共働き家庭はどっちが扶養するのがお得?安くなる金額を比較

2021.11.22 更新
妻も夫も働いている場合、どちらが親族(子供など)を扶養すればいいかわからないという方もいると思います。この記事では共働きの家庭はどちらが扶養するのが得になるか比較して説明していきます。
この記事の目次
共働きの場合、夫と妻のどっちが扶養を利用したほうがいい?

共働きの場合は夫と妻のどっちが親族(子供など)を扶養したらいいのか悩む方もいると思います。

親族の年齢によって年収の多い側が扶養したほうがメリットがある場合もあるし、年収の少ない側が扶養したほうがメリットがある場合もあります。

共働きの家庭はどちらが親族(子供など)を扶養したほうがお得になるのか知っておくことをオススメします。

この記事の要点

  • 扶養控除を利用する場合は年収の多い側が扶養するとメリットが大きくなる。

  • 親族が16歳未満の場合は年収の少ない側が扶養すると住民税が0円になる場合がある。

では最初に、共働きの家庭が扶養控除を利用したときについて下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。


共働きの家庭が扶養控除を利用したときのシミュレーション

扶養控除は、16歳以上の親族を扶養していれば税金を安くしてくれるという制度です。

扶養控除で減額される税金が年収によってどれくらい変わるのか、共働き家庭が扶養控除を利用したときの比較をシミュレーションしてみました。

年収によってどれくらい違いがあるのかチェックしておきましょう。

夫の年収が500万円、妻の年収が300万円のとき

※40歳以下・社会保険加入という条件で扶養控除を利用した場合のシミュレーション。

年収500万円の夫が扶養控除を利用したら?
減額される税金は71,000円になります。
※扶養対象1人あたり所得税38,000円、住民税33,000円


年収300万円の妻が扶養控除を利用したら?
減額される税金は52,000円になります。
※扶養対象1人あたり所得税19,000円、住民税33,000円
夫の年収が800万円、妻の年収が300万円のとき

※40歳以下・社会保険加入という条件で扶養控除を利用した場合のシミュレーション。

年収800万円の夫が扶養控除を利用したら?
減額される税金は109,000円になります。
※扶養対象1人あたり所得税76,000円、住民税33,000円


年収300万円の妻が扶養控除を利用したら?
減額される税金は52,000円になります。
※扶養対象1人あたり所得税19,000円、住民税33,000円

以上のように、年収が多いひとが扶養控除を利用すると減額される税金も多くなります。共働きの家庭で扶養控除を利用しようとしている方は覚えておきましょう。

なぜ年収が多いひとのほうが減額されるのかについては下記で説明していきます。

なぜ年収の多いほうが扶養控除を利用したほうがいいの?

なぜ年収が多いほうが扶養控除を利用したほうがいいのかというと、年収が多いひとのほうが税率が高いので、扶養控除を利用したときに減額される税金が多くなるためです。
※税率については所得税率って?を参照。


「何を言っているのかよくわからない…」という人のために下記で分かりやすく説明していきます。

減額される税金シミュレーション
たとえば年収500万円で税率が10%のひとが扶養控除を利用するとします。

扶養控除の控除額は38万円なので、38,000円ぶんの税金が控除されることになります。

380,000円扶養控除の控除額 × 10%税率 = 38,000円安くなる税金
扶養控除については扶養控除とは?を参照。

次に、年収800万円で税率が20%のひとが扶養控除を利用するとします。

扶養控除の控除額は38万円なので、76,000円ぶんの税金が控除されることになります。

380,000円扶養控除の控除額 × 20%税率 = 76,000円安くなる税金
扶養控除については扶養控除とは?を参照。

このように、年収の多いひとが扶養控除を利用したほうが税金が安くなる効果が高くなるので、控除を利用するときは年収が多いひとに適用するようにしましょう。

もし扶養している子供がアルバイトなどをしており、1年間(1月~12月まで)に103万円を超えそうな勢いで働いている場合、103万円を超えてしまったときの負担について子供に伝えておくことをオススメします。

ほとんどの学校ではアルバイトの税金や扶養についてしっかり教えてくれることはないので、お金についての知識は親が子供に教えてあげてください。

なぜ103万円なのかについては下記の「アルバイトで稼ぎ過ぎて103万を超えると親の税金が高くなる?」ページで説明しています。

では次に、16歳未満の子供がいる場合について下記で説明していきます。年収が少ないほうに扶養親族をつけたほうがお得になる場合があります。


16歳未満の子供がいる場合は?年収が少ないほうに扶養親族をつけたほうがお得?

