育児休業給付金とは?手取りはいくら?申請方法など解説

2022.05.07 更新
育休をしているあいだもお金がもらえることを知っていますか?この記事では育休中にもらえるお金や申請方法、育児休業給付金の手取りや注意点などについてわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
育児休業給付金とは?

育休中にもらえるお金を「育児休業給付金」といいます。雇用保険に入っている方が育休を取ったときに支給されるものです。

ただし、育休を取得しても申請をしなければお金は支給されません。

育休を取得するつもりの方は育児休業給付金がもらえる条件や申請方法、支給額はいくらなのか等についてザッと把握しておくことをオススメします。

この記事の要点

  • 給付金は雇用保険に加入しているひとがもらえる。

  • もらえる金額の上限は約30万円。

  • もらえる期間は1歳になるまでだが延長できる場合もある。

  • 育休中もアルバイトはしていいが、稼ぐ金額によっては減額や支給停止される。

では最初に、育児休業給付金をもらえる条件について下記で説明していきます。育休中に給付金をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。


もらえる条件は?
育児休業給付金は、雇用保険に加入していなければ支給されない

条件にすべてあてはまる方が育児休業給付金の支給対象者となります。

給付金をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。

簡単に説明すると、雇用保険に加入しており、1歳未満の子を養育している方は給付金が支給されます。

したがって、雇用保険に加入していない方は育児休業給付金が支給されません。

支給条件

  • 雇用保険被保険者であること
  • 1歳に満たない子を養育していること(保育園に入所できない等、一定要件を満たす場合最長2歳)
  • 育児休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数(賃金や報酬の支払い対象となっている日数のこと)が11日以上ある月が通算して12カ月以上あること

※原則、日給者の場合は各月の出勤日数、月給者の場合は各月の暦日数。
※雇用保険の被保険者期間において産前休業開始日等を起算点として、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上※1ある完全月が12カ月以上ある場合でも要件を満たすものとされます。
※1 11日以上の月が12カ月ない場合、完全月で賃金支払基礎となった時間数が80時間以上の月を1カ月として算定します。



パートや派遣など期間を定めて雇用されてるひとは?
有期雇用労働者(パートや派遣など期間を定めて雇用される者)の場合は、上記に加えて、下記の条件を満たさなければいけません。

  1. 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
    ※2022年4月から条件1は無くなり、有期契約労働者が育休を取得しやすくなります。くわしくはこちらのお知らせを参照。
  2. 子が1歳6カ月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと

※参照:厚生労働省Q&A~育児休業給付~

会社によっては育休が断られる場合もある?

次のような労働者について「育児休業をすることができないこととする労使協定(会社との契約)」があるときは、事業主は育児休業の申出を拒むことができ、拒まれた労働者は育児休業を取得できません。

  • 雇用された期間が1年未満の労働者
  • 1年以内に雇用関係が終了する労働者(1歳6か月までの育児休業の場合は、6か月以内)
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

※出典:厚生労働省育児・介護休業法のあらまし

入社してすぐにはもらえない?
育児休業給付金は入社してすぐにはもらえない

上記の条件を見てわかるように、育児休業開始前の2年間に一定の条件を満たした月が12ヶ月以上なければ育児休業給付金はもらえません。


したがって、会社などに雇われて初めて働き始める等の場合(パートやアルバイト含む)、すぐに育児休業給付金をもらうことはできません。


たとえば、新入社員として働き始めた方が入社してすぐに育児休業を取得したとしても、育児休業給付金はもらうことができません。
※入社以前にほかの会社等で勤務していた場合、その期間(被保険者であった期間)も通算することができます。通算した期間が上記の条件を満たせば、育児休業給付金の対象となります。
※ただし、離職後に基本手当の受給資格の決定を受けている場合は、以前の勤務期間(被保険者であった期間)は通算されません。

※出典:東京ハローワークホームページ育児休業給付に関するQ&A
※出典:厚生労働省育児・介護休業法のあらまし

では次に、もらえる期間について下記で説明していきます。育休中に給付金をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。


もらえる期間は?

