社会保険とは?わかりやすく解説。5つの公的保険やしくみを説明

2023.05.24 更新

「社会保険ってなに?何のためにあるの?」という方もいると思います。公的保険である「社会保険」は私たちの暮らしのセーフティネットの役割を担っている大事な保険です。この記事では社会保険についてイラストとともに簡単に説明していきます。
この記事の目次
社会保険ってなに?何のためにある?
社会保険は避けることのできない生活上のリスクにそなえるためにある。

病気・ケガ・障害・死亡などの生活上のリスクは誰もが抱えており、これらのリスクをすべて避けて生きていくことは困難です。

そこで、これらの生活上のリスクを社会全体で対応しようという考えのもと作られたのが社会保険です。
※社会保険は国が税金などを使って運営する「公的保険」です。

リスクにそなえて国民があらかじめお金(保険料)を出し合い、リスクに見舞われた方に必要なお金やサービスを支給する仕組みになっています。
※この記事で説明するのは主に「広い意味での社会保険」についてです。勤務先で加入する「狭い意味での社会保険」については会社員などが加入する社会保険とは?を参照。

社会保険の仕組みは以下のとおり
社会保険のしくみ❶保険料を出し合う
社会保険のしくみ❶保険料を出し合う
社会保険のしくみ❷リスクにあったひとにお金やサービスを支給
社会保険のしくみ❷リスクにあったひとにお金やサービスを支給

➊リスクにそなえて国民があらかじめお金(保険料)を出し合う。
➋リスクに見舞われたひとに必要なお金やサービスが保険から支給される。

※小中学生に向けた内容についてはこちらのページを参照。ザッと社会保険について学ぶひとにとっておすすめです。

では次に、社会保険を構成する5つの保険について下記で説明していきます。社会保険がどんな保険でできているかチェックしておきましょう。

社会保険は5つの保険でできている?
社会保険は5つの保険でできている

社会保険は以下に示す5つの保険制度で構成されています。これら5つの保険がわたしたちの生活のリスクに対応してくれています。

下記で5つの保険がどんなことをしてくれるのか「保険の内容」を説明しています。日本に住んでいる方はかならず関わることになるのでチェックしておきましょう。

とくに医療保険と年金保険についてはかならず知っておきましょう。

5つの保険とは?どんな内容の保険?
社会保険を構成する5つの保険
社会保険を構成する5つの保険

①医療保険とは

病気・ケガにそなえる。すべての方が加入することになる。

※医療保険とは健康保険や国保などのことをいいます。
※医療保険については医療保険とは?を参照。



②年金保険とは

年をとったときや障害を負ったときなどに年金を給付する。20歳以上60歳未満のひとが加入する。

年金保険とは国民年金や厚生年金のことをいいます。
20歳以上60歳未満のひとが加入します。
年金保険については年金制度とは?を参照。



③労災保険とは

仕事上の病気・ケガにそなえる。会社員やアルバイトなど雇われて働くひとが加入する。

労災保険については労災保険とは?を参照。



④雇用保険とは

失業などにそなえる。雇われて働くひとが加入する。

雇用保険については雇用保険とは?を参照。



⑤介護保険とは

介護が必要になったときにそなえる。40歳以上のひとは全員加入する。

介護保険については介護保険とは?を参照。

▶社会保険料を支払えば税金が安くなる?
社会保険(上記5つの保険)の保険料を支払っていると税金が安くなる控除を受けることができます。
年収が増えれば支払う社会保険料も増えますが、そのぶん税金の負担を軽くしてくれる制度もあることを把握しておきましょう。

くわしい社会保険料については下記の記事を参照。
社会保険料控除とは?社会保険料とは?わかりやすく解説


社会保険にはセーフティネットの役割がある?

上記で説明した5つの保険が集まって社会保険はできています。

社会保険があることで、個人では対処しきれないリスク(病気や障害など)に対応することが出来ています。


社会の人々で互いに支え合う(保険料を出し合う)ことで病気や障害などのリスクに対処し、リスクに見舞われた方が社会からこぼれ落ちることのないようにする「セーフティネット」の役割を「社会保障(社会保険など)」が担っています。
※社会保険は国が税金などを使って運営する「公的保険」です。


みなさんが支払っている保険料は自分のためだけでなく、国民が安心して生活できるために使われています。

※セーフティネットについては下記の記事を参照。
社会保障制度とは?どんな制度なの?

