世帯主と被保険者の総所得金額等合計とは?ケース別にシミュレーション

2024.09.23 更新
世帯主と被保険者の総所得金額等の合計が少ない場合には保険料などが減額されます。意味がむずかしそうに感じますが、内容はそこまで複雑ではありません。この記事では世帯主と被保険者の総所得金額等合計について説明していきます。

この記事の目次
世帯主と被保険者の総所得金額等合計とは?


世帯主と被保険者の総所得金額等合計とは、世帯主および被保険者それぞれの総所得金額等を合計した金額のことをいいます。

世帯主とは
世帯の代表者
※誰かわからないときは住民票を確認すればOK。

被保険者とは
国民健康保険に加入している人

総所得金額等とは
各種所得の合計
※漢字が多いですが、内容はそこまでむずかしくありません。

この金額があまり多くなければ国保の保険料などが減額されます。

誰の所得を合計する?3人家族の場合でシミュレーション


▶3人家族で世帯主以外が被保険者だと?

3人家族で世帯主以外の家族2人が国民健康保険の被保険者とします。この場合、3人全員の所得を合計した金額が「世帯主と被保険者の総所得金額等合計」となります。

4人家族で2人が社会保険のとき

4人家族で世帯主および母親が国民健康保険の被保険者であり、もう2人の家族は社会保険の被保険者とします。この場合、世帯主と母親の所得を合計した金額が「世帯主と被保険者の総所得金額等合計」となります。
※社会保険の被保険者2人の所得は合計に加算されません(国民健康保険の減額を判定する場合)。

では次に、世帯主と被保険者の総所得金額等合計を下記でシミュレーションしていきます。
※アルバイト収入や年金などの金額を具体的にあてはめて計算していきます。

世帯主と被保険者の総所得金額等合計をケース別にシミュレーションしてみよう

所得が少なければ国民年金や国民健康保険の保険料が免除または安くなります。

世帯主と被保険者の総所得金額等合計ってなに?という方のためにパターン別にシミュレーションして以下で説明していきます。

どういう計算をするのかわからない人はチェックしておきましょう。

被保険者本人が世帯主の場合は?
加入者が本人だけで、本人が世帯主の場合
ここからシミュレーション↓

たとえばあなたの収入がアルバイトの給与収入のみで1年間(1月~12月まで)で80万円のとき、給与所得は25万円となります。それ以外に所得がないので総所得金額等は25万円となります。

80万円給与収入55万円給与所得控除 = 25万円給与所得(総所得金額等)
給与所得控除については給与所得とは?を参照。
給与所得については給与所得シミュレーションで計算できます。
総所得金額等とは:各種所得の合計金額のこと。

この場合、あなたは保険料減額の対象になります。

本人が世帯主であり、本人以外に被保険者がいない場合には、本人の総所得金額等のみが保険料減額の所得審査の対象になります。
※国民健康保険の保険料軽減の判定の際は退職所得は含みません。

※国保の減額については国保の保険料の減額条件を参照。
※国民年金については国民年金を免除すると0円になる?を参照。


では次に、世帯主が父親の場合について下記で説明していきます。


世帯主が父親の場合は?
加入者が本人だけで、父親が世帯主の場合
ここからシミュレーション↓

たとえば世帯主(父親)の収入が給与収入のみで1年間(1月~12月まで)で500万円、被保険者本人の収入がアルバイトの給与収入のみで1年間で80万円のケースでシミュレーションしてみましょう。


まず父親の所得を計算
世帯主の給与収入は年間500万円なので給与所得は356万円になります。収入は給与収入のみであり、それ以外に所得がないので総所得金額等は356万円となります。

500万円給与収入144万円給与所得控除 = 356万円給与所得(総所得金額等)
給与所得控除については給与所得とは?を参照。
給与所得については給与所得シミュレーションで計算できます。
総所得金額等とは:各種所得の合計金額のこと。

次にあなた本人の所得を計算
次に、被保険者本人の給与収入は年間80万円なので給与所得は25万円となります。それ以外に所得がないので総所得金額等は25万円となります。

80万円給与収入55万円給与所得控除 = 25万円給与所得(総所得金額等)
給与所得控除については給与所得とは?を参照。
総所得金額等とは:各種所得の合計金額のこと。

最後に所得を合計
2人の所得がわかったので、世帯主と被保険者(あなた)の総所得金額等を合計すると、

356万円世帯主の総所得金額等 + 25万円被保険者の総所得金額等 = 381万円総所得金額等の合計
総所得金額等とは:各種所得の合計金額のこと。

となります。この場合、所得の合計が多いので、被保険者は保険料減額の対象にはなりません。
※国保の減額については国保の保険料の減額条件を参照。
※国民年金については国民年金を免除すると0円になる?を参照。