育児休業給付金がもらえるのは子どもが1才になるまでです。

ただし、保育所に入れたいけど入れないなどの場合、最長2歳になるまで育休を延長することができます。

延長できる場合
次のいずれかにあてはまる場合、最長2歳まで育児休業期間を延長することができます。

  • 保育所に入所を希望しているが、入所できない場合
  • 1歳以降、子の養育をする予定であった配偶者が死亡・負傷等の事情によって、子を養育することが困難になった場合
※延長するには申請をする必要があります。申請方法については下記で説明しています。

では次に、育児休業給付金の申請方法について下記で説明していきます。


育児休業給付金の申請方法は?支給までの流れ
育児休業給付金をもらうには申請が必要

育児休業給付金は申請しなければ支給されません。

申請は基本的に事業主が行います。申請書をハローワークに提出することで従業員に給付金が支給されます。

従業員は、事業主から渡された申請書に記入して、必要書類を添付して提出しましょう。

下記は給付金が支給されるまでのながれです。申請方法も一緒に説明しているのでチェックしておきましょう。

申請方法は?支給までの流れ

1.育休の取得
従業員が育休を取得します(その際に「育児休業申出書」を提出します)。
※勤務先に言って書類をもらい記入しましょう。無ければテンプレートをダウンロードしましょう。

2.育児休業の取扱いが通知される
事業主が「育児休業取扱通知書」を作成・記入して、育休を取得する従業員にを提出します。
※無ければテンプレートをダウンロードしましょう。
3.社会保険料の免除をしてもらう
育児休業中は従業員と事業主両方の社会保険料が免除されます。
事業主が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出することになります。
※申請するための用紙は下記のページからダウンロードできます。
※参照:日本年金機構従業員が育児休業を取得・延長したときの手続き

ここから給付金の申請手続き

4.育児休業給付金の申請をする
事業主がハローワークに申請して以下の書類を受け取ります。

ハローワークから受け取る書類
▶育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
▶雇用保険被保険者証休業開始時賃金月額証明書(育児)

※どちらもハローワークからもらうことになります。
5.従業員が申請書に記入
4.で事業主がハローワークから請求した「育児休業給付金支給申請書」を従業員に渡して記入してもらいましょう。
給付金を申請する従業員は、申請書とともに下記の書類を添付して事業主に提出しましょう。

添付書類
・母子健康手帳などの育児の事実を確認できる書類のコピー
・振込先がわかる通帳のコピー

※申請書は下記のページを参考に記入しましょう。
※参照:ハローワーク育児休業給付の内容及び支給申請手続について[PDF]
※参照:厚生労働省第11章 育児休業給付について[PDF]
6.申請書を提出後、お金が振り込まれる
従業員から5.の申請書を受け取り、4.で受け取った「雇用保険被保険者証休業開始時賃金月額証明書(育児)」と一緒に事業主がハローワークに提出します。提出期限は休業開始日から4ヵ月後が属する日の月末までなので気をつけましょう。

これで育児休業給付金の初回の申請は完了です。支給決定後に通知が届き、約1週間で従業員の口座にお金が振り込まれます。

※休業開始時賃金月額証明書(育児)の記入例は以下のページにあります。事業主は提出を忘れないようにしましょう。
※参照:厚生労働省第11章 育児休業給付について[PDF]
7.ハローワークから書類を受け取る
6.のあと、ハローワークから下記の書類を受け取ります。
▶育児休業給付金支給申請書
8.2ヶ月ごとに申請する
2ヶ月ごとに事業主が7.で受け取った申請書を提出して給付金支給の申請をします。
育児休業が終わるまで申請を2ヶ月ごとに繰り返し行います。
育児休業給付金はいつ振り込まれる?

