学生のあいだは年金を納めずにすむ?学生納付特例制度とは

2022.09.02 更新
20歳になると約16,000円の国民年金を毎月支払うことになります。ですが、まだ大学生でお金がなくて保険料が支払えないという人もいると思います。この記事では学生納付特例制度について簡単に説明していきます。
この記事の目次
学生納付特例とは?保険料を支払わなくてよくなる?

学生納付特例制度とは、在学中の国民年金保険料の支払いを猶予ゆうよして先送りしてくれる制度です。
※学生納付特例は国民年金の免除制度の1つです。
※国民年金については国民年金とは?で説明しています。


年金保険料を先送りしている間は保険料の支払いをしなくてもよくなります。
※学生のあいだの年金支払いが全額免除されるわけではないので注意しましょう。

ただし、学生納付特例を申請するには条件があるのでチェックしておきましょう。

また、滞納した場合のリスクやデメリットなどについても知っておくことをオススメします。

この記事の要点

  • 20歳になると年金に加入して保険料を支払うことになる。

  • 猶予してもらうには前年所得の条件をクリアしないといけない。

  • 書類を提出して申請する必要がある。

  • 年金保険料を支払わないで滞納すると障害年金がもらえないなどのリスクがあるので気をつける。

では最初に、20歳になったときの保険料について下記で説明していきます。これから20歳になる方は1年間にかかる国民年金の保険料についてチェックしておきましょう。


20歳になったが、まだ学生でお金がない…

20歳になると国民年金保険に加入して保険料を支払う決まりになっています。学生であっても加入して保険料を支払わなければいけません。


ですが、まだ大学生でお金がなくて支払えない、、、という方は多くいると思います。


そんな学生の方は「学生納付特例」を申請することで在学中の保険料を先送りすることができます。
※お金持ちの家庭なら、親などが代わりに支払う場合があります。この場合は申請する必要はありません。

国民年金はいくら?学生納付特例を申請すれば0円?

国民年金の保険料は1年間で約20万円(月額16,590円)です。ですが、「学生納付特例」の申請を行えば該当年度の保険料は0円となります。
ただし、保険料を先送りしているのであり、全額免除されているわけではないことを覚えておきましょう。先送りしたぶんは10年以内ならあとで支払うことができます。
※10年を過ぎたぶんは支払うことが出来ません。

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では次に、学生納付特例を受けるための条件について下記で説明していきます。アルバイトをしている学生などはチェックしておきましょう。


学生納付特例を受けるには条件がある?

学生納付特例を受けるには条件があります。かんたんに説明すると、あまりお金を稼いでいないことが条件です。


条件についてくわしくは以下のとおりです。

【学生納付特例の条件】

▶学生であること。
▶本人の前年1年間の所得が128万円万円以下(給与収入なら年間約194万円)であること。
※独身で扶養親族等がいない場合。くわしくはこちらの審査表を参照。
※参照:日本年金機構国民年金保険料の学生納付特例制度


下記で具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているので、もうすぐ20歳になる学生の方はチェックしておきましょう。

前年所得128万円以下とは?アルバイトしても大丈夫?

たとえばアルバイトをしている学生であり、去年1年間(1月~12月まで)の給料が194万円以下なら給与所得は128万円以下となるので、学生納付特例を受けることができます。

194万円給与収入66.2万円給与所得控除 = 約128万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
※給与所得についてはこちらのシミュレーションで計算できます。
※給与所得のほかにも所得がある方は合計して計算しましょう。くわしくは総所得金額とはを参照。

以上のように、アルバイトをしている学生だとしても去年1年間の所得が128万円以下(給与収入のみで194万円以下)なら学生納付特例を受けることができます。
※アルバイトを少ししているくらいの学生なら問題なく受けることができます。

では次に、学生納付特例を受けるための申請書について下記で説明していきます。申請書を出さないと滞納することになるので気をつけましょう。


申請書が必要?書き方は?申請が認められたら?

免除(学生納付特例)を受けるには申請書を提出または送付する必要があります。
※学生納付特例の条件にあてはまっても、手続きをしなければ保険料は免除されません。


申請はお住まいの市区町村役所や年金事務所にて受け付けています。


学生納付特例の申請の手続きを行い、申請が認められれば在学中の国民年金保険料は0円になります。

学生納付特例の申請書の様式

※申請をしたのに納付書が届く場合があります。申請の結果は、申請してから約2~3か月後に通知ハガキでお知らせがきます。したがって、行き違いになっているだけなので安心してください。
学生納付特例が承認された場合は納付書を破棄してください。免除申請の結果が届くまでは保険料は納付せずに納付書を保管しておいてください。


学生納付特例の申請書の書き方

申請書の書き方は難しくないので安心してください。アルバイトなどをしており、「前年所得がわからない」という方は上記を参考に前年所得を計算してみましょう。
※多くの学生の方は「前年所得128万円以下」または「なし」に該当します。

「学生の区分」についてはほとんどの学生があてはまります。
※大学、大学院、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校(専門学校など)、一部の海外大学の日本分校などに在学する方。夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれます。
※参照:日本年金機構国民年金保険料の学生納付特例制度

くわしい申請書の書き方は下記のページで説明しています。
国民年金の学生納付特例申請書の書き方

では次に、学生納付特例を申請したときのデメリットについて下記で説明していきます。


学生納付特例のデメリットは?

