母子家庭の子供はいくらまでバイトOK?扶養を外れると?

2022.11.12 更新

母子家庭や父子家庭などのひとり親の家庭で、子供がアルバイトをすると扶養の対象から外れる場合があります。この記事ではひとり親(シングルマザーなど)の家庭の子供はいくらまでアルバイトしていいのかについて説明していきます。
この記事の目次
この記事の要点

  • 子供がアルバイトで103万を超えると扶養親族から外れる。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 子供が扶養を抜けると、親の税金は約5万円~17万円増える。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • 子供がアルバイトで103万を超えると「ひとり親」の対象外になる場合がある。
    ※くわしくは下記で説明しています。

  • ひとり親じゃなくなると、親の税金は約5万円~8万円増える。
    ※くわしくは下記で説明しています。

では最初に、いくらまでなら子供は扶養でいられるのかについて下記で説明していきます。
※子供の収入と扶養の関係についてまとめています。ポイントは合計所得48万(給料103万)です。くわしくは下記で説明していきます。

子供がいくら稼ぐと扶養を外れるの?
103万円を超えると扶養親族の対象から外れる

子供がアルバイトなどをしている場合、稼ぐ金額が多くなれば親の扶養から外れてしまいます。

いくら稼ぐと外れるのかというと、子供の合計所得金額が48万円(給料だけなら103万円)を超えてしまうと扶養親族の対象から外れます。
※親が扶養控除を利用できなくなってしまうため。
※扶養控除とは:16歳以上の子供がいる家庭の税金を安くしてくれる制度。


合計所得を48万円以下にしておけば、子供は扶養親族の対象のままでいられます。

合計所得48万円ってなに?

例えば、あなたの子供の収入がアルバイトの給与収入のみであり、1年間(1月~12月末まで)の収入が103万円のとき、給与所得は48万円となります。それ以外に所得がないので合計所得金額は48万円となります。

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得(合計所得金額)
※給与所得控除については給与所得控除とはを参照。
合計所得金額とは:各種所得の合計のこと。

子供のアルバイト収入が103万(合計所得48万円)以下なので、あなたの子供は扶養親族の対象になります。

※130万円以上になる見込みがあると社会保険の扶養から外れます(いわゆる130万円の壁)。
※130万円以上になる見込みについてはこちらの記事を参照。

では次に、子供が扶養を外れると親の税金がどうなるのかについて説明していきます。
※親の税金がどれくらい増えるのか年収ごとにシミュレーションしています。子供の年齢によって金額が変わるのがポイントです。

子供が扶養を外れると親の税金はいくら増える?
子供の年齢などによって変わる

子供が扶養親族の対象から外れると親の税金がどれくらい高くなるのか。

年収別に税金額をシミュレーションしているのでチェックしてみましょう。
※子供が就職等で扶養から外れる予定の方はザッと把握しておきましょう。

16歳~18歳,23歳以上の子供が扶養から外れた場合
 

親の年収 親が支払う税金
年収250~400万円のとき 親が支払う税金は約52,000円高くなります。
※所得税は19,000円、住民税は33,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 親が支払う税金は約71,000円高くなります。
※所得税は38,000円、住民税は33,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~850万円のとき 親が支払う税金は約110,000円高くなります。
※所得税は76,000円、住民税は33,000円

※所得税と住民税はこちらで計算

※扶養控除の対象となる家族1人あたりの年間額。
※上記の表は親(40歳以下・社会保険加入の会社員)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。

では次に、19歳以上22歳以下の学生(子供)が扶養から外れた場合親の税金がどれくらい増えるのか下記で説明していきます。
※子供の年齢が19歳以上23歳未満のときは上記よりも金額が増えるので下記表をチェックしておきましょう。





19歳以上22歳以下の子供が扶養から外れた場合
 

親の年収 親が支払う税金
年収250~430万円のとき 親が支払う税金は約77,000円高くなります。
※所得税は31,500円、住民税は45,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収540~640万円のとき 親が支払う税金は約110,000円高くなります。
※所得税は63,000円、住民税は45,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収740~850万円のとき 親が支払う税金は約170,000円高くなります。
※所得税は126,000円、住民税は45,000円