育児休業給付金が支給されるのは、ハローワークの審査が終わって、支給決定の通知が届いてから約1週間後です。

ハローワークの審査状況によるので、給付金が口座に振り込まれるのは1~3か月以内と考えておきましょう。また、振り込まれる際は毎月振り込まれるわけではなく、原則2か月に一度、2か月分が振り込まれます。

※参照:厚生労働省Q&A~育児休業給付~

では次に、育休の期間を延長するための申請方法について下記で説明していきます。


期間を延長するためには?

保育所に入れないなどの理由で育休の延長の申請をするときはハローワークに申請書を提出しなければいけません。

申請期日は、育児休業終了予定日(子の1歳の誕生日前日)の2週間前までなので忘れないように気をつけましょう。

延長の申請方法
従業員から延長の要求を受けた事業主は、ハローワークに以下の書類を提出してください。

▶育児休業給付金支給申請書(延長の記載をする)
▶延長の必要性が証明できる書類(必要に応じて下記の書類を添付してください。)

  • 保育所等の入所保留の通知書(保育が行われない事実を証明する書類)
  • 世帯全員が記載された住民票のコピー
  • 医師の診断書
  • 母子健康手帳

など。

では次に、パパママ育休プラスについて下記で説明していきます。夫婦ともに取得すると休業期間が伸びます。

パパママ育休プラスで1歳2か月まで伸びる?
パパママ育休プラスで1歳2か月まで伸びる

父母ともに育児休業を取得する場合は、子供が1歳2か月に達する日の前日まで給付金をもらうことができます。

2人とも育休を取るつもりの家庭にとってはお得な制度なので、申請を忘れないようにしましょう。

ただし、給付金を受給できる期間は1年までです。妻または夫のどちらか一人で1年2か月間お金がもらえるわけではありません。

以下1~3の要件にすべてあてはまる場合に1歳2か月まで給付金を受け取ることができます。

パパ・ママ育休プラスの1~3要件

  1. 育児休業開始日が1歳に達する日の翌日以前である場合
  2. 育児休業開始日が配偶者が取得している育児休業期間の初日以後である場合
  3. 配偶者が子の1歳に達する日以前に育児休業を取得していること
※出産日(産前休業の末日)と産後休業期間と育児休業給付金を受給できる期間を合わせて1年です。男性の場合は育児休業給付金を受給できる期間が1年となります。
申請に必要な書類
▶育児休業給付金支給申請書(配偶者が育休を取得するときに記入する項目「19欄と20欄」に必要事項を記載する)

上記に加えて、以下の書類を添付してください。

  • 世帯全員について記載された住民票の写し
  • 配偶者の育児休業取扱通知書の写しなど(配偶者が育児休業を取得することがわかるもの)

では最初に、育休中にもらえる給付金はどれくらいか下記で説明していきます。これから給付金を受けようとしている方はチェックしておきましょう。


もらえる金額の計算式は?上限はいくら?
育児休業給付金には上限がある

育児休業給付金がどれくらい支給されるのかくわしく見ていきましょう。

支給額はおおよそ(月給 ÷ 30) × 支給日数 × 67%です。
※支給日数は原則として30日です。


計算式は以下のとおりです。給付金をもらう予定の方はチェックしておきましょう。


ちなみに、給付金には上限があるので、育休前にたくさん給料をもらっていたとしても給付金は上限額までしか支給されません。
※育児休業給付金の上限額は月301,902円(6ヶ月経過後は225,300円)です。

支給額の計算式

育児休業給付金の支給計算式
育児休業給付金の支給計算式

※休業開始時賃金日額とは:休業開始前6ヶ月間の賃金を180で割った金額
※育児休業を開始してから支給単位期間(1ヶ月)ごとに支給されます。180日目までは休業開始前賃金の67%が、181日目以降は50%が支給されます。

※支給単位期間の支給日数は原則として30日です。ただし、育児休業終了日を含む支給単位期間については、育児休業終了日までの日数となります。

どれくらいの金額がもらえる?支給額の例

育休前の月収が約15万円の場合は? 支給額は月額約10万円となります。
※6ヶ月経過後は約8万円
育休前の月収が約20万円の場合は? 支給額は月額約13万円となります。
※6ヶ月経過後は約10万円
育休前の月収が約30万円の場合は? 支給額は月額約20万円となります。
※6ヶ月経過後は約15万円

