主婦で雑所得がある場合はいくらから扶養を外れる?

2022.09.10 更新
SNSやインスタなど、専業主婦さんもお金を稼ぐ手段が増えています。この記事では主婦で雑所得がある場合、いくらから配偶者の扶養を外れるのかについて説明していきます。
この記事の目次
配偶者に扶養されている場合、雑所得があるときに気をつけるポイント

専業主婦(主夫)などのように、妻や夫に扶養されている方で「雑所得」がある場合に気になるのが社会保険の扶養配偶者控除(税金が安くなる制度)です。


雑所得がたくさんあれば、扶養されている主婦だとしても扶養から外れたり、保険料を自分で支払うことになります


雑所得を得ており、妻や夫に扶養されている方は雑所得がいくらから扶養から外れるのかザッと把握しておきましょう。

この記事の要点

  • 収入130万円が社会保険の扶養のボーダーライン。

  • 合計所得が95万円を超えると配偶者の税金が上がり始める。

  • 給料をもらっている場合は20万円以下なら申告しなくてもいい決まりになっている。

※学生や無職などの場合は下記の記事で説明しています。
雑所得がある場合はいくらから扶養外れるの?学生や無職の方など

では最初に、雑所得があるときに配偶者の税金がどうなるかについて下記で説明していきます。一定の金額を超えると配偶者の税金が徐々に増していくので注意しましょう。


合計所得95万円を超えると配偶者の税金が増え始める?
雑所得が95万円を超えると配偶者の税金が増え始める

あなたが配偶者(たとえば夫)に扶養されている場合、あなたの合計所得金額1年間で95万円を超えると配偶者の税金が増え始めます。
※合計所得が増えるごとに配偶者特別控除の効果が弱くなっていくため。


「合計所得95万円ってなに?」という方のために以下でわかりやすく説明していきます。


また、雑所得のほかにパートなどの収入がある場合については下記で説明しているのでチェックしておきましょう。

雑所得で合計所得金額95万円とは?

たとえばあなたが1年間(1月~12月まで)に稼いだ雑収入が95万円とすると、

95万円雑収入0円経費 = 95万円雑所得
※計算をわかりやすくするために経費は0円としています。
※雑収入(給与収入や事業収入などにあてはまらない雑多な収入)は雑所得に分類されます。ただし、収入を得る活動を「事業」としている場合は事業所得となります。

となります。ほかに所得が無いとすると、あなたの合計所得金額は

95万円雑所得 = 95万円合計所得金額
※合計所得金額については合計所得金額とは?を参照。

となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が95万円以下なので、あなたの配偶者の税金の負担は増えません。つまり、ほかに収入がなければ雑所得95万円までなら配偶者の税金の負担は増えないということです。

雑所得のほかにパート収入がある場合は?

たとえば、あなたがパートも掛け持ちしており、1年間(1月~12月まで)の給料が90万円、雑収入が65万円のとき、あなたの配偶者の税金はどうなるのか見ていきましょう。

まず、給与所得は、

90万円給与収入55万円給与所得控除 = 35万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

となります。

つづいて、雑所得は、

65万円雑収入0円経費 = 65万円雑所得
※計算をわかりやすくするために経費は0円としています。
※雑収入(給与収入や事業収入などにあてはまらない雑多な収入)は雑所得に分類されます。

となります。

したがって、あなたの合計所得金額は、

35万円給与所得 + 65万円雑所得 = 100万円合計所得金額
※合計所得金額については合計所得金額とは?を参照。

となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が95万円を超えてしまっているので、あなたの配偶者の税金の負担は増えてしまいます。
※合計所得金額100万円だと、配偶者の税金は年間約1,000円~4,000円増えます。くわしくは次の項目で説明しています。

では次に、配偶者の税金がどれくらい増えるのかについて下記で説明していきます。年収別にシミュレーションして一覧表にまとめているのでチェックしておきましょう。

合計所得95万円以上で夫の負担はいくら増える?