たとえば学生納付特例を申請して、2年間(24ヶ月ぶん)国民年金保険料の支払いを先送りし、先送りしたぶんをあとから支払う「追納」をしなかった場合、老後にもらう国民年金(老齢基礎年金)は年間約4万円減額されます。


ただし、追納を行えば老後にもらう国民年金は減額はされません。
※学生納付特例した期間以外(20歳から60歳までのうち38年間)はすべて保険料を支払った場合。ちなみに、40年間すべて保険料を支払った場合には老後にもらえる国民年金(老齢基礎年金)は年間約78万円となります。厚生年金に加入していた期間があれば受けとる年金額はそのぶん増えます。

あとから支払う「追納」をすれば減らない?

学生納付特例を受けた期間については、10年以内であれば保険料をさかのぼって納める追納ができます
※たとえば2019年4月ぶんは2029年4月末まで。
※10年を過ぎたぶんは支払うことが出来ません。この場合、上記で説明するように老後の年金が減ってしまいます。

将来受け取る年金額を減らしたくない人は働き始めてから追納をしましょう。

では次に、年金を滞納した場合について下記で説明していきます。申請書を出さないで滞納するとリスクがあるので注意しましょう。


国民年金を未納にしているとリスクがある?

老後の年金は65歳になると受け取ることができます。ほかにも、病気やケガで障害を負ったり死亡したときには年金を受け取ることができます。


しかし、学生納付特例や免除等の申請をしないで、国民年金の保険料を滞納して「未納」にしておくと「老後の年金」も「障害年金」も「遺族年金」も受け取れません。
※老後の年金を受け取るには10年以上の受給資格期間が必要なため。
※障害年金と遺族年金については保険料納付済期間(免除期間を含む)が3分の2以上必要なため。

※出典:日本年金機構老齢年金

さらに、年金を支払わないで未納にしていると延滞金が加算されたり、親族の財産が差し押さえされたりするので注意しましょう。

未納にしないで学生納付特例の申請をしましょう

「でも、お金がなくて払えない…」という人は学生納付特例(免除制度)を申請すれば、年金が受けとれないといった問題を解決できます。
※免除等をした期間については受給資格期間に反映されるので、年金を受け取る資格が得られます。

なので、もし保険料を支払うのが経済的にきびしいときは免除制度をかならず利用しましょう。未納にしているリスクについてくわしくは下記の記事で説明しています。

では次に、国民年金の保険料を親が支払った場合について下記で説明していきます。

親が支払った場合は社会保険料控除できる?

学生納付特例制度を利用せず、20歳になった子供の年金保険料を親が代わりに支払うこともできます。

代わりに保険料を支払った場合、社会保険料控除を利用することができます。


社会保険料を控除を利用すれば税金が安くなるので、代わりに保険料を支払ったときは必ず申請しましょう。

申請をするには年末調整または確定申告のときに必要事項に記入するのを忘れないようにしましょう。
※確定申告で申請する方法はこちらの例で説明しています。

年末調整で申請する場合
年末調整で申請する場合は上記のように保険料控除申告書に記入して提出すればOKです。
保険料控除申告書の申請については保険料控除申告書の書き方・見本記入例で説明しています。

では最後に、ここまでのまとめとなぜ103万円に気をつけるのかについて下記で説明していきます。


ここまでのまとめ:年収103万円にも気をつける?

ここまで説明したように、学生納付特例とは20歳以上の学生が支払うことになる国民年金保険料を先送りしてくれる制度です。
※免除されているわけではないことも覚えておきましょう。先送りしたぶんはあとから支払うことができます(10年以内なら追納できる)。

現在お金が無くて保険料が支払えない方はかならず申請しましょう。

また、学生の方は103万円にも注意しなければいけないことを覚えておきましょう(下記で説明しています)。

ここまでのまとめ

  • 猶予してもらうには所得128万円以下(給料のみで194万円以下)でなければならない。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 申請書を書いて提出する必要がある。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 申請しないで滞納するとリスクがある。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 年金を2年先送りして「追納」をしなかった場合、老後の年金は1年あたり4万円減ってしまう。あとから追納すれば減ることは無い。
    ※くわしくは上記で説明しています。
年収103万円にも気をつける?

年金の支払いを先送りするほかにも、アルバイトをしている学生は1年間の収入に気をつけなければいけません。1年間の収入が103万円を超えると、扶養親族の対象から外れてしまいます。

親の年収にもよりますが、扶養から外れると約5万円~17万円税金が増えてしまいます。くわしくは下記の記事で説明しているのでアルバイトをしている学生は気をつけましょう。

フリーターや学生が扶養から外れるといくらかかる?親の税金は?