有給休暇とは?わかりやすく説明。日数はどれくらい?

2021.09.24 更新

有給休暇がどんな制度なのかご存知でしょうか。「正社員じゃない人は関係ないでしょ?」という認識の方もいると思います。この記事では年次有給休暇(有休)の取得方法などについて簡単に説明していきます。
この記事の目次
有給休暇ってなに?

有給休暇とは「有給」で休むことができる制度です。通常のお休みとは違い、有給休暇は仕事を休んでもお金がもらえます。

有給休暇を取れるのは正社員だけだと勘違いしている方もいますが、パートやアルバイトの方も有給休暇は与えられます。

ただし、有給休暇を取得するには一定の条件があります。くわしい条件や与えられる日数などについては下記で説明しているのでチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 有給休暇は6か月以上雇用されている方に与えられる。

  • 勤続年数や労働日数などによって有休の日数は変わる。

  • 有休を繰り越すことはできるが2年経つと消滅する。

  • 有休が与えられる対象にはパートやアルバイトも含まれる。

では、まず有給休暇を与えられるための条件について下記で説明していきます。働いてからすぐに有給休暇をもらえるわけではないので気をつけましょう。


有給休暇の条件は?

有休を取得する条件は以下の2つを満たすことです。

条件を満たした方は正社員やアルバイトなどの区分に関係なく有給休暇が与えられます。

パートやアルバイトだからといって有給休暇を取得できないってことはないので安心してください。
※労働基準法第39条によって定められています。

パートやアルバイトの方は自分が条件にあてはまっているかチェックしておきましょう。雇われてからすぐに有給休暇が取得できるわけではないので注意しましょう。

有休取得のための2つの条件

▶雇い入れの日から6か月経過していること
▶全労働日の8割以上出勤していること

では次に、与えられる有給休暇の日数はどれくらいなのかについて下記で説明していきます。

有給休暇の日数はどれくらい?

有給休暇の日数は勤務年数や普段働いている時間によって以下のように決められています。


会社に雇われて働いているひと(サラリーマンやアルバイトなど)はチェックしておきましょう。

通常の労働者の付与日数



週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数

例:有給休暇の日数は何日?
▶通常の労働者の場合
たとえば、継続した勤務年数が5年の方は有給休暇が年間16日与えられます。


▶働く時間が少ない方の場合
たとえば、継続した勤務年数が5年で週に3日働いているという方は有給休暇が年間9日与えられます。
使ってない有休は2年経つと消滅する?
与えられた有給休暇を使わなければ2年経つと無くなってしまいます。

たとえば、2020年10月1日に有給休暇が10日与えれたとします。1日も使わなければ翌年に繰り越され、2021年10月1日に新たに有給休暇が11日与えられます。したがって、2021年10月1日時点で合計21日の有給休暇を持っていることになります。さらに、そのまま1日も使わなければ翌年に繰り越され、2022年10月1日になると新たに有給休暇が12日与えられますが、2020年にもらった10日分の有給休暇は消滅してしまいます。

このように、有休には時効があるので計画的に取得するように気をつけましょう。

では次に、1年間に5日の有給休暇を取得させる義務について下記で説明していきます。どんなひとが当てはまるのかチェックしておきましょう。


従業員に有給休暇を5日取得させなきゃダメ?

1年間に有休が10日以上与えられる従業員には最低でも年間5日の有給休暇を取得させることが義務づけられています。

正社員だけでなく、パートやアルバイトだとしても義務の対象になります。

「アルバイトだから有給休暇は与えられない」のようなことはないので安心してください。

有休を5日取得させなければいけない対象者
使用者は以下にあてはまる従業員に年間5日の有給休暇を取得させなければいけません。

▶1年間に有休が10日以上与えられる従業員。
※従業員にはパートやアルバイトも含まれる。
※有休が1年間に10日以上与えられているかわからない方は上記の表で自分に与えられる日数を確認しておきましょう。
有給休暇でもらえるお金はどれくらい?