※所得税と住民税はこちらで計算

※扶養控除の対象となる家族1人あたりの年間額。
※上記の表は親(40歳以下・社会保険加入の会社員)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。

では次に、子供が年収103万円を超えるとひとり親に該当しなくなる理由について下記で説明していきます。
※ひとり親に該当するには条件があります。子供の総所得金額等が48万以下でなければいけませんくわしくは下記で説明していきます。

子供が103万を超えると「ひとり親」じゃなくなる?
ひとり親に該当しなくなる場合がある

あなたがひとり親(シングルマザーなど)であり、あなたに子供がいればひとり親控除を利用することができます。
※ひとり親控除とは:ひとり親の家庭の税金を安くしてくれる制度。


ただし、あなたの子供がアルバイトなどで収入がたくさんある場合、あなたは「ひとり親になる条件」を満たさなくなってしまいます。
※「ひとり親」でなくなれば、ひとり親控除が使えなくなります。


具体的には、子供の総所得金額等が48万円(給料だけなら103万円)を超えてしまうと、あなたは「ひとり親」の対象外になります。
※子供が1人しかいない場合。

総所得金額等48万円とは?

例えば、あなたの子供の収入がアルバイトの給与収入のみであり、1年間(1月~12月末まで)の収入が103万円のとき、給与所得は48万円となります。それ以外に所得がないので総所得金額等は48万円となります。

103万円給与収入55万円給与所得控除 = 48万円給与所得(総所得金額等)
※給与所得控除については給与所得控除とはを参照。

子供のアルバイト収入が103万(総所得金額等48万円)以下なので、あなたはひとり親に該当します。
※上記の金額を超えて、親の扶養から外れるとひとり親控除の対象から外れます。

子供が稼いでもひとり親でいられる場合

たとえば子供が2人いて、総所得金額等48万円を超えたのが1人だけなら、あなたはひとり親控除を利用することができます。ただし、子供2人ともが総所得金額等48万円を超えてしまうとひとり親になる条件を満たさないので、あなたはひとり親控除を使えなくなってしまいます。

では次に、ひとり親じゃなくなるとどれくらい税金が増えるのかについて説明していきます。


ひとり親じゃなくなると税金はいくら増える?

子供がアルバイトなどでお金をたくさん稼いで、あなたが「ひとり親」に該当しなくなると税金がどれくらい高くなるのか下記表にまとめました。

年収別に税金額をシミュレーションしているのでチェックしてみましょう。
※あなたがひとり親控除を利用できなくなった場合。

ひとり親じゃなくなると税金はいくら増える?
たとえば40歳以下・収入は給料のみ・社会保険加入・16歳未満の子ども1人という条件の場合。

あなたの年収 増額する税金
年収250~400万円のとき 所得税は17,500円高くなります。
住民税は30,000円(固定)高くなります。
年収500~600万円のとき 所得税は35,000円高くなります。
住民税は30,000円(固定)高くなります。
年収670万円のとき 所得税は約53,000円高くなります。
住民税は30,000円(固定)高くなります。

※670万円(合計所得500万円)を超える方はひとり親控除の対象外になります。

税金等は下記で計算しています。ひとり親控除を利用したときの手取りや社会保険料なども計算したい方はシミュレーションしてみましょう。

手取りと税金をパッと計算!かんたんシミュレーション

子供が扶養から外れるときの手続きは?

