勤労学生控除とは?103~130万円までの学生向け!わかりやすく解説

2022.01.13 更新
学生でも働いてお金を稼げば納めなければならない税金。そんな税金の負担を軽くしてくれる勤労学生控除を知っていますか?この記事では勤労学生控除について簡単に説明していきます。
この記事の目次
勤労学生控除とは?

勤労学生控除とは、所得控除のうちのひとつであり、アルバイトなどをしている「働く学生」の税金の負担を軽くしてくれるものです。

ただし、勤労学生控除を利用するには申請をしなければなりません。また、勤労学生になる条件や気をつけるポイントがあります。

アルバイトをしている高校生や大学生などはしっかりチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 勤労学生にあてはまるには3つの条件にあてはまる必要がある。

  • 収入が給料のみなら130万円までは勤労学生の対象。

  • 親に扶養されている場合は、1年間の収入103万円に注意する。

  • 勤労学生控除を利用するには申請が必要。

では最初に、勤労学生控除の控除額について下記で説明していきます。勤労学生控除を利用しようと考えている学生はチェックしておきましょう。


控除される金額は?

勤労学生控除による控除額は270,000円です。
住民税については26万円となります。

所得から27万円が控除されて所得金額が減るので、かけられる税金が安くなるというしくみです。

くわしい計算過程は下記で説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしています。

控除の条件がある?勤労学生になるには?

勤労学生控除を利用するためには「勤労学生」にあてはまらなければなりません。

勤労学生になるには、次の3つの条件のすべてにあてはまる必要があります。

自分が3つの条件すべてにあてはまるなら勤労学生控除が利用できるようになります。
※その年の12月31日時点で以下の3つにあてはまること

勤労学生となる3つの条件

  1. 自身の勤労(アルバイトなど)に基づく所得があること
    ※たとえば給与所得があてはまります。

  2. 1年間(1月~12月まで)の合計所得金額75万円以下であり、給与所得以外の所得が10万円以下であること
    ※合計所得75万円は給料のみで130万円のこと。合計所得75万円については下記で説明しています。

  3. 特定の学校の学生、生徒であること
    ※特定の学校とは、学校教育法第1条に規定する学校(小中高・大学・専門学校・職業訓練校など)です。くわしくはこちらを参照。

※参照:国税庁勤労学生控除

合計所得金額75万円以下とは?
たとえば収入がアルバイトの給料のみであり、1年間(1月~12月まで)の給料が130万円のとき、給与所得は75万円となります。そのほかに所得は無いので、75万円が合計所得金額となります。

130万円1年間の給料55万円給与所得控除 = 75万円給与所得(合計所得金額)

上記の場合、1年間の合計所得が75万円以下であり、給与所得以外の所得が10万円以下なのであなたは勤労学生控除の対象になります。

もし、1年間の給料が130万円(合計所得が75万円)を超えたら、勤労学生控除は利用することができません。

では次に、勤労学生控除を適用したときの税金の計算方法について下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているので勤労学生控除を利用する方はチェックしておきましょう。


1年間に103万円以上の学生向け?勤労学生控除込みで税金をシミュレーション

1年間(1月~12月まで)の給与収入が103万円を超えると所得税が課税されることになります。


ですが、勤労学生控除を利用することで130万円まで所得税が0円となります。


つまり、1年間の給与収入が130万円以下なら所得税はかからないことになります。
※130万円を超えたら勤労学生控除は利用できなくなります。くわしくは上記の条件を参照。

130万円までは所得税が課税されない?
たとえば収入がアルバイトの給料のみであり、1年間(1月~12月まで)の給料が130万円のとき、給与所得は75万円となります。

130万円1年間の給料55万円給与所得控除 = 75万円給与所得(合計所得金額)
※給与所得控除についてはこちらを参照。

そのほかに所得は無いので、75万円が合計所得金額となります。ここで勤労学生控除を適用すると、課税所得は、

75万円合計所得金額27万円勤労学生控除48万円基礎控除 = 0円課税所得
基礎控除とはすべての方が一律に適用される控除です。
課税所得とは税金がかけられる所得のこと。

となります。課税所得が0円なので、課税所得に税率をかけても所得税は0円になります。
住民税については年収100万円(合計所得45万円)を超えるとかかることになります。ただし未成年の場合は給与収入約204万円まで住民税は0円となります。

以上のように、勤労学生控除を利用すれば130万円までは所得税が0円になります。

ただし、103万円を超えたときに気をつけなきゃいけないポイントがあります。それは親の税金です。くわしくは下記で見ていきましょう。

103万円を超えると親の扶養から外れる?親の税金はいくら増える?

