退職して国民健康保険に未加入だとどうなる?保険料は?リスクなど説明

2022.05.06 更新
「会社を退職したけど保険の手続きが面倒だから加入しないでそのままにしている…」保険に加入していないとデメリットがあります。この記事では国民健康保険に入らないとどうなるのかについて簡単に説明していきます。
この記事の目次
退職して国民健康保険に入らないとどうなるのか解説

会社を退職してからやらなきゃいけない手続きがよくわからなくて面倒だからそのままにしている…という方は注意してください。

手続きをしないで国民健康保険に入らないままにしているといろいろなデメリットを受けることになります。

退職したあとの加入手続きや未加入のリスク等について説明しているので、退職予定の方などはしっかりチェックしておくことをおすすめします。

この記事の要点

  • かならず医療保険に加入しなければならない。

  • 国保に未加入だと延滞金以外にもいろいろなデメリットがある。

  • 国民健康保険は加入した翌月に納付書が送付される。

  • 退職して最初の年の保険料はそれなりの金額になる。

  • 前年の所得が少なければ保険料は減額される。

では最初に、医療保険の加入義務について下記で説明していきます。医療保険についてよくわからないという方はチェックしておきましょう。


国民はかならず医療保険に加入する義務があります

退職して社会保険を抜けたのに、面倒くさいからといって国民健康保険への加入手続きをしないでそのままにしてはいけません。
※無職で収入が0円の期間でも医療保険に加入しなければいけない決まりになっています。


日本に住んでいるひとは国の医療保険に必ず加入しなければなりません。


国の医療保険は大きく分けると4種類あり、以下のどれかに加入することになっています。自分がどれに加入しているのか知っておきましょう。

4つの保険のどれかに加入


健康保険
会社員またはその家族などが加入する

共済組合
公務員またはその家族などが加入する

後期高齢者医療制度
75歳以上の方が加入する

国民健康保険
フリーランス・スポーツ選手・アーティスト・タレント・無業者・個人事業主など上記3つの保険以外の方が加入する


会社をやめた人は社会保険から切り替えよう

今まで会社に勤めていたサラリーマンやアルバイトなどの方が退職し、社会保険(健康保険)から国民健康保険に変更するときは、お住まいの市区町村役所にて国民健康保険への加入手続きを行う必要があります。

退職してから国保への切り替えの手続きをしないで放置しているとデメリットを受けることになるので、国保に入ってない方はなるべく早めにお住まいの市区町村役所にて切り替えの手続きをしましょう。

では次に、国民健康保険に入らないで未加入のまま放置しているとどうなるのかどんなリスクがあるのか下記で説明していきます。


国民健康保険に加入しないとどうなる?どんなリスクがある?
国民健康保険に加入しないと、高額療養費が受けられないなどのデメリットがある

社会保険から切り替えるのを忘れたままにしていたり、わざと国民健康保険に加入しないで放置しておくと、病院で負担するお金が増えたり延滞金を徴収されたりなどのデメリットがあります。


退職する場合は早めに国保の加入手続きを行いましょう。


加入手続きをしないでそのままにしておいた場合のデメリットは以下のようなものがあります。

自己負担は3割から全額自己負担に?

社会保険や国保などに加入している方は病院や歯医者での治療代は3割負担で済みますが、未加入の場合は全額自己負担となるため、高額な治療代を請求されることになります。
「普段は病院に行かないから問題ない!」と考えている方もいると思いますが、万が一ケガや大きな病気などで入院となった場合に「お金が無くて治療が受けられない」ということがないように保険には加入しておきましょう。

くわしくはケガや病気の治療は3割負担!を参照。

約9万円で済む治療費が100万円に?

保険に未加入だと怖いのが大きなケガや病気になったときです。保険に加入していれば100万円の治療費が約9万円に減額される高額療養費制度が受けられます。しかし、保険に未加入の場合はそのまま100万円が請求されるので気をつけましょう。

赤ちゃんが産まれたときに42万円がもらえない?