世帯主が本人以外の親族(父親など)の場合には、世帯主と被保険者本人の総所得金額等の合計が保険料減額の所得審査の対象になります。
※国民健康保険の保険料軽減の判定の際は退職所得は含みません。
※ただし、本人が世帯分離をしており、本人の所得が少ない場合は減額の対象になります(本人が世帯主の場合)。

では次に、被保険者が複数いる場合について下記で説明していきます。



被保険者が複数いる場合は?
加入者が複数いて、世帯主が本人以外の加入者である場合
被保険者本人が世帯主であり、ほかにも親族に被保険者がいる場合には、世帯主と被保険者の総所得金額等の合計が保険料減額の所得審査の対象になります。
※国民健康保険の保険料軽減の判定の際は退職所得は含みません。
ここからシミュレーション↓

たとえば世帯主を含めて被保険者の人数が3人おり、父親の収入が年金収入のみで1年間(1月~12月まで)で150万円、母親の収入が年金収入のみで年間100万円、子供(あなた)の収入がアルバイトの給与収入のみで年間80万円のケースでシミュレーションしてみましょう。
※父親・母親の年齢は65歳以上とします。


まず父親の所得を計算
父親の年金収入は年間150万円なので年金所得(雑所得)は40万円になります。収入は年金収入のみであり、それ以外に所得がないので総所得金額等は40万円となります。

150万円年金収入110万円公的年金等控除 = 40万円雑所得(総所得金額等)
※65歳未満の場合は控除額が変わります。
※年金についての所得は年金所得シミュレーションで計算できます。
公的年金等控除については公的年金等控除とは?を参照。
国保の軽減の際は、厳密には公的年金等についての所得がある場合はその金額から15万円を控除した金額が判定対象となります(つまり、上記の場合は40万円 – 15万円 = 25万円が判定対象の所得となります)。
雑所得については雑所得とは?を参照。

次に母親の所得を計算
次に、母親の年金収入は年間100万円なので年金所得(雑所得)は0円になります。収入は年金収入のみであり、それ以外に所得がないので総所得金額等は0円となります。

100万円年金収入110万円公的年金控除 = 0円雑所得(総所得金額等)
※65歳未満の場合は控除額が変わります。
※年金についての所得は年金所得シミュレーションで計算できます。
公的年金等控除については公的年金等控除とは?を参照。
雑所得については雑所得とは?を参照。

次にあなたの所得を計算
子供(あなた)の給与収入は年間80万円なので給与所得は25万円となります。それ以外に所得がないので総所得金額等は25万円となります。

80万円給与収入55万円給与所得控除 = 25万円給与所得(総所得金額等)
給与所得控除については給与所得とは?を参照。
給与所得については給与所得シミュレーションで計算できます。
総所得金額等とは:各種所得の合計金額のこと。

最後に所得を合計
全員の所得がわかったので、被保険者3人の総所得金額等を合計すると、

40万円父親の総所得金額等 + 0円母親の総所得金額等 + 25万円子供の総所得金額等 = 65万円総所得金額の合計
総所得金額等とは:各種所得の合計金額のこと。

国保の軽減の際、公的年金等についての所得がある場合はその金額から15万円を控除した金額が判定対象となります(つまり、上記の場合は40万円 – 15万円 = 25万円が父親の所得となります)。

となります。この場合、被保険者は保険料減額の対象になります。
※国保の減額については国保の保険料の減額条件を参照。
※国民年金については国民年金を免除すると0円になる?を参照。

では次に、所得が少ないと保険料が減額される場合について下記で説明していきます。また、扶養するときのデメリットなどにも気をつけましょう。

所得が少ないと保険料などが減額される

世帯主被保険者の総所得金額等合計は、保険料が安くなったりするときの判定に使われます。
総所得金額等とは各種所得の合計のこと。


この金額が少なければ保険料が減額されるので、保険料を安くしたい方は自分の世帯の総所得金額の合計をチェックしておきましょう。
※保険料の減額については無職の場合の国民健康保険料はどれくらい?を参照。

親を扶養する場合はデメリットも知っておきましょう

同世帯の親を扶養する方はデメリットもあることを知っておくといいかもしれません。
親を扶養すれば節税などのメリットを受けることが出来ますが、介護保険料が増えるなどのデメリットもあります。

親が介護と無縁なくらい元気なら問題ありませんが、介護サービスを頻繁に利用している場合はデメリットがあるので気をつけましょう。

※くわしくは下記の記事で説明しています。
親を扶養に入れるとデメリットが3つある?介護保険料が上がる?

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