上記で説明したように、1年間の給与収入が130万円までは勤労学生控除によって所得税が0円になります。


ですが、あなたの収入が103万円を超えてしまうとあなたの親の税金が高くなってしまいます。


なぜかというと、親の扶養親族でいられる条件が1年間の給与収入103万円以下でなければいけないからです。


つまり、1年間の給与収入が103万円を超えてしまうと親の扶養から外れてしまうので親の税金が上がってしまうのです。

下記で親の税金がどれくらい増えるか計算しているのでチェックしておきましょう。

103万円を超えると親の税金はいくら上がる?



16歳~18歳の学生が扶養から外れた場合
 

親族の年収 親族が支払う税金
年収250~400万円のとき 親族が支払う税金は約52,000円高くなります。
※所得税は19,000円、住民税は33,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収500~600万円のとき 親族が支払う税金は約71,000円高くなります。
※所得税は38,000円、住民税は33,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収700~900万円のとき 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。
※所得税は76,000円、住民税は33,000円

※所得税と住民税はこちらで計算



19歳以上22歳以下の学生が扶養から外れた場合
 

親族の年収 親族が支払う税金
年収250~430万円のとき 親族が支払う税金は約77,000円高くなります。
※所得税は31,500円、住民税は45,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収540~640万円のとき 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。
※所得税は63,000円、住民税は45,000円

※所得税と住民税はこちらで計算
年収740~940万円のとき 親族が支払う税金は約170,000円高くなります。
※所得税は126,000円、住民税は45,000円

※所得税と住民税はこちらで計算

※扶養控除の対象となる家族1人あたり
※上記の表は親族(40歳以下・社会保険加入のサラリーマン)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。


上記のシミュレーションを見てわかるように、あなたの年収が103万円を超えて扶養親族でなくなると、税金の負担は約5~17万円増すことになります。扶養されている方の年齢によっても金額が変わることに注意しましょう。
※親の年収を250万円~950万円とした場合。

では次に、勤労学生控除の申請方法について下記で説明していきます。年末調整または確定申告のときに申請することになります。



勤労学生控除の申請のやり方は?年末調整で申請

勤労学生控除を利用するためには年末調整にて控除の申請をしなければなりません(年末調整を行う方に限ります)。
※年末が近づくと勤務先から年末調整の書類が配布されるので提出しましょう。

以下のページで年末調整の書き方と勤労学生控除の申請方法を説明しています。利用する方はぜひ参考にしてみてください。

年末調整で勤労学生控除の申請をする場合
勤労学生控除の申請については、勤労学生控除の申請(年末調整の記入例)を参照。

年末調整の書き方については、年末調整の書き方見本・記入例を参照。
確定申告の場合は?

確定申告で申請するときは申告書作成の際に「勤労学生控除の項目」に記入すれば申請することができます。確定申告のやりかたは以下のページで説明しています。

今はネットでかんたんに確定申告書を作成することができます。作成した申告書を税務署に郵送すると申告完了となります。

もしも確定申告をするのが不安な場合は、ためしにテキトーに金額を入力して申告書のつくりかたを練習してみてもいいかもしれません。

作成した申告書を税務署に郵送しなければ問題ないので、上記のページを参考に申告書をためしに作成してみましょう。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、勤労学生控除を利用するには条件があり、1年間の給与収入が130万円以下などの条件があることを覚えておきましょう。


特に気をつけなければいけないことは、1年間の収入が103万円を超えてしまうと親の扶養から外れて親の税金が上がってしまうことです。

たくさんお金を稼ごうとしている学生の方は親の税金のことも考えて、親と相談して働く時間などを調整することをオススメします。


親に扶養されており、103万円か130万円にしようか悩んでいるなら、103万円以下にしておくことをオススメします。
※103万円以下なら控除の手続きをしなくていいですし、親の扶養からも外れません。やむをえず103万円を超えてしまったときには勤労学生控除を利用しましょう。

ここまでのまとめ

  • 勤労学生控除を利用するには申請が必要
  • ※くわしくは上記で説明しています。


  • 勤労学生になるには1年間の合計所得が75万円以下(給料のみなら130万円以下)でなければいけない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 勤労学生なら給与収入が130万円までは所得税が0円になる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 1年間の給与収入が103万円を超えてしまうと親の税金が約5万円~17万円高くなってしまうので気をつけなければいけない
    ※くわしくは上記で説明しています。

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アルバイトをしている学生で、勤労学生控除を利用しようと考えている方は上記のまとめを覚えておきましょう。