国民健康保険と任意継続はどっちが得なの?
保険料が安くなるなら任意継続のほうがお得。扶養する家族がいる場合は任意継続のほうが安くなることが多い。
※くわしくは下記で説明しています。
国保よりも任意継続の保険料は高い?
任意継続の保険料は全額負担なので高くなることが多い。月収30万円だった場合で国民健康保険とシミュレーションすると国保のほうが安くなる傾向がある。
※保険料は市区町村によって異なります。くわしくは下記で説明しています。
任意継続のほうが安くなるときは?
保険組合に上限があったり、扶養する家族がいる場合は国民健康保険よりも保険料が安くなることが多い(国保には扶養のシステムが無いため)。
※上限については下記で説明しています。
※扶養については下記で説明しています。
では最初に、任意継続とは何かについて下記で説明していきます。退職後に任意継続を考えている方はチェックしておきましょう。
本人が希望すれば退職をした後も勤務先の健康保険に一定期間加入することができます。これを健康保険の任意継続といいます。
※任意継続は保険料を期限までに納付することによって個人の希望で加入期間を継続する制度です。
たとえば勤務先の保険組合に「ほかの公的保険よりも病院代が安くなる」などのメリットがある場合、任意継続をすれば退職した後もそのメリットを受けることができます。
※任意継続をしなければ退職後に勤務先の保険組合を抜けなければいけないので、保険組合の給付を受けることはできません。
※加入している保険組合によっては一部受けられない給付もあります。
では次に、任意継続にするメリットについて下記で説明していきます。任意継続にすると保険料が安くなるときがあります。
任意継続は保険料が全額負担になるので、退職前よりも保険料金が高くなる傾向があります。
ただし、退職前に給料をたくさんもらっていた人は、場合によっては保険料が安くなることがあります。この場合、任意継続にしたほうがメリットがあるといえるでしょう。
※くわしくは下記の任意継続の保険料には上限がある?で説明しています。
また、扶養する家族がたくさんいる場合、国民健康保険よりも保険料が安くなることがあります。この場合、任意継続にしたほうがメリットがあるといえるでしょう。
※下記のほかにも注意することは?で説明しています。
こんなページもみられています
任意継続の保険料をパッと計算シミュレーション
では次に、任意継続と国民健康保険の保険料の比較について下記で説明していきます。どっちのほうが保険料が安くなるのかシミュレーションしてみましょう。
健康保険の保険料は会社と折半しているので、会社に勤めていたときの保険料は半分の負担で済んでいます。
しかし、任意継続になると保険料は全額負担になります。なので、保険料は以前より高くなる傾向があります。
※ただし、退職前の給料が高額だったひとは任意継続にしたほうが安くなる場合もあります。くわしくは下記の項目(任意継続には上限がある?)で説明しています。
以下は月収が30万円(年収360万円)だった場合の保険料シミュレーションです。退職予定の会社員やアルバイトなどの方はチェックしておきましょう。
※任意継続をする前に国民健康保険の保険料としっかり比べましょう。
※任意継続の保険料はこちらのシミュレーションで計算できます。
②次に所得割を計算
総所得金額等が244万円なので、所得割は以下のようになります。
(
※43万円は基礎控除として一律に引かれます。
※所得割については所得割とはを参照。
③次に国民健康保険料を計算
国民健康保険料は所得割と均等割の合計なので、1年間の保険料は以下のようになります。
※世田谷区、40歳未満独身として計算しています。
※所得割・均等割については所得割・均等割とはを参照。
※保険料の計算方法は国民健康保険とはを参照。
※保険料率等は市区町村によって異なります。
国民健康保険料は以下のページで計算できます。
では次に、任意継続のほうが安くなる場合について下記で説明していきます。任意継続には上限が決められている場合があります。
任意継続になると保険料は全額負担になるので、以前より高くなる傾向があります。
ただし、場合によっては保険料が安くなることもあります。なぜかというと、任意継続の保険料には上限が設定されている場合があるからです。
高額な給料をもらっていたひとはそれだけ保険料も高くなりますが、退職後に任意継続にすることで以前より安くなる場合があるんです(保険料に上限ができるため)。
わかりやすく説明するために以下でシミュレーションしていきます。
となります。
ですが任意継続の保険料には上限が設定されている場合があります※。上限を30万円とすると、退職前の月収が80万円だとしても保険料は以下のようになります。
※下記で説明するように、加入している保険組合によっては上限が無い場合があります。
以上のように、退職前に高額な給料をもらっているひとは任意継続のほうが保険料が安くなる場合があります。ただし、加入している保険組合によって標準報酬月額の上限は異なるので保険料がもっと高額になることがあります。自分の保険組合についてしっかりチェックしておきましょう。
任意継続の計算はこちら
任意継続の保険料をパッと計算シミュレーション
任意継続と国民健康保険の保険料を比較しましたが、ほかにも注意することがあります。
注意点は「国保の保険料が減額されること」、「国保には扶養のシステムがないこと」です。
とくに扶養する家族がいる方はチェックしておきましょう。
任意継続をするには以下の2つを満たさなければいけません。
任意継続をするつもりの方は早めに準備しましょう。
では次に、任意継続の加入期間について下記で説明していきます。また、資格を喪失する(任意継続を抜ける)条件についても説明していきます
任意継続の加入期間は2年間(退職日の翌日に資格を取得してから2年間)です。
ただし、以下の1~6のいずれかにあてはまる方は2年の加入期間中であっても任意継続の資格を喪失することになります。
※2022年1月の改正により、自己都合で任意継続をやめる(資格を喪失する)ことができるようになりました。
※3~5の理由で資格を喪失するときは資格喪失申出書を提出することになります。
※くわしくは加入している保険組合で確認することをオススメします。
※参照:全国健康保険協会任意継続とは
以上の条件のどれかを満たしたときに任意継続の資格を喪失することになるので覚えておきましょう。
任意継続の加入期間中に「期限までに保険料を支払わなかった」場合は任意継続の資格を喪失(脱退)することになります。
※任意継続は保険料を期限までに納付することによって個人の希望で加入期間を継続する制度です。
※資格喪失の条件にあてはまるので任意継続の資格を喪失することになります。
では次に、届出を提出する場合について下記で説明していきます。扶養に入れる親族を変更するときなどに届出を提出することになります。
任意継続を選択して親族を扶養に入れる場合は届出を提出して申請しなければいけません。何もしないと親族は扶養に入れることができないので注意しましょう。
また、再就職などで任意継続の資格を喪失するときには申請書を提出して保険証も返却しましょう。そのままにしていると保険料が請求されてしまうので早めに手続きをしましょう。
※申請書は加入している保険組合HPにてダウンロードしましょう。