国民年金の納付猶予とは?支払う保険料を先送りしてもらえるが…?

2021.09.04 更新
日本では20歳から60歳未満の方は国民年金に加入して保険料を支払うことになります。ですが、お金がなくて払えないという方もいると思います。この記事では国民年金の納付猶予制度について簡単に説明していきます。
この記事の目次
国民年金の納付猶予制度とは?

国民年金の納付猶予とは、50歳未満の方の国民年金保険料を先送りしてその期間の保険料を0円にしてくれる制度です。

お金が無くて保険料を支払うことができない方は必ずこの制度を利用しましょう。

保険料の支払いを先送りしたぶんについてはあとから納めることもできます。
国民年金については国民年金とは?で説明しています。

お金がなくて保険料がはらえない…
20歳から60歳未満の方は国民年金保険に加入して保険料を支払う決まりになっています。学生であっても20歳から60歳未満なら国民年金に加入して保険料を支払わなければいけません。

ですが、お金がなくて困っている人などは「納付猶予」を申請することで保険料の支払いが猶予されます。

※猶予をしたぶんの期間が長ければそれだけ老後の年金が減ることも覚えておきましょう。くわしくはページ下記で説明しています。


国民年金の保険料はいくら?

国民年金の保険料は1年間で約20万円(月額約17,000円)です。ですが、納付猶予の申請を行えばその期間の保険料は猶予(先送り)されて0円となります。

以上のように納付猶予を利用すれば保険料が先送りされますが、納付猶予を受けるには条件があります。納付猶予を受けるつもりの方は下記で説明する条件をしっかりチェックしておきましょう。


国民年金の納付猶予を受けるには条件がある?

納付猶予を受けるには条件があります。かんたんに説明すると、あまりお金を稼いでいないことが条件です。


条件についてくわしく説明すると、50歳未満であり、本人の1年間の所得67万円以下(給与収入なら年間122万円)である必要があります。
※独身の場合。


「所得67万円ってなんのこと?」という方のために、以下でわかりやすく計算しながら説明しているのでチェックしておきましょう。

所得が57万円以下とは?
たとえばアルバイトをしており、1年間(1月~12月まで)の給料が年間122万以下なら給与所得は67万円以下となるので、国民年金の納付猶予を受けることができます。
※独身の場合。配偶者がいる場合には配偶者の所得も合計して67万円以下でなければいけません。くわしい内容はこちらの審査表を参照。

122万円給与収入55万円給与所得控除 = 67万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

では次に、納付猶予の申請について下記で説明していきます。申請書に記入して手続きを行わなければ猶予は適用されないので気をつけましょう。

申請が認められたら?

納付猶予を受けるには申請をしなければいけません。何もしないで年金の保険料が先送りされるわけではありません。

納付猶予の申請の手続きを行えば、国民年金保険料は0円になります。

申請はお住まいの市区町村役所や年金事務所にて受け付けています。申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

年金免除・納付猶予の申請書の様式

申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

申請書の書き方はこちらのページで説明しています。


未納のままにしておくと年金が受けとれなくなるので申請をしましょう

お金がなくて年金を払うのがむずかしいときには、ぜひこの制度を利用してください。
未納にしておくと受給資格は得られませんが、この制度を利用すれば、障害を負ったときに障害年金が受けとれないなどといったことを防げるので必ず申請しましょう。

※申請はお住まいの市区町村役所や年金事務所にて受け付けています。申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

では次に、年金の支払いを滞納したときのリスクについて下記で説明していきます。納付猶予などを申請しないで滞納しているひとは気をつけましょう。


国民年金を滞納するとリスクがある?どうなるの?

老後の年金は65歳になると受け取ることができます。ほかにも、病気やケガで障害を負ったり死亡したときには年金を受け取ることができます。


しかし、国民年金を支払っていなければ「老後の年金」も「障害年金」も「遺族年金」も受け取れません。

さらに、年金を支払わないで滞納していると延滞金が加算されたり、親族の財産が差し押さえされたりするので注意しましょう。

「でも、お金がなくて払えない…」という人は国民年金の免除制度を利用すると、年金が受けとれないといった問題を解決できるんです。


なので、もし保険料を支払うのが経済的にきびしいときは免除制度をかならず利用しましょう。

猶予されたぶんはあとから支払う「追納」ができる

納付猶予を受けた期間については10年以内であれば保険料をさかのぼって納める「追納」ができます。

将来受け取る年金額を減らしたくない人は経済的に余裕が出来てから追納をしましょう。
※たとえば2019年4月ぶんは2029年4月末まで。
※10年を過ぎたぶんは支払うことが出来ません。この場合、下記で説明するように老後の年金が減ってしまいます。

申請すれば年金を受けとる資格は得られるが、年金額には反映されない

納付猶予の申請をすればその期間の保険料は先送りされますが年金を受けとる資格は得られます。

ただし、猶予した期間は年金額には反映されないため、あなたが受けとる年金は減額されます。
全額免除の場合は1/2の減額で済みます。ですが、猶予を申請してあとから保険料を納付しなければ老後の年金は全額減額されます。

猶予をするデメリットは?2年間支払いを猶予したらいくら減額される?

年金の納付猶予にはデメリットがあります。それは、老後の年金額が減ってしまうことです。
たとえば2年間(24ヶ月ぶん)国民年金保険料の支払いを猶予申請し、猶予したぶんをあとから支払う「追納」をしなかった場合、老後にもらう国民年金(老齢基礎年金)は年間約4万円減額されます。ただし、追納を行えば老後にもらう国民年金は減額はされません。

※猶予した期間以外(20歳から60歳までのうち38年間)はすべて保険料を支払った場合。ちなみに、40年間すべて保険料を支払った場合には老後にもらえる国民年金(老齢基礎年金)は年間約78万円となります。厚生年金に加入していた期間があれば受けとる年金額はそのぶん増えます。

まとめ:国保の保険料も安くなる?

ここまで説明したように、納付猶予制度とは20歳から60歳未満の方が支払うことになる国民年金保険料を先送りしてくれる制度です。

現在お金が無くて保険料が支払えない方はかならず申請しましょう。

以下は納付猶予制度のまとめです。

まとめ

  • 納付猶予制度は保険料を先送りしてその期間の保険料を0円にしてくれる
    ※くわしい時間などについては上記で説明しています。

  • 納付猶予を受けるには50歳未満であり、所得が67万円以下である必要がある
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 猶予を受けるには申請が必要
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 納付猶予を受けた期間が長いほど老後の年金が減ってしまう。ただし、追納をすれば老後の年金は減らない
    ※くわしくは上記で説明しています。

国保の保険料も安くなる?
納付猶予を受ける方は上記のまとめを覚えておきましょう。また、納付猶予を受けるには条件があることや猶予をした期間が長ければ長いほど老後の年金が減ることも覚えておきましょう。

また、国民健康保険に加入しているひとは1年間の所得が少なければ保険料が減額されます。
※国保の減額については申請は不要です。

くわしい条件などについては下記のページで説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。

無職の場合の国民健康保険料はどれくらい?所得が少ないと安くなる?