年金の支払いが0円になる?国民年金の全額免除制度とは

2021.07.30 更新
20歳から60歳未満の人は国民年金に加入して保険料を支払うことになりますが、お金がなくて払えないという人もいると思います。この記事では国民年金の全額免除制度について簡単に説明していきます。
この記事の目次
国民年金の全額免除制度とは?

国民年金の全額免除制度とは、国民年金保険料を全額免除してその期間の保険料を0円にしてくれる制度です。
国民年金については国民年金とは?で説明しています。

この記事の要点

  • 全額免除してもらうには所得の条件をクリアしないといけない。

  • 書類を提出して申請する必要がある。

  • 年金の支払いを免除すると老後の年金が減る。

お金がなくて保険料が支払えない…

20歳から60歳未満の方はみんな国民年金保険に加入して保険料を支払う決まりになっています。

学生であっても20歳になれば年金保険に加入して保険料を支払わなければいけません。

ですが、お金がなくて経済的に困っている人は「全額免除」を申請することで保険料の支払いが免除になります。

国民年金の保険料はいくら?

国民年金の保険料は1年間で約20万円(月額約16,000円)です。ですが、「全額免除」の申請を行えば該当年度の保険料は0円となります。
ただし、免除をしたぶんの期間が長ければそれだけ老後の年金が減ることを覚えておきましょう(どれくらい減額されるかについてはページ下記で説明しています)。免除したぶんは10年以内ならあとで支払うことができます。

※学生の場合は保険料を先送りできる学生納付特例もあります。

国民年金の全額免除を受けるには条件がある?

全額免除を受けるには条件があります。かんたんに説明すると、あまりお金を稼いでいないことが条件です。


くわしく説明すると、本人と配偶者世帯主の所得を合計した金額が57万円以下である必要があります。
※1年間(1月~12月まで)の金額。
※子供などがいない場合。くわしい内容はこちらの審査表を参照。



所得57万円ってなに?というひとのために、以下で免除を「①受けられるパターン」と「②受けられないパターン」を説明していきます。

所得が57万円以下とは?①全額免除を受けられる場合と②受けられない場合
所得57万円以下で免除を受けられるパターン
たとえば現在アルバイトをしており、1年間(1月~12月まで)の給料が112万円以下なら給与所得は57万円以下となるので、国民年金の全額免除を受けることができます。

112万円給与収入55万円給与所得控除 = 57万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

※あなたが世帯主で独身の一人暮らしの場合。

所得57万円超えのため免除を受けられないパターン
たとえば親(世帯主)と同居しており、親の年間所得は200万円、あなたの1年間の給料が50万円(給与所得は0円)とした場合、本人と世帯主の所得の合計は200万円なので国民年金の全額免除を受けることはできません。
※あなたが独身の場合。上記の場合には全額免除を受けることはできませんが、支払いを先送りする国民年金の納付猶予を受けることができます。

申請書が必要?申請が認められたら?

免除の条件にあてはまっても、何もしなければ保険料は免除されません。

免除を受けるには申請書を提出または送付する必要があります。

申請はお住まいの市区町村役所や年金事務所にて受け付けています。申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

全額免除の申請の手続きを行えば、国民年金保険料は0円になります。

年金免除・納付猶予の申請書の様式

申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

未納のままにしておくと年金が受けとれなくなるので申請をしましょう

お金がなくて年金を払うのがむずかしいときには、ぜひこの制度を利用してください。未納にしておくと受給資格は得られませんが、この制度を利用すれば、もし障害を負ったときに「障害年金が受けとれない!」といったことを防げるので必ず申請しましょう。

免除されたぶんはあとから支払う「追納」ができる

全額免除を受けた期間については10年以内であれば保険料をさかのぼって納める「追納」ができます。将来受け取る年金額を減らしたくない人は経済的に余裕が出来てから追納をしましょう。
※たとえば2019年4月ぶんは2029年4月末まで。
※10年を過ぎたぶんは支払うことが出来ません。この場合、下記で説明するように老後の年金が減ってしまいます。

2年間支払いを全額免除したらいくら減額される?

たとえば2年間(24ヶ月ぶん)国民年金保険料の支払いを全額免除申請し、免除したぶんをあとから支払う追納をしなかった場合、老後にもらう国民年金(老齢基礎年金)は年間約2万円減額されます。

ただし、免除されたぶんをあとから支払う追納を行えば老後にもらう国民年金は減額はされません。
※全額免除した期間以外(20歳から60歳までのうち38年間)はすべて保険料を支払った場合。ちなみに、40年間すべて保険料を支払った場合には老後にもらえる国民年金(老齢基礎年金)は年間約78万円となります。厚生年金に加入していた期間があれば受けとる年金額はそのぶん増えます。

まとめ

ここまで説明したように、全額免除をすれば毎月の国民年金保険料は0円になりますが、免除をした期間が長いほど老後の年金は少なくなることを覚えておきましょう。

また、全額免除をするには申請が必要なことも忘れないようにしましょう。

ここまでのまとめ

  • 全額免除すると国民年金の支払いが0円になる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 全額免除を受けるには1年間の所得が57万円以下である必要がある
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 1年間の所得が57万円でも世帯主がたくさん稼いでいると全額免除を受けられない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 全額免除を受けるには申請が必要
    ※くわしくは上記で説明しています。

また、国民健康保険に加入しているひとは1年間の所得が少なければ保険料が減額されます。
※国保の減額については申請は不要です。

くわしい条件などについては上記のページで説明しているので気になる方はチェックしておきましょう。