育児休業給付金の上限額は?
育児休業給付金の上限額は月301,902円(6ヶ月経過後は225,300円)です。

育児休業給付金を受けると手取りはいくら?育休前後でシミュレーション
育児休業給付金の手取りは約80%になる

上記でも説明したように、育児休業給付金は月収の約67%の金額になります(6か月以降は50%)。


ただし、下記のシミュレーションを見てわかるように、育児休業給付金には税金や保険料がかかりません。


したがって、手取りがそれなりの金額(育休前の約80%)になります。手取りがいくらになるか下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。

育休前の月収が25万円(年収300万円)だったときの手取りシミュレーション

育休前(給付金をもらう前)
▶月収25万円のとき

  • 所得税:ひと月約4,600円
  • 住民税:ひと月約10,000円
  • 年金保険料:ひと月約24,000円
  • 健康保険料:ひと月約13,000円
  • 雇用保険料:ひと月約900円
  • 手取り:ひと月約200,000円
    ※計算はこちらのシミュレーションで行っています。



育休後(給付金が支給中)
▶月収16.8万円のとき
※上記の16.8万円は、育休で休業する前の月収が25万円だったときの育児休業給付金の額(1か月間30日支給された場合の金額)。
※くわしい計算式は上記を参照。

  • 所得税:ひと月0円
  • 住民税:ひと月約10,000円
    ※住民税については翌年に反映されます。
  • 年金保険料:ひと月0円
  • 健康保険料:ひと月0円
  • 雇用保険料:ひと月0円
    ※賃金をもらっていなければ雇用保険料は0円になります。
  • 手取り:ひと月約158,000円(6か月以降は約115,000円)

では次に、育休中の税金や社会保険料が0円になることについて下記で説明していきます。

育休中は税金や社会保険料が0円になる?

育休中は社会保険料を免除することができます。


申請をすれば事業主と従業員両方の社会保険料が0円になります。従業員と事業主のどちらも0円になるので必ず申請するようにしましょう。
※厚生年金保険について、上記の免除期間は保険料を納めた期間として扱われます。
※健康保険証についても育休前と同様に使用することができます。



免除の申請は事業主が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出することになります。

育児休業給付金は収入になる?

育児休業給付金は非課税所得のため収入や所得にはなりません。つまり、給付金について課税されることはありません。したがって、給付金にかかる税金は0円になります。

ここまでのまとめ(育休中にお金を稼ぐと減額される?)

雇用保険に加入している場合に育休を取得したときじゃないと給付金は支給されません。

また、育児休業給付金には税金がかからないこと、そして育休中は社会保険料が免除されることは知っておきましょう。

また、育休中も働いて賃金を受けようとしている方は減額される可能性があることを覚えておきましょう。

まとめ

  • 給付金は雇用保険に加入しているひとがもらえる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • もらえる期間は1歳になるまでだが、延長できる場合もある。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 育休中の手取りは約80%になる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 育休中にもらう給付金は非課税所得なので税金が0円になる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 育休中の社会保険料は免除されるので0円になる。健康保険は育休前と同様に使えるので不安になる必要はない。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 育休中もアルバイトはしていいが、稼ぐ金額によっては減額や支給停止される。
    ※くわしくは上記で説明しています。
育休中にお金を稼ぐと減額される?

育休中に給付金をもらいながら勤務先で働いて賃金を受けることもできます。ですが、給付される金額が減ってしまうことがあります。

さらに、80時間以上働くひとは給付金が支給停止されてしまうので気をつけましょう。
※妊娠中もそれほど辛くなくてアルバイトなどをして働きたいと思っているひとは気をつけてください。

くわしくは下記の記事で説明しています
育休中に働いたら給付金は減額する?副業やアルバイトも?