子供が16歳未満で扶養控除を利用できない場合、妻と夫のどちら側が扶養したとしても税金には関係ないように見えます。
※扶養控除は16歳以上の扶養親族が対象のため。

しかし、年収の少ない側が16歳未満の子供を扶養した場合、以下のように住民税が安くなる場合があります。

年収が少ない側の住民税が安くなるケース


夫が16歳未満の子供2人を扶養した場合

年収400万円の夫 → 住民税は1年間で約18万円
年収200万円の妻 → 住民税は1年間で約6.5万円
※年収の多い側が扶養した場合は住民税は安くならない。



妻が16歳未満の子供2人を扶養した場合
年収400万円の夫 → 住民税は1年間で約18万円
年収200万円の妻 → 住民税は0円

※年収の少ない側が扶養した場合は住民税が安くなる。

なぜ年収の少ない側が扶養した場合に住民税が安くなるのかというと、住民税が非課税(0円)になるルールを満たすためです。

では次に、住民税が0円になる条件について下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているので気になる方はチェックしておきましょう。

16歳未満の子供を扶養するとなぜ税金が安くなる?

上記で、16歳未満の子供を扶養すると住民税が安くなることを説明しました。ただし、住民税が0円になるには条件に当てはまらなければいけません。

住民税が0円になるには以下の条件にあてはまる必要があります。

住民税が0円になる条件
前年1月~12月までの合計所得金額が(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)× 35万円 + 31万円以下であること。
※住民税が0円になる条件については住民税が0円になる場合を参照。



上記の条件をふまえて、扶養親族が1人の場合と2人の場合で計算していきます。

計算がよくわからない方のために、年収いくらなら住民税が0円になるのかシミュレーションしてみましょう。

つまり、年収いくらなら住民税が0円になる?
たとえば、16歳未満の子供が1人いれば(本人1+控除対象配偶者0+扶養親族1)× 35万円 + 31万円 = 101万円となります。
したがって、1年間の合計所得金額が101万円以下(つまり、収入が給料のみで年収156万円以下)なら住民税が0円になります。



たとえば、16歳未満の子供が2人いれば(本人1+控除対象配偶者0+扶養親族2)× 35万円 + 31万円 = 136万円となります。
したがって、1年間の合計所得金額が136万円以下(つまり、収入が給料のみで年収約205万円以下)なら住民税が0円になります。

では次に、年収156万円および年収200万円の妻が16歳未満の子供を扶養したときの住民税について下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。


年収156万円または年収200万円の妻が16歳未満の子供を扶養した場合

上記で住民税が0円になるための条件を説明したので、実際に年収をあてはめて計算してみましょう。

年収156万円または年収200万円の妻で住民税をシミュレーションしていきます。

妻の年収が156万円の場合

妻の収入がパート給料のみであり、1年間で156万円のとき、給与所得は101万円になります。

156万円給与収入55万円給与所得控除 = 101万円給与所得(合計所得金額)
給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。

ほかに収入がないので、1年間の合計所得金額は101万円になります。

上記の場合、妻が16歳未満の子供を扶養しない場合、住民税は安くなりません。したがって、住民税は1年間で約4万円かかることになります。

ですが、妻が16歳未満の子供1人を扶養すると住民税が0円になります。年収156万円の妻の合計所得金額は101万円なので、住民税が0円になる条件を満たすからです。
※扶養親族が1人の場合、住民税が0円になるには合計所得金額が101万円以下であること。



妻の年収が200万円の場合

妻の収入がパート給料のみであり、1年間で200万円のとき、給与所得は132万円になります。

200万円給与収入68万円給与所得控除 = 132万円給与所得(合計所得金額)
給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計金額のこと。

ほかに収入がないので、1年間の合計所得金額は132万円になります。

上記の場合、妻が16歳未満の子供を扶養しない場合、住民税は安くなりません。したがって、住民税は1年間で約6.5万円かかることになります。
※扶養親族が1人の場合、住民税が0円になるには合計所得金額が101万円以下でなければいけない。

ですが、妻が16歳未満の子供2人を扶養すると住民税が0円になります。年収200万円の妻の合計所得金額は132万円なので、住民税が0円になる条件を満たすからです。
※扶養親族が2人の場合、住民税が0円になるには合計所得金額が136万円以下であること。

以上のように、16歳未満の子供がいる場合には、年収の少ない側が子供を扶養に入れたほうが税金が安くなる場合があります。

ただし、住民税が0円になるルールを満たしていない場合は住民税が安くならないので注意しましょう。
※住民税が0円になる条件は上記で説明しています。

16歳未満の子供を扶養するときは、年末調整または確定申告のときに申請するのを忘れないようにしましょう。

具体的には、「住民税に関する事項」の欄に16歳未満の親族の名前を記入することになります。