普段生活していてもあまり実感できることではないですが、自分が支払った保険料が自分以外のだれかのために使われていることを知っておきましょう。
※高い保険料を毎月支払うのは嫌ですが、上記のことを考えれば嫌な気持ちも多少やわらぐと思います。


勤務先で加入する社会保険とは?
会社員などが加入する社会保険

勤務先で加入する社会保険は健康保険や厚生年金のことを指すのが一般的です。
※会社などに雇われている方が加入する「健康保険や厚生年金」のことも社会保険とよばれています。


会社員(サラリーマンなど)の方は入社する時点で社会保険に加入することになります。
※アルバイトやパート主婦の方などは働く時間などの条件を満たすことで加入することになります。


アルバイトや会社員、パートをする主婦などは下記の記事をチェックしておくといいかもしれません。

勤務先の社会保険について
健康保険とは:会社員やアルバイトなどの方が加入する医療保険のことです。

厚生年金とは:会社員やアルバイトなどの方が加入する年金保険のことです。
くわしくは下記の記事で説明しています。
会社員などが加入する社会保険とは?社保と国保はどう違う?

では次に、勤務先で加入する社会保険の保険料について下記で説明していきます。会社員などが毎月支払うことになる社会保険料は安い金額ではありません。


勤務先の社会保険料は会社なども負担してくれる?
社会保険料はそれなりの金額になる

社会保険はリスクにそなえてあらかじめお金(保険料)を出し合います。


ただし、社会保険は加入者の保険料だけで運営しているわけではありません。会社が支払う保険料公費(税金など)も社会保険を運営するために使われています。


そのため、歳をとったり病気をしたりしてリスクが高くなっても、加入者の保険料が高くなり過ぎたりせずに必要な給付を受けられるようになっています。
※高くなり過ぎないようにしているとはいえ、下記のようにそれなりの金額になるので覚悟しておきましょう。

勤務先の社会保険料をシミュレーション

サラリーマンやアルバイトなどの方が支払う社会保険料は以下のようになります。



1年間の収入が106万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約15万円(月額約13,000円)になります。
※手取りは1年間で約90万円になります。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。



1年間の収入が115万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約17万円(月額約14,000円)になります。
※手取りは1年間で約98万円になります。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。



1年間の収入が130万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約19万円(月額約16,000円)になります。
※手取りは1年間で約109万円になります。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。



1年間の収入が150万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約21万円(月額約18,000円)になります。
※手取りは1年間で約123万円になります。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。



1年間の収入が200万円のとき
勤務先の社会保険に加入した場合の保険料は年間で合計約29万円(月額約24,000円)になります。
※手取りは1年間で約161万円になります。

保険料は下記の計算機でシミュレーションしています。
手取りと税金をパッと計算!かんたんシミュレーション



ここまでのまとめ(社会保険とガン保険などの違いは?)
ガン保険などに入るときはよく考えてから

私たちは「社会保険」だけではなく、民間企業が運営している保険(たとえば生命保険やガン保険など)にも加入することが出来ます。


家族がいる場合、生命保険やガン保険などに関わる方も多くいると思います。


ですが、上記で説明したように社会保険だけでも様々な給付をしてくれています(医療保険や年金保険など)。
※とくに医療保険年金保険については高い保険料を支払うことになるので、しっかりチェックしておくことをオススメします。

それを理解したうえで、「それでも社会保険だけじゃ不安!ほかにもガンに対する保険もほしい!」と思う方はガン保険や生命保険に加入しましょう。

民間保険はよく考えてから加入しましょう

ガン保険などの民間保険に加入すれば保険料を支払うことになります。したがって、自分のライフスタイルを考えたうえで民間保険が必要かどうかしっかり考えましょう。

「大人だから保険に加入しておく」のような意味不明な理由で加入しないようにしましょう。民間保険についてくわしくは下記の記事で説明しています。

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