ひとり親控除とは?わかりやすく解説。どれくらい税金が安くなる?

2021.11.14 更新

働いてお金を稼げば納めなければならない税金。そんな税金の負担を軽くしてくれるひとり親控除を知っていますか?この記事ではひとり親控除について簡単に紹介していきます。
この記事の目次
ひとり親控除とは?

ひとり親控除とは、簡単に説明するとひとり親の家庭の税金の負担を軽くしてくれる制度です。

ひとり親とは、妻または夫と離婚または死別し、ひとり親となった方をいいます。

ひとり親に該当するための条件や税金がどれくらい安くなるか等についてチェックしておくことをおすすめします。
今まで寡婦控除にはひとり親も含まれていましたが、2020年の税制から「ひとり親控除」として別に新設されました。くわしくはこちらのお知らせを参照。

この記事の要点

  • ひとり親にあてはまるには所得などの条件がある。

  • ひとり親控除を利用すると約5万円~8万円安くなる場合が多い。

  • 事実婚をしている場合はひとり親控除の対象外。

  • ひとり親控除を利用するには申請が必要。

では最初に、何歳から年金の保険料を支払うのか下記で説明していきます。アルバイトをしている学生などはチェックしておきましょう。


ひとり親になる条件は?

ひとり親とは、以下のすべての要件にあてはまる方をいいます。
※「寡夫」や「特別の寡婦」はまとめて「ひとり親」として分類されました。

シングルマザーなどの母子家庭や父子家庭の方はひとり親に該当するための条件をチェックしておきましょう。

以下にあてはまる方はひとり親控除を利用することができます。ひとり親控除を利用しようとしている方はチェックしておきましょう。

ひとり親になる条件

参照:国税庁のひとり親控除
生計を一にするについては生計を一にするとは?を参照。

たとえば夫と離婚した妻の場合は?
夫と離婚した妻の場合は「総所得金額等が48万円以下の子供がいる」かつ「合計所得金額が500万円以下である」ときにひとり親控除を利用することができます。
ちなみに、生計を一にする子供の年齢に制限はありません。

※あなたの子供の収入が給料のみだとすると、年収103万円以下なら総所得金額等が48万円以下になります。
※あなたの収入が給料のみだとすると、年収約670万円以下なら合計所得が500万円以下になります。


たとえば妻と死別した夫の場合は?
妻と死別した夫の場合は「総所得金額等が48万円以下の子供がいる」かつ「合計所得金額が500万円以下である」ときにひとり親控除を利用することができます。
ちなみに、生計を一にする子供の年齢に制限はありません。

※あなたの子供の収入が給料のみだとすると、年収103万円以下なら総所得金額等が48万円以下になります。
※あなたの収入が給料のみだとすると、年収約670万円以下なら合計所得が500万円以下になります。

※事実婚をしている場合はひとり親控除の対象外になります。

事実婚は適用されない?

ひとり親控除を利用するには婚姻していないこと(配偶者の生死が不明なこと)、または事実婚をしていないことです。

したがって、離婚して子供がいたとしても、事実上婚姻関係と同様の事情にある人がいる場合はひとり親控除の対象外となります。
参照:国税庁のひとり親控除

シングルマザーなどの母子家庭や父子家庭の方は上記のことを覚えておきましょう。


では次に、ひとり親控除を利用するとどれくらい税金が安くなるのかについて説明していきます。下記でシミュレーションしているのでチェックしておきましょう。

ひとり親控除を利用でいくら安くなる?

年収にもよりますが、ひとり親控除を利用すると税金の負担は約5~8万円ほど軽くなる方が多いと思います。

ひとり親控除を利用する方はどれくらい安くなるかチェックしておきましょう。

ひとり親控除でどれくらい安くなる?
たとえば、40歳以下主婦・社会保険加入・子ども1人という条件の方がひとり親控除を利用したとき。

ひとり親控除を利用するひとの年収 減額される税金
年収250~400万円のとき 所得税は17,500円安くなります。
住民税は30,000円(固定)安くなります。
年収500~600万円のとき 所得税は35,000円安くなります。
住民税は30,000円(固定)安くなります。
年収670万円のとき 所得税は約53,000円安くなります。
住民税は30,000円(固定)安くなります。

税金等は下記で計算しています。ひとり親控除を利用したときの手取りなども知りたい方はシミュレーションしてみましょう。

手取りと税金をパッと計算!かんたんシミュレーション

では次に、ひとり親控除込みの税金について具体的に金額をあてはめてシミュレーションしていきます。

どのように計算するのかわからない方は下記で説明しているのでチェックしておきましょう。


ひとり親控除の金額は?ひとり親控除込みで所得税を計算してみよう(年収300万円のとき)

ひとり親控除の金額は35万円です。ひとり親控除を利用すると、1年間に稼いだ所得から所得控除として35万円差し引いて所得を減らしてくれるので税金が安くなるという仕組みです。


では、会社から給料をもらっている方がひとり親控除を利用したときの税金がどれくらいになるかシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。


この条件で所得税はいくらになる?
たとえば1年間の収入が給与収入のみで300万円、所得控除が114万円の場合。

①まずは給与所得の計算
上記の条件のとき、給与所得は、

300万円給与収入98万円給与所得控除  =  202万円給与所得
給与所得控除については、給与所得とは?を参照。

となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。

②次に課税所得を計算
総所得金額は計算できたので(202万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、

202万円総所得金額 - 所得控除 = 課税所得
総所得金額とは:各種所得の合計(一部所得は除く)。
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

最初に決めた条件から、所得控除は114万円(48万円基礎控除 + 35万円ひとり親控除 + 31万円社会保険料控除)なので、課税所得は、

202万円総所得金額114万円所得控除 = 88万円課税所得
所得控除については、所得控除とは?を参照。
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

③次に所得税を計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は

88万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、

88万円課税所得 × 5% = 44,000円所得税
所得税の税率については、所得税率とは?を参照。
所得税の計算については、こちらを参照。

ちなみに上記の条件のとき、住民税約9万円かかります。

となります。

もしひとり親控除を利用しなければ?
ひとり親控除を申請しなければ、そのぶん課税所得が35万円増えるので、

(88万円 + 35万円課税所得) × 5% = 61,500円所得税

ちなみに上記の条件のとき、住民税約12万円かかります。

となり、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。

このように、控除してくれるおかげで税金が安くなっていることがわかります。ひとり親控除が申請できる場合は申請することを忘れないようにしましょう。申請方法は下記で説明しています。

年末調整でのひとり親控除の申請は?

ひとり親控除を適用するには年末調整でひとり親控除の申請をしなければなりません。

以下のページで年末調整の書き方とひとり親控除の申請方法を説明しています。ひとり親控除を利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整でひとり親控除の申請をする方はこちら

ひとり親控除の申請方法については、ひとり親控除の申請(年末調整の記入例)を参照。
年末調整の書き方については、年末調整の書き方見本・記入例を参照。


確定申告の場合は?

確定申告で申請するときは申告書作成の際に「ひとり親控除の項目」に記入すれば申請することができます。確定申告のやりかたは以下のページで説明しています。

今はネットでかんたんに確定申告書を作成することができます。作成した申告書を税務署に郵送すると申告完了となります。

ひとり親にあてはまる方は控除の申請を忘れないようにしましょう。

ここまで説明したように、ひとり親控除を利用すると税金が安くなります。ただし、1年間の合計所得が500万円以下などの条件があることを覚えておきましょう。

また、子供の合計所得が48万円を超えていたり、事実婚をしている場合はひとり親控除の対象外になってしまうので気をつけましょう。