社会保険と国民健康保険どっちが安い?年収別に比較

2021.10.01 更新
会社などの勤務先で加入する社会保険(健康保険)と国民健康保険の料金はどのくらい違うのか気になる方は多いと思います。この記事では社会保険と国民健康保険の保険料について説明していきます。
この記事の目次
社会保険と国保の保険料の違いをシミュレーション

サラリーマンやアルバイトが会社などに勤務しているときは社会保険(健康保険)に加入することになりますが、退職して社会保険から脱退した後は国民健康保険に加入することになります。

どちらの保険も加入している間は保険料を支払うことになるのですが、それぞれ保険料が異なるので注意しましょう。


以下にサラリーマンの年収別に保険料をシミュレーションしました。

ちなみに、下記の表の国民健康保険料については「会社を退職して最初の年の保険料」として計算しています。

退職してすぐの保険料は安くない?
国民健康保険は前年1月~12月までの所得をもとに計算されるので、会社を退職して収入が0円になったとしても最初の年は保険料が安くありません。
もし去年1月~12月までの所得が0円なら国保の保険料は1年間で約20,000円になります(7割減額されるため)。


年収別に保険料をシミュレーション

※独身・サラリーマン・40歳未満・世田谷区でシミュレーション。
※社会保険はこちらのページで計算しました。
※国民健康保険はこちらのページで計算しました。

年収 社会保険
(健保)
国民健康保険
100万円 年間約52,000円
※ひと月あたり約4,300円。
年間約54,000円
※ひと月あたり約4,500円。
減額された場合は約27,000円になります。
150万円 年間約75,000円
※ひと月あたり約6,250円。
年間約102,000円
※ひと月あたり約8,500円。
200万円 年間約100,000円
※ひと月あたり約8,300円。
※厚生年金と合わせると約286,000円になります。
年間約137,000円
※ひと月あたり約11,400円。
※国民年金と合わせると約336,000円になります。
250万円 年間約118,000円
※ひと月あたり約9,800円。
※厚生年金と合わせると約340,000円になります。
年間約170,000円
※ひと月あたり約14,200円。
※国民年金と合わせると約370,000円になります。
300万円 年間約154,000円
※ひと月あたり約12,800円。
※厚生年金と合わせると約440,000円になります。
年間約204,000円
※ひと月あたり約17,000円。
※国民年金と合わせると約400,000円になります。
400万円 年間約201,000円
※ひと月あたり約16,800円。
※厚生年金と合わせると約574,000円になります。
年間約274,000円
※ひと月あたり約22,800円。
※国民年金と合わせると約470,000円になります。
500万円 年間約242,000円
※ひと月あたり約20,100円。
※厚生年金と合わせると約690,000円になります。
年間約350,000円
※ひと月あたり約29,000円。
※国民年金と合わせると約550,000円になります。
700万円 年間約350,000円
※ひと月あたり約29,000円。
※厚生年金と合わせると約978,000円になります。
年間約507,000円
※ひと月あたり約42,300円。
※国民年金と合わせると約707,000円になります。

※独身・サラリーマン・40歳未満・世田谷区でシミュレーション。
※社会保険はこちらのページで計算しました。
※国民健康保険はこちらのページで計算しました。

国民健康保険は前年1月~12月までの所得をもとに計算されるので、会社を退職して収入が0円になったとしても最初の年は保険料が安くありません。くわしくは下記のページで説明しています。


結局どっちが高いの?
では、上記のシミュレーション表を見て比べてみましょう。
※上記表の国民健康保険料については「会社を退職して最初の年の保険料」として計算しています。

国民健康保険と社会保険(健康保険)の保険料を比べてみると、国保のほうが高くなっています。ただし、「健康保険と厚生年金を合わせた金額」と「国民健康保険と国民年金を合わせた金額」を比べてみると、年収300万円以上のひとは「健康保険と厚生年金を合わせた金額」のほうが高くなります。

また、去年1年間(1月~12月まで)の所得が少なければ国民健康保険が安くなったり、年金を免除することができます。退職後にしばらくお金を稼ぐ予定のないひとは下記のページをチェックしておきましょう。

※年金免除については国民年金を免除すると0円になる?を参照。

では次に、健康保険の任意継続について下記で説明していきます。任意継続は全額負担になりますが場合によっては国保よりも保険料が安くなるときがあります。


任意継続のほうが安くなる場合も?退職後も健康保険に加入できる?

