入例とともに説明

年末調整は、給料をもらって働く従業員のための手続きです。会社員だけでなく、アルバイトやパートをしている方も忘れずに提出しましょう。