国民年金の全額免除制度とは?支払いが0円になる?

2021.11.24 更新
20歳から60歳未満の人は国民年金に加入して保険料を支払うことになりますが、お金がなくて払えないという人もいると思います。この記事では国民年金の全額免除制度について簡単に説明していきます。
この記事の目次
国民年金の全額免除制度とは?

国民年金の全額免除制度とは、国民年金保険料を全額免除してその期間の保険料を0円にしてくれる制度です。
国民年金については国民年金とは?で説明しています。

ただし、全額免除を受けるには申請をする必要があります。

免除を受けるための条件や免除のデメリットなどについて説明しているので、免除を受けようとしている方はチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 20歳になると年金に加入して保険料を支払うことになる。

  • 全額免除してもらうには所得の条件をクリアしないといけない。

  • 免除申請をしないで年金を滞納するとリスクがある。

  • 年金の支払いを免除すると老後の年金が減ってしまうデメリットがあるが、追納すれば減ることは無い。

では最初に、20歳になったときの保険料について下記で説明していきます。年金について何も知らない方は1年間にかかる国民年金の保険料についてチェックしておきましょう。


お金がなくて保険料が支払えない…

20歳から60歳未満の方はみんな国民年金保険に加入して保険料を支払う決まりになっています。

学生であっても20歳になれば年金保険に加入して保険料を支払わなければいけません。

ですが、お金がなくて経済的に困っている人は「全額免除」を申請することで保険料の支払いが免除になります。

国民年金の保険料はいくら?

国民年金の保険料は1年間で約20万円(月額約16,000円)です。ですが、「全額免除」の申請を行えば該当年度の保険料は0円となります。
ただし、免除をしたぶんの期間が長ければそれだけ老後の年金が減ることを覚えておきましょう(どれくらい減額されるかについてはページ下記で説明しています)。免除したぶんは10年以内ならあとで支払うことができます。

※学生の場合は保険料を先送りできる学生納付特例もあります。

では次に、全額免除を受けるための条件について下記で説明していきます。自分の収入が少なくても全額免除を受けられない場合があるのでチェックしておきましょう。

国民年金の全額免除を受けるには条件がある?

全額免除を受けるには条件があります。かんたんに説明すると、あまりお金を稼いでいないことが条件です。


くわしく説明すると、本人と配偶者世帯主の所得を合計した金額が67万円以下である必要があります。
※1年間(1月~12月まで)の金額。
※子供などがいない場合。くわしい内容はこちらの審査表を参照。



所得67万円ってなに?というひとのために、以下で免除を「①受けられるパターン」と「②受けられないパターン」を説明していきます。

下記で具体的に金額をあてはめてシミュレーションしているので、全額免除を受けようとしている方はチェックしておきましょう。

所得が67万円以下とは?①全額免除を受けられる場合と②受けられない場合
所得67万円以下で免除を受けられるパターン(ひとり暮らしの場合)
たとえばあなたが世帯主で独身の一人暮らしであり、現在アルバイトをしており、1年間(1月~12月まで)の給料が122万円以下なら給与所得は67万円以下となるので、国民年金の全額免除を受けることができます。

122万円給与収入55万円給与所得控除 = 67万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

※あなたが世帯主で独身の一人暮らしの場合。

所得67万円超えのため免除を受けられないパターン(親と同居している場合)
たとえば親(世帯主)と同居しており、親の年間所得は200万円、あなたの1年間の給料が50万円(給与所得は0円)とした場合、本人と世帯主の所得の合計は200万円なので国民年金の全額免除を受けることはできません。
※あなたが独身の場合。上記の場合には全額免除を受けることはできませんが、支払いを先送りする国民年金の納付猶予を受けることができます。


親と同居していても免除を受けられるときもある?
親が年金収入のみであり、それほど収入が多くないなどの場合は免除を受けることができます※。たとえば親の年金収入が1年間で110万円以下なら親の所得は0円になります。したがって、親と同居していても所得が少なければ全額免除の条件を満たせる場合があります。
※本人と世帯主の所得の合計が67万円以下なら全額免除を受けることができます。年金についての所得は公的年金控除とは?年金にも税金がかかる?で説明しています。

以上のように、お金を稼いでいても1年間の所得が67万円以下なら全額免除を受けることができます。アルバイトを少ししているくらいの稼ぎなら問題なく申請することができるので安心してください。
※ただし、世帯主や配偶者がお金をたくさん稼いでいる場合は「1年間の所得が67万円以下」の条件をクリアできないので申請できません。

では次に、全額免除の申請について下記で説明していきます。条件にあてはまっても申請の手続きをしないと免除は受けられないので注意しましょう。


申請書が必要?申請が認められたら?