上記の項目でも説明したように、1年間の合計所得金額が95万円を超えると、配偶者(たとえば夫)の税金の負担が徐々に増えていきます。


夫の年収にもよりますが、夫の税金の負担は年間約0.1~11万円増す場合が多いでしょう。
※夫の年収を250万円~900万円とした場合。
※ただし、夫の税金が増えるよりも妻の手取りが増えるほうが多いので損することはありません。くわしくは下記で説明しています。


以下に年収別に税金額のシミュレーションをしているのでどれくらい高くなるのかチェックしてみてください。

配偶者の負担額のシミュレーション(少しずつ税金の負担が増える)

たとえば、年収250万円~900万円の40歳以下社会保険加入の夫が配偶者特別控除を利用していた場合。妻の合計所得が増えるごとに徐々に税金の負担が増えていきます。
 

妻の合計所得金額 夫の年収250~400万円のとき 夫の年収500~600万円のとき 夫の年収700~900万円のとき
95万円以下 税金は0円高くなります。
所得税0円
住民税0円
税金は0円高くなります。
所得税0円
住民税0円
税金は0円高くなります。
所得税0円
住民税0円
100万円以下 税金は約1,000円高くなります。
所得税1,000円
住民税0円
税金は約2,000円高くなります。
所得税2,000円
住民税0円
税金は約4,000円高くなります。
所得税4,000円
住民税0円
105万円以下 税金は約6,000円高くなります。
所得税3,500円
住民税2,000円
税金は約9,000円高くなります。
所得税7,000円
住民税2,000円
税金は約16,000円高くなります。
所得税14,000円
住民税2,000円
110万円以下 税金は約13,000円高くなります。
所得税6,000円
住民税7,000円
税金は約19,000円高くなります。
所得税12,000円
住民税7,000円
税金は約31,000円高くなります。
所得税24,000円
住民税7,000円
115万円以下 税金は約21,000円高くなります。
所得税8,500円
住民税12,000円
税金は約29,000円高くなります。
所得税17,000円
住民税12,000円
税金は約46,000円高くなります。
所得税34,000円
住民税12,000円
120万円以下 税金は約28,000円高くなります。
所得税11,000円
住民税17,000円
税金は約39,000円高くなります。
所得税22,000円
住民税17,000円
税金は約61,000円高くなります。
所得税44,000円
住民税17,000円
125万円以下 税金は約36,000円高くなります。
所得税13,500円
住民税22,000円
税金は約49,000円高くなります。
所得税27,000円
住民税22,000円
税金は約76,000円高くなります。
所得税54,000円
住民税22,000円
130万円以下 税金は約43,000円高くなります。
所得税16,000円
住民税27,000円
税金は約59,000円高くなります。
所得税32,000円
住民税27,000円
税金は約81,000円高くなります。
所得税64,000円
住民税27,000円
133万円以下 税金は約48,000円高くなります。
所得税17,500円
住民税30,000円
税金は約65,000円高くなります。
所得税35,000円
住民税30,000円
税金は約100,000円高くなります。
所得税70,000円
住民税30,000円
133万円超え 税金は約52,000円高くなります。
所得税19,000円
住民税33,000円
税金は約71,000円高くなります。
所得税38,000円
住民税33,000円
税金は約109,000円高くなります。
所得税76,000円
住民税33,000円

※上記は1年間の金額。
※妻の合計所得が133万円を超えると控除の対象外となります。夫の合計所得金額が1,000万円を超えていれば、配偶者特別控除を利用することができません。くわしくはこちらで説明しています。

税金が増えても損することはない?
夫の税金が増えるよりも妻の手取りが増えるほうが多いので損することはありません。ただし、妻が16歳未満の子供を扶養している場合、住民税が0円になる条件から外れてしまう場合は気をつけましょう。

では次に、雑所得があるときに社会保険の扶養がどうなるかについて下記で説明していきます。たくさん稼ぐつもりの方はチェックしておきましょう。


社会保険の扶養はいくらまで外れない?130万円?

