アルバイト先に年末調整を出し忘れた…しないとどうなる?

2022.06.03 更新
アルバイトやフリーターなどの方は年末調整のときに何を書けばいいのか全然わからなくて「提出しないでそのままにしている」なんてことが多いと思います。この記事では年末調整をしていないとどうなるのか等について説明していきます。
この記事の目次

アルバイトやパートで年末調整をしないとどうなる?
年末調整をしないと税金が返ってこない

年末調整の書類を出し忘れたりなどで、年末調整をしていない方(とくに高校生や大学生など)は多くいます。
※年末調整とは、簡単に説明すると「年末に税金の調整を会社にしてもらう」手続きです。


年末調整をするための書類をアルバイト先に提出しないでそのままにしていると「支払い過ぎた税金が返ってこない」状態になってしまいます。
※納めた税金額が足りない場合でも同様です。この場合、罰則(税金の加算など)が与えられることがあるので注意しましょう。


そのままにしていても税金が戻ってくることはありません。年末調整をしていないフリーターの方やパート主婦、学生・派遣などの方はどうすればいいのかチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 年末調整をすると勤務先が税金を調整してくれる。

  • 年末調整をしていないと支払い過ぎた税金が戻ってこない。

  • 年末調整を忘れた場合は確定申告をすると税金が戻ってくる

  • 年収103万円以下なら所得税は0円なので、年末調整をしたほうがいい。

では最初に、年末調整のながれについて下記で説明していきます。そもそも「年末調整ってなんなの?」という方はチェックしておきましょう。


年末調整をしないと税金が返ってこない?年末調整の流れは?

年末調整をしないと支払い過ぎた税金は返ってきません。
※納めた税金額が足りない場合は、年末調整をしなければそのままになってしまい、罰則を与えられることがあります。


「年末調整ってなに?」という方もいると思うので、年末調整の流れ(年末調整をしていないとどうなるのか)を以下で説明していきます。


アルバイトを始めたばかりで、税金などについて何もわからない高校生や大学生などはチェックしておきましょう。

年末調整の流れをザッと解説

STEP①給料から税金が引かれる(源泉徴収)

源泉徴収でおおざっぱに税金を徴収する
源泉徴収でおおざっぱに税金を徴収する

会社員やアルバイトなどの方は勤務先から給料をもらうときに同時に税金が徴収されます。なぜかというと、会社はあらかじめ従業員の給料から税金を差し引かないといけない決まりになっているためです。
※これを源泉徴収といいます。

また、給料から差し引かれる税金はおおざっぱな金額になります。

※1年間にどれだけ稼ぐか正確にはわからないため、国税庁の源泉徴収税額表を参考にしておおざっぱな目安の税金額が引かれることになります。
※出典:国税庁源泉徴収税額表

STEP②年末調整をすると払い過ぎた税金が返ってくる

年末調整で税金を精算する
年末調整で税金を精算する

従業員から税金を「おおざっぱ」に引いていましたが、年末最後の給料をわたすときに1年間の正確な税金を計算して、余計に引いていた税金を返してくれることになっています(これを年末調整といいます)。
※逆に納税額が本来より少ない場合には徴収されることもあります。

STEP③年末調整をしていない…どうなる?
年末調整の書類を会社に提出し忘れると「1年間の正確な税金」を調整してくれません。なので、税金を支払い過ぎている場合でも税金は返してもらえません。

たとえば「そんなに稼いでいないのに給料から税金が引かれてる…」という方も、1年間に稼いだ金額が103万円以下なら所得税は0円なので税金は返金されますが、年末調整の書類を提出しなければ返金されません。

※所得税が0円になる理由についてはページ下記で説明しています。
※そんなに稼いでいないのに給料から税金が引かれてる場合についてはアルバイト先の給料少ないのに税金が引かれている?なんで?を参照。

では次に、年末調整をしてない人はどうすればいいのかについて下記で説明していきます。確定申告がキーワードです。


年末調整をしてなくてもお金が戻ってくる?確定申告をしよう
年末調整をしてなくても確定申告をすれば税金が戻ってくる

年末調整をやっていない人は永久に税金が返ってこないわけではありません。


年末調整の書類を出し忘れてしまった人は確定申告をすると、支払い過ぎている税金がキャッシュバックされます。
※何らかの理由で年末調整をしてくれない職場に勤めている方も確定申告をすることをオススメします。


勤務先からもらった源泉徴収票があれば、アルバイトや会社員の確定申告はとても簡単にできます。年末調整の書類を出していない人は確定申告にトライしてみましょう。
※源泉徴収票は1月頃に勤務先から配布されます。源泉徴収を無くした等で手元にない場合は再発行してもらいましょう。


年末調整を忘れたときの確定申告のやり方は以下のとおりです。

確定申告で税金を返してもらうには?いつまでにやればいいの?