免除の条件にあてはまっても、何もしなければ保険料は免除されません。

免除を受けるには申請書を提出または送付する必要があります。

申請はお住まいの市区町村役所や年金事務所にて受け付けています。申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

全額免除の申請の手続きを行えば、国民年金保険料は0円になります。

年金免除・納付猶予の申請書の様式

申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

申請書の書き方はこちらのページで説明しています。

未納のままにしておくと年金が受けとれなくなるので申請をしましょう

お金がなくて年金を払うのがむずかしいときには、ぜひこの制度を利用してください。申請をしないで未納のままにしておくと受給資格は得られません。
ですが、全額免除を利用すれば障害を負ったときに「障害年金が受けとれない!」といったことを防げるので必ず申請しましょう。

では次に、年金の支払いを滞納したときのリスクについて下記で説明していきます。免除の申請をしないでそのままにしている方は注意しましょう。

国民年金を滞納するとリスクがある?どうなるの?

老後の年金は65歳になると受け取ることができます。ほかにも、病気やケガで障害を負ったり死亡したときには年金を受け取ることができます。


しかし、国民年金を支払っていなければ「老後の年金」も「障害年金」も「遺族年金」も受け取れません。

さらに、年金を支払わないで滞納していると延滞金が加算されたり、親族の財産が差し押さえされたりするので注意しましょう。

「でも、お金がなくて払えない…」という人は国民年金の免除制度を利用すると、年金が受けとれないといった問題を解決できるんです。


なので、もし保険料を支払うのが経済的にきびしいときは免除制度をかならず利用しましょう。

免除されたぶんはあとから支払う「追納」ができる

全額免除を受けた期間については10年以内であれば保険料をさかのぼって納める「追納」ができます。将来受け取る年金額を減らしたくない人は経済的に余裕が出来てから追納をしましょう。
※たとえば2019年4月ぶんは2029年4月末まで。
※10年を過ぎたぶんは支払うことが出来ません。この場合、下記で説明するように老後の年金が減ってしまいます。

免除をするデメリットは?2年間支払いを全額免除したらいくら減額される?

年金の免除をしたときのデメリットは老後の年金が減ってしまうことです。

たとえば2年間(24ヶ月ぶん)国民年金保険料の支払いを全額免除申請し、免除したぶんをあとから支払う追納をしなかった場合、老後にもらう国民年金(老齢基礎年金)は年間約2万円減額されます。

ただし、免除されたぶんをあとから支払う追納を行えば老後にもらう国民年金は減額はされません。
※全額免除した期間以外(20歳から60歳までのうち38年間)はすべて保険料を支払った場合。ちなみに、40年間すべて保険料を支払った場合には老後にもらえる国民年金(老齢基礎年金)は年間約78万円となります。厚生年金に加入していた期間があれば受けとる年金額はそのぶん増えます。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、全額免除をすれば毎月の国民年金保険料は0円になりますが、免除をした期間が長いほど老後の年金は少なくなることを覚えておきましょう。

また、全額免除をするには申請が必要なことも忘れないようにしましょう。

ここまでのまとめ

  • 全額免除すると国民年金の支払いが0円になる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 全額免除を受けるには1年間の所得が67万円以下である必要がある
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 1年間の所得が67万円でも世帯主がたくさん稼いでいると全額免除を受けられない
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 全額免除を受けるには申請が必要
    ※くわしくは上記で説明しています。

以上のように、去年の所得が少なければ国民年金の支払いを全額免除することができます。

ただし、全額免除を受けるには条件をクリアしなければいけません。自分の収入が0円でも世帯主がたくさんお金を稼いでいる場合は全額免除を受けられないことを覚えておきましょう。

上記の場合には全額免除を受けることはできませんが、支払いを先送りする国民年金の納付猶予を受けられる場合があるのでチェックしておきましょう。