あなたが配偶者に扶養されており、あなたの収入が1年間で130万円以上になると社会保険の扶養から外れてしまいます
※1年間の収入の合計見込みが130万円以上(60歳以上は180万円)。
社会保険の扶養に入っている場合に限ります。
※加入している保険組合によっては雑所得を含まない場合があります。また、その収入が定期的なものではなく、一時的な収入(たとえば仮想通貨で一度売却して得た所得など)である場合、収入に含めない場合があります。くわしくは加入している健康保険組合を確認することをオススメします。

国民健康保険に加入している場合は、130万円に関係なく、稼いで所得が増えれば下記のように国民健康保険料が増額します。


社会保険の扶養から外れると、自分で国民健康保険および国民年金に加入して保険料を支払うことになります。

保険料は安い金額ではないので、自分で支払うことになる場合は覚悟しましょう。以下で保険料のシミュレーションをしています。

配偶者の社会保険の扶養から外れたとき、自分で支払う保険料はいくら?

雑所得が130万円のとき
たとえば雑収入(雑所得)が去年1年間(1月~12月まで)で130万円でそれ以外に収入がない場合、国民健康保険料は年間で約14万円になります。
また、あなたが20歳以上なら国民年金の保険料も支払うことになります。国民年金の保険料は年間約20万円です(配偶者の所得が少なければ半額免除が受けられる場合があります。半額免除なら約10万円に減額されます)。

※経費は0円としています。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。
※東京都世田谷区、年齢39歳以下、加入者1人としてシミュレーションしています。

現在、社会保険の扶養になっており、国民健康保険の保険料を支払いたくない場合は1年間の収入を130万円未満にしておくことをオススメします。





雑所得が200万円のとき
たとえば雑収入(雑所得)が去年1年間(1月~12月まで)で200万円でそれ以外に収入がない場合、国民健康保険料は年間で約20万円になります。
また、あなたが20歳以上なら国民年金の保険料も支払うことになります。国民年金の保険料は年間約20万円です。

※経費は0円としています。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。
※東京都世田谷区、年齢39歳以下、加入者1人としてシミュレーションしています。

では次に、扶養から外れるタイミングについて下記で説明していきます。扶養から外れそうな専業主婦さんなどはチェックしておきましょう。


配偶者の扶養から外れるタイミングはいつ?

税法上の扶養(配偶者特別控除)については、その年の12月31日時点での状況で判断されます。

たとえば、2021年(1月~12月まで)の雑所得が133万円を超えてしまって、2021年は配偶者特別控除の対象から外れたとします。
※所得が雑所得のみである場合。

しかし、2022年(1月~12月まで)の雑所得が少なければ、2022年は配偶者控除の対象になることができます。


以上のように、税法上の扶養については、その年の12月31日時点での状況で判断されるので、一度扶養から外れたとしても、翌年に条件を満たせばふたたび扶養の対象になることになります。
※出典:国税庁配偶者特別控除
※配偶者特別控除の対象から外れるときは、配偶者が年末調整や確定申告をするときに申請手続きすることになります(今まで申請していた「配偶者特別控除」を適用せずに提出するだけです)。


社会保険の扶養については?

社会保険の扶養については「扶養に入ろうとする時点以降の年間の見込み収入額」で判定されます。したがって、社会保険の扶養から外れても、今後1年間で年収130万円未満であると見込める場合は、ふたたび社会保険の扶養に入る条件を満たすので、扶養に戻ることができます(加入している保険組合が判定することになります)。

※条件を満たしている場合。くわしくは下記の記事を参照。
社会保険の扶養とは?保険料が0円になる?収入などの条件は?

では次に、雑所得がある場合の確定申告について下記で説明していきます。場合によっては申告しなくてもいいときがあるのでチェックしておきましょう。


確定申告をする必要ある?

