育休中にもらえるお金を「育児休業給付金」といいます。雇用保険に入っている方が育休を取ったときに支給されるものです。
ただし、育休を取得しても申請をしなければお金は支給されません。
育休を取得するつもりの方は育児休業給付金がもらえる条件や申請方法、支給額はいくらなのか等についてザッと把握しておくことをオススメします。
では最初に、育児休業給付金をもらえる条件について下記で説明していきます。育休中に給付金をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。
条件にすべてあてはまる方が育児休業給付金の支給対象者となります。
給付金をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。
簡単に説明すると、雇用保険に加入しており、1歳未満の子を養育している方は給付金が支給されます。
したがって、雇用保険に加入していない方は育児休業給付金が支給されません。
※原則、日給者の場合は各月の出勤日数、月給者の場合は各月の暦日数。
※雇用保険の被保険者期間において産前休業開始日等を起算点として、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上※1ある完全月が12カ月以上ある場合でも要件を満たすものとされます。
※1 11日以上の月が12カ月ない場合、完全月で賃金支払基礎となった時間数が80時間以上の月を1カ月として算定します。
パートや派遣など期間を定めて雇用されてるひとは?
有期雇用労働者(パートや派遣など期間を定めて雇用される者)の場合は、上記に加えて、下記の条件を満たさなければいけません。
※参照:厚生労働省Q&A~育児休業給付~
次のような労働者について「育児休業をすることができないこととする労使協定(会社との契約)」があるときは、事業主は育児休業の申出を拒むことができ、拒まれた労働者は育児休業を取得できません。
※出典:厚生労働省育児・介護休業法のあらまし
上記の条件を見てわかるように、育児休業開始前の2年間に一定の条件を満たした月が12ヶ月以上なければ育児休業給付金はもらえません。
したがって、会社などに雇われて初めて働き始める等の場合(パートやアルバイト含む)、すぐに育児休業給付金をもらうことはできません。
たとえば、新入社員として働き始めた方が入社してすぐに育児休業を取得したとしても、育児休業給付金はもらうことができません。
※入社以前にほかの会社等で勤務していた場合、その期間(被保険者であった期間)も通算することができます。通算した期間が上記の条件を満たせば、育児休業給付金の対象となります。
※ただし、離職後に基本手当の受給資格の決定を受けている場合は、以前の勤務期間(被保険者であった期間)は通算されません。
※出典:東京ハローワークホームページ育児休業給付に関するQ&A
※出典:厚生労働省育児・介護休業法のあらまし
では次に、もらえる期間について下記で説明していきます。育休中に給付金をもらうつもりの方はチェックしておきましょう。
育児休業給付金がもらえるのは子どもが1才になるまでです。
ただし、保育所に入れたいけど入れないなどの場合、最長2歳になるまで育休を延長することができます。
では次に、育児休業給付金の申請方法について下記で説明していきます。
育児休業給付金は申請しなければ支給されません。
申請は基本的に事業主が行います。申請書をハローワークに提出することで従業員に給付金が支給されます。
従業員は、事業主から渡された申請書に記入して、必要書類を添付して提出しましょう。
下記は給付金が支給されるまでのながれです。申請方法も一緒に説明しているのでチェックしておきましょう。
1.育休の取得
従業員が育休を取得します(その際に「育児休業申出書」を提出します)。
※勤務先に言って書類をもらい記入しましょう。無ければテンプレートをダウンロードしましょう。
ここから給付金の申請手続き
育児休業給付金が支給されるのは、ハローワークの審査が終わって、支給決定の通知が届いてから約1週間後です。
ハローワークの審査状況によるので、給付金が口座に振り込まれるのは1~3か月以内と考えておきましょう。また、振り込まれる際は毎月振り込まれるわけではなく、原則2か月に一度、2か月分が振り込まれます。
※参照:厚生労働省Q&A~育児休業給付~
では次に、育休の期間を延長するための申請方法について下記で説明していきます。
保育所に入れないなどの理由で育休の延長の申請をするときはハローワークに申請書を提出しなければいけません。
申請期日は、育児休業終了予定日(子の1歳の誕生日前日)の2週間前までなので忘れないように気をつけましょう。