子供が親の扶養から外れるときにする手続きは難しくありません。
※ちなみに、子供側が手続きをすることは何もありません。

子供が扶養から外れたときの手続き


→子供が扶養親族じゃなくなったとき
子供が扶養親族の対象から外れたら、親は年末調整のときに「子供が扶養親族から外れたこと」を申請するだけです。
確定申告をする方は確定申告のときに申請します。

今まで申請していた「扶養控除」を適用せずに提出すればOKです。
※子供が16歳以上の場合。
※年末調整の書き方についてはこちらの記事を参照。「控除対象扶養親族」の欄を空欄にするだけです(扶養を外れた子供の氏名を書かなければOKです)。



→あなたが「ひとり親」じゃなくなったとき
子供がアルバイトをして、総所得金額等が48万円(給料のみで103万円)を超えてしまうとひとり親になる条件を満たさなくなってしまいます。
※たとえば子供が2人いて、総所得金額等48万円を超えたのが1人だけなら、あなたは「ひとり親」に該当します。

ひとり親じゃなくなったとき、親は年末調整のときに「ひとり親から外れたこと」を申請するだけです。
確定申告をする方は確定申告のときに申請します。
※年末調整の書き方についてはこちらの記事を参照。「ひとり親」の欄を空欄にするだけです。

こんなページもみられています
母子家庭で住民税が0円になるには?子供2人~3人の場合


親の税金はいつ増える?

子供が扶養から外れてすぐに親の税金が増えるわけではありません。親が年末調整で申請したときに税金が徴収または還付されます。

たとえば8月時点で子供の収入が103万円を超えたらすぐに親の税金が増えるわけではなく、12月の年末調整時に税金の精算がおこなわれます。親が年末調整のときに書類を提出すれば精算されます。

税金が増える場合は、12月または翌年1月に支払われる給料から徴収されることになります。
※年末調整の書き方についてはこちらの記事を参照。
確定申告をする方は、翌年の確定申告時に税金の精算がおこなわれます。

では次に、ひとり親の家庭で子供2人の場合で税金をシミュレーションしていきます。
※子供2人のうち一人だけ扶養を外れたとき、2人とも扶養を外れたときで税金額をシミュレーションしています。


こども2人の場合でシミュレーション

子供が2人いる場合で税金額などを具体的にシミュレーションしてみましょう。

たとえば年収400万円の会社員、16歳以上の子供が2人として計算していきます。

母子家庭や父子家庭の税金について気になる方はチェックしておきましょう。

ひとり親の税金をシミュレーション例①
【条件】
・年収400万円40歳以上の会社員(ひとり親)。
・16歳の子供2人。
・子供1人だけアルバイトで年収103万超え→1人だけ扶養親族の対象外。

上記の場合、会社員の1年間の社会保険料は変わりません。
※勤務先の社会保険料は標準報酬月額によって決まるため。
※国民健康保険の場合、加入者の所得によって保険料が決まります。


会社員の1年間の税金は5.2万円増えます。手取りは約321万円になります。

扶養控除が1人ぶん利用できなくなって5.2万円増加。
※子供2人のうち一人は扶養親族の対象から外れていないので、あなたは「ひとり親」に該当します。したがって、ひとり親控除は適用されます。
※子供が2人とも年収103万円以下なら手取りは約327万円になります。

※税金はこちらのシミュレーションで計算。



ひとり親の税金をシミュレーション例②
【条件】
・年収400万円40歳以上の会社員(ひとり親)。
・16歳の子供2人。
・子供2人ともアルバイトで年収103万超え→2人とも扶養親族の対象外。

上記の場合、会社員の1年間の社会保険料は変わりません。
※勤務先の社会保険料は標準報酬月額によって決まるため。
※国民健康保険の場合、加入者の所得によって保険料が決まります。


会社員の1年間の税金は約15万円増えます。手取りは約312万円になります。

扶養控除が2人ぶん利用できなくなって10.4万円増加。
ひとり親控除が利用できなくなって4.75万円増加。
※子供が2人とも年収103万円以下なら手取りは約327万円になります。

※税金はこちらのシミュレーションで計算。

以上のように、ひとり親の家庭で子供がアルバイトをしている場合、子供の収入と税金について把握しておきましょう。
※子供がアルバイトでたくさん稼ぐつもりなら、親側の税金が増えることを覚悟しておきましょう。