あなたに雑所得があるときは確定申告をして所得の申告をする必要があります。
※ただし、合計所得が48万円以下なら申告しても所得税は0円になります。


ですが、あなたがパートやアルバイトをしている場合、雑所得が1年間で20万円以下なら確定申告をしなくてもいい決まりになっています。

くわしくは下記で説明しています。

20万円以下なら確定申告は不要?

あなたがパートやアルバイトなどで給料をもらっている場合、雑所得があれば税金が加算されますが、雑所得が1年間(1月~12月まで)で20万円以下ならば確定申告をしなくてもいい決まりになっています。

※給与所得と雑所得のほかに所得が無い場合。
※確定申告をする場合は、20万円以下だとしても雑所得の申告をしなければいけません。
※出典:国税庁確定申告を要しない場合の意義
※経費は0円としています。雑所得の計算式などは雑所得とは?を参照。


確定申告をしない場合住民税の申告が必要になります。確定申告をした場合は住民税の申告は必要ありません。確定申告はネットで簡単に作成できるのでオススメです。申告しなくてバレないか不安になるよりも、サッと申告を終わらせてしましょう。確定申告のやり方は下記で説明しています。
※出典:国税庁給与所得者で確定申告が必要な人

では次に、雑所得があるときの確定申告のやり方について下記で説明していきます。


確定申告のやり方は?

今はネットでかんたんに確定申告書が作成できます。作成した申告書を税務署に郵送することで確定申告が完了します。

確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日までに申告をしましょう。
※期限に遅れても申告できますが、税金が加算されるなどの罰則が与えられる場合があるのでなるべく期間内に申告することを心がけましょう。

雑所得がある場合の確定申告のやりかた

▶確定申告のながれ
STEP➊身分証明書など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払うまたは払い戻される)

くわしい手順は下記の記事で説明しています。
雑所得があるときの確定申告のやり方・手順

申告書が作成できるか不安な方は、まずはテキトーに金額を入力して確定申告書をためしに作成してみてもいいかもしれません。
※税務署に郵送する申告書に正しい金額を入力すれば問題ないので、ためしに申告書を何枚も作ってみましょう。

では最後に、ここまでのまとめについて下記で説明していきます。雑所得がある主婦さんはザッと把握しておきましょう。


ここまでのまとめ(雑所得にかかる税金は?)

ここまで説明したように、配偶者に扶養されている方に雑所得があるときは税金や扶養に注意しなければなりません。

雑所得と扶養の関係をまとめたものが以下になります。

配偶者に扶養されている方はチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ

  • 収入が130万円以上になると合計20万円以上の保険料を自分で支払うことになる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 雑所得が95万円を超えると配偶者の税金の負担が増えはじめる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • アルバイトなどの収入もある場合は所得を合算して95万円を超えると配偶者の税金の負担が増えはじめる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 配偶者の税金は約0.1~11万円増える。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 基本的に確定申告が必要。アルバイトなどもしており、雑所得が20万円以下なら確定申告はしなくてもいい。ただし、確定申告をしない場合は住民税の申告が必要になる。
    ※くわしくは上記で説明しています。
雑所得にかかる税金や手取りは?

あなたが数百万円・数千万円などのお金を稼げる見込みがあるなら、扶養なんて気にせずに稼ぐことをオススメします。
※扶養から外れてもせいぜい30~40万円の負担増なので、何百万円もお金を稼げるなら扶養は気にしないで稼いでください。

たくさん稼ぐつもりなら、年収ごとに税金や手取りがどれくらいになるかザッと把握しておくことをおすすめします。たくさん稼いでも、まとまったお金を準備しておかないと税金や保険料が支払えなくなるので注意しましょう。
ちなみに、雑所得だけで年収300万円のとき手取りは約220万円になります。

くわしくは下記の記事を参照。
雑所得10~1,000万円で税金はいくら?【収入別シミュレーション】