赤ちゃんの出産費用は平均して約50万円かかるのですが、その負担を軽くするために保険から出産育児一時金42万円がもらえるしくみになっています。しかし、保険に未加入の場合はその42万円が支給されません

過去のぶんまで保険料が徴収される?

退職して国民健康保険に未加入のままにしてた人が加入手続きを行ったとき、加入資格が発生した日にさかのぼって最長2年分の保険料を納めることになります(加入の届出をした日からではありません)。

保険料を滞納している場合は?

保険料を滞納しているとお住まいの役所から督促状が届きます。さらに滞納が続くようであれば電話や文書または訪問による催告が行われます。滞納の処分として、預貯金や給料・車などの財産が法的な手続きのもと強制的に差し押さえられます。
また、滞納すればするほどそれだけ延滞金が加算されるため、保険料の支払いを忘れないよう気をつけましょう。退職して加入手続きをしていなくても退職した翌日が加入資格となるので、加入資格が発生した日から保険料が発生します。
ちなみに国保の保険料の支払いには時効があり、その期限は2年とされていますが、お住まいの役所から督促状などがくるたびに時効期限はリセットされます。


お金がなくて保険料を支払うのがきびしいときは?
お金がなくて保険料を支払うのがむずかしい場合は保険料を分割してくれたり、生活の状況によって減額してくれたりする場合があるので、早めにお住まいの役所にて手続きを行いましょう。

では次に、国民健康保険に加入したら保険料はいつから支払うのか下記で説明していきます。具体的に金額をあてはめて保険料のシミュレーションもしているのでチェックしておきましょう。


国保の保険料は加入してからいつ支払うの?

年度の途中で会社を退職して社会保険から国民健康保険に加入した場合は、加入手続きをした翌月にお住まいの市区町村から送られてくる納付書にて保険料を支払うことになります。
※4月に国民健康保険に加入手続きをした場合は6月中旬に納付書が送付されます(4月から翌年3月までの1年分)。
※お住まいの市区町村によっては年度の始まりが5月以降の場合があります。



ちなみに、国民健康保険料は前年1月~12月の所得などをもとに今年度の保険料(今年4月~翌年3月まで)が計算されます。


年度の途中で退職したときの保険料をシミュレーションしているので気になる方は下記をチェックしておきましょう。

退職した初年度の保険料
今年11月20日に退職した場合、国保の加入資格は11月からとなるので今年11月~翌年3月までの5カ月分の国民健康保険料を支払うことになります。

たとえば前年1月~12月までの給与収入が300万円だったとすると、今年4月~翌年3月までの国民健康保険料は約20万円となります。今年11月から加入したとすると、保険料は

20万円1年間の保険料 ÷ 12 × 5カ月分 = 約83,000円11月から翌年3月までの保険料
※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。
※保険料はこちらのページでシミュレーションできます。

となります。

退職した翌年度の保険料
今年11月20日に退職した場合、翌年4月~翌々年3月までの国民健康保険料は今年1月~12月までの所得などをもとに決定されます。

たとえば今年1月~12月までの給与収入が250万円だったとすると、翌年4月~翌々年3月までの国民健康保険料は約17万円となります。

※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。
※保険料はこちらのページでシミュレーションできます。
退職した翌々年度の保険料
今年11月20日に退職した場合、翌々年4月~翌々々年3月までの国民健康保険料は翌年1月~12月までの所得などをもとに決定されます。

たとえば翌年1月~12月までの収入が無職で0円だったとすると、翌々年4月~翌々々年3月までの国民健康保険料は約5万円(減額された場合は年間約14,000円)となります。

※世田谷区・独身・40歳未満の無業者として計算。
※保険料はこちらのページでシミュレーションできます。


退職してすぐの保険料は安くない?

上記のシミュレーションを見てわかるように、国民健康保険は前年1月~12月までの所得をもとに計算されるので、会社を退職して収入が0円になったとしても最初の年は保険料が安くありません。
ただし、去年1月~12月までの所得が0円なら国保の保険料は1年間で約20,000円になります(7割減額されるため)。

※くわしくは退職後の国民健康保険料はいくら?退職して1年目は高い?で説明しています。

では次に、国民健康保険の保険料が減額される場合について下記で説明していきます。


所得が少ないひとは国保の保険料が安くなる?