今はネットでかんたんに申告書を作成できるので、今まで一度も確定申告したことがないというアルバイトなどの方も安心してください。また、税金を返してもらう手続きは年末調整をやり忘れた年の翌年1月1日以降から受け付けてもらえます。

※たとえば、2020年1月~12月までの収入における税金を返金してもらう場合は2021年の1月以降に確定申告をすればOKです(5年以内までなら返金を受け付けてくれます)。なので、「確定申告をし忘れた!」とあせる必要はありません。源泉徴収票を用意して、5年以内に確定申告をして税金を返してもらいましょう。

確定申告のながれ
STEP➊源泉徴収票など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払うまたは支払い過ぎた税金がキャッシュバックされる)

確定申告の手順は下記の記事で説明しています。

年末調整を忘れたときの確定申告のやりかた

もし、確定申告をするのが不安な方は試しにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。
※税務署に郵送する申告書に正しい金額を入力すれば問題ないので、ためしに申告書を何枚も作ってみましょう。



年収103万円以下なら年末調整をしたほうがいい?
年収103万円以下でも年末調整をしておく

アルバイトやパート主婦の方は収入が給料のほかに無く、1年間の収入が103万円以下なら所得税はかかりません(所得税が0円)。

したがって、「あんまり給料をもらっていないのにバイト先から税金が引かれてる…」という方は、年末調整をすれば税金がキャッシュバックされます。

アルバイトをしている高校生や大学生などは、なるべく年末調整をすることをオススメします。
※学生なら記入する項目も少なく、とても簡単です。
※記入例は2021年分 年末調整の書き方で説明しています。


なんで所得税が0円になるの?

なぜ年収103万円だと所得税が0円になるのかというと、所得控除48万円によって課税所得が0円になるからです。くわしくは下記で見ていきましょう。
※ただし、住民税は100万円を超えるとかかります(市区町村によっては97万円などの場合があります)。
※未成年は約204万円まで住民税が0円になります。くわしくは住民税が0円になる場合を参照。

所得税がかからない(0円になる)場合の計算例

たとえば1年間(1月~12月まで)の給与収入が103万円の場合、給与所得は、

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得
給与所得や給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。

となります。給与所得以外に所得がないので、48万円が総所得金額となります。

したがって、所得税は以下のようになります。

❶課税所得を計算する

48万円総所得金額48万円所得控除 = 0円課税所得
所得控除48万円は一律に差し引かれる基礎控除です。
課税所得とは:税金がかけられる所得。



❷所得税を計算する

0円課税所得 × 所得税率 = 0円所得税
※所得税については所得税とは?を参照。

以上が所得税が0円となる理由です。
所得控除額がもっと多ければ収入が103万円以上でも所得税はかかりません。ただし、住民税については一定以上の収入で課税されます。くわしくは住民税が0円になる場合を参照。

では次に、アルバイトなどを掛け持ちしている場合の年末調整について下記で説明していきます。


アルバイトやパートを掛け持ちしている場合は?

アルバイトやパートを掛け持ちしている場合、基本的には確定申告が必要になります。


それぞれの勤務先で源泉徴収や年末調整をしてもらっても、正確な税金額が計算されないため、確定申告で精算をする必要があります。
ダブルワークの税金の計算、社会保険や雇用保険の扱いなどについてくわしく知りたい方は下記の記事をチェックしておきましょう。確定申告をしなくていい場合についても説明しています。
ダブルワークの税金や社会保険をわかりやすく解説



支払い過ぎた税金がある場合、確定申告をしないと戻ってこないので、なるべく確定申告をすることをオススメします。
※それぞれの勤務先から源泉徴収票をもらったら、確定申告をしましょう。

下記の記事で確定申告書をサッと作成して提出しましょう。
勤務先が2ヶ所以上ある場合の確定申告のやりかた

年末調整をしないと罰則はある?

年末調整は、従業員を雇っている会社側の「義務」です。したがって、給与などの支払者(会社側)が年末調整を従業員に対して行わなかった場合、罰金などの罰則が与えられます。


従業員が年末調整をしなかった場合は罰則はありません。しかし、納めた税金が足りないのに年末調整をしなかった場合、確定申告をして税金を納めなければいけません。

納めた税金が足りないのに年末調整をしないで、さらに確定申告もしない場合、罰則が与えられて税金が加算されてしまう場合があるので注意しましょう。
※「無申告加算税」や「延滞税」で税金が加算されてしまう。
※参照:国税庁確定申告を忘れたとき


税金を払い過ぎたのに年末調整をしないと?

納めた税金が必要以上に多かったときに、従業員が年末調整をしなかったとしても何も罰則はありません、ただし、そのまま税金が返ってこないままになります。
※5年以内に確定申告をしないと支払い過ぎた税金は戻ってきません。

したがって、アルバイトをしている方も会社員の方も、年末調整の書類の提出を忘れないように気をつけましょう。

ここまで説明したように、年末調整の書類を出し忘れてそのままにしていると「税金を支払い過ぎ、または足りない」状態になってしまいます。年末調整していない方はネットで確定申告をサッと終わらせましょう。

もしも確定申告書を作成するのが不安な方は、上記の記事を参考にしながら申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。