年金・保険関連
更新日:2023年5月21日


介護サービスの利用料
介護保険があれば介護サービスを1割負担で利用できます


たとえば要介護度5の方が養護老人ホームを利用したとき、施設サービス費が270,000円だとすると1割負担で27,000円となります。
※要介護5とは「介護なしでは日常生活がほぼ不可能な状態」をいいます。


ただし、サービスを利用する本人の収入によっては負担割合が2割または3割になります。たくさん年金収入があったりお金を稼いでいる65歳以上の人はチェックしておきましょう。

負担割合は収入によって変わる

※年金収入とは公的年金等の収入のこと。非課税年金(障害年金・遺族年金など)は含みません。
※その他の合計所得金額は、公的年金等の収入以外の合計所得金額。
合計所得金額とは各種所得の合計のこと。

年金以外に収入がなくて1年間の収入が270万円未満なら?

たとえば65歳以上の方で収入は公的年金等のみであり、受け取った年金額が1年間(1月~12月まで)で270万未満(つまり、合計所得160万未満)なら介護サービスの利用料は1割負担で済みます。

年金の所得計算例
270万円年金収入110万円公的年金等控除 = 160万円雑所得(合計所得金額)
公的年金等控除については公的年金等控除とは?を参照。

上記の場合、年金についての所得(雑所得)のほかに所得がないので160万円が合計所得金額となります。

したがって、受け取った年金額が1年間(1月~12月まで)で270万円未満なら合計所得が160万円未満になるので介護サービスの利用料は1割負担で済みます。

支給限度額(自己負担1割~3割で介護サービスを利用できる範囲)
介護保険があればほとんどの方は介護サービスを1割負担で利用できますが、それにも限度があります。それは支給限度額を超えるまでです。


支給限度額とは、介護サービスを受けるひとの容態によって決められるもので、その範囲内であれば介護サービスを1割負担で利用できるというしくみになっています。

しかし、支給限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。

居宅療養管理指導など、支給限度額の対象にならないサービスもあります。


支給限度額は介護の程度によって決まる
たとえば要介護3の方は介護サービス料が270,480円までなら1割負担(27,048円)で利用できるということです。

要介護度について
市区町村から要介護・要支援の認定を受けると、本人の心身の状態によって、7段階の要介護度および非該当のいずれかに分けられます(下記の表3)。本人が7段階の要介護度のいずれかに認定された場合、介護保険サービスを利用することができます。

非該当と認定された方でも、介護保険制度による地域支援事業を利用し、介護予防のためのサービスを受けることができます。


表3 要介護・要支援状態区分のめやす

では次に、老人ホームの利用料の目安について下記で説明していきます。

老人ホームの利用料の目安
介護サービスを利用する場合、介護保険があれば1割負担で利用できます(本来のサービス利用料が30,000円なら3,000円で利用できるということ)。
ただし、収入によっては2割~3割になる場合があります。くわしくは上記で説明しています。


たとえば要介護度5の方は以下のような利用料になります。施設サービス費は本来270,000円ですが、1割負担で27,000円となっています。
※要介護5とは「介護なしでは日常生活がほぼ不可能な状態」をいいます。

※ただし、所得が低い方は食費と居住費が安くなります。これについては、特定入所者介護サービス費(補足給付)とはのページを参照。
1割負担だからといって介護サービスをたくさん利用するのは注意
「高齢者だから介護サービスをいっぱい利用しよう、どうせ1割負担だし、たいした金額にならないだろう」と考えている方は要注意です。

たとえば本人の要介護度が1なのにいろいろな介護サービスを「支給限度額の範囲」を超えて利用してしまうと、超えたぶんの利用料が全額自己負担になってしまい、高額な費用を負担することになります。

なので、しっかり支給限度額のことを考えて介護サービスを利用しましょう。

また、親を扶養すると介護保険料や介護サービスの負担割合が上がってしまう場合があります。

親が介護と無縁なくらい元気なら問題はありませんが、介護サービスを利用するくらいの状態の場合は気をつけましょう。

親を扶養したときのメリットとデメリットについて上記の記事で説明しているので、親を扶養するつもりの方はチェックしておきましょう。