年末調整を2箇所でしてしまった!だけど何が問題なの?

2022.04.24 更新

アルバイト等を掛け持ちしており、わけもわからずそれぞれの勤務先に年末調整をしてしまったひともいると思います。この記事では年末調整を複数の勤務先でしてしまった場合について説明していきます。
この記事の目次
年末調整はどの勤務先で行う?2か所でやっても意味ない?

アルバイトのかけもちなどで勤務先が複数ある人は、年末調整主に勤務している職場で行うことになります。
※ただし、複数の職場で勤務している人は年末調整をしても正確な税金額が計算されないので確定申告をすることになります(ページ下記で説明するように確定申告が不要なときもあります)。年末調整とは1年間に支払う税金を正確に調整する手続きのこと。


ほかの職場でも年末調整を行ってしまうと所得控除が重複して適用されてしまうため、本来支払わなければいけない税額よりも少なくなってしまう場合があります。


すべての勤務先で年末調整を行っても正確な税金を支払ったことにはならないので気をつけましょう。
※そのまま知らんぷりしていると税金が加算されるなどの罰則を与えられる場合があります。

この記事の要点

  • 2か所で年末調整すると税額が正確でない場合がある。

  • 2か所で年末調整した場合でも確定申告をすれば問題ない。

  • 副業などが禁止されている場合は確定申告に注意。

  • ダブルワークをしていても確定申告しなくていいときがある。

では最初に、2か所で年末調整をしてしまった場合について下記で説明していきます。ダブルワークなどをしている方はチェックしておきましょう。


2か所で年末調整をしてしまったときは?
2か所で年末調整をしてしまったときは?

上記で説明したとおり、複数の勤務先で年末調整を行っても支払う税金額が正確に計算されません。
※所得控除が重複して適用されてしまうため


したがって、ダブルワークなどをしている場合には確定申告をして税金を支払うことになります。
※年末調整で扶養控除等申告書を二つ出してしまった…という方は確定申告をしましょう。


2か所の勤務先で年末調整をしてしまっても、確定申告をして正確な金額を支払えば特に問題はありません。
※※副業が禁止されており、ダブルワークをしていることがバレたくない場合は注意しましょう。給与支払報告書が市区町村に提出されているので、基本的にはダブルワークをしていることが主な勤務先に伝わることになります。

合計で年収103万円以下なら問題ない?

複数の勤務先で年末調整を行っても支払う税金額が正確に計算されませんが、合計収入が103万円以下なら年末調整をしても問題ありません。


なぜかというと、給与収入が103万円以下だと所得税がかからない(0円になる)ので複数の職場で年末調整をしても脱税になることはありません。
※所得税が0円になる理由についてはこちらで説明しています。

したがって、ダブルワークをしていても年収が103万円以下なら不安になる必要はありません。気にせずに年末調整をしても構いません。

※源泉徴収されている場合は年末調整をすれば所得税が返ってきます。
※確定申告をしたとしても所得税は0円になるので問題ありません。
※収入が100万円を超えると住民税がかかりますが、その場合はお住まいの地域から納付書が送られてくるので、そのときは忘れずに住民税を納めましょう(市区町村によっては97万円や93万円で住民税がかかる場合があります)。

では次に、2カ所以上で勤務している場合の確定申告について下記で説明していきます。なぜ確定申告が必要なのかについても説明しています。


2か所以上で勤務している場合は確定申告をしましょう

確定申告とは簡単に説明すると、1年間の稼ぎを申告して税金を納める手続きのことです。


アルバイトやパートなど2つ以上の職場をかけもちして働いている方は確定申告が必要になる場合がほとんどです。


なぜかというと、勤務先が複数ある場合には年末調整で正確な税額が計算されないため、自分で確定申告をして税金を納めなければならないのです。
※ただし、次の項目で説明するように確定申告が必要ないときもあるのでチェックしておきましょう。

2か所以上で勤務している場合の確定申告やりかた

今はネットでかんたんに確定申告書を作成できます。作成した申告書を郵送して確定申告を終わらせましょう。
また、確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日までに申告をしましょう。

※遅れても申告はできますが税金が加算される場合があります。

確定申告のながれ
STEP➊2枚の源泉徴収票など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送し、税金を支払う(または税金が払い戻される)

