後期高齢者医療制度とは?保険料などわかりやすく解説

2021.07.24 更新
高齢者の方が関わる後期高齢者医療制度。「よくわからないうちに加入していた!」と不安になる方もいると思います。この記事では後期高齢者医療制度について簡単に説明していきます。
この記事の目次

後期高齢者医療制度ってなに?

後期高齢者医療制度とは、国の医療保険のうちのひとつです。

75歳になるとそれまで加入していた医療保険から自動的に移行することになります。
※運営は各都道府県にある後期高齢者医療広域連合が行っています。

※65歳以上75歳未満で一定の障害がある方(本人の申請に基づき、広域連合の認定を受けた方)は後期高齢者医療制度の被保険者となります。
医療保険は大きく分けると4種類

国の医療保険は大きく分けると4種類あり、国民はどれかに加入することになっています。

大人も子供も関係なく、すべての方は以下の医療保険のどれかに加入しなければなりません。

以下のとおり、75歳以上の方は後期高齢者医療制度に加入することになっています。

医療保険はこのように分けられています


健康保険
サラリーマンまたはその家族などが加入する

共済組合
公務員またはその家族などが加入する

後期高齢者医療制度
75歳以上の方が加入する

国民健康保険
フリーランス・スポーツ選手・アーティスト・タレント・無業者・個人事業主など上記3つ以外の方が加入する
保険料は?どれくらい?

後期高齢者医療制度の保険料は以下のようになっています。

「所得割」「均等割」の合計で1年間の保険料が決定されます。
所得割とは前年の所得に応じて計算される部分です。
均等割とは加入者の数に応じて計算される部分です。

保険料の計算式

所得割:(前年の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数

所得割の計算についてはこちらを参照。

例)年間収入が年金のみで収入が153万円以下の場合の保険料は?

1年間(前年1月~12月まで)の収入が年金のみで153万円以下の場合、1年間の保険料は13,230円(7割軽減)になります。
※東京都、所得割額0円、均等割額44,100円、本人が世帯主、加入者数1人として計算。

●計算過程
保険料は所得割と均等割の合計となります。まず所得割をもとめるために年金についての所得金額を計算します。年金についての所得は、

153万円年金収入110万円公的年金控除 = 43万円年金についての所得(雑所得)
※公的年金控除についてはこちらで説明しています。

となります。年金についての所得(雑所得)がわかったので所得割を計算します。所得割は、

(43万円雑所得 – 43万円) × 所得割率 = 0円所得割額
※43万円はすべての方が一律に引かれる控除です。

となります。次に均等割を計算します。加入者は1人なので均等割は、

44,100円均等割 × 1人加入者数 = 44,100円均等割額

となります。次に所得割と均等割を合計して保険料を計算します。保険料は、

0円所得割額 + 44,100円均等割額 = 44,100円保険料

となります。また、世帯主が本人、被保険者数は本人のみであり、世帯の所得が43万円以下なので保険料が7割減され、

44,100円保険料 × 0.3 = 13,230円1年間の保険料
※世帯の総所得金額等の合計が43万円+(公的年金の所得者または給与所得者の合計数※-1)×10万円 以下の場合は7割減されます。
※公的年金または給与所得者の合計数とは、同じ世帯にいる公的年金等収入が125万円超または給与収入が55万円を超える被保険者および世帯主の合計人数。
※65歳以上の公的年金所得については、その所得から15万円を控除した金額が判定対象となります(公的年金所得が15万円以下の場合は0円となります)。

となります。以上のように、1年間(前年1月~12月まで)の収入があまり多くなければ後期高齢者医療制度の保険料はそれほど高くありません。
※注意:所得割や均等割などの金額はお住まいの地域によって変わります。くわしくはお住まいの地域の後期高齢者医療制度ページを参照。

例)年間収入が年金のみで収入が230万円の場合の保険料は?

1年間(前年1月~12月まで)の収入が年金のみで230万円の場合、1年間の保険料は111,244円になります。
※東京都、所得割率8.72%、均等割額44,100円、本人が世帯主、加入者数1人として計算。

●計算過程
保険料は所得割と均等割の合計となります。まず所得割をもとめるために年金についての所得金額を計算します。年金についての所得は、

230万円年金収入110万円公的年金控除 = 120万円年金についての所得(雑所得)
※公的年金控除についてはこちらで説明しています。

となります。年金についての所得(雑所得)がわかったので所得割を計算します。所得割は、

(120万円雑所得 – 43万円) × 8.72%所得割率 = 67,144円所得割額
※43万円はすべての方が一律に引かれる控除です。

となります。次に均等割を計算します。加入者は1人なので均等割は、

44,100円均等割 × 1人加入者数 = 44,100円均等割額

となります。次に所得割と均等割を合計して保険料を計算します。保険料は、

67,144円所得割額 + 44,100円均等割額 = 111,244円保険料

となります。以上のように、1年間(前年1月~12月まで)の収入や被保険者数などに応じて後期高齢者医療制度の保険料は増減します。
※注意:所得割や均等割などの金額はお住まいの地域によって変わります。くわしくはお住まいの地域の後期高齢者医療制度ページを参照。

まとめ(どの医療保険でも受けられる給付はほとんど変わらない)

医療保険はケガや病気の治療費を安くしてくれたりさまざまな給付をしてくれるのですが、どの医療保険も給付の内容はほとんどかわりません。これは4種類どの医療保険も同じです。

医療保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか大まかに知っておきましょう。
国の医療保険があるおかげで安い値段でだれでも良質な医療を受けられる仕組みになっています。

ほかにはどんなことをしてくれるの?
医療保険は病院代を安くしてくれる以外にも以下のようなことをしてくれます。


病気やケガの治療費を安くしてくれる
ケガや病気の治療は3割負担!…を参照。



病気やケガで会社を休んだときにお金をくれる
これについては傷病手当金とは?を参照。



赤ちゃんを産むための費用を負担してくれる
これついては赤ちゃんができる前に知っておくことは?出産っていくらかかる?を参照。



100万円などの高額な治療費を負担してくれる
これについては医療費が高額になっても大丈夫を参照。
など。
くわしくは以下の表を参照。

くわしい給付の内容

ここまで説明したように、75歳をむかえると自動的に後期高齢者医療制度に移行することになります。

また、1年間(前年1月~12月まで)の収入がそれほど多くなければ保険料が減額される場合があるので、自分の1年間(1月~12月まで)の年金収入を把握しておくといいかもしれません。