所得が少ないひとは保険料(均等割)が減額されます。去年(1月~12月まで)の所得に応じて7割~2割減額されます。

たとえば無職で今年度の収入が0円(所得が無い)場合、翌年の年間保険料は7割減額されることになります。

したがって、退職して最初の年は収入が0円でも保険料はそれなりの金額になる場合があるので覚悟しておきましょう。

保険料の減額例
国保の保険料は前年(1月~12月まで)の所得に応じて7割~2割減額されます。たとえば1年間の保険料(均等割)が48,000円なら14,400円~38,400円になるということです。
ただし、前年の所得がたくさんあったり、世帯主がお金を稼いでいたりする場合は保険料が減額されません。くわしくは下記の記事で説明しています。

無職の場合の国民健康保険料はどれくらい?所得が少ないと安くなる?


健康保険の任意継続にしたほうがいいときも?

本人が希望すれば退職等をした後も勤務先の健康保険に加入することができます。これを健康保険の任意継続といいます。

健康保険の任意継続をすると、全額負担になるので保険料が高くなる傾向があります。ただし、ひとによっては任意継続にしたほうが保険料が安くなったりするメリットがあります。

たとえば退職前の給料が高かったひとは任意継続にしたほうが安くなる場合が多いです。

退職する前にどっちが安くなるか比較して任意継続にするか国民健康保険に加入するか選択しましょう。下記の記事で保険料をシミュレーションしているので気になる方はチェックしておきましょう。

社会保険をやめたらどうなるの?

退職して社会保険から脱退したからといって、デメリットや不利益があるわけではありません。

病院代が3割負担になるなどの給付は社会保険も国保も同じなので安心してください。
※国民健康保険への加入手続きをしに役所に行くのが面倒なことくらいです。
※国民健康保険だと出産手当金傷病手当は受けられません。


保険料については退職前の年収によって異なるので、自分の保険料をザッと把握しておくことをオススメします。

国民健康保険には扶養に入れるシステムがない?

注意する点は、国民健康保険には親族を扶養に入れるシステムがないことです。

たとえば、今まであなたの社会保険の扶養に家族が入っていた場合、あなたが国民健康保険に加入すれば「あなたの家族も」国民健康保険に加入することになります。したがって、保険料が大きく増加する場合があるので心の準備をしておきましょう。

※ただし、あなたの親族が社会保険に加入していれば、親族の扶養に入ることができる場合があります。
※社会保険の保険料については被保険者の給料によって決定されるため、親族が扶養に入っても保険料が増えることはありません。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、すべての国民は医療保険にかならず加入しなければならないので、退職した場合はなるべく早く加入手続きをする必要があります。

また、手続きをしないで未加入のまま(国保に入ってない状態)にしている場合、デメリットがあるので気をつけましょう。
※手続きが多少遅れても怒られたりはしないのでなるべく早めに役所にいって加入手続きを行いましょう。

また、国民健康保険がわたしたちにどんなことをしてくれるのか知っておくことをオススメします。毎月高い保険料を支払うことになるので、保険の内容は知っておくべきことだと思います。
※くわしくは国民健康保険とは?を参照。

まとめ

  • 国民はかならず医療保険に加入しなければならない

  • 退職したら国民健康保険に切り替える手続きをする
    ※くわしくはこちらで説明しています。

  • 社会保険をやめても不利益はないが、家族を社会保険の扶養に入れていた場合は注意
    ※くわしくはこちらで説明しています。

  • 退職してから手続きをしないでそのままにしているとデメリットがある
    ※くわしくはこちらで説明しています。

  • 去年1月~12月までの所得が少ないひとは国民健康保険の保険料が2割~7割安くなる
    ※くわしくはこちらで説明しています。

退職して社会保険を脱退したのに国民健康保険の加入手続きが面倒でまだやっていないという方は注意しましょう。