もし、確定申告をするのが不安な方は試しにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
※税務署に郵送する申告書に正しい金額を入力すれば問題ないので、ためしに申告書を何枚も作ってみましょう。

では次に、確定申告が必要ないときについて下記で説明していきます。


確定申告をしなくてもいいときもある

ダブルワークなどで複数の勤務先をかけもちしていても、以下の条件のどれかにあてはまるときには確定申告をする必要はありません(収入が給料のみである場合)。


「確定申告をするのが面倒くさい」という方は以下の条件のどちらかにあてはまるようにしておきましょう。
※ただし、確定申告をすると税金が戻ってくる場合があるので申告することをオススメします。


また、副業が禁止されている会社員などの場合、ダブルワークしていることがバレてしまう可能性があるので注意しましょう。
給与支払報告書が市区町村に提出されているので、基本的にはダブルワークをしていることが主な勤務先に伝わることになります。
※くわしくはアルバイトのかけもち等のダブルワークはバレてしまう?を参照。

確定申告をしなくていい場合の条件
  • 給料を2つ以上の勤務先から受けており、年末調整されなかったほうの給料が1年間(1月~12月まで)で20万円以下のとき
  • 勤務先の給料の合計が1年間(1月~12月まで)で150万円以下のとき
    ※片方の勤務先で年末調整を受けている場合。
  • ※収入が給料のみである場合。
    ※出典:国税庁給与所得者で確定申告が必要な人

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では次に、勤務先が複数だと正しく税金の計算がされないのはなぜかについて下記で説明していきます。


勤務先が複数だと正しく税金の計算がされないのはなぜ?

たとえば片方の勤務先の給料が1年間で80万円、もう片方の勤務先の給料が50万円だったとします。

どちらの給料も103万円以下なので、それぞれの勤務先で年末調整を行った場合、どちらの勤務先でも税金は0円になってしまいます。
※なぜ103万円以下は所得税が0円になるのかについてはこちらの計算過程を参照。


ですが、本来はそれぞれの給料を足し合わせて税金額を計算することになります。


上記の場合、それぞれの給料(80万円と50万円)を足し合わせると130万円となります。この金額をもとに税金を計算することになります。

では、具体的に金額をあてはめてシミュレーションしてみましょう。

【ダブルワーク計算例】
まず給与所得を計算する
2つの勤務先の給与収入の合計が1年間(1月~12月まで)で130万円とすると、給与所得は、

130万円給与収入55万円給与所得控除 = 75万円給与所得
給与所得については、給与所得とは?を参照。

となります。他に所得がないので75万円が総所得金額となります。

次に課税所得を計算する
総所得金額がわかったので、次に課税所得を計算します。所得控除を48万円とすると課税所得は、

75万円総所得金額48万円所得控除 = 27万円課税所得
所得控除とは:税金を安くしてくれるもの。ここでは計算をわかりやすくするために基礎控除のみとしています。
課税所得とは:税金がかけられる所得のこと。

となります。

次に所得税の計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は

27万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

27万円課税所得 × 5% = 13,500円所得税
所得税率については、所得税の税率を参照。
所得税については、所得税とは?を参照。

となります。以上のように、2つの勤務先で働いている場合は給料を合算して税金の計算をすることになります。
※ちなみに上記の場合、住民税は約30,000円になります。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、2か所の勤務先から給料をもらっているひとは2か所で年末調整をしても税金が正しく計算されません。


したがって、ダブルワークをしているひとは基本的に確定申告をすることになります。
※それぞれの勤務先から配布された源泉徴収票(勤務先が2つなら2枚)を用意して、確定申告をする際に源泉徴収票の内容を入力しましょう。


大事なポイントは、稼いだ金額が少なければ確定申告をしなくてもいいことです。しっかりチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ

  • 複数の職場で勤務している人は年末調整をしても正確な税金額が計算されない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 2か所の勤務先で年末調整をしてしまっても確定申告をすれば問題ない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 勤務先が複数の場合、それぞれの勤務先の給料を合計して税金の計算をしなければいけない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • ダブルワークで稼いだお金がそれほど多くなければ確定申告はしなくていい
    ※くわしくは上記で説明しています。

ダブルワークをしているひとは上記でも説明したように基本的に確定申告が必要になるので、どれくらい税金を支払うことになるか、下記の記事でザッと把握しておくことをオススメします。