有給休暇でもらえるお金の計算方法は3つあり、勤めている会社の規則などによって計算方法が決められています。

自分の勤務先の有給休暇がどの計算方法なのか知っておきましょう。

有給休暇でもらえるお金の3つの計算方法

1.通常の勤務で支払われる賃金と同じだけ
通常どおり勤務したとして支払われる給料と同じだけの金額が有休をとったときにもらえる方法です。たとえば、アルバイトなどで8時間シフトなら時給×8時間分の金額が支払われることになります。
2.平均賃金
平均賃金とは、次のうちどちらか高いほうの金額がもらえる方法です。たとえば、過去3ヶ月の賃金合計が90万円なら有給の金額は1日約10,000円となります。
※ボーナスや早退した日などは計算から除かれます。

  • 過去3ヶ月間の賃金合計÷過去3ヶ月間の日数
  • (過去3ヶ月間の賃金合計÷過去3ヶ月間の労働日数)×0.6
3.標準報酬日額
標準報酬日額のぶんだけもらえる方法です。ただし、この方法を用いるには会社と労働者で話し合って決める必要があります(労使協定)。
※標準報酬日額とは:標準報酬月額を日割りで算出した金額のこと。
退職するときに余った有給休暇はどうなるの?

退職する前に有休を使い切ろうとしたけど余ってしまうケースもあると思います。

余った有給は「会社が買い上げる」もしくは「そのまま退職」することになります。

有休を使い切れなかったり、時効で有休が消滅してしまうときに会社側の判断で買い取ることは法律違反ではありません。ただし、従業員が会社側に有休を買い取ることを請求することはできません。
※会社が有休を買い取ることは義務ではないため。

また、「有休を使わないなら会社側であらかじめ買い取っておいて、有休を無くす」ような行為は法律違反になってしまうため、会社は有休を買い取ることができません。
※労働基準法第39条。

したがって、上記のような「結果的に有給が余ってしまった」場合は会社側がOKなら有休を買い取ってもらうことは問題ありません。転職した次の会社では決められた日数の有休をしっかり取得するように気をつけましょう。


有給休暇を取りながら転職先で働いてもいいの?

退職するまでに有休をすべて消化しようと思っているが、そうすると転職先に勤務する日と重なってしまうという方もいると思います。

退職前の勤務先に籍を残しながら有休を消化しつつ、転職先で勤務することは違反ではありません。ですが、下記の複数の問題をクリアしないといけません。

問題1.副業がOKか
まず1つめの問題はダブルワークが禁止されていないかです。退職前の勤務先に籍を残しながら有休を使うとなると、2つの勤務先で働いていることになります。転職先が副業を禁止している場合、それが発覚すると違反で転職先から怒られてしまうかもしれません。したがって、転職先が副業を禁止している場合は有休が消化しきれなくてもあきらめることをオススメします。
問題2.社会保険の手続き
2つめの問題は社会保険の手続きです。退職前の勤務先および転職先で社会保険(健康保険と厚生年金)に加入する場合、2つの勤務先に社会保険の保険料を按分してもらうことになるので「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」に必要事項を記入して提出しなければいけません。本人が手続きしなければいけないのでよくわからない人にとっては少し難しいかもしれません。
問題3.雇用保険
3つめの問題は雇用保険の2重加入はできないことです。退職前の勤務先および転職先の両方で雇用保険に加入することは出来ません。したがって、有休を消化しながら転職先で勤務する場合は、退職前の勤務先に雇用保険の資格喪失の手続きをしてもらう、もしくは転職先に雇用保険の加入手続きを待ってもらうことを伝えなければいけません。

上記の問題をクリアできれば有休を取りながら転職先で働くことが出来ますが、手続きが多くて転職先にも色々と伝えなければならないためあまりオススメできません。

まとめ(取得するときは事前に伝えてスムーズに)

ここまで説明したように、有給休暇は雇われて働くひとたちに与えられた権利であり、正社員やアルバイトなど関係なく取得することができます。

ただし、次のように注意しなければいけないこともあります。


有給休暇は請求すれば取得することができますが、場合によっては事業の運営に支障がでるようなときがあります。このとき会社は指定された日を変更する権利が認められています。
※時季変更権

たとえば社員全員が同時に同じ日に「有給休暇をもらいます」と急に申請したら会社の運営に支障がでてしまいます。このような事態を避けるためにも有給休暇をもらうときは事前に会社に伝えておき、事業の運営に支障が出ないようにしましょう。


また、会社を退職する際に自己都合なのか会社都合なのか判定が気になる方は下記のリンク先ページをチェックしておきましょう。自己都合か会社都合なのかによって基本手当(失業手当)をもらえる金額が変わってきます。
自己都合退職と会社都合退職で何が変わる?違いはなに?