退職後は健康保険を抜けて国民健康保険に加入することになります。
※親族の健康保険の扶養に入る場合は除く。

ですが、本人が希望すれば退職等をした後も勤務先の健康保険に加入することができます。これを健康保険の任意継続といいます。
※任意継続は保険料を期限までに納付することによって個人の希望で加入期間を継続する制度です。

任意継続をすることで保険料は全額負担になりますが、ひとによってはメリットがあります。保険料が安くなったり、加入している保険組合によっては「ほかの公的保険よりも病院代が安くなる」などの給付を退職後も引き続き受けることができます。

たとえば退職前の給料が高かったひとは任意継続にしたほうが安くなる場合が多いです。退職する前にどっちが安くなるか比較して任意継続にするか国民健康保険に加入するか選択しましょう。

保険料以外に社会保険と国保の違いは?

給付される内容についてはどちらの保険も大きな違いはありません。保険に加入していれば病院代が3割負担になったり、赤ちゃんが生まれたら出産費用が支給されたりします。
※ほかにも100万円などの高額な治療費には上限がつくられるなど。


しかし、保険料や加入条件などは国民健康保険と健康保険(社会保険)で違いがいくつかあります。それぞれの違いについてまとめました。

計算方法の違いは?健康保険

※健康保険料の半分は事業主が支払ってくれます。
標準報酬月額とは月給の平均のようなものです。

計算過程
月収が25万円(年収300万円)とすると、標準報酬月額は26万円となるので、保険料率9.84%をかけると月額の保険料は、

260,000円標準報酬月額 × 9.84%保険料率 ÷ 2 = 12,792円月額の保険料
※半額分は事業主が支払うので÷2をして計算しています。

となります。したがって年間の保険料は、

12,792円月額の保険料 × 12か月 = 153,504円年間の保険料

となります。
※保険料率は協会けんぽの数値で計算しています。
※保険料はこちらのシミュレーションで計算。手取り収入や税金も気になるという方は計算してみましょう。


計算方法の違いは?国民健康保険


所得割:(年間の所得金額-43万円)×所得割率
均等割:均等割額×加入者数
平等割:定額
資産割:固定資産税×資産割率

所得割・均等割などについてはこちらを参照。

計算過程
保険料は所得割と均等割の合計となります(平等割と資産割は0円とします)。まず所得割を計算します。年間の給与収入200万円(給与所得132万円)、所得割率を9.54%とすると所得割は、

(132万円給与所得 – 43万円) × 9.54%所得割率 = 84,906円所得割
43万円は所得割を計算する上で所得から必ず差し引かれる金額。

となります。次に均等割を計算します。加入者数は世帯で一人なので均等割は、

52,000円均等割額 × 1人加入者数 = 52,000円均等割

となります。次に所得割と均等割を合計して保険料を計算します。保険料は

84,906円所得割 + 52,800円均等割 = 136,906円1年間の保険料

となります。
※世田谷区として計算。国民健康保険料のシミュレーションはこちらで行えます。
所得割や均等割などの金額はお住まいの地域によって変わります。くわしくはお住まいの地域のホームページを参照。


それぞれの違いの一覧表

国民健康保険 健康保険
加入条件は? ほかの医療保険の加入条件に該当しない方はすべて国民健康保険に加入。

※アーティスト・フリーランス・スポーツ選手・タレント・無業者・個人事業主など

会社に雇われている方で定められた時間以上の勤務をする方は加入。

くわしい加入条件についてはこちらを参照。

家族の扶養は? 国保には扶養というシステムはない。

世帯の加入者数などで保険料が決まる。

年収が130万円未満かつ健康保険に加入していない親族は扶養として加入できる。

扶養の方は保険料はかからない。

保険料は? 所得や世帯の加入者数などで保険料が増減する。支払いは家庭の世帯主に請求される。

くわしくは国民健康保険とは?保険料など説明を参照。

年収によって保険料が増減する。

健康保険の扶養に入っている家族などは保険料はかからない。くわしくは健康保険とは?を参照。

どこから配布される? お住まいの市区町村 協会けんぽまたは勤務先の保険組合

以上のように、社会保険と国民健康保険は保険料が異なり、また、保険料以外にも加入条件や扶養などが異なることを覚えておきましょう。

ただし、保険としての給付(病院代が3割負担になるなど)については大きな違いはないので安心してください。