など。
では次に、パパママ育休プラスについて下記で説明していきます。夫婦ともに取得すると休業期間が伸びます。
父母ともに育児休業を取得する場合は、子供が1歳2か月に達する日の前日まで給付金をもらうことができます。
2人とも育休を取るつもりの家庭にとってはお得な制度なので、申請を忘れないようにしましょう。
ただし、給付金を受給できる期間は1年までです。妻または夫のどちらか一人で1年2か月間お金がもらえるわけではありません。
以下1~3の要件にすべてあてはまる場合に1歳2か月まで給付金を受け取ることができます。
では最初に、育休中にもらえる給付金はどれくらいか下記で説明していきます。これから給付金を受けようとしている方はチェックしておきましょう。
育児休業給付金がどれくらい支給されるのかくわしく見ていきましょう。
支給額はおおよそ(月給 ÷ 30) × 支給日数 × 67%です。
※支給日数は原則として30日です。
計算式は以下のとおりです。給付金をもらう予定の方はチェックしておきましょう。
ちなみに、給付金には上限があるので、育休前にたくさん給料をもらっていたとしても給付金は上限額までしか支給されません。
※育児休業給付金の上限額は月301,902円(6ヶ月経過後は225,300円)です。
※休業開始時賃金日額とは:休業開始前6ヶ月間の賃金を180で割った金額
※育児休業を開始してから支給単位期間(1ヶ月)ごとに支給されます。180日目までは休業開始前賃金の67%が、181日目以降は50%が支給されます。
※支給単位期間の支給日数は原則として30日です。ただし、育児休業終了日を含む支給単位期間については、育児休業終了日までの日数となります。
育休前の月収が約15万円の場合は? | 支給額は月額約10万円となります。 ※6ヶ月経過後は約8万円 |
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育休前の月収が約20万円の場合は? | 支給額は月額約13万円となります。 ※6ヶ月経過後は約10万円 |
育休前の月収が約30万円の場合は? | 支給額は月額約20万円となります。 ※6ヶ月経過後は約15万円 |
育児休業給付金の上限額は?
育児休業給付金の上限額は月301,902円(6ヶ月経過後は225,300円)です。
上記でも説明したように、育児休業給付金は月収の約67%の金額になります(6か月以降は50%)。
ただし、下記のシミュレーションを見てわかるように、育児休業給付金には税金や保険料がかかりません。
したがって、手取りがそれなりの金額(育休前の約80%)になります。手取りがいくらになるか下記のシミュレーションをチェックしておきましょう。
育休前(給付金をもらう前)
▶月収25万円のとき
育休後(給付金が支給中)
▶月収16.8万円のとき
※上記の16.8万円は、育休で休業する前の月収が25万円だったときの育児休業給付金の額(1か月間30日支給された場合の金額)。
※くわしい計算式は上記を参照。
では次に、育休中の税金や社会保険料が0円になることについて下記で説明していきます。
育休中は社会保険料を免除することができます。
申請をすれば事業主と従業員両方の社会保険料が0円になります。従業員と事業主のどちらも0円になるので必ず申請するようにしましょう。
※厚生年金保険について、上記の免除期間は保険料を納めた期間として扱われます。
※健康保険証についても育休前と同様に使用することができます。
免除の申請は事業主が「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出することになります。
育児休業給付金は非課税所得のため収入や所得にはなりません。つまり、給付金について課税されることはありません。したがって、給付金にかかる税金は0円になります。
雇用保険に加入している場合に育休を取得したときじゃないと給付金は支給されません。
また、育児休業給付金には税金がかからないこと、そして育休中は社会保険料が免除されることは知っておきましょう。
また、育休中も働いて賃金を受けようとしている方は減額される可能性があることを覚えておきましょう。
育休中に給付金をもらいながら勤務先で働いて賃金を受けることもできます。ですが、給付される金額が減ってしまうことがあります。
さらに、80時間以上働くひとは給付金が支給停止されてしまうので気をつけましょう。
※妊娠中もそれほど辛くなくてアルバイトなどをして働きたいと思っているひとは気をつけてください。
くわしくは下記の記事で説明しています
育休中に働いたら給付金は減額